経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

カテゴリ: 物価

 5月12日、日銀の原田泰日銀審議員が、都内で開かれたシンポジウムで次のように話したと報じられています。

 「日本では赤ん坊を含む国民1人が保有する現金が80万円に達し、4人家族なら一家に240万円のもの現金を保有していることになる」

 「これは多過ぎる。その一部は違法取引に利用されていると思う」
 
 「(貨幣価値を低下させるインフレ税は)違法取引に対する税金でもあり、その意味ではインフレ税は良いかもしれない」

 「財政赤字が累積したのはデフレのせいであり、デフレをインフレに変えることができれば、名目GDP(国内総生産)が増えるので、財政赤字問題を解決することができる」
 
 「(財政赤字の対名目GDP比率は既に低下しており)日本の財政赤字問題はある程度解決した」


 誤解のないように言っておきますが、日銀審議委員というのは、日本銀行の金融政策の内容を決定する委員ということです。

 そんな重要な仕事を任せられている人が、上のような発言をしているのです。

 呆れてモノも言えません。

 私、この人とかつて同じ職場で仕事をしていたことがあるので知っているのですが、昔から全然変わっていないのです。

 自分勝手な屁理屈をつけてばかりいる、と。

 本質的な批判に入る前に、そもそも国民1人当たりが保有する現金が80万円であったとき、何故4人家族なら240万円になるのか?

 80×4=320万円ではないのか?

 そこのところから私にはさっぱり分かりません。

 それに、普通の人であれば、現金で80万円保有している人など大変稀な存在だと思います。

 日銀券の流通量を単に総人口で割ると80万円になるということで、その多くは富裕層や企業が有しているものだと思うのです。

 それに、いずれにしても、そうした現金の一部が違法取引に利用されているというのは、どういうことなのでしょうか?

 全く理解不能。

 違法取引に対する課税だから結構なものだという理屈ですが、違法でない取引にもインフレ税はかかるのです。

 そうでしょう?

 バカじゃないのでしょうか?

 まあ、確かにインフレになれば、その分、貨幣の価値、及び借金の元本の実質価値は下がるわけで、その意味で借金の負担が軽くなるという面もあるのですが…しかし、インフレになれば当然に金利が上がり、そして、金利が上がれば、その分、利払い負担が増えるのです。

 借金が一回こっきりのものである人にとっては、インフレになることによって返済すべき元利払いの実質負担が軽くなり、めでたし、めでたしとなる訳ですが、政府や企業のように引き続き借金をしなければならない身にとっては、何の解決にもならないことをこの人は全く理解していないのです。

 それに、百歩譲って、否、千歩、万歩譲って、インフレを起こして借金の負担を軽くすると言っても、全然インフレ率は上がっていないではないかと言いたい!

 お前らのインフレターゲット政策は失敗しているのだぞ、と。

 黒田総裁、岩田副総裁らとともに、即刻辞任して欲しいと思います。

 あんなに、デフレの脱却が先決だと言っていた安倍総理が、今はそのことについて何も触れないのですから、無責任極まりないと言うべきなのです。


 
 インフレを起こして財政赤字問題が解決するだなんて…井戸端会議ならいざしらず、日銀審議委員が言うことか、と思った方、クリックをお願い致します。
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 日米ともにインフレ率は物価目標値を下回って推移していた訳ですが、ご承知のとおり米国ではトランプ氏が次期大統領に決定して以降、インフレ予想(期待)が高まっていると言われています。

 インフレ予想が高まっているから金利も上昇し、そして、そうやって内外金利差が拡大するからドル高円安になるという理屈なのです。

 しかし、昨日も説明したとおり、幾ら米国の金利が上昇したとしても、インフレ率と歩調を合わせた程度であれば実質金利が上がることはなく、そうなればドル高圧力をかけることもないと思われるのです。

 いずれにしても、では、米国ではどの程度インフレ予想が高まっていると言えるのでしょうか?

 トランプ氏が大統領に就任し、1兆ドルのインフラ整備事業がスタートすれば、インフレ率は目標の2%を軽く超えると見られているのでしょうか?

 如何でしょうか?

