経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

カテゴリ: 財政政策

 教育国債という言葉が脚光を浴び始めているようです。

 教育国債なんて初めて聞いたという方も多いかもしれません。

 教育国債とはなんぞや?

 大学などの高等教育の授業料を無償化する財源として、使い道を教育政策に限定して発行される国債のことなのだとか。

 自民党がそんなことを検討し始めているというのです。

 文部科学省などによると、全国の大学・短大が学生から徴収している年間授業料は約3兆1000億円に上るらしく、高校や幼児教育にかかる費用も含めると、総額で約5兆円になると言われています。

 つまり、その費用を国債を発行して賄おうという都合のいい考えなのです。

 でも、旨い話には裏がある!

 でしょう?

 仮に、毎年、5兆円を教育国債を発行して調達できたとしても、その借金は誰がいつ返済することになるのでしょうか?

 最後の最後には、また国民にツケが回ってくるのです。

 つまり、無償…タダにしてやるなんて言っても、いずれそのツケは請求されるのです。

 もっとも、請求されるのは現在世代ではなく、将来の子や孫たちかもしれませんが…

 それでなくても、対GDP比でみて先進国中ダントツに多い借金を抱えた我が国政府が、さらに借金を増やして行ったらどうなるのか、少し真面目に考えてはどうかと私は言いたい。

 おまえら、本当にバカではないのかと言いたい!

 というよりも、将来世代の可能性をつぶすようなことは止めてくれ、と。

 麻生副総理が珍しくまともなことを言っています。

 「名を変えた赤字国債という意見は前々からある。極めて慎重にやらないといけない」

 「借金を子どもの世代に送ることと同じにならないか。教育国債の実質は親の世代が租税負担や教育費の捻出を逃げるため、子どもに借金を回すということ」


 百歩譲って…否、百万歩譲って、授業料を無償にしてやる対象が、将来の日本を背負って立つと期待できる極めて優秀な学生だけなら分かるのです。例えば、学生100人のうち1人を対象にするなどというのであれば、です。

 しかし、分数の計算もまともに出来ない学生がいるなんて言われて久しいではないですか!?

 そんな学生の授業料までどうして税金で賄う必要があるのかと言いたい!

 授業料が無償になれば、今以上に進学率が伸びるために学校経営者が得するだけの話なのです。

 もっと言えば、質の悪い大学がいつまでも存在し続ける、と。

 それでどうして日本が力強くなるなんてことが期待できるのか!

 高等教育を無償化すると選挙に有利になるというだけの話ではないですか!

 こども国債なんてアイデアも野党から出されていたので、何も自民党だけが無責任なことを言っているという訳でもないのですが…


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 宅配ボックスをご存知でしょうか?

 それとも、アマゾンで買い物をしたことがあるかと聞いた方がいいでしょうか?

 本当に便利な世の中になったものです。

 昔だったら、地方に住む人は、買いたい本が地元の本屋さんにおいてなかった場合、本屋さんにその本を取り寄せてもらうなど面倒な手続きが必要だったですよね。その上、実際に本が届くまで相当の日数がかかったものなのです。

 それが今は、アマゾンに注文を出したら、翌日には本が届くのです。しかも、送料無料で。

 電車やバスを使って都心の大きな本屋さんに買いに行くより安く本が手に入るのです。

 買うことができるのは本に限りません。いろんなものが扱われているのです。

 但し、そうして直ぐ配達してくれるシステムにはなっているのですが、自分が家にいない場合には、再び配達してもらわなければなりません。

 それはそうですよね?

 しかし、宅配ボックスを利用すれば、再配達の必要がなくなるのです。

 日経のニュースです。

 「インターネット通販の拡大で深刻化する物流業者の人手不足や交通渋滞を解消するため、官民が受取人の不在時にも荷物を預けられる宅配ボックスの普及に取り組む。政府は4月から設置費用の半額を補助する制度を新設し、業者が駅やコンビニに宅配ボックスを設置するのを後押しする。」

 どこの役所の所管になるのかと言えば…

 国土交通省と環境省などの所管で、2017年度に5億円の予算が計上されている(案)とのことで、5億円程度のことで、そう目くじらを立てることもないと言われれば、それまでなのですが…

 でも、そんなことに国が口を出すというか、金を出すのか、と言いたい!

