経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

カテゴリ: 中国

 日経が報じています。
 中国が再び米国にとって最大の債権国となった。6月末の国別でみた米国債保有額は、9か月ぶりに中国が日本を抜いて首位に踊り出た。

 では、何故再び首位になったのか?

 続きをお読みください。
 下げていた人民元相場が落ち着き、外貨準備のドルで元を買う市場介入を減らしたためだ。

 如何でしょうか?

 中国は為替介入を行わないようにしていると理解した人が多いかもしれませんね。

 だって、市場介入を減らしたためだ、と言っているからです。

 でも、もし、そのように理解した読者が多ければ、この記事は明らかにミスリーディングと言っていいでしょう。

 では、何故ミスリーディングなのか?

 その解説をする前に…

 では、何故中国の米国債保有高は暫くの間、日本に抜かれていたのか?

 それは、人民元が安くなりすぎたために、中国当局が人民元の買い介入を行っていたからです。

 人民元を買うということは手持ちのドルを売るということで、当局がドルを売れば当然のことながら外貨準備のドルは減る訳です。そして、手持ちのドルは米国債などの形で保有することが多いために、外貨準備のドルが減れば米国債の保有高の減少につながることが通常なのです。

 では、その人民元買い、ドル売りの介入を止めれば、外貨準備は増えるのか?

 外貨準備の減少は止まるにしても、増えることはありません。

 外貨準備が増えているということは、ドル買い介入を再開したということなのです。

 つまり、ドル買いの為替介入を再開したために中国の米国債保有高が再び増えだしたのです。

 従って、為替介入を強化したことが中国の米国債保有高が増えた理由なのです。

 但し、為替介入の向きが全く逆。

 そして、ドル買いの為替介入に伴いそのドルで同時に米国債の購入を同時に行っているということも見落としてはいけません。

 いずれにしても、中国が人民元を買い支える必要がなくなっているということは、一頃懸念されていた中国からの資本の流出が止まっているということになるでしょう。

 つまり、中国の景気も良くなっているということが想像される訳ですが…

 しかし、最近発表になった中国の7月の経済指標をみると…

 景気は鈍化しているという見方が一般的であり、なんとも言えない気がします。


 

 いずれにしても、中国当局は為替介入を止める気がないということだと思う方、クリックをお願い致します。
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 激動の2016年も残り約3週間となりました。

 年明けとともに世界的な株価の下落が起きた訳ですが…逆に年末を控えた今、株価は様変わりの様相を呈しています。

 しかし、その一方で変わらないこともあります。

 それは、中国からの資本流出が続いているということです。

 2016年1月27日、私は、「2016年中に5520億ドル(65兆円)の資金が中国から流出すると予測する国際金融協会」と題する記事を書きました。

 で、実際にはどうなっているかと言えば…

 Wall Street Journal が次のように報じています。

 The Institute of International Finance, a Washington-based group of global financial institutions, estimates net capital outflows of $530 billion from China in the first 10 months of the year.

 「ワシントンに本部がある世界の金融機関の集まりである国際金融協会は、今年の10月までに中国から5300億ドルのネットの資本流出が起きたと見積もっている」

 10か月で5300億ドルということは、1年に換算すれば6360億ドルということで、予想した以上のペースで資本流出が続いているということになります。

 では、どうして資本流出が止まらないのか?
 
 As Beijing Battles to Keep Yuan at Home, Chinese Prepare to Sell(「中国当局が人民元を国内に留めようとする一方で、人々は売る準備をする」)と題するWall Street Journal の記事は、次のようなことを言っています。

 ・中国の人々は人民元の価値が将来もっと低下すると予想しているので、人民元をドルなどに交換して外国に持ち出そうとする動きが止まらない。

 ・個人には年間5万ドルまでの外貨交換制限が課せられているが、これが縮小されるのではないかとの憶測がある。

 ・外貨交換制限枠を使い果たしている個人も、年が明ければ新たな枠を使うことが可能となるので、1月には資本流出が加速する可能性がある。

 ・外貨交換制限枠を縮小すれば、資本流出の流れを弱めることができるかもしれないが、その一方で、むしろ人民元のパニック売りを誘発してしまうリスクもある。


 ということで、人民元安の動きは当分止まりそうもないというところなのですが…しかし、同時にそれは、中国当局の意に反する結果であることも明らかなのですが…そうした事実にトランプ次期大統領はどう対応することになるのでしょうか?