 「そんなこと分からない」

 まあ、そのような答えも当然予想されるのですが、市場関係者がインフレ率についてどう予想しているかを知る方法があるのです。

 どうやったらそれが分かると思いますか?

 ヒントを差し上げましょう。

 名目金利はどうして決まるかを考えれば分かります。

 名目金利=実質金利+予想インフレ率
 
 インフレ率が上がれば、それに応じて名目金利も上がらないと債権者側は儲けを確保することができません。だから、インフレ率が上がりそうだと思えば、債権者は高い金利を要求する、と。もっと言えば、インフレ率にプラスアルファしたものが名目金利になるであろう、と。そして、そのプラスアルファに当たるものが実質金利と呼ばれるものなのです。

 つまり、物価の動向如何に関係なく、債権者が要求する利回りが実質金利と言っていいでしょう。

 ということは、名目金利から実質金利を差し引けば、予想インフレ率が分かるということになりますが、では、実質金利はどうすれば分かるでしょうか?

 答えは、物価連動国債の利回りを見ればよいのです。

 物価連動国債というのは、元利払いが実際のインフレ率に比例して行われるので、物価連動国債の金利が実質金利になるからなのです。

 では、大統領選の投票日以降、米国の物価連動国債の利回りはどのように変化しているのでしょうか?

 グラフをご覧ください。普通の米国債(10年)の利回りと物価連動側の米国債(10年)の利回り、それに、それらの関係から導かれたインフレ率(ブレークイーブン・インフレ率)を表示しています。

ブレークイーブン・インフレ率
 

 物価連動国債の利回り、つまり実質利回りはご覧のように上昇していますが、名目利回りの伸びには及ばず、その結果、ブレークイーブン・インフレ率が上昇してきているのです。

 しかし、注意すべきは、それでもまだ1.9%程度に留まり、目標値の2%には達していないのです。

 ということは、米国で長期金利(名目金利)が上昇している理由としては、インフレ予想が上昇していることもあるが、それ以上に実質利回りが上昇している、つまり、実質経済成長率が今後高まると予想する向きが増えていることが大きいと思われるのです。

 以上からすれば、米国の金利が急上昇している理由としては、インフレ率が上昇するとみられるからというよりも、景気が良くなるとみられるからと考えるべきだと言えるでしょう。そして、そうなると、インフレ率が多少上がるとしても、それは名目金利が上がる主な理由ではないということで、ドル高の現象とも整合性がつくということになるのです。

 ということで、トランプ氏勝利後の為替の動きに関する説明がかなり整理されてきたと思うのですが…そうなると次の関心事は、トランプ氏が大統領に就任後、本当に景気が回復するのかということになると思うのです。

 1兆ドルのインフラ整備計画は10年間に渡るもので、年間では1000億ドル程度支出を増やすに留まります。つまり、米国のGDPを0.5%程度押し上げる効果が期待できる、と。

 その程度のことで本当に米国の景気が良くなると期待できるのでしょうか?

 私は何とも言えないと思います。




 米国でインフレ予想が高まっていると言われるが、ブレークイーブン・インフレ率でみると意外と低い水準にとどまっているのだな、と思った方、クリックをお願い致します。今の米国の株高は、ウォールストリートが仕組んだものにすぎないかもと思う方も、クリックをお願いできたら幸いです。
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 突然ですが、皆さんはインフレという言葉を聞いてどうお感じになるでしょうか?

 我々のような石油ショックを経験した世代や、それ以前の世代にはインフレを歓迎する人など殆どいないと思うのですが、最近の若い世代はインフレを経験したことがないため、デフレよりインフレの方がマシだ思っている人が多いのではないかと推測します。

 いずれにしても、異次元緩和策が開始された直後は、これで少しはインフレ率も上昇するかと思われたのですが…そして、実際にインフレ率は上昇したのですが、結局、その後いろいろあって目標値の2%に到達することができないままでいるのです。

 というよりも、最近、物価は低下を続けているのです。

 もうこうなると、この先、日本がインフレになることはないのではないか、という気持ちが強くなるばかりだと思うのですが…

 しかし、災害は忘れたころにやってくると申します。

 インフレも似たようなことが言えるのではないのでしょうか?