 だって、宅配ボックスは、既に大型のマンションなどでは設置されていることが多く、その上、今や個人用の宅配ボックスも販売されているのです。また、コンビニで受け取ることができるサービスもあるのです。

 その上、そうやって通販ビジネスがさらに盛んになれば、既存の小売店の売り上げ減に結びつく訳ですから、このような補助金を設けるということは、国が一方のビジネスを応援する結果になってしまいます。

 環境省がこの補助金に関与する理由としては、再配達の必要性が少なくなれば、その分、CO2の排出削減になるからと言っていますが、そうやって通販ビジネスがさらに便利になると、それによって通販を利用する人の数も増える訳ですから、結果としてCO2の削減になるかどうか分かりません。

 今から20年ほど前、一度、我が国でも補助金の仕組みを少なくしようという取り組みが始まったかに見えた時期があったかと思うのですが…今やその頃とは様変わり。何にでも補助金を出そうという風潮が強まっているのです。

 それに、この宅配ボックス設置への補助金は、組織ぐるみでおかしなことをしていた佐川急便に対しても恩恵を与えるものになることを忘れてはいけません。

 悪いことをしたら、補助金をもらえた、なんて最低だと思います。




 役人や役所は、黙っていると、こんなつまらない補助金を考え出すものなのです。つまらん仕事はするな、と思った方、クリックをお願い致します。
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 昨日触れたとおり、2017年度の一般会計予算では新規国債の発行額が7年連続で減少することになりました。

 どう思いますか?

 アベノミクスが成功して、税収がガンガン増えているので、国債の発行額を抑えることが可能になっているということなのでしょうか?

 答えは、ノー。

 というのも、2017年度の税収見込みは57兆7120億円で、2016年度の当初予算の税収見込み(57兆6040億円)に比べ約1千億円ほどしか増えないからです。

 歳出総額は、2017年度が97兆45百億円であるのに対し、2016年度は96兆72百億円であるので73百億円も増えているのに、そしてその一方で、税収は1千億円程度しか増えていないのに、新規国債の発行額は2016年度の34兆43百億円から2017年度は34兆37百億円と、6百億円ほど減っているのです。

 では、どうしてそのようなことが可能であるかと言えば…

 税収はそれほど増えなくても税外収入が増えているからなのです。

 具体的に言えば、外為特別会計で発生する剰余金を全額(約2兆5000億円)を一般会計に組み入れる、と。

 では、外為特会の剰余金とは何かと言えば…

 政府は過去、為替介入をした結果多額の米国債を保有している訳ですが、それがもたらす運用益が毎年3兆円前後あるのです。

 もう少し分かりやすく言うと…政府は為替介入をするために国内で短期証券を発行して円資金を調達し、それを例えば5年物とか10年物の米国債等で運用するために、利鞘を稼ぐことができる上、また、円安が重なるとそれによって為替差益が得られるということになっているのです。

 ぶっちゃけて言えば、政府は外貨預金やFX取引で設けたお金で、税収の不足分の一部を賄っている、と。

 ということで、政府は2017年度においては、外為特会の剰余金を全て一般会計に移し替えると言っている訳ですが…

 特別会計で儲かっているのなら、その儲けの一部を一般会計に繰り入れて何が悪いのだという議論はあろうかと思うのですが、そもそも一般会計から独立して外為特別会計を設けている本来の趣旨から考えると、その剰余金の全てを一般会計に移し替えてしまうのは如何なものかと私は思うのです。

 というのも、今は、円安で資産超過の状態になっている外為特別会計も、円高が襲った2010年度と2011年度には債務超過に陥っていたことがあったからなのです。

 つまり、儲けが出たらそれを、将来の為替変動リスクを回避するために少なくてもある程度は蓄えておく必要があると思われるのに、全部引っ剥がしたら今後再び円高が襲った時に、すぐに債務超過になってしまう恐れがあるのです。

 でも、そうしたことに対し麻生大臣が言うことと言えば…

 「外為特会は30%を超えて剰余金を留保してきた。2兆5000億円全額繰り入れても影響は大きくないという判断をした。金利もつかないから持っていても仕方ないので、有効に活用させてもらった」

 剰余金を国内で運用しようにも、金利はマイナスかほぼゼロの状態では確かに金利が付かないということも一理あるでしょうが、でも、だったらその分、外為特会の債務残高(短期証券の残高)を減らすことに使えばいい訳です。

 いずれにしても、では、何故そうやってこれまでの慣例を無視して、剰余金を全額一般会計に繰り入れたかと言えば、そうすることによって新発国債の発行を少しでも減らして見てくれを良くすることができるからなのです。

