ようやく日銀が利上げを行うこととなりそうなのは報道のとおりです。

 6月9日付の日経の記事です。

 日銀、6月利上げ1.0%へ 国債買い入れは減額停止で調整

 日銀は15〜16日に開く金融政策決定会合で利上げを決める方針だ。物価の上振れリスクに備え、政策金利を現状の0.75%から1.0%に引き上げる。国債の買い入れ額を減らす措置は市場の安定を重視し、来春以降に停止する方向で調整に入った。

 植田和男総裁ら日銀執行部が16日の会合で利上げ議案を提出し、9人いる政策委員の賛成多数で決める見通しだ。国債買い入れの減額停止案は政策委員の過半が支持する情勢で、政府...


 皆さん、この記事についてどのようにお感じになったでしょうか?

 やっと利上げが認められるのか、なんて思って、そこで思考が停止していませんか?

 インフレが今後酷くなりそうな状況なので、利上げは当然です。

 というか、利上げをしてもまだまだ実質金利がマイナスである状況は解消できないのですから、今後も着実に利上げを行うべきことは言うまでもありません。

 ただ、おかしいのは、日銀が国債購入減額措置を停止する方向で動いているということです。

 専門的な話になって恐縮ですが…

 国債の購入額を減らすということは、非常に緩やかではありながらも、金融を引き締めているということですよね?

 しかるに、国債の購入減額をストップするということは、それ以降、同じペースで国債を日銀が買い続けますよと言っている訳ですから、少しも引き締めにならないのですよ。

 ちゅうことは、短期金利というか政策金利は引き上げて、金融の引き締めを目指すものの、長期金利の方は、引き締めをストップさせるということになるのです。

 もう一つの6月10日付の日経の記事も御覧下さい。

 日銀の国債購入転機、27年春減額停止で調整 金利急騰で市場安定に配慮

 日銀は15〜16日の金融政策決定会合で、国債購入を段階的に減らす措置を2027年4月以降は停止する方向で調整に入った。過去2年間は金融正常化の一環で国債購入を減らし、保有残高を圧縮してきた。投資家の売買を通じて金利が形成される市場機能が回復してきたことを踏まえ、金利急騰リスクにも配慮し市場の安定に重心を置く

 おかしな記事ですよね、これ。

 「金利急騰で市場安定に配慮と」言うと、なにか正しい、合理的なことをやるように聞こえるのですが…

 市場の価格形成機能を反映して、金利、或いは国債の価格が形成されるのに、その機能が発揮することを疎外しようというのが、日銀が考えていることなのですよ。

 確かに長期金利の上昇のペースは速すぎるように見えるかもしれませんが…それは、黒田日銀体制で行われた膨大な国債の購入が異常すぎたことの反発に過ぎません。

 つまり、それまでの長期金利が余りにも低すぎたのですよ。だから、正常化の過程で金利が上がっているだけなのに、急激な金利の上昇に見えてしまう、と。

 しかし、それでもなお実質金利はマイナスの状況にあることを考えれば、ここで長期金利の上昇を抑え込もうとすることこそ理屈に合わないのです。

 恥を知れ、日経新聞と言いたいですよ。

 ということで、長期金利の上昇のペースが速いことに警戒感を抱いたバカイチ政権が日銀に圧力をかけているから、こんなことになるのですよ。

 長期金利が上がる、イコール国債の価格が低下するということは、高市政権の財政政策が失敗しているように見られてしまうではないか、と。だから、なんとかできないか、と。

 つまり、高市政権が日銀に対して、これ以上長期金利が上がらないようになんとかしろと圧力をかけている、と。

 でも、今後インフレが酷くなると見る向きが増えているのですから、そのインフレ率に見合って金利が上昇するのは当然のことでしょ?

 インフレ率に見合わない金利水準だったら、国債を保有することで損失を被ってしまうのですから。

 にも拘らず、国債の価格が下がることのないように何とかしろと圧力をかける高市政権。

 そして、そうした圧力に抵抗できない植田総裁。

 なんと哀れな植田総裁か!!

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