経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

カテゴリ: 不祥事

 本日も、ウェスティングハウス社ののれん代について考えてみたいと思います。

 先ず、11月7日(土)に行った東芝の記者会見資料からみてみることに致しましょう。

 あれっ、何か気が付きませんか?

 普通の人はお休みの土曜日に記者会見を開いているのですよ、東芝さんは。

 前置きはそれくらいにして…

 のれん代に関する数字を公表しています。

東芝 決算


 如何でしょうか?

 昨日ウェスティングハウス社に係るのれん代は4000億円程度と書きましたが、2015年9月末現在ではそれより幾分少ないようです。

 しかし、のれん代にその他の無形資産をトータルすると1兆円を超える訳で、東芝の資本の脆弱さが推測されるといったら言い過ぎでしょうか?

 では、次に、何故東芝はウェスティングハウス社に係るのれん代を償却してこなかったか? 以下が、記者会見で述べられたことなのです。

 少しテクニカルな話になりますが、ウェスティングハウスの減損の話というのはですね、余り皆様方に具体的
にお話をしていなかったのかなという反省に基づきまして、今回概念だけですね、減損の会計処理方法をご理解して頂きたいと思って、この表を付けさせて頂きました。

 左側がウェスティングハウス社単体でございます。それから右側が東芝、まあ連結と言うことでございます。

 左側はウェスティングハウス社、これは一つの会社でございますので、このなかに4つのプロダクトラインをもってます。2012年で申しますと、燃料、オートメーション、サービス、新規建設、13年で申しますと、燃料、オートメーション・フィールドサービス、それからエンジニアリング・機器・大型工事、それから新規建設と。こういう4つのプロダクトラインをまあ以前から、買収前からそうなんですけども、2006年に買収した当時もですね、
2012年と同じようなフォーメーションでプロダクトラインを動かしてました。

 ウェスティングハウス社としてはですね、この4つのプロダクトラインがありますもんで、この一つ一つについて買収後は減損判定をしていかなければいけないということでですね、2012年ですとそのバツが付いているところでございますが、オートメーションと新規建設を、それから2013年については新規建設をそれぞれ減損処理をしてございます。一方、東芝の方はですね、東芝連結からみると、ウェスティングハウス社を買収したということになりますんで、ウェスティングハウス社全体のバリューを見極めるという風な評価になります。え、これをやりますとですね、2011年度以前はもとよりですね、2012年、2013年もですね、きちんとウェスティングハウス社のバリューはあるという判断の下にですね、あの減損は、連結では致してはおりません。

 それから14年度からはですね、さきほどご説明をさせて頂いたようにですね、まあ、シナジーを取っていくというグローバル原子力事業を本格的に推進していく、あの会計上は研究、或いは製造、そらからマーケッティング、こういった組織が一体化をしているということがポイントでございますんで、まあ、偶々そういう組織にしたということでですね、減損判定も必然的ににですね、グローバルベースでやるということになってしまいましたんでですね、原子力事業一本でですね、東芝としても減損判定をしているということでございます。あのう、事業の実態に合わせてですね、会計処理としていっているということは是非ご理解をして頂きたいと思います。
 

 「是非ご理解をして頂きたいと思います」と言っていますが、全然理解できません。

 そもそも2012年度と2013年度は、ウェスティングハウス社自身が米国の会計ルールに則って減損処理をしたのに、東芝本体は減損処理をしてない。理由はと言えば、ウェスティングハウス社の価値はしっかりあるからだ、と。でも、子会社自身が価値が落ちたと認めているのです。そのような処理が米国の会計ルール上認められるものなのかどうか、大いに疑問があるのです。

 それに、2014年度からはそれまでウェスティングハウス事業部として評価していたものを原子力事業部として評価するように変更したのも納得がいきません。継続性の原則に反するではありませんか?