 でも、その一方で、同時に閣議決定された2016年度第三次予算では国債の増発を行うこととしているのですよね。

 そっちの方は、あくまでも補正予算で、当初予算と違い人々の注目度合いが違うということがあるのでしょう。

 いずれにしても、そのようなことまでして見てくれを良くしようとして出来上がったのが2017年度の予算案だということで、お化粧予算と呼んだ方がいい気がするのです。

 今後、インフレが発生し日本の金利が上昇し始めるようなこととなれば、今バカみたいに儲かっているこの資金運用のメカニズムが逆回転をすることになり、今度は損失を発生する装置に一変してしまう恐れがあることを警告する人は、殆どいないようです。



 粉飾決算を取り締まるべき金融庁の担当大臣が、こんな粉飾まがいの予算を編成してどうするのだ、と思う方、クリックをお願い致します。
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 2017年度の一般会計予算案が閣議決定されました。総額は97兆45百億円になるそうです。

 余り関心がありませんか?

 まあ、そういう人が多いかもしれませんが、国民が関心を持たないから政治家が好き勝手にお金を使うのです。

 否、訂正します。国民が関心を持っても、政治家は好き勝手にお金を使うでしょう。

 但し、国民の関心が薄ければ薄いほど、放漫財政になりがちなのです。

 放漫財政などと私が言えば、何をバカなという輩がいるでしょう。

 日本の景気が良くならないのは、政府が財政出動に慎重過ぎるからだと言う人々がいるでしょう?

 財務省が今にでも財政が破綻するかのように恐怖感を煽って緊縮財政に固執するから何時まで経ってもデフレから抜け出せないのだ、と。

 私は、言いたい!

 日本の財政のどこが一体緊縮的なのか、と。

 対GDP政府債務比率でみて日本は先進国中、ダントツで一番高いのです。

 それに消費税率や付加価値税率で比べても、日本は欧州勢よりも明らかに低いのです。

 否、欧州諸国は、付加価値税率は高くても軽減税率が適用されているものが多いという議論は承知しています。でも、そのことを加味しても、だからといって日本の今の8%の消費税率が他国に比べて高いとはならないのです。

 2017年度の予算案の中身をみてみましょう。

 歳出総額が97兆45百億円であるのに対し、税収は57兆71百億円にしか過ぎません。

 このため、新発国債の発行に頼らざるを得ず、その規模は34兆円強になる、と。

 そんなに借金を増やし続けて行って、将来の人々から、後々我々はどのように思われることでしょう?

 ご先祖様が奮発して大型予算を組んでくれたから、その後景気がよくなって日本の財政はむしろ健全化した、なんて感謝されるのでしょうか?

 それとも、あの頃、国民が問題を先送りしてばかりいたので、その後日本政府の借金は益々大きくなって、増税になっても年金は減る一方だと恨まれるのでしょうか?

 或いは、とうとう財政が破綻してギリシャと同じようになった、と。

 メディアはそれでも、「国債の新規発行額は34兆3698億円と、当初予算案としては7年連続で前の年度を下回ります」(NHK)なんて言っています。

 バカを言ってはいけないと思います。

 否、それが嘘だというのではありません。しかし、当初予算案として新規国債の発行は減るといっても、同時に決定された2016年度の第三次補正予算では赤字国債の増発が盛り込まれているのです。

 それに、2017年度の予算において新規国債の発行額が減るといっても、他方で、円安によって発生している外国為替資金特別会計の剰余金見込みを全額一般会計に組み入れるという「禁じ手」が使用されていることも見逃してはいけません。

 今現在、1ドル=80円ほどの円高状態であるにも拘わらずそうした為替差益が発生しているなら別ですが、今の状態は相当な円安であると言うべきですから、そのような為替差益は何時吹っ飛んでしまうかもしれないのです。

 さらに、さらに付け加えるならば、今後団塊の世代が後期高齢者の仲間入りをするようになれば、益々社会保障関係費が膨らみ、財政がどうにもこうにもならなくなることは明らかなのです。

 でも、そんなことをテレビで取り上げれば暗くなるばかりなので、見て見ぬふりをしている、と。

 いいのでしょうかね?



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 先週、TBSのひるおびを見ていたら、スポーツコンサルタントの春日良一氏が室井佑月氏とやり合っていました。

 春日氏いわく、オリンピックの施設建設にもっとお金を注ぎ込めば、世界から戦争がなくなり平和になるのだ、と。

 室井さんは、他にもお金を使うことがあるでしょう、という立場でしたが、私も同感!

