経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

カテゴリ: 国際経済

 本日、トランプ政権が貿易収支の算出方法を変えるかもというニュースが流されています。

 貿易収支の算出方法?

 具体的には、「再輸出」を輸出から除外するのだ、と。

 再輸出とは、海外から輸入したモノをそのまま、また他の国へ輸出することを意味します。

 例えば、米国はメキシコやカナダに多くの自動車を再輸出しているらしいのですが…その再輸出分を輸出から除外すると、特にメキシコとの関係では貿易赤字が今まで以上に膨らんで見えるようになるのだ、と。

 トランプ大統領は、メキシコからの輸入を減らしたいのですよね?

 そうするためには高関税をかけることも厭わない、という訳ですから。

 でも、こうして再輸出分を輸出から除外してしまうと、益々米国の貿易赤字が膨らんでみえてしまうのですが…

 米国は一体、何を考えているのでしょう?

 米国の貿易赤字をより膨らんで見せることによって、トランプ氏の保護主義政策に対する支持を高めたいのだ、とか。

 全く、納得ができないというか…バカじゃないかと思ってしまいます。

 案の定、米国通商代表部も反対しているのだとか。

 こんな人が一国のリーダーをしていたのでは、無駄に時間が過ぎていくばかりのような気がします。


 米国は、本当に貿易赤字を減らしたいのなら、例えば日本人でも買いたくなる魅力のある、しかも安い自動車を作るべきだと思う方、クリックをお願い致します。
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 2016年の我が国の貿易収支が6年ぶりに黒字になったと報じられています。

 その原因は、輸出が回復しているというよりも、原油価格の低迷や円高で輸入額が大きく減少していることが大きいようです。

 ところで、ロンヤス時代に聞いたようなセリフで日本の市場が開かれていないと批判するトランプ大統領ですが…では、対米貿易の状況はどうなっているかと言えば…我が国の対世界の貿易収支が赤字に転落した期間を含めて、ずっと黒字を計上しているのです。

 この10数年間で一番対米黒字が大きかったのは、世界経済が順調だった2006年で、年間輸出が16.9兆円であったのに対して輸入は7.9兆円で差し引き9兆円の黒字だったのです。直近の2016年にはどうなっているかと言えば、輸出が14.1兆円であるのに対して輸入が7.3兆円であり、差し引き6.8兆円と相当な額となっているのです。

 まあ、トランプ大統領でなくても、貿易が不均衡であることを嘆きたくなる気が分からないでもありません。

 では、我が国はどんな製品を主に米国に輸出し、どんなものを米国から輸入しているかと言えば…輸送用機械が5.8兆円、一般l機械が3兆円、電気機器が2兆円程度となっています。輸送用機械というのは、主に自動車からなるのですが、自動車の輸出台数は175万台だと言います。では、米国からは何台くらい自動車を輸入しているかと言えば、約2万台。

 これまた、トランプ大統領が嘆きたくなる気が分からないでもありません。

 但し、米国のカーメーカーの姿勢を見ていると、本気で海外に輸出をして稼ごうという気があるのかと思ってしまいます。だって、日本に車を売り込むためには、日本人がどんな車を求めているかを知る必要があるのですが、そんな努力をしているとはとても思えません。

 米国の日本向けの輸出は、ご承知のとおり、主に穀物や肉類などの食料品であり、あとは化学製品、電気機器、一般機械と続きます。
 

 フォード・モーターのマーク・フィールズ最高経営責任者(CEO)は24日、トランプ米大統領との会談後、「すべての貿易障壁の根源は為替操作だ」と述べ、米国勢は、日本が為替相場を円安に誘導することで米国への自動車輸出を増やしているなどと主張しているとの考えであるようですが…

 グラフをご覧ください。

米国向け自動車の輸出台数


 この10数年間の対米自動車輸出台数の推移を示したものですが、安倍政権になって円安が進んだからといっても、それによって自動車の輸出が増えた形跡は殆ど確認されないのです。

 学習効果のないアメリカです。



 全ての外国のせいにするのがアメリカ人なのかと嘆きたくなったという方、クリックをお願い致します。
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 激動の2016年も残り約3週間となりました。