 つまり、インフレになることはもうない、なんて皆が思い出したら、そのときになって、インフレが訪れる、と。

 私、思うのですが、今の日銀は、日本が仮にインフレになった場合上手く対応できるのか、それが非常に心配なのです。

 なんですって? 物価が下落しているのに、そんなこと心配する必要はないと言うのですか?

 確かに、物価下落恐怖症に陥っている人々、つまりリフレ派の人々は、インフレは歓迎しても、心配することなど何もないと言うかもしれません。

 しかし、そうはいっても…

 仮に日本のインフレ率が恒常的に2%を超えるような状態になったら、否が応でも金融政策の変更が迫られるのは事実です。

 インフレの兆候などどこにもないではないかって、ですか?

 しかし、日経は次のように報じています。

 「中国、卸売物価9月0.1%上昇 4年7カ月ぶりプラス」

 「中国国家統計局が14日発表した9月の卸売物価指数(PPI)は前年同月比0.1%上昇した。前年同月の水準を上回ったのは2012年2月以来、4年7カ月ぶり。前月比では0.5%の上昇だった。最近の鉄鋼や石炭の値上がりが主な理由だ。中国の卸売物価の下落圧力は弱まりつつある。」

 「中国政府による鉄鋼や石炭の過剰生産能力削減の取り組みは始まったばかりだが、削減効果を先取りする格好で値上がりしている。」

 ついでに言えば、9月の消費者物価指数も前年同月比1.9%の上昇となっているのです。

 いいでしょうか?

 中国の物価が上がったからといって、日本の物価がすぐ上がる訳ではないことはそのとおり。しかし、中国の物価が上がれば、中国の金利も上がるのが普通。そして、中国の金利が上がれば、ドル安人民元高の圧力がかかり、そうなると対円でも人民元高となりやすく、その結果、輸入物価の上昇が起きやすくなると思われます。
 
 そして、そうした動きは、最終的に日本の国内物価にも及ぶのです。

 最近の原油価格の動向に変化が起き始めていますが、こうして中国の状況にも変化が起きつつあるのです。

 まあ、そうはいっても日本のインフレ率が目標の2%の到達するまでにはまだまだ時間がかかるでしょうが、仮に目標に達しないまでも、インフレ率が上がれば長期金利なども上がりだすのは必然であり、そうなると国債が暴落することが考えられ、そのことが多方面に影響を及ぼすことが懸念されるのです。

 一旦、国債の価格が低下し始めると、損失の拡大を防ぐために、国債を売りに出る投資家が増える訳ですが、そうなると益々国債の価格が下落するのです。まあ、そうした状況が発生した場合、インフレ率が相当に高まっている状況では、なかなか日銀も国債を買い支える理由がないのです。

 そうでしょう?

 私が言いたいのは、そうしたことにどのように対処するのか、日銀は準備ができているのかということなのです。






 今は、日銀が意図的に国債の価格を持ち上げているので、一旦価格が低下し始めると、その勢いは一層激しくなる…つまり、国債バブルは簡単に弾けると思う方、クリックをお願い致します。
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 去る9月30日に経済財政諮問会議が開催され、そこで民間議員から「「しつこいデフレ」の状況にあり、賃金をジャンプさせ、賃上げ主導の物価上昇の実現が必要」との意見があったと報じられています。

 これ、かつてローソンの社長を務め、今はサントリーホールディングの社長をしている新浪剛史(にいなみたけし)氏の発言なのです。
 
 内閣府が公開している議事録から抜粋すると…
 
 「資料5、2ページをご覧いただきたい。先ほど伊藤議員からもお話があったが、継続的な賃金の上昇が、脱デフレの要であることを改めて強調したい。
 経済財政諮問会議では、継続的な賃金の上昇と可処分所得向上をデフレ脱却の最重要課題と位置づけ、その実現のために施策を強力に推進すべきである。賃金を年収ベースで3%上げていくことを目指し、その結果として、力強い消費経済を作り、そして、物価2%の上昇を実現していくことが重要である。」

 「7ページ、ご覧になっておわかりになるとおりである。私どもでは、本年も年収ベースで賃金を3%上げた。来年も年収が3%上昇となるような業績を目指して頑張っており、ぜひともそのような業績を達成したい。」