 何を考えとるんだ、このおっさんと思わずにはいられませんでした。

 それに、前にも言いましたが、豊洲の地下空間の問題解明にもっと時間とエネルギーを割かなければいけないのにも拘わらず、ボート会場をどこにすべきかということに視聴者の関心を向けさせたテレビ関係者に対して私は不満を持っているのです。

 いずれにしても、今の日本にとって、オリンピックを成功させることが最も重要な課題であるというべきなのでしょうか? 

 最も重要な課題の一つと言ってもいいですが…いずれにしても、極めて逼迫した財政事情にも拘わらず、優先してお金を出すべき対象がオリンピックなのでしょうか?

 否、節約に節約を重ねて、極力質素なものにしますというのなら、まだ理解はできるのです。

 私は、森元総理が次のようなことを平気な顔で言うのが信じられません。

 「東京オリンピックで2兆円以上使うかもしれない」

 「(新国立競技場について)「3、4千億円かかっても立派なものを造る。それだけのプライドが日本にあっていいと思う」

 世の中には、財政が破たんの危機に瀕しているなんていうのは、財務省の陰謀に過ぎないなんて主張する輩がいますが…でも、2025年問題の存在を知っている人からすれば、なんとまあ呑気なことと思わずにはいられないのです。

 事実を無視し、かつ歪曲しているのはどいつなのだ、と。

 ところで、貴方は、2025年問題をご存知でしょうか?

 知らない?

 ヒントをあげましょう。ヒントは、団塊の世代。団塊の世代というのが難しければベビーブーマーたち。

 日本の場合、1947年から1949年に生まれた人々のグループを団塊の世代といい、その数は約800万人ほどだと言います。

 最近の日本では、1年間で生まれる赤ちゃんの数は約100万人ほどですから、団塊の世代は、今よりも2〜3倍も多く生まれたということになります。

 かつての学校の状況が記憶にある人にとっては、今の子供たちの数のなんと少ないこと!

 1947年に生まれた人は今年、69歳。1949年生まれの人は今年、67歳です。

 ということで、2025年になると、団塊の世代は後期高齢者とされる75歳に完全に達しているのです。

 そうなると、一気に後期高齢化の人口が増えるので、医療費や介護費が急増することでしょう。

 具体的には、2015年度から2015年度にかけて、医療費が1.4倍、介護費が1.9倍もかかるようになり、その結果、年金も含めた社会保障の全体の費用が120兆円から149兆円ほどまで増えると見込まれています。

 要するに10年間で約30兆円も支出が増える訳ですから、その財源をどこからか探してくる必要がある訳ですが、一体、今の日本のどこにそんな財源があると言うのでしょう?

 仮に消費税の増税で賄おうとしても、今よりもさらに15%ポイントほども引き上げなければならない計算になってしまいます。

 8%から10%への引き上げでさえ実現が難しいのに、どうやって実現できるというのでしょうか?

 もし、財源が見つからなければ、医療サービス等の質を落とすか、個人の負担を上げざるを得なくなってしまいます。

 東京オリンピックが仮に成功して、景気が多少良くなったとしても、その5年後には財政負担が急増するという深刻な事態が待ち構えているのです。


 今の日本には、豪華なオリンピック施設を作る余裕など、どこを探してもないとしか思えません。



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 本日、日経の「私見卓見」に、元富士銀行常務の野村邦武という人が、政府の借金棒引きを提案していました。

 先ず、野村氏は、次のように問題提起をします。

 今や日銀が保有する国債の額は400兆円を超えてしまっているが、通常では2つのシナリオが想定される。

 (1)増税を行い国債償還を急ぐ

 (2)超インフレを起こして償還負担を軽くする


 但し、この二つの案は副作用が大きすぎ、採用はできないとし、野村氏は、次のような異次元の提案を行うのです。


 <A案>日銀が、政府の国債償還義務を免除する。併せて、特別立法により日銀は損失を計上することなく債権を償却させる。

 <B案>日銀が保有する国債を無期限の永久国債に変換し、償還は任意とする。


 そして、この2つの案のうち、いずれを採用しても、巨額の国債を誰にも損失をかけず処理することができるので、財政再建が一気に進み、国民は増税の負担から解放されると説くのです。

 ほんまかいな?