 年明けとともに世界的な株価の下落が起きた訳ですが…逆に年末を控えた今、株価は様変わりの様相を呈しています。

 しかし、その一方で変わらないこともあります。

 それは、中国からの資本流出が続いているということです。

 2016年1月27日、私は、「2016年中に5520億ドル(65兆円)の資金が中国から流出すると予測する国際金融協会」と題する記事を書きました。

 で、実際にはどうなっているかと言えば…

 Wall Street Journal が次のように報じています。

 The Institute of International Finance, a Washington-based group of global financial institutions, estimates net capital outflows of $530 billion from China in the first 10 months of the year.

 「ワシントンに本部がある世界の金融機関の集まりである国際金融協会は、今年の10月までに中国から5300億ドルのネットの資本流出が起きたと見積もっている」

 10か月で5300億ドルということは、1年に換算すれば6360億ドルということで、予想した以上のペースで資本流出が続いているということになります。

 では、どうして資本流出が止まらないのか?
 
 As Beijing Battles to Keep Yuan at Home, Chinese Prepare to Sell(「中国当局が人民元を国内に留めようとする一方で、人々は売る準備をする」)と題するWall Street Journal の記事は、次のようなことを言っています。

 ・中国の人々は人民元の価値が将来もっと低下すると予想しているので、人民元をドルなどに交換して外国に持ち出そうとする動きが止まらない。

 ・個人には年間5万ドルまでの外貨交換制限が課せられているが、これが縮小されるのではないかとの憶測がある。

 ・外貨交換制限枠を使い果たしている個人も、年が明ければ新たな枠を使うことが可能となるので、1月には資本流出が加速する可能性がある。

 ・外貨交換制限枠を縮小すれば、資本流出の流れを弱めることができるかもしれないが、その一方で、むしろ人民元のパニック売りを誘発してしまうリスクもある。


 ということで、人民元安の動きは当分止まりそうもないというところなのですが…しかし、同時にそれは、中国当局の意に反する結果であることも明らかなのですが…そうした事実にトランプ次期大統領はどう対応することになるのでしょうか?

 米国の一般の人々がそのような事実について理解したとき、トランプ氏の言うことに信頼を寄せる人はいなくなってしまうと思います。

 


 トランプ次期大統領と安倍総理は、誰かを悪者にして弱者の共感を呼ぼうとしている点では共通しているなと思う方、クリックをお願い致します。(トランプ氏は、中国やメキシコを悪者にし、そして、安倍総理は旧日本銀行がデフレを起こしたとして悪者扱いしたのです)
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 中国の11月末の外貨準備高が発表になりました。

 前月末より691億ドル少ない3兆516億ドルになったそうです。

 因みに、我が国の11月末現在の外貨準備高は1兆1219億ドルですから、我が国よりも遥かに多い外貨準備を保有していることが分かります。

 但し…重要なことは、その中国の外貨準備高は、ピーク時に比べるとかなり減っているということなのです。

 これまでのピークは、2014年6月の3兆9932億ドルですので、ほぼ4兆ドルと言っていいかと思うのですが、それが3兆ドル程度までに減ってしまったので、25%ほども減少しているのです。

中国の外貨準備高 2016−11 改訂版



 では、何故中国の外貨準備が減っているかと言えば…

 何故でしょう?

 中国の経済が減速気味となっており、資本が海外に流出しているから?

 如何でしょうか?