 米国の一般の人々がそのような事実について理解したとき、トランプ氏の言うことに信頼を寄せる人はいなくなってしまうと思います。

 


 トランプ次期大統領と安倍総理は、誰かを悪者にして弱者の共感を呼ぼうとしている点では共通しているなと思う方、クリックをお願い致します。(トランプ氏は、中国やメキシコを悪者にし、そして、安倍総理は旧日本銀行がデフレを起こしたとして悪者扱いしたのです)
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 中国の11月末の外貨準備高が発表になりました。

 前月末より691億ドル少ない3兆516億ドルになったそうです。

 因みに、我が国の11月末現在の外貨準備高は1兆1219億ドルですから、我が国よりも遥かに多い外貨準備を保有していることが分かります。

 但し…重要なことは、その中国の外貨準備高は、ピーク時に比べるとかなり減っているということなのです。

 これまでのピークは、2014年6月の3兆9932億ドルですので、ほぼ4兆ドルと言っていいかと思うのですが、それが3兆ドル程度までに減ってしまったので、25%ほども減少しているのです。

中国の外貨準備高 2016−11 改訂版



 では、何故中国の外貨準備が減っているかと言えば…

 何故でしょう?

 中国の経済が減速気味となっており、資本が海外に流出しているから?

 如何でしょうか?

 そのようにお考えになった方がいるかもしれませんが、それは正解ではありません。

 否、資本が海外に流出しているというのが間違っているというのではありません。

 確かに資本の流出は起きていると思うのですが、通常、外貨準備とは、公的部門が保有する外貨等を指すので、そのような動きは「外貨準備」には反映されないからです。

 つまり、中国の外貨準備が減っているということは、中国の公的部門が保有する外貨が減っているということを意味するのですが…では、何故公的部門の保有する外貨が減っているかと言えば、その主な理由は、資本の流出を背景とする元安を食い止めるために、当局が保有する外貨を売り、人民元を買い支える介入を行なっているからなのです。

 これまでも何度か言及してきましたが、トランプ次期大統領が、中国が不当な為替介入をして人民元の価値を低くしているという批判が全く的を得たものではないことがこれでよく分かると思うのです。

 但し、11月の中国の外貨準備高が減った理由はそれだけではありません。

 日経は、次のように書いています。
 「国家外貨管理局は7日、通常は公表しない外貨準備高の減少要因の分析を発表した。
 
 1つ目の要因は人民銀による為替介入。トランプ氏が米大統領選に当選してから元は他の新興国通貨と同様に対ドルで下落した。人民銀はドル売り・元買いの為替介入を実施しており、外貨準備で保有する米国債などが売却で減少したとみられる。」

 こんなことを中国当局がわざわざ発表するということは、トランプ次期大統領に対して、事実をよく認識して欲しいということなのでしょう。

 ただ、国家外貨管理局は、他にも2つ理由を挙げています。

 なんだかわかりますか?

 一つは、米国債の価格が下落したこと。そして、もう一つは、ドル高になったこと

 どうしてこれらのことが理由になるのかお分かりでしょうか?

 少し考えてみてください。

 米国債の価格が下落する、つまり、米国債の利回りが急上昇すると、どうして中国の外貨準備が減るのか?

 答えは、国債の価格が下落すると、それがそのまま外貨準備に反映するからです。

 では、ドル高になると何故中国の外貨準備は減るのか?