 もし、野村氏の言うことが本当であれば、こんなにめでたい話はありません。

 万歳、万歳!と叫ぶべきでしょうか?

 皆さんは、どう思われるでしょうか?

 先ず、B案は、最近注目を集めていたヘリマネの議論なので、そう目新しいものではありません。

 しかし、無期限の永久国債に変換することにしても、政府が大量の国債残高を保有していることには何ら変わりはないので、B案は何の解決にもならないのです。それに今だって、形式的には例えば10年物国債は、10年経てば全て償還している訳ですが、しかし、実際にはその償還財源を確保するために借換債を発行しているので、実態としては永久債を発行しているのと殆ど変らないのです。

 では、A案はどうなのでしょうか?

 確かに、日銀が政府の国債償還義務を免除してやれば、政府の債務がたちどころに消えてしまうのはそのとおり。しかし、一方で政府の債務が消えるのであれば、その一方で、日銀には損失が発生してしまうのです。

 そして、日銀に多額の債務が発生してしまえば、政府は信用秩序維持のためにそれを穴埋めする必要があるので、何の解決にもなりません。

 仮に、それを特別立法によって損失を計上しなくて済むようにするなんて言われても…

 そんなことが認められるのか、と。

 というのも、日銀は、保有する国債の額と同じ額だけ通常日銀券を発行、或いは発行する義務を負っている訳で、そして、日銀券を発行するということは、それだけ日銀の債務が発生したことになるからです。

 つまり、この特別立法は、日銀券を発行しておきながら、日銀はその貸借対照表にその債務を計上しなくてもいいという扱いをするというのです。

 おかしいでしょう?

 少なくても、日銀の会計処理上、そんなことが許されるはずはありません。もし、それが許されるようであれば、誰も日銀の貸借対照表を信じなくなってしまうでしょう。

 それに、百歩譲ってというか、千歩も万歩も譲ってそうした提案を認めたとしても、仮にそうやって政府が償還の義務を負うことなく幾らでも国債を発行できるとなれば、放漫財政の極致に至って、財政は破綻してしまうでしょう。

 つまり、年金制度にしても、年金保険料など徴収することなしに皆に年金を大盤振る舞いすればいいとなってしまいますし、東京オリンピックの施設整備の経費にしても、幾らでも国債が発行でき、しかもその借金は返す必要がないのであれば、何も気にする必要はなくなってしまいます。

 ということで、こんなバカげた提案を採用した日には、とんでもない無責任な世の中となってしまうのです。

 今でも大変に無責任になっているのに…さらに無責任な世の中にしたいのでしょうか?

 そういえば、富士銀行って名前、今は残っていないですよね。



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 2017年度の概算要求の総額が101兆円台の大台になる見通しだと報じられています。

 「財源不在の概算要求」なんて言葉も見受けられます。

 本当に日本政府のどこにそんな余裕があるのかと言いたいですね。

 これでは益々政府の借金は増え、後々、将来の世代からボロカスに言われるのは確実だと言っていいでしょう。

 「なんでこんなに借金を残しやがったのか」と。

 百歩譲ってですよ、本当に必要な予算なら国民も納得するかもしれませんが…

 そもそも地方に移転する必要のないと思われる役所、文化庁のことですが、それを敢えて地方に移転させて、そのために22億円もかかるだなんて!

 それと似た話があります。以前、東京の大手町にあった国の出先機関の入っていた合同庁舎をさいたま市に移したことがあったのですが…

 そもそもそんなこと、国民は誰も望んではいなかったのです。

 さいたま市にとっては、豪華な合同庁舎が建設されたうえ、多くの公務員たちが移ってきたから地元の発展には役立ったかもしれないのですが、でも、それで利用者の利便性が向上した訳でもなく、ただ膨大なお金が使われたに過ぎないのです。

 さらにおかしなことには、大手町からさいたま市に移ったはずの関東財務局は、東京にも事務所をおいておかないと利用者が不便だということで、東京事務所を新設したのです。

 何のための移転だったのでしょうか?

 文化庁も、それと同じように、本部を地方に移しても新たに東京事務所を設置するのではないのでしょうか。

 無駄だと思われるのはまだまだあります。

 例えば、エコカー減税!

 三菱自動車がまたしても数値をごまかしたとして問題になっていますが、政府は、エコカー減税の措置を2年以上延長する方針だと報道されています。

 エコカー減税の名に値しない車の購入に対し減税措置を施していた政府!