 そのようにお考えになった方がいるかもしれませんが、それは正解ではありません。

 否、資本が海外に流出しているというのが間違っているというのではありません。

 確かに資本の流出は起きていると思うのですが、通常、外貨準備とは、公的部門が保有する外貨等を指すので、そのような動きは「外貨準備」には反映されないからです。

 つまり、中国の外貨準備が減っているということは、中国の公的部門が保有する外貨が減っているということを意味するのですが…では、何故公的部門の保有する外貨が減っているかと言えば、その主な理由は、資本の流出を背景とする元安を食い止めるために、当局が保有する外貨を売り、人民元を買い支える介入を行なっているからなのです。

 これまでも何度か言及してきましたが、トランプ次期大統領が、中国が不当な為替介入をして人民元の価値を低くしているという批判が全く的を得たものではないことがこれでよく分かると思うのです。

 但し、11月の中国の外貨準備高が減った理由はそれだけではありません。

 日経は、次のように書いています。
 「国家外貨管理局は7日、通常は公表しない外貨準備高の減少要因の分析を発表した。
 
 1つ目の要因は人民銀による為替介入。トランプ氏が米大統領選に当選してから元は他の新興国通貨と同様に対ドルで下落した。人民銀はドル売り・元買いの為替介入を実施しており、外貨準備で保有する米国債などが売却で減少したとみられる。」

 こんなことを中国当局がわざわざ発表するということは、トランプ次期大統領に対して、事実をよく認識して欲しいということなのでしょう。

 ただ、国家外貨管理局は、他にも2つ理由を挙げています。

 なんだかわかりますか?

 一つは、米国債の価格が下落したこと。そして、もう一つは、ドル高になったこと

 どうしてこれらのことが理由になるのかお分かりでしょうか?

 少し考えてみてください。

 米国債の価格が下落する、つまり、米国債の利回りが急上昇すると、どうして中国の外貨準備が減るのか?

 答えは、国債の価格が下落すると、それがそのまま外貨準備に反映するからです。

 では、ドル高になると何故中国の外貨準備は減るのか?

 外貨準備はドル建てで表示されているので、幾らドル高になっても関係がないように思う人がいるかもしれません。

 答えは、中国が例えばユーロ建てや円建ての資産を保有している場合、それらのドル建ての評価額がドル高になった分だけ減少してしまうからなのです。

 つまり、トランプ氏が次期大統領になることが決定して以来、金利の上昇とドル高が起きていることも、中国の外貨準備高が減少する原因になっているということなのです。 

 因みに、この米国債の価格下落とドル高は、日本の11月末の外貨準備が減った理由にもなっています。



 中国も外貨準備高が3兆ドルを切ると、流石に先行きの不安が高まるのではないかと思う方、クリックをお願い致します。
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 本日は、トランプ氏の貿易政策について考えてみたいと思います。

 先ず、非常に基礎的なことから質問したいと思います。

 トランプ氏は、次の2つのうちのどちらの立場に立っているでしょうか?

 (1)自由貿易
 (2)保護主義

 さあ、如何でしょうか?

 トランプ氏は共和党に属しており、従って、自由貿易論者であるに違いないなんて答えた人はいないでしょうか?

 トランプ氏が本当はどう思っているかは分かりませんが、しかし、トランプ氏が選挙戦で訴えていたことから考えれば保護主義を支持しているとしか思えません。

 だって、TPPからは撤退すると言うし、中国製品には45%の関税をかけると言うし…

 どうみても、保護主義を支持しているとしか思えません。

 では、保護主義とはどのようなことを意味するのでしょうか?

 トランプ氏のスピーチはいつもアグレッシブであり、それから考えると保護主義を支持しているというのが皮肉にしか思えないのですが…

 以下、Investopediaからの引用です(訳は私のものです)。

 Protectionism refers to government actions and policies that restrict or restrain international trade, often done with the intent of protecting local businesses and jobs from foreign competition.

「保護主義とは、自由な貿易を制限する政府の措置や政策を意味し、国内産業の保護や海外との競争で職を奪われることを防ぐことを目的とすることが多い」

 Typical methods of protectionism are tariffs and quotas on imports and subsidies or tax cuts granted to local businesses.

「保護主義の典型的な措置は、関税や輸入割当、そして、国内産業に対する補助金や減税である」

 The primary objective of protectionism is to make local businesses or industries more competitive by increasing the price or restricting the quantity of imports entering the country.

「保護主義の主な目的は、輸入品の価格を引き上げたり、輸入品の量を制限することによって国内産業の競争力を付けることにある」


 保護主義の反対は、自由貿易ですが、自由貿易は次のように説明されます。
 
 Free trade is the economic policy of not discriminating against imports from and exports to foreign jurisdictions.