 外貨準備はドル建てで表示されているので、幾らドル高になっても関係がないように思う人がいるかもしれません。

 答えは、中国が例えばユーロ建てや円建ての資産を保有している場合、それらのドル建ての評価額がドル高になった分だけ減少してしまうからなのです。

 つまり、トランプ氏が次期大統領になることが決定して以来、金利の上昇とドル高が起きていることも、中国の外貨準備高が減少する原因になっているということなのです。 

 因みに、この米国債の価格下落とドル高は、日本の11月末の外貨準備が減った理由にもなっています。



 中国も外貨準備高が3兆ドルを切ると、流石に先行きの不安が高まるのではないかと思う方、クリックをお願い致します。
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 米商務省長官が23日、中国を世界貿易機関(WTO)協定上の「市場経済国」と認定するには機が熟していない(not ripe)と表明しました。

 つまり、これからも中国を非市場経済国として扱い続けるということなのですが…でも、それは具体的にどういうことを意味するのでしょうか?

 答えは、ある国がダンピングなどをした際、その国が
非市場経済国であればダンピングの対抗措置が取りやすくなっているのです。
 
 
 実は、中国は今から15年前の2001年にWTOに加盟しましたが、その際、当初15年間は他国からダンピング認定で不利な条件を課される「非市場経済国」として扱われることを受け入れたのです。

 
しかし、時が経つのは早いもので今年の12月11日にその扱いが終了しようとしているのです。

 当然のことながら、中国は他の先進国並みとして扱われる、つまり市場経済国(Market Economy Status)として認められ、反ダンピング関税などがかけられることが少なくなるものと思っていたところ…

 米国が、not ripe 、時期尚早とつれない態度を示しているのです。

 これもトランプ氏が次期大統領に就任することが決まったことと関係があるのでしょうか?

 全く関係はないようです。

 というか、以前から欧米は、中国を市場経済国として認めることに難色を示していたからなのです。

 何故?

 少なくても欧州勢は中国には相当気を使っていたのに、何故?

 というのも、例えば中国は鉄鋼の過剰設備を有し、今でも鉄鋼を極めて安い価格で輸出し続けている、つまり欧米等からみたらダンピングをしているために、日本を含め世界の鉄鋼メーカーは大変な迷惑を被っているからです。

 つまり、なんとかしてそのような安売り、つまりダンピングを止めさせたいと考えているのに、中国が市場経済国として扱われることになれば、ダンピングを止めさせる手段が限られてしまうのです。

 でも、中国を市場経済国として認めないというのであれば、何故中国の人民元をSDRの構成通貨にすることを認めたのでしょうか?

 一方で、中国が市場経済国でないというのなら、そのような国の通貨をハードカレンシーとして認めるのはおかしいとは思わないのでしょうか?

 多分、それには所管の問題が絡んでいるのでしょう。

 つまり、通貨問題は米財務省の所管であるが、貿易摩擦に関することは米商務省の所管である、と。

 となれば、財務省は中国にある程度の理解を示しているが、商務省は中国には厳しく当たるということなのでしょうか?

 そう言われれば、米財務省は、トランプ氏の立場とは異なり、中国が人民元の価値を低くするために介入を続けているなんて言ってはいませんし、それに、米国にとって中国は最大の債権者である事実の重みを十分承知しているのでしょう。

 一方、商務省の方は、米国の産業界の利益を代弁する立場にあるので、どうしても中国には文句を付けたくなってしまうのでしょう。

 いずれにしても、まだまだ揉めそうな気がします。

 


 
 中国が、他国の鉄鋼メーカーがどうなろうと、そんなことは知ったことでないと思っているのは間違いないと思う方、クリックをお願い致します。
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 株価がまた軟調になっていますが…何が原因だかお分かりでしょうか?

 実は、中国の2月の貿易統計が発表になったのですが、輸出が前年同月と比べて25.4%も減少していると言うのです。

 こんなに減少したのはリーマンショック後の2009年5月に26.5%減少して以来のことだというので、如何に大変な事態か想像が付くと思うのです。
 
 グラフをご覧ください。

中国の輸出入伸び率

 もう1年間ほど、輸出が前年同月比でマイナスになるのは当たり前のようになっていますよね。そして、マイナス幅は大きくなるばかりのようなのです。

 今回の輸出の大幅な減少について、日経新聞は次のように報じています。

 「商品別の輸出額では、鋼材が1〜2月累計で前年同期に比べ3割を超える減少だった。衣料品や靴など労働集約型の商品も減少が目立ち、人件費の上昇で輸出競争力に陰りが生じている。」

 人件費の上昇で輸出競争力に陰りが生じている!