 もっとまじめに仕事しろ、と言いたい。

 普通、そんなへまをしたら、予算は打ち切られて当然。それが、基準は厳しくなるものの減税措置が延期になるというから、びっくりしゃっくり!

 そもそも何故エコカー減税制度はあるのでしょう?

 如何でしょうか? 

  多くの人は、環境保護のためだと答えるでしょう。それで少しでも空気がきれいになればいいことではないか、と。

 でも、だとしたら、そもそも人々に車に乗らないことを勧めた方がマシ!

 車を保有しない家庭に補助金を与える、とか。

 否、分かりますよ、どうしても車を持たないと生活ができない人々がいるということも。特に、地方都市で暮らすには車は生活必需品と言っていいかもしれません。

 でも、そうだとしても、多くのユーザーはエコカー減税が適用されなくても、エコカーを買う人でしょう。

 だとしたら、それで大気汚染の状況に大きな変化が現れるなんてことはないのです。

 私は、エコというのは屁理屈であって、結局、車の売り上げを促進するための手段に過ぎないと考えます。

 要するに、自動車業界に対する支援策に過ぎない、と。

 自動車の販売台数世界一を争うトヨタのような企業に政府が減税や補助金を支給する根拠は一体なんなのでしょう?

 もう一度言います。エコカー減税の措置が切れてもトヨタの車が売れなくなるわけではないでしょう。だとしたら、エコカー減税措置やエコカー補助金があってもなくても大気汚染の状況に大きな違いが生ずる筈はないのです。

 おかしいでしょう?

 国民から集めた税金を如何に意味のある用途に使うかを決めるのが予算の査定作業です。

 マスコミも、例えばエコカー減税などについて、もう少し掘り下げて批判を加えることがあってもいいと思うのです。


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 最近、注目を浴びているヘリコプターマネーというのがあります。

 ヘリコプターマネーというのは何ぞやというと…

 中央銀行が上空のヘリコプターからお札をばらまくようなことをすれば、デフレから必ず脱却することが可能だ、と。

 でも、それだと、政府が国民にお金を配るのも同じではないかという気がする人もいるかと思うのですが…

 違うのは、政府が国民にお金を配る場合にはその財源を手当てする必要がある、つまり、国債を発行して財源を確保する必要があるのに対し、ヘリコプターマネーの方は、中央銀行が直接お金をばらまくので、政府が借金する必要がないかのイメージがあるところです。

 しかし、中央銀行が無償でお金を国民に配ることはあり得ません。

 もちろん、絶対ではありませんが、そんなことをすれば、中央銀行はすぐ債務超過になってしまうからです。

 では、どうするか?

 ということで、中央銀行はお札を刷って、それを政府が発行する永久国債と交換し、そうして政府が得たお札を国民にばらまけばよいと言われているのです。

 まあ、そんな無茶苦茶なことをすればデフレからの脱却は可能だというのですが…

 当たり前ですよね。だって、国民は全く働きもせず毎日暮らしていくためのお金を手に入れることができるので、国内で生産されるモノよりも消費されるモノの量が大きくなって、物価が上がることは当然でしょう。

 では、そうすることによって経済はまた上手く回りだすのでしょうか?

 答えはノー。

 何故ならば、働くことなくお金が手に入ることを経験した国民は、さらにヘリコプターマネーを要求するようになるだけだからです。

 それに幾ら国民の消費意欲が高まったとしても、その消費の対象の一部である安い外国製品が国内製品に代わることは期待できないからです。

 今、ヘリコプターマネーを主張する人々は、日本経済の成長率が低い原因は消費が弱いことにあると考え、従って、消費さえ活性化できるのであれば再び成長率が高くなると思い込んでいるように見える訳ですが、幾ら国内の消費が増えても、その対象が安い外国製品であれば国内の生産が増えることはないのです。

 いずれにしても、ヘリコプターマネーのように湯水の如くお金を使う政策を取れば、今まで以上に政府の借金は増すばかり。

 政府の借金は国民にとっての資産だからなんて言う輩がいますが、ヘリコプターマネーの債権者は日銀であって国民ではないのです。

 また、そうではない普通の政府の借金でも、その債務残高をいつの日かゼロにする必要があるということはないとしても、少なくてもその残高が今より増えない程度の努力を求められるのは当然ですから、そうなるとどうしても将来の増税に結びついてしまうのです。