 「大企業が目線を高く持ち、年収ベースで賃金上昇3%を目指すという旗を絶対に降ろしてはいけない。率先して賃金上昇のモメンタムを作り、社会に醸成し、中小企業にも伝播させていく。こうした流れがデフレ脱却に大変重要である。」


 安倍総理や麻生副総理からしたら、なんと心強い発言でしょう。このような経営者ばかりであれば、我が国はとっくにデフレから脱却できている筈だと思っているかもしれません。

 確かに、多くの企業が賃上げに積極的になれば、家計の消費活動も活発になり、物価が上がりやすくなるでしょう。

 日銀の金融政策の効果が限定的であることが確認された今、金融政策以外の手段に頼りたくなる気持ちは分からないでもありません。

 しかし…

 冷静になってよ〜く考えてみてください。

 いいでしょうか?

 サラリーマンや政治家が何故物価を上げる政策を望んだのか?

 物価を上げることが究極の目的だったのでしょうか?

 そのとおりだという人もいるかも知れませんが、多くの人はそうではありません。そうではなく、毎年給料が上がらないどころか減っていく状況が続いていたものだから、どうにかして給料が下がらないようにして欲しい、できれば少しは上げて欲しいという声が大きくなっていたものだから、どうにかして賃上げを実現したいと考え、そのためには先ず物価を上げることが先決だとなったのです。

 もう一度言います。

 物価を上げることが究極の目的ではなかったのです。給料を上げることが究極の目的であり、しかし、物価が下がるような状況では給料が上がることは期待できないということで、物価を先ず上げようということになったのです。

 それなのに…この民間の議員は、賃上げをすれば物価は上がるなんてことを言っているのです。

 その発言が間違っているというのではないのです。賃上げが行われれば、物価は上がるでしょう。

 しかし、では、どうやって賃上げが行なわれやすくなるかと言えば…

 それが難しいのです!

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 それなのに、今頃、またそんな議論をやっているのです、この経済財政諮問会議とやらでは。

 ついでに、他の議員の気になった発言を紹介すると…

 先ず、黒田議員(黒田総裁)。

 「このような「総括的な検証」を踏まえ導入した「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」である。新しい政策枠組みの内容は、大きく2点ある。

 第1に、金融市場調節によって長短金利の操作を行う、イールドカーブ・コントロールである。これにより、経済・物価情勢だけでなく、金融情勢も踏まえた上で、2%の「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持するために、最も適切と考えられる長短金利、すなわちイールドカーブの形成を促していく。金融市場調節方針としては、従来のマネタリーベース増加額目標にかえて、短期政策金利と長期金利操作目標を決定する。今回の金融市場調節方針では、短期政策金利はマイナス0.1%を維持し、10年物国債金利の操作目標は、概ね現状と同じゼロ%程度とした。

 第2に、オーバーシュート型コミットメントである。この下で、振れの大きい生鮮食品を除いた消費者物価の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する。金融政策には効果が現れるまでに時間差があることを踏まえると、実際に2%を超えるまで金融緩和を続けるというのは、極めて強いコミットメントである。さらに、2%の実現に向けたモメンタムを維持するため、必要と判断すれば、躊躇なく追加緩和を実施する。」

 黒田総裁は、今回の緩和策の枠組み修正のポイントが2つあるとし、1つは、目標を従来のマネタリーベース増加額から長短金利の操作水準に変更したこと、そして今1つは、人々の物価上昇予想を強めるために、インフレ率が2%超となる状態が出現してもすぐにはマネタリーベースの拡大方針を撤回しないこと、だというのです。

 おかしいでしょう?