 確かに、それは言えるでしょう。だって、中国では過去5年間で最低賃金が2倍に跳ね上がっているからです。それでは、流石に他のアジア諸国との競争では不利になってしまうのです。

 それに、例えば供給過剰を理由に安値で商品を輸出すると、数量が変わらなくても輸出額は減ってしまいます。

 ところで、私は昨年の10月、「中国の景気減速がより深刻になることを示すデータ」と題して記事を書きました。

 どういう内容だったかと言えば、中国の9月の貿易統計が発表になったところ、輸出が3.7%と3カ月連続でマイナスになったことについて論評したものです。

 あれから5か月が経過し、輸出の減少率は益々大きくなっているのです。

 中国の場合、輸入が輸出の先行指標になっている面があるので、輸入の減少幅が小さくなり、ゼロに近づき始めると、そろそろ輸出も回復することが期待されるのですが…

 いずれにしても、今後中国の輸出はどうなるのか? そして、中国の景気はどうなるのか?

 リーマンショック後、前年同月比で輸出が26.5%ほど減少した後、中国の輸出は回復したので、今回もそろそろ輸出の減少幅は縮小していくと期待できるのでしょうか?

 しかし、リーマンショックの後、世界的に貿易が停滞したのは、世界経済が不況に陥ったからに他なりません。

 では、今、中国の輸出が停滞しているのは、世界経済が再び不況に陥っているからでしょうか?

 確かに成長率が伸び悩んでいるのは事実ですが、でも、それほど深刻な状態ではないのです。

 つまり、対外需要が伸び悩んでいるから中国の輸出が伸びないというのではないのです。

 では、何が主な原因なのか?

 それは、中国の人件費が高騰した結果、輸出競争力が相対的に落ちてきたからではないでしょうか。

 もし、それが真の理由だとすれば、そう簡単に中国の輸出が回復することは期待できないでしょう。

 そして、中国の輸出の回復が期待薄であるのならば、中国に対する我が国の輸出が回復することも期待はできないでしょう。

 グラフをご覧ください。

 対中国向け輸出


 昨年の8月以降、中国向け輸出の伸び率の低下が全体の輸出の伸び率を押し下げていることが窺われるでしょう?

 中国の輸出の不振が、今後も我が国に対し深刻な影響を与えることが懸念されるのです。



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 先月の9日、私は、「爆買いはいつまでも続かない」と題して記事を書きました。

 中国人の訪日客が昨年の9月頃から減っている状況を指摘したものです。

 案の上、全国で免税店を展開するラオックスが先週行った記者会見でも、同社の社長が次のように述べたのです。

 「中国で株価が暴落した去年9月ごろから、一部の店舗で1人当たりの購入単価が下がってきた。高額な家電商品の購入が一巡する一方、化粧品などの日用品が買われている」

 「人民元の値下がりもあり、消費意欲に影響があるのは間違いない」

 中国人の爆買いに期待しすぎると大変な目に遭うぞ、という私の警告が当たりつつあると私は思いました。

 しか〜し…

 本日、次のようなニュースに接したのです。

 「経済減速なんのその 1月の訪日中国客、前年比倍増」(朝日新聞)

 「観光庁は16日、1月に日本を訪れた中国人旅行者数が前年比2・1倍の47万5千人に上ったと発表した。昨年12月と比べても4割近く増え、中国経済の減速が鮮明になる中でも、依然として伸び続けている。」

 「観光庁が小売業者らにヒアリングしたところ、日本での「爆買い」の勢いも衰えていない。人気商品は、家電から化粧品などの消耗品に移っているという。」
 
 如何でしょうか?

 私の予想は間違っていたのでしょうか。そして、ラオックスの社長も心配し過ぎだったのでしょうか?