「自由貿易とは、海外からの輸入品や海外への輸出品に対してなんら差別的な措置を取らない経済政策のことである」

 Buyers and sellers from separate economies may voluntarily trade without the domestic government applying tariffs, quotas, subsidies or prohibitions on their goods and services.

「海外と取引をする輸出入業者は、彼らが扱うモノやサービスに対して政府が関税、輸入割当、補助金或いは禁止措置を課すことなく自由に取引を行うことができる」

 Free trade is the opposite of trade protectionism or economic isolationism.

「自由貿易は保護主義、或いは経済的孤立主義の反対の概念である」


 トランプ氏は、中国が米国に輸出攻勢をかけることによって米国の労働者から仕事を奪い、そして、米国のメーカーは、メキシコ等に工場を移転させることによっても米国の労働者から仕事を奪っていると主張している訳ですが…

 それがそのとおりだとしても、見方を変えると、米国の農産物の日本への輸出が日本の農業の衰退の原因になっていることも事実であり、それについてはどう考えるのかを聞いてみたいものなのです。

 いずれにしても、米国の企業が海外に工場を移転したり、いろんな仕事を海外にアウトソースするのは経済合理性に基づくものであり、それにストップをかけることはほぼ不可能に近い訳ですから、トランプ氏の貿易政策が実現するとはとても思えないのです。

 それに、中国製品の流入によって仕事を奪われた米国の労働者たちも、中国の安い製品のお蔭で毎日の生活を営むことができている訳ですから、その中国製品の価格が突如として45%も値上げされたら、そうした人たちの生活を苦しめることにもなるのです。

 まあ、そんなことは分かっていても、いっぺん言ってみたかったということでしょうか、自由貿易なんか糞くらえと。


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 本当に、最近は予想もつかないことばかり起きて、びっくりしてしまいます。

 博多駅前の大通りにぽっかり穴が開き、水が溜まっている風景をみて、本当に驚きました。というか、その通りに接して立っているビルの基礎部分の土まで浸食されているではないですか。

 倒れるんじゃないの?

 今年は、謎の地下空間が話題になる年だったのでしょうか?

 そんなことを考えていると、今度はインドで4時間後に高額紙幣が無効になる決定が下されたと知り、びっくりしゃっくり!

 例えば、新札が発行されるのに伴い旧札の効力がなくなることはあっても、通常なら十分な期間が与えられるのが普通なのですが、これまでの高額紙幣は4時間後には正式のお札ではなくなりますなんて、大統領が言うのですから。

 そうしないと、国民生活に多大な影響を与えてしまいますし、また、そんな乱暴なことをすれば誰も政府のやることを支持しなくなるからです。

 ですから、普通であれば、とてもそのようなことはできない、と。

 しかし、インドは敢えてそんな乱暴なことをやったのです。

 NHKのニュースは次のように報じています。

「インドのモディ首相は、現在流通している高額紙幣を9日で廃止すると突如発表し、新札に交換しようという人たちが銀行の窓口に押し寄せるなどの混乱が懸念されています。

 インドのモディ首相は8日夜テレビ演説を行い、現在流通している紙幣のうち最高額の1000ルピー札と2番目に高額の500ルピー札の2種類を、現地時間の9日午前0時で廃止すると発表しました。

 そして、手元にあるこれら2種類の紙幣については、10日以降、銀行などに出向いて、新たに発行する2000ルピー札や新しいデザインの500ルピー札に交換するよう指示しました。

 突如、現在の高額紙幣を廃止する理由について、モディ首相は「インドは高い経済成長を続けている。その一方で、汚職やブラックマネーがまん延している。国を掃除するのに手を貸してほしい」などと説明し、パニックにならないよう呼びかけました。」

 要するに、汚職や脱税をなくし、そしてブラックマネー、つまり出所の分からないお金、或いは犯罪で得たようなお金を洗い出そうという目的で、政府がこんな荒療治に出たという訳なのです。