 というのも、第1のポイントとしてマネタリーベースの増加額を目標から外したと言いながら、第2のポイントとしてマネタリーベース拡大の方針は継続するなんて、どう考えても矛盾していることを言うからです。

 麻生議員(麻生副総理)は、次のように言います。

 「伊藤議員からしつこいデフレという表現があったが、歴史的には、1989年12月に3万8,900円だった株価が、8,000円台まで落ちて、この3年間でやっと1万6,000円まで戻ってきた。土地の価格も、六大都市の商業地で一時ピークである1991年の13%まで落ちたものがやっと戻りつつある。デフレが悪いのではなくて、デフレ不況が問題なわけで、デフレでも好況はあったのである。そこのところからいくと、先ほど新浪議員が言われたように、企業の一番の問題は、収益は間違いなく上がっているのに、それが投資に振り向けられていないことである。企業の収益が上がっていることは、資料を見ればはっきりしている。内部留保がこの3年間で73兆4,000億円も増えている。トータルで約380兆円の内部留保が積み上がっている一方、現金・預金等で220兆円ある。金利がつかないのに、現金・預金で何をするのかと言いたくなるが、それでまた法人税率を下げろと言うから、下げて何をするのかと、私はいつも企業の人に申し上げている。」

 いつもと同じようなことを言っていますね。

 耳にタコができたよ、と思っている人が多いのではないでしょうか?

 最後に安倍議長。

 「日本銀行は、「総括的な検証」を行った上で、金融緩和を強化するための新しい枠組みの導入を決定したところである。これは、2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現するためのものであると理解しており、歓迎したい。金融政策の意図と効果が市場関係者にしっかりと伝わっていくことを期待したい。」

 2%の物価目標をできるだけ早期に実現するためのものなのですって。

 どうして、長期金利をゼロ%に誘導すると、2%の物価目標が早期に実現できるようになるのでしょう?

 虚しい発言としか思えません。





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 OPECが事実上減産で合意したとNHKが報じています。
 
 「OPEC=石油輸出国機構は、アルジェリアで開いた非公式の会合で、原油価格の上昇に向けて、加盟国の生産量の上限を1日当たり3250万バレル〜3300万バレルとする事実上の減産で合意し、原油価格が上昇に転じるのか注目されます。

 OPECは、原油価格の回復が頭打ちとなる中、対応を協議するため、28日、アルジェリアの首都アルジェで非公式の会合を開きました。その結果、原油価格の上昇に向け、加盟国の生産量の上限を1日当たり3250万バレル〜3300万バレルとすることで合意しました。OPECの加盟国のこのところの生産量は、1日当たり3300万バレルを超えていて、今回の生産量の上限は事実上の減産となります。OPECが減産することで合意したのは、世界的な景気悪化で需要が減少していた2008年12月以来、およそ7年9か月ぶりです。」

 まさにNHKが報じるとおり、原油価格が今後上昇に転じるのか、そして、それが物価にどのように影響するのかに関心が集まるところなのです。

 では、ここで質問なのですが、原油価格が今後反転して、それによって物価が上がりだしたら我が国の経済はどのようになると思われるでしょうか?

 日銀は、物価目標が達成できていないのは、原油価格の低下が大きいと認めている訳ですから、逆に、原油価格が今後上昇に転じるならば、日銀が別に追加緩和をしなくても自然と物価が上がっていくことが予想されるのです。

 そうですよね?
 
 異論はないでしょう?

 では、仮にそうやって物価が上がり、目標とする2%を超え、或いは3%程度にまで上がっていったら日本経済にはどんな影響を与えると思いますか?

 物価目標が達成されたということは、完全にデフレ脱却宣言ができるということで万々歳?

 マイルドではあっても、物価の下落が続くことが諸悪の根源と考える経済学者などは、インフレ率が上がったことを大歓迎すると思われます。たとえ、自分たちが主張したマネタリーベースの増大がインフレ率を高めることに寄与しなかったとしてもです。

 というか、3年半以上もリフレ派の主張どおりの政策を実施してきたものの、一向にインフレ率が上がらない訳ですから、リフレ派の主張が正しくなかったことは既に証明済みであるのです。

 いずれにしても、安倍総理や黒田総裁などは、原因がなんであれインフレ率が2%を超えるようになったら、「どうだ俺たちが言っていたとおりになっただろう」と大きな顔をするのでしょうね。

 では、そうやって2%、否3%程度にまでインフレ率が上がったとして、それで日本の経済成長率は今までより高くなることが期待できるのでしょうか?

 残念ながら、答えはノー。

 何故ノーなのでしょうか?