 グラフをご覧ください。

中国人訪日客数3


 中国人の訪日客数を示したものです。

 確かに、今年の1月は、昨年の12月に比べて増えていますね。

 但し、そうは言っても、昨年8月のピークと比べれば少ないことは事実。

 日本政府観光局はどんな見方をしているかと言えば…
 
 中国は、前年同月比110.0%増の475,000 人で、1 月として過去最高を記録。クルーズ船寄港数の増加(4 隻:5,000 人→26 隻:76,450 人)や航空路線の拡充(深圳-成田線、成都-成田線、南通‐名古屋線等)に加え、学校休暇の開始が昨年より約1 週間早まり、1 月となったことによる家族旅行需要の増加が数字を押し上げた(昨年の冬休み需要は主に2 月)。この時期は、雪の観賞や雪遊びを目的とした北海道での滞在に人気がある他、温泉や買い物も訪日旅行の大きな誘因魅力となっている。旅行会社等へのヒアリングでも、JNTO が訪日旅行プロモーションを強化している個人旅行者(FIT)の増加も顕著とのことであり、1 月の訪日需要増加を支える原動力となった。
 
 やや分かりにくいので、再び朝日の記事をみると…

 「日本に入国するためのビザの要件緩和に加え、日本と中国を結ぶ航空機やクルーズ船が増え、旅行がしやすくなっている。旧正月の「春節」が前年より早く、学校などの休みが1月にかかったことで、家族旅行も増えた。」

 要するに、学校の冬休みの開始が2月から1月に1週間ほど早まり、それで旅行客が増えたことが大きいということではないのしょうか。

 ということは、本来なら2月に来るべき旅行客が一部1月にずれ込んだ、と。

 だとしたら、2月は、その分少ない数字になるということであり、やはり基調としては、爆買いの勢いは衰えているとみた方がいいのではないでしょうか。

 
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 国際金融協会(IIF)が、中国からの資金流出が2016年には5520億ドル(約65兆円)になるとの予測をとりまとめました。

 もっとも、この流出規模は、過去最大だった2015年に次ぐ高水準だとありますから、既に起こっている資金流出が2016年もほぼ勢いを弱めることなく継続するという風に理解する必要があります。

 いずれにしても、そうなると、今後も人民元には下げ圧力がかかり、また株価も弱含みで推移することが容易に想像されるのです。

 案の定というべきか、本日もまた上海総合指数は下げ続けています。米国や日本のマーケット反は発しているにも拘わらず、です。

 ところで、この予測をとりまとめた国際金融協会とは何ぞやと言えば…

 The Institute of International Finance, Inc. (IIF) is a global association or trade group of financial institutions.

 It was created by 38 banks of leading industrialized countries in 1983 in response to the international debt crisis of the early 1980s.

 1980年代の累積債務問題に対応するために、1983年に先進国の38の銀行によって創設された組織である(Wikipedia)、と。

 2015年7月現在、79の国と地域から商業銀行・投資銀行・証券会社・保険会社・投資顧問会社など459社が参加している、とも(デジタル大辞泉)

 ということで、その構成メンバーの層の厚さからして、今回の予測は単なる一機関の予測というよりも、国際金融界の最大公約数的な予想であると言うべきでしょう。

 つまり、国際金融に携わる多くの人々がそのような予想をしている、と。言ってみれば、中国からの資金流出は今や常識である、と。

 ただ、予想は予想であり、必ずしもそうなるという保証はない訳ですが、しかし、中国に流入していた資金の主な出所は先進国側であって、その先進国側の金融機関が主なメンバーであるIIFがそのような予想をする訳ですから、その予想の意味は大変に重いと言わざるを得ません。

 如何でしょうか?

 要するに、少なくてもこの先1年は、中国からの資金流出が継続し、株価も弱含みで推移するという可能性が高いということなのです。

 では、そうした動きが続く中、日本の経済や日本の株価にはどのような影響を与えると考えられるでしょうか?

 少なくても日本の実体経済にプラスの影響を与えることはないでしょう。否、相当な影響を与えると覚悟しておいた方がいいかもしれません。

 では、株価に対してはどうでしょうか?