 荒療治と言えば、麻薬の取引に関係した者を、適正な法手続きに基づかないで処刑してしまうフィリピンのやりかたも酷いとしか言いようがありませんが、それに負けずとも劣らないこのインドの高額紙幣の突然の流通停止措置。

 まあ、今回突然無効にされることが決まった紙幣は、1000ルピー札と500ルピー札であり、貧しい層には影響を与えることはないだろうとも言われています。1000ルピーは約1600円に相当するので、日本人の感覚からすれば高額とは言えないかもしれませんが、インドと日本の1人当たりのGDPの相違から推測すると、1000ルピー札とは日本人にとって4、5万円の価値があるかもしれません。また、インドで生活していても1000ルピー札は実際には殆ど流通していないとも言われています。

 但し、そうはいいながらも、新札との交換期間が来月30日までなので、急いで小額紙幣に交換しようという人たちがATMに殺到していると言います。

 私、今回の措置は基本的におかしいと思います。フィリピンの麻薬犯罪容疑者に対する接し方と同じようなものだと言ったら言い過ぎでしょうか?

 つまり、今回の措置も、適正な手続きによったとは思われないからです。

 しかし、そのような対応をしてもドゥテルテ大統領が何故高い支持率を誇っているのかといえば、フィリピンの人々が安全な生活を送ることができるようになったから。

 それと同様に、ブラックマネーで溢れかえっているインドの社会を変えるためには、国民に多大な迷惑と犠牲を強いてもそのような荒療治をすることが必要なのかもしれません。

 確かに、現金での取引は跡を残すことがないので、悪いことをする人間にとっては大変に都合がいいのです。

 日本でも、脱税をしているような人間はキャッシュをいろんなところに隠しているのが常であるのはご承知のとおり。銀行に預けるようなことはしないのです。そうすると足がついてしまいますから。

 でも、だからといって、腐敗や犯罪の原因が現金にあるというのは言いがかりだと思うのです。

 それに、百歩譲って現金が犯罪に使われることが多いとして、そして、今世の中に溢れているブラックマネーを炙り出すために政府が新札との交換を強要したとして、一旦切り替えが行なわれた後はまた同じような状況になるとしか思われないのです。

 つまり、現金が悪いのではないのです。

 その証拠に、日本も相当現金が幅を利かせている社会ですが、日本でブラックマネーがそれほど問題になることはないからです。

 さらに言えば、そもそもこれまで流通してきた紙幣の効力をいきなり無効にするということは、政府或いは国家に対する信用を否定するようなものだとの見方もできるので、自己矛盾になる恐れもあるのです。

 これまでの高額紙幣が簡単に無効にされるなら、今回新たに発行される高額紙幣だって、いつ何時、また即座に効力が否定されるかもしれない、と。

 そんな社会で、どうやって安心して経済活動が営めると言うのでしょう?

 犯罪や脱税を取り締まりたいというのは大いに支持します。

 しかし、そのための方法は別にあると私は思うのですが…如何でしょうか?

 それとも、インドはそれほど社会が乱れているということなのでしょうか?



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 英国のEU離脱をめぐる国民投票の結果が注目されています。

 本日結果が出る訳ですが…肝心の英国民の考えを別にすると、世界的には、英国はEUを離脱すべきではないという考えが多いように思われます。

 貴方はどう思いますか?

 専門家は言う訳です。英国がEUを離脱すると、英国の経済成長率はマイナスに落ち込むであろう、と。

 何故かと言えば、英国がEUを離脱すれば、関税の関係で英国のEU加盟国への輸出が減少することが懸念されるからなのです。それに、英国が輸入するものの価格は上がるでしょう。

 要するに、リカードが主張した自由貿易のメリットが薄れてしまう、と。

 リカードを生み出した英国が、それから200年ほど経った今、EU離脱をすべきかどうかを議論しているのが、何とも興味深いというか皮肉であるとも思います。

 いずれにしても、EUを離脱すると経済的には大きな打撃を受けることが十分予想されるのに、それでもEUを離脱した方がいいという国民がいるのです。

 何故ならば、EUに加盟したままでいると、多くの難民が英国に流入してくるので、英国民の職が奪われてしまう、と。

 確かに、そういう面があることは事実でしょう。

 自由貿易によって比較的劣位にある産業が淘汰されるのと同じです。

 つまり、いい面も悪い面もあるので、まさに国民の総意で決めるよりない、と。

 但し、そもそも英国はEUには加盟していても、ポンドと言う独自の通貨を手放していないという事実を忘れてはいけません。

 つまり、英国は、ユーロを使用する国ではないのです。

 何故英国はユーロを使用しないのでしょう?