 その理由は、物価が上がる理由が、需要が供給を上回ることによって起きたのではなく、単にエネルギー価格の高騰によるものであれば、エネルギー価格が上がった分だけ消費者の購買力の一部が奪われることになるので、実質的な消費が増えることは期待できないからです。

 でも、リフレ派の人々が主張するように、物価が上がる状況が出現すれば、人々は、価格が上がる前にモノやサービスを購入しようとするということで、消費が盛んになることは期待できないのでしょうか?

 私は、その可能性はないと思います。モノやサービスの価格が上がるから、上がらない前に早く買おうというような行動が見られるのは、ハイパーインフレになったような場合だけで、通常みられるインフレの場合には、消費者は物価が上がることに対処するために、むしろ節約に心がけるようになるだけでしょう。

 それに、どんなに物価が上がっても、日本の人手不足が改善することはないでしょう。

 そうすると、需要の面で見ても、供給の面で見ても、日本のGDPが実質的にそれほど増えることはないと考えるべきなのです。

 賃上げはどうなるでしょう?

 確かに、物価が上がれば、賃上げが行なわれやすくなるでしょうが、しかし、インフレ率以上に賃上げが行われることは期待できないでしょう。

 と、ここまで来ると、暗い話ばかりではないかとお叱りを受けそうですが、予想される本当に深刻な事態は他にあるのです。

 それはどんなことかと言えば、仮にインフレ率が2%を越し、3%にでも接近するようになれば、流石に日銀も緩和策を転換せざるを得なくなる訳ですが、そうなると日銀が今まで大量に国債を購入してきたことが停止され、場合によっては日銀が国債を売りに出すことも想定されるのですが、そのようなことになれば、国債が暴落する恐れがあるということです。

 そして、国債の暴落が起これば、当然のことながら財政破綻が意識されるようになり、そうなると今度は、本当に増税や緊縮財政に移行せざるを得なくなってしまうということなのです。

 要するに、物価が上がると、それによって景気の好循環が生まれるのではなく、我が国の財政破綻の可能性が意識され、国民は緊縮財政を強いられてしまうだけなのです。

 ということで、物価が上がり、目標が達成できたとしても、黒田総裁は英雄扱いされるのではなく、日本の財政を破綻に導いた人として記憶に残るだけなのです。

 

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 アベノミクスの評価については、人によって大きく異なると思うのですが…

 では、そのアベノミクスのうちの一つの柱である金融政策、つまり異次元緩和策の評価についてはどうなのでしょうか?

 日銀が市場からどんどん国債を買い上げ、そして、それによって日銀がマネーを大量に放出すれば必ずマイルドなインフレが起きるというのが、リフレ派の主張でした。

 そのために2%のインフレ目標を設定したのでしたよね。

 その異次元緩和策がスタートしてから3年と4か月。

 7月の消費者物価指数が発表になりましたが、生鮮食品を除く総合で、前年同月と比べマイナス0.5%にとどまっているのです。

消費者物価指数

 つまり、目標値からは2.5ポイントも離れているのです。

 2年間でマネタリーベースを倍増すればインフレが起きると豪語していた黒田総裁や岩田副総裁。

 それなのに、今やなす術もなし!

 これでは点数を付けるとしたら零点しか上げられません。

 原油価格がどうのこうのとも言っていますが、エネルギーと食料を除いたコアコア指数でみても、0.3%しか上昇していないのです。

 ということは、安倍総理が、2012年12月の選挙戦で言っていたことは全く実現していない、と。

 2%の目標を超えた時期もあったではないかと誤解する人がいるかもしれませんが、消費者物価指数が急上昇したのは、消費税率の引き上げのためであり、その効果を除けば、消費者物価指数は、目標とする2%を超えたことはないのです。

 岩田副総裁は、日銀当座預金残高が80兆円ほどに達すると必ずマイルドなインフレが起きる筈で、もしそうならなかったら辞任すると断言していたのに、何故辞めないのでしょうか?

 自信家の黒田総裁も内心忸怩たる思いがあるのではないでしょうか?

 というのも、黒田総裁は、財務官在任中からインフレ目標政策を強力に支持していたからなのです。

 何故インフレが起きないのか、自信喪失しているのではないでしょうか?