 しかし、増税となれば、再び経済の成長を阻害するのは事実。

 アベノミクスがスタートした頃、筋金入りのリフレ派は、財政政策など用いなくても金融政策でインフレを起こせばそれで十分だ言っていたのが、今は財政政策を組み合わせることが必要だとなってきています。

 でも、財政政策を組み合わせたとしても、今言ったような理由で、経済が好転するとはとても思えません。


 結局、財政出動の結果、国民にはより重い負担がかかるだけなのです。



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 産経の田村記者がこんな記事を書いています。

 「国際的にも称揚される日本人の規律。その国民性を逆手にとって自己利益を追求するのは、経済の緊縮を是とする財務官僚とそれに追従する御用メディアだ。

 朝日、毎日、日経新聞はこれでもか、これでもかと緊縮財政を求める。突出しているのは日経で、財務省が10日に「国の借金」が6月末で1053兆4676億円になったと発表するや、国民一人当たりで約830万円の借金を抱えていることになると騒いだ。経済に多少でも精通していれば、すぐわかる詭弁である。

 国債の9割以上は金融機関経由で国内の預金者が保有しているのだから、国民一人当たり約800万円の資産なのである。借金の当事者は財務官僚なのだから、それほど問題だと言うなら官僚は給料を返上すべきなのだ。」

 10%への消費税率の引き上げがなされるとき、新聞には軽減税率が適用されることになっていましたよね。

 新聞は、民主主義発展のために欠かすことのできないものだから、と。活字文化を維持する必要があるから、と。

 そんな新聞社のうちの一社が上のようなことを言っているのです。

 全くもっておかしいとしか言いようがありません。

 だって、先進国のなかで一番、政府債務の対GDP比率が高い日本が、緊縮財政の状態にあるなんてこと、あり得ないではないですか!?

 財務省が国債を発行することを全く拒否しているのであれば、緊縮財政状態にあると言ってもいいと思いますが、現実は、先進国中、対GDP比でみて一番国債を発行しているのが日本!

 それに、欧州の国々は、日本の消費税率よりもはるかに高い付加価値税を課しているのですよ。

 朝日、日経、毎日といった同業他社を叩くことによって部数を伸ばそうという戦略であるのは分からないではないとしても…

 産経が、国債が国民にとって資産であると主張していることについては、それが間違っているとは思いません。確かに、銀行などが国債を購入する際、その原資となっているのは国民の預金ですから、国民が国債をいう資産を間接的に保有しているというのはそのとおり。

 しかし、その一方で、その国債を返済するための財源になるのは国民から徴収する税金であるので、国債は国民にとって借金であるというのも、そのとおり。

 つまり、国債は、国民からみたら資産と負債の二つの側面を持っているということなのです。

 従って、その二つの側面のうち、一つだけを強調するのはバランスを欠いているのです。

 経済に多少とも精通していればすぐ分かる詭弁だといいますが、国債は国民にとって資産であるから国債残高が増えることなど全然気にする必要はないなんて言うのは、まさに詐欺師の論法と言っていいでしょう。

 それに借金の当事者は財務官僚だから、財務官僚が給料を返上しろという意味が分かりません。

 だって、財務省は借金が増えないようにあらゆる努力をしているのですから。財務省が、景気をよくするためには財政出動が必要だなんて主張している訳ではないのです。そうではなく、財務省を悪者にしつつ、景気をよくするためだなんて理屈をつけて無駄遣いをさせたがる政治家がいるので、借金が増えているのです。

 つまり、借金が増える理由は、公共事業をこよなく愛する政治家や、国債は資産だから気にすることはないというおかしな理屈を振りかざす輩がいるからなのです。

 何故財務官僚が給料を返上すべきなのでしょうか?

 いいんでしょうか、このような新聞まで軽減税率の対象にしたりして…

 でも、新聞社の主張の内容如何によって軽減税率の対象にしたりしなかったりなんてことがあっては、それは当局による検閲にも等しいことになり、決して許されるべきことではありません。

 また、だからこそ新聞に軽減税率を適用するなんて発想が間違っていることが分かると思うのです。

 いずれにしても、国債の残高がこれだけ増えたことに対して責任を取る人がいるとしたら、経済対策という錦の御旗を振り回し、財政出動ばかり主張する政治家たちを置いて他にいないと思います。

