トランプ関税ですが…

 昨日、このブログでトランプの裏にベッセント財務長官とラトニック商務長官の二人がキーパーソンとして存在していることを紹介しました。

 そして、16日には日本側とベッセント財務長官の交渉が始まる訳ですが、見通しは非常に暗いと思っています。

 どういうことかと言えば、昨日説明したとおり、ベッセント氏は本来トランプ関税を全然支持していないとしか思えません。しかし、トランプに対しては極めて従順な態度を示しています。一方、ラトニック氏の方は、関税をかけることこそ米国の製造業を復活させる道だと信じています(本当に心底そのように信じているかどうかは別として、そうやってトランプを応援しているのです)。

 そして、この二人は言わばライバルみたいな存在だから、ベッセント氏としては、関税戦争の様相が強まることを避け、なおかつトランプを喜ばせるためには日本から大きな得点を挙げるしかないからです。

 そして、その得点になり得るものとしては、農産物の輸入自由化をもっと認めさせることや防衛費のさらなる増大を認めさせることになりますが…

 そんなことをしたら、日本の農業は益々疲弊してしまうでしょ?

 また、防衛費の増大にしても、どこにそんな財政的な余裕があるのか、と。

 それに、自衛官になる人が十分に確保できない状況で、防衛費を増やしても、結局、戦闘機やなにやらを買わされるだけのことでしょ?

 仮に防衛費の増大が本当に必要だというのであれば、もっと違ったお金の使い道があると思うのですよ。

 だから、ベッセントと話をしても展望は開けないと思うのです。

 では、アメリカが主張する高い関税を容認するのかと言えば…

 否、別に容認する必要はないのです。

 でも、そんなことをすれば、日本が報復関税をかけるかどうかに関係なく、トランプ関税によって輸入品の価格が上がりインフレが酷くなるでしょ?

 そうなると、アメリカの一般の人々にしわ寄せが及ぶのは明らかなのですから、トランプ政権に対する不満が高まり…恐らくトランプ政権は関税政策を止めざるを得なくなると思うのです。

 つまりね、確かに高い関税をかけられると、日本の輸出産業は壊滅的な影響を受けると懸念される訳ですが…

 でも、そんな理不尽な関税政策が長続きする筈はないのですよ。

 だから、ここは、ベッセントから出される不合理な要求を呑ねば結局、損をするだけなのですよ。

 だから、決して早まって妥協してはいけません。

 もう少し時間をくれと言って、引き伸ばし作戦を図ることが重要ですよ。

 
 ベッセントとラトニックを比べると、関税政策に対して消極的なベッセントの方が交渉しやすいと映るかもしれませんが…むしろ日本を食いものにするのはベッセントの方と考えるべきなのですよ。

 何と言っても、ポンド危機で英国を震え上がらせた男ですから。


  
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