 それは、自由に金融政策の内容を決めるという特権を失いたくないからに他なりません。

 要するに、いいとこどりをしてきたのが英国。

 もっと言えば、計算高い!

 でも、だからこそ中国にも愛想を振りまくことができる、と。

 いずれにしても、私は、仮に英国がEUを離脱することになったとしても、英国の経済力からすれば、それが世界経済に与える影響は限定的だと考えます。少なくても中国経済が減速していることによって今世界経済に及ぼしている影響に比べると遥かに小さなものに留まるでしょう。

 仮に一時的に円高が進むようであっても、その流れが何時までも続く可能性はそれほど大きくはないのではないでしょうか。

 

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 安倍総理が、今は、リーマンショック前と似た状況にあるなんて言っていますが…どう思いますか?

 本当におかしなことを言う人です。

 でも、安倍総理は、どこがリーマンショック前と似ていると考えるのでしょうか?

 なんでも、食料や素材など世界の商品価格が2014年以降、およそ55%下落し、2008年のリーマンショックの前後の下落幅と同じになったからなのですって。

 なんと細かいことを言う人なのでしょう!

 恐らく、側近の人間が何かいい材料はないかと探した結果なのでしょう。

 でも、国民に対して、今、リーマンショック前後と同じような危機的状況にあるのかと質問したら、殆どの人がそうではないと答えると思うのです。

 表をご覧ください。

リーマンショックとの比較


 当時と今との経済データを並べてみましたので、よく見比べて下さい。

 日米とも、当時、実質経済成長率は大きく落ち込みましたが、今はそうではありません。失業率や有効求人倍率をみると、今は、危機どころかまさに雇用市場は様変わりに改善しているのです。

 それに、安倍総理が一番気にする株価にしても、日米とも、むしろバブルが懸念されるほどの水準にあるのです。

 これで危機ですか?

 安倍総理は、次のようにも言っています。

 「リーマンショック直前に北海道洞爺湖サミットが行われたが、危機の発生を防ぐことができなかった。その轍は踏みたくない。世界経済はまさに分岐点にあり、政策的対応を誤ると危機に陥るリスクがあることは認識する必要がある」

 確か、洞爺湖サミットというのは、2008年7月に開催されたのでしたよね。福田総理の時代です。

 では、あのときに、財政出動に出ていたら、リーマンショックの発生は防げたのでしょうか?

 そんなバナナ!

 それにですね…リーマンショックの影響を和らげようとして、中国当局が積極的な財政出動を繰り出したから、その後の設備過剰を生み、そして、それが今、様々な工業製品の価格を押し下げているのです。

 さらに言えば、米国が必要以上に緩和策を長く続けたから、バブルが発生したのです。従って、安倍総理がリーマンショックの轍を踏みたくないというのであれば、今やっているマイナス金利政策などを撤回することこそ必要なのです。

 


 

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 サミットが始まりました。

 安倍総理は、世界経済のリスクに対応するために各国が財政出動することが必要だと言っていますが…賛同する国は殆どありません。

 では、逆に、日本以外の国は、日本にどんなことを望んでいるのでしょうか?

 答えは、円安誘導を止めることです。つまり、過度な金融緩和は、止めて欲しい、と。

 従って、仮に安倍総理が各国の要望に応えて、マイナス金利政策を撤回するようなことを約束するならば、大歓迎されると思うのです。

 しかし、日銀がマイナス金利政策を撤回するとなれば、自分たちの政策の失敗を認めることになるだけではなく、さらなる円高圧力がかかることが懸念されるのです。

 従って、日本がこれまでのやり方を改めるとはとても思えません。

 しかし、それでもなお、日本が犠牲的精神を発揮してマイナス金利政策を撤回すると言ったら、どのような結果がもたらされるのでしょうか?