 私、こんないい加減なことを言われて黙っている財務省も財務省だと思うのです。

 しかし…よくよく考えてみると、安部総理自身が、この産経新聞と同じような考え方であるので、反論もしづらいということなのでしょう。





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 昨日は、財政政策の基本について考えてみました。

 しかし、安倍総理もそうであるように、財政出動をすれば日本経済はまた復活するなんて主張する人も多いのです。

 財政健全化を急ぐあまり予算をけちると景気は益々悪化し、そうなると税収だって減るばかり! 税収を減らしたら意味がないではないか、と。

 そうではなく、景気を良くして税収を増やすことを考えるべきであり、そのために財政出動をして、経済に活気を与えるのだ、と。

 そのようなことを言う人々は、財務省の緊縮財政路線が日本経済の復活を妨げている、なんてことも言うのです。

 私に言わせたら、冗談も休み休み言って欲しい、と。

 日本の財政のどこが緊縮的なのか、と。

 日本の財政が緊縮的であるのなら、政府債務残高の対GDP比率が先進国で一番高くなる筈などないではないですか!?

 それにこんなことも言います。幾ら借金をしても、それが有効に使われ利益を生む出すのであれば、借金を返済しても余りあるものになる、と。

 確かに、資本を有しない事業家たちが将来性のある事業を始めるためには、借金をしてでもお金を集めることが必要です。借金がいけないと言っているのではないのです。

 問題は、借金をして事業を始めたとして、それが将来十分ペイするものかどうかの見極めがついているかということなのです。

 従って、民間企業が借金をして新規の事業を始めたり、既存の事業を拡大することは十分考えられます。

 しかし、国がやる場合には…

 国が道路や橋を作っても、それが有料施設でない限り利益を生むことはありません。

 というよりも、社会にとって必要である事業であるが、利益を生まないために民間が行うことがないので、そこで政府の出番となるのです。

 もちろん、昨日も言いましたように、政府が将来利益を生む事業に投資することも考えられない訳ではありません。

 しかし、これは確実に儲かりそうだいう事業が存在した場合、そのような事業に政府がお金を出すことを民間の事業者たちが黙ってみているというのでしょうか?

 確実に儲かる話なら、政府が動く前に起業家たちが動いている筈です。

 政府に対して、お金を出さないかなんて話があるとしたら、ほぼ間違いなくリスクが大き過ぎるとか巨額の資本が必要とされるというような特殊な事情がある筈です。

 それに、仮に政治家たちがこれは儲かりそうだという事業を見つけたとしたら、そのような事業を国にやらせるなんてことは考えずに、個人として投資することを選ぶでしょう。

 つまり、国が特定の事業に多額のお金を投じる場合の殆どは、採算の見込みがなかなか立たないものが多いのです。

 儲かる事業は民間が出資し、儲かるかどうか分からない事業やリスクの高い事業には国に金を出させる、と。 

 いずれにしても、例えば公共施設の耐震工事に多額のお金を投じたり、或いは、全国津々浦々まで新幹線が通るようにしたとして…それで日本の経済成長率が高まり、その結果、税収がぐんと増えるなんてことが期待できるでしょうか?

 無理でしょう?

 というのも、例えば新幹線の整備にしても、十分ペイするなら、国がお金を出さなくても民間が主体になってどれだけでも事業は進められている筈だからです。

 国がお金を出さないと進まない新幹線の整備事業というのは、仮にそうして新幹線が整備されたとしても、利用客が少なく採算が取れる可能性が小さいと関係者が思っているからなのです。

 結局、こうして政府の借金はまたまた増えるものの、税収は殆ど増えることはない、と。

 誤解のないように言っておきますが、公共事業に国が金を出してはいけないと言っているのではないのです。
自然災害の復旧復興事業など、どうしてもやらなければならない公共事業というものはあるからです。

 しかし、単に景気対策のために行う公共事業の場合には、景気対策を打つということに目的があるために、巨額の予算が付く半面、事業内容の精査が十分なされることなく実施されることが多いので、どうしても無駄な事業が含まれてしまうのです。

 百歩譲って財政出動の意義を認めるとしても、今みたいに人手不足が問題になっているのに財政出動する理由はない筈です。

 与党は、財政出動を主張する一方で、外国人労働者をもっと受け入れる考えであることが本日も新聞で報じられていましたが、全く矛盾することを行っているということなのです。



 失業率が高くもないのに財政出動をしたり、民間に賃上げを求めながら、他方で外国人労働者の受け入れ枠を増やすなんてことをしているのは、矛盾していると思う方、クリックをお願い致します。
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