 ここ暫く、中国の株価に引っ張られっぱなしの感のある日本の株価ですが…例えば、米国経済が、中国経済の減速にも拘わらず力強く回復しだせば、そして、株価も再び回復するようなことになれば、日本の株価もむしろ米国の株価に追随する可能性の方が大であるのではないでしょうか。

 その意味では、日本の株価は必ずしも中国の株価に引っ張られる運命ではない、と。

 いずれにしても、国際金融協会が、今年も中国から大量の資金流出が続くと断言した訳ですから、基調としては人民元と上海株は軟調であると考えていた方がいいと思います。



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 本日、日本政府観光局が2015年の訪日外客数を発表しました。

 な、な、なんと、その数1973万7千人前年比47.1%も伸びているのだとか。

 但し、経済通の方は、このニュースを聞いても何も驚かないと思います。

 というのも、そのくらいの数字になることは数カ月前から予想されていたからです。

 いずれにしても、爆買いの言葉に象徴されるように、日本を訪れる外国人旅行者の数が急増していることを如実に示す統計データです。

 それに、こんなことも言っています。

 ・主な要因は、クルーズ船の寄港増加、航空路線の拡大、燃油サーチャージの値下がりによる航空運賃の低下、これまでの継続的な訪日旅行プロモーションによる訪日旅行需要の拡大。

 ・市場別では、主要20市場のうち、ロシアを除く19市場が年間での過去最高を記録し、中でも中国は前年比107.3%増の499万人に達し初めて最大市場となった。

 中国人の旅行者が499万人ということですから約500万人。全体が約2000万人と考えれば、日本を訪れた外国人のうち4人に1人が中国人だったということなのです。

 因みに、この中国人というのは狭義の中国人であり、他に台湾の旅行者が368万人、香港の旅行者が152万人ですから、全部合わせると、1019万人。つまり、外国人旅行者のうち2人に1人は、広い意味での中国人になるのです。

 どう思います?

 まだまだ爆買いは続くぞ、ホテルを建設したり、民泊をもっと認める必要があるなんて、考えますか?

 でも、それは少々軽率!

 次のグラフをご覧ください。

 中国人訪日客数2


 1月9日にも似たようなグラフをお示ししました。あのときは、2015年11月分までのデータしかカバーされていなかったんですが、今回は12月のデータもカバーされています。

 いいでしょうか、これが実際に毎月日本を訪れている中国人旅行者の数値なのです。

 未だに高い水準を示しているとはいっても、8月のピークと比べれば急激に減っているのです。

 恐らく、中国経済の減速、そして、人民元の下落などを背景にして、これまでのような爆買いは少し沈静化するとみていた方がいいのではないでしょうか。

 もちろん、全体としての傾向は、これからも日本を訪れる外国人の旅行者の数は増えるでしょうが…その増加のペースはひと段落すると考えた方がいいでしょう。



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 アジアインフラ投資銀行(AIIB)の金立群総裁が17日、就任後初めて記者会見し、無駄がなく(lean)、清潔(clean)で、環境に優しい(green)をモットーとして掲げ、実行力を伴う国際開発銀行にすると語ったとされています。

 リーン、クリーン、そして、グリーンと韻を踏んでいるということですね。

 調べてみたら、このモットーは以前から総裁のものというよりもAIIBとして掲げているらしいのですが…ちょっと格好良すぎではないのでしょうか。

 まあ、本当にlean で、clean で、そして green なら申し分ありませんが、今の中国を見ている限りとても信じることはできません。

 また、だからこそ日本と米国はAIIBへの参加を見送ったと言っていいでしょう。

 でも、AIIBの総裁は、次のようにも言っているのです。

 「ドアは開き続けている」

 そうですか。要するに、米国と日本にも参加をして欲しいという訳ですよね。
 
 では、何故米国と日本の参加を望んでいるかと言えば…

 「中国主導」の色が強くなりすぎることを避けたいのではなんて言われていますが、米国と日本が参加しないと、十分な資金が集まらないことが一つと、また、AIIBが独自に資金調達をしようとしても、日米抜きの国際機関では高い格付けが得られないからではないのでしょうか。

 要するに、日米を巻き込んで、中国の有利になるようにことを運びたい、と。

 だったら、日米としても、中国が変わったと確信を得るまでは参加すべきではないでしょう。折角筋を通して参加を見送ったのですから。

 ただ、そうはいっても、今後の成り行き次第では米国がいつAIIBに参加しないとも限りませんが、では、仮にそうなったときには日本もAIIBに参加すべきなのでしょうか?