 満点どころか赤点しかとれなかった訳ですから、インフレ目標政策を主張していた委員たちは潔く辞めるべきでしょう。

 責任を取るべき者が責任をとらずいつまでも居座っているので、新陳代謝が進まないのです。




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 厚生労働省が発表した6月の毎月勤労統計調査によれば、1人当たり現金給与総額の伸び率は、名目で前年同月比1.3%の増加、実質ではそれをさらに上回る1.8%の増加になったようです。

 この実質賃金の伸び率は、5年9か月ぶりの高水準だといいます。

 では、何故このような高い伸び率を示したかと言えば…

 賞与などの特別給与が3.3%も伸びて給与総額を押し上げたことが大きいと言います。

 ということで、久々に明るい話題なのですが…

 その一方で、基本給などの所定内給与は0.1%の増加であるものの、残業代などの所定外給与は0.1%の減少となっており、イマイチの内容であるのです。

 ところで、名目の伸び率が1.3%の増加である一方で、実質の伸び率が1.8%の増加となっているのは、これは物価が低下しているからに他なりません。

 つまり、消費者物価が前年同月比で0.5%低下しているので、その分実質の伸び率を引き上げたということなのです。

 ということは、実質賃金が1.8%も伸びたということは大いに歓迎すべき話のように思われるのですが、何故そんなに伸びたかと言えば、日銀のインフレターゲット政策が失敗しているからとも言えるのです。

 だとしたら、何が何でも物価を引き上げるべきだという今の政策が適当なのかということなのですが…貴方はどのようにお考えでしょうか?

 結局、問題は、実質でどれだけ賃金が上がったかが重要であるので、仮に日本経済がインフレ気味になり賃金が少しくらい上がっても、賃上げ率がインフレ率に追いつかなければ意味がありません。

 他方、幾ら名目賃金が上がらなくても、物価も上がらない、ないしは下がり気味であれば、労働者の生活水準が悪くなることはないのです。

 でも、どういう訳か名目賃金の上昇に拘る人々が多いのですよね。

 ところで、インフレターゲット論者の主要な論理的根拠は、インフレ率が上昇すれば、人々はモノの値段が上がる前に購買を済ませようとするようになるので、そうなれば消費が活性化するであろうというものでした。

 確かに、ハイパーインフレのような状況下では人々はそのような行動に出るでしょう。しかし、物価上昇率が2ケタにも至らない普通の状況では、少々物価が上がっても、人々が消費行動を変えるとは思えません。それどころか、物価が高くなった分、辛抱する必要があるとして、財布の紐を絞めてしまう可能性すらあるのです。

 以上のように、インフレターゲット論者の、物価変動が人々の消費行動に与える影響についての仮説は非現実的だと言っていいでしょう。

 だとすれば、何故インフレターゲットを維持する必要があるのでしょうか?


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 本当に異次元緩和策とはなんだったのでしょうね。

 本日、6月の消費者物価指数が発表になりました。

 生鮮食品を除く総合指数で、前年同月比0.5%の下落です。

 2%の目標に対し、0.5%にしか達していないというのではなく、マイナス0.5%でしかないのです。

 3月が−0.3%、4月も−0.3%、そして5月が−0.4で、6月にさらにマイナス幅が大きくなり、−0.5%となったのです。

 マネタリーベースを2年間で2倍にしたら必ずインフレ率が目標値に達するのではなかったのでしょうか? 

 はい、はい、原油価格の影響があるというのですね。

 でも、その影響を除くために、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数でみても前年同月比でたった0.4%しか伸びていないのです。

 従って、インフレ率が目標値に達しない理由は、原油価格低下にあるとは言えないのです。

 この点を、黒田総裁率いる日銀、そして、安倍総理ははっきりと整理すべきではないのでしょうか?

 民主政権から交替する直前に、安倍総理とリフレ派は、あれだけインフレターゲット政策を実行したらマイルドなインフレが起きる筈だと豪語していた訳ですから。

 どうしてマイルドなインフレが起きないのか?

 自分たちが主張してきたことは間違いではなかったのか?

 その反省なくして、いくら追加緩和を行ったところで意味はないと私は思います。

 だって、そうでしょう?

 今