 私は、プラス面とマイナス面があると思います。

 先ず、マイナス面ですが、日本の超緩和策が方向転換されることによって円キャリートレードの巻戻しが起きるでしょうから、円高ドル安になるでしょう。

 つまり、輸出企業にとっては大きな痛手となるのです。

 しかし、その反面、家計部門は、円高と利子収入の増加によってもたらされる
購買力の強化によって消費が活発になる可能性があるのです。そして、日本の内需が旺盛になれば、自然に海外からの輸入も増え、そうなると日米の貿易の不均衡が少しは改善される可能性もあるのです。

 但し、その一方で、先ほど言ったように円キャリートレードの巻戻しが始まれば、米国の株価が急落する恐れがあるのです。それだけではありません。米国債も暴落し金利が急上昇する恐れがあります。

 そのような事態になると、それはそれで米国としては大いに迷惑なのです。

 つまり、米国としては、ドル安円高をもたらすような金融政策を日本が取ることを基本的には望んでいるものの、日本の金融政策が余りにも急激に変化すると、それはそれで米国経済を混乱させるので困ってしまうのです。

 つまり、米国にとっても、欧州にとっても、そして、日本にとっても ワンサイズ・フィッツ・オールの経済の解決策はないということなのです。

 それが分かっていても、こうやって年に1度、先進国のリーダーたちが集まって会議をしなければいけないのです。


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 日本が世界一の債権国であることをご存知の方は多いと思います。

 日本は、GDPでは中国に追い抜かれ世界第三位になってしまっている訳ですが、対外純資産残高でみると、他国を大きく離してダントツの一位なのです。

 嬉しい話ですよね。

 2015年末時点の対外純資産残高は、339兆円だといいます。

 因みに、2位はドイツで195兆円、そして、3位は中国の192兆円なのです。

 でも、こんな日本の経済も自民党の二階総務会長に言わせると、危機的状況にあるのだとか。

 有効求人倍率はバブル期並みの水準になり、人手不足が問題だというのに、危機的状況であるという感性のなさ!

 要するに、何でもいいから理屈をつけて、財政出動をしたいということなのですよね。

 それはそうと…

 では、世界一の債務国はどこなのでしょうか? そして、どのくらいの対外純負債を抱えているのでしょうか?

 答えは、アメリカで、対外純負債残高は886兆円であると言うのです。

 グラフをご覧ください。

日米の対外純資産


 日本の対外純資産の増え方は、それほど急激ではありませんが、米国の対外純負債の増え方の凄いこと!


 もっとも、米国の対外純負債がこれほど急激に増えているということは、それだけ海外から多くの資本が流入しているということでもあり、また、だからこそ米国の株高をもたらしているとも言えるのです。

 そして、株価が上がるので、さらに海外からの資本の流れが加速し、だからまた対外純負債が増えるのです。

 但し、こうした海外から流入してくる資本というものは、大変気まぐれな性格を有するものであるので、ひとたび何かが起きると、今までの資本の流れが逆流し…あっという間に危機に陥ってしまう恐れがあるのです。

 つまり、このように国際的な不均衡が拡大すると、金融危機などのパニックが起きる可能性が大きくなるのです。

 よくないでしょう、このような状況を放置しておくのは?

 少なくても日本は、米国のように海外からの資本の流入が途絶えることを絶えず心配しなければならないような状況になってはいけないのです。日本は米国のような基軸通貨国ではないということもありますし…

 日本は、消費が弱いことが最大の経済問題だ、なんてことをいう人々も多い訳ですが…仮にバンバン消費してしまい、対外的な蓄えが枯渇してしまうと、そのとき、日本の経済的拠り所はなくなってしまうのです。

 お金は必要以上に貯め込む必要はありませんが、だからと言って、お金を使えばそれで全ての経済問題が解決する訳でもないのです。





 

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