 私は、必ずしもそうは思いません。

 繰り返しますが、中国が変わったと確信を持てるようになるまで、日本はAIIBへの参加を拒否し、それなりのシグナルを中国に送ることが大切だと考えています。

 いずれにしても、アジア諸国のためのAIIBというよりも、プラント輸出等を通じて中国の利益になるようなことを考えているとしか思えないのですから、今後、じっくりと模様眺めに徹するべきだと思うのです。




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 本日もマーケットの動向が気になるところなのです。

 NY株の上昇を受け、反発して始まった東京市場も、人民元安の動きと中国株の動きを意識し、再び下げている模様です。

 いずれにしても、今年に入ってからの世界のマーケットは、中国の動きに引きずられているといっていいでしょう。

 私、今年に入ってから上海総合指数の動きをリアルタイムで観察することが多くなっているのですが、3000ポイントを巡る攻防とでも言うのでしょうか、なかなか方向が定まりませんよね。

 急激に上昇しないまでも、最低3000ポイントはキープし、少しずつ上昇基調をたどるようになれば欧米や日本のマーケットも落ち着くのでしょうが、そうは問屋が卸さない、と。

 それにしても、一時期5000ポイントを越していたのに、今や3000ポイントのキープが難しい訳ですから、やはり下げ過ぎているとみるべきなのでしょうか?

 中国当局は、如何にも今の株価の低下が異常なものの如く扱っていますが…本当に異常なのでしょうか?

 そのような問いに対して、私、そう簡単に答えることはできないのですが…
 
 グラフをご覧ください。

上海総合指数 長期

 
 過去4〜5年ほどの株価の推移を示しています。

 どう思いますか?

 こうして少し長い目でみると、今のおよそ3000ポイントの水準がそう低いものではないことが分かると思うのです。というよりも、2014年11月頃からの株価の上昇が大変に顕著であったことがお分かりになると思うのです。

 それまで、2000ポイント程度の水準にあったものが何故、急に上昇をし始めたのか?

 私は、先ずその理由をはっきりさせることが先決だと思うのです。

 で、その理由について、これまで言われていたことと言えば…

 ・金融緩和で過剰流動性が発生したこと(金融相場)

 ・上海市場と香港市場の相互取引が開始され、海外投資家が香港経由で上海上場の中国株を売買できるようになったこと

 
 まあ、他にも理由はありそうですが、一言で言えば、金融相場でバブルが発生したというのが一番当たっていると思います。

 というのも、株価が上昇し始めた時点では、既に中国の景気減速や設備過剰の問題が周知のこととなっていたからです。つまり、実体経済の面では好ましい材料がなかったのに、株価だけが上がった、と。

 でも、だからこそ、一気に5000ポイントを越すほどの水準にまで達すると、実体経済の面では景気の減速が心配されているのに、何故株価だけが上がるのかという疑問が投資家の間に芽生えたのではないでしょうか。

 それに、一旦株価が下落に転じた際の当局の対応策が尋常ではなかった。

 株の売却を禁じたり、そうした措置に違反したりした者を厳罰に処するようなことまでしたために、何故そこまでするのかという意識が強まったのではないのでしょうか。

 もともと株価の上昇が自然に起きたものであれば、そこまでしなくても株価はいつかは反転すると期待されたのに、何故当局はそこまでする必要があるのか、と。

 そして、8月以降、人民元の価値が低下し始めると、資本の流出を意識する投資家が大勢となり、益々弱気に終始して株価が下げているのではないでしょうか。

 当局は、人民元の価値が下がれば輸出を促進する効果があると考えているのかもしれませんが、投資家たちは、そうではなく人民元が下がることイコール資本の流出であると捕え、だから人民元が下がると一層株価が下がる構図になっているのでしょう。



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