 どう考えても無理スジな説明としか思えません。


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株式 ソシエテ・ジェネラルの若手ディーラーが不正
取引を行い、49億ユーロの損失を被ったことが
報じられていました。

 ソシエテ・ジェネラルとは、フランス第2位の銀
行です。

 そして、49億ユーロとは、約7600億円です。

 
 で、問題を起こしたディーラーは、31歳で、2000年に入行し、事務部門
を経験した後、2年前からディーリング部門に移動したとあります。年収
は、10万ユーロ未満だと。

 で、このディーラーは、2007年から不正な取引を行っていたようなので
すが、1月18日に、行内の管理部門が株価指数先物取引に関連した不
審な取引があるのを発見し、当人に質したところ、不正取引を認めた
と。

 そして、ソシエテ・ジェネラルは、19日にフランス中銀に報告するととも
に、21日には、不正取引にかかる解消売りを開始したということです。

 で、不正取引の持ち高は、何と730億ドル(7兆7千億円)にも上ってい
たといいますから、どうしてそれだけの取引に気がつかなかったと、不
思議な気になりますね。

 で、不正取引が明らかになった時点での損失額は、実は15億ユーロ
だったとか。

 49億ユーロではなく、15億ユーロなのです。

 それが、21日から解消売りを行った結果、24日に損失が49億ユーロ
に拡大しているのですね。

 どうしてか?

 解消売りを一時にどっと行ったために、株価の急落を招いてしまった
のです。

 で、世界同時株安を演出すると同時に、自ら損失を34億ドル(約5300
億円)も拡大させてしまったのですね。

 昨年8月9日にサブプライムショックが世界を襲ったときも、フランスの
銀行であるパリバの払い戻し停止がきっかけになりましたが、今回また
してもという見方が浮上しているのです。

 不正取引の解消売りといっても、規模が巨額なだけに、他に方法はな
かったのかという思いもありますね。

 でも、これで少しだけ最近の米国の景気対策とそれに対する反応、即
ち、株価の動向の関係がはっきりした気がします。


 ブッシュ大統領が18日に1500億ドルに上る景気刺激策を発表しても、
株価はむしろ下がってしまったのですが、その背景には、この巨額の解
消売りがあったのです。そして、それを知らない市場関係者は、株価下
落の要因を、モノラインの経営危機などに求めざるを得ませんでした。

 で、21日には、FRBが0.75%の緊急利下げを発表するのですが‥、ひ
ょっとしたら、このソシエテ・ジェネラルの巨額の損失についても考慮し
たのではと、言われているようです。

 
 いずれにしても、これほど巨額な不正取引をどうして見抜けなかった
のでしょうか。

 アメリカやヨーロッパの金融監督体制に弛みが生じているのではないでしょうか。


 FRBは、景気減速を考慮して大幅な利下げを決定し、また、次回の公
開市場委員会でも利下げを行うと予想されています。

 決して、株価の下落に対応したものではないことになっています。きっ
かけは株価の下落でも、その株価の下落はリセッション入りを示唆する
可能性があるからです。

 しかし、株価の下落の主因が、巨額な解消売りだとしたら‥

 米国の金融政策は、マーケットに弄ばれている気もしますね。

 

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 やばい経済学というのがベストセラーになっています。正確には、「ヤバい経済
学」であり、原題は、FREAKONOMISです。

 freakは、奇人、変人のことですから、FREAKONOMICSは、奇人変人の経済
学という意味になるのでしょうか。

 次が、その本の表紙です。やばい3やばい1                              

左側が、日本語版です。原
書も似たようなデザインのよ
うです。右側は、ペーパーバ
ック版の表紙で、こちらの方
が、やばそうな感じがしま
す。

 

 ところで、どんな内容の本なのでしょうか。ちょっとだけ覗いてみましょう。

 第1章 学校の先生と相撲取りの共通点は何か。

 第2章 Ku Klux Klan は、不動産屋のグループとどのように似ているのか。

 第3章 ヤクの売人はどうして母親と暮らしているのか。

 第4章 犯罪者は皆どこに行ったのか。

 まだ、この後も続きますが、何となく内容がイメージできたでしょうか。

 はっきり言って、第2章は、サブタイトルの意味するところが、何のことかさっぱ
り分かりません。他の章は、質問の意味は分かりますが、どんな答えか想像でき
ませんね。

 この本を読んで経済学が分かることはないと思います。経済学を勉強した人
は、著者が何を言いたいのか想像がつくと思いますが‥。

 では、経済学の素養がない人には、この本は面白くないか?

 そんなことは決してありません。

 大変面白く、説得力があります。

 特に、犯罪は、どうして近年激減したかという問いに対する答えは、とても納得
がいくものです。我々が如何に、物事を勝手な推測で理解しようとしているかが
分かります。

 しかし、それと同時に、現実の世界の醜さを突きつけられて、少し暗い気持ち
になるかもしれません。だから、経済学は、dismal science と呼ばれるのでしょう
か。

 やばい経済学を読んでみようかなと思う人は、クリックをお願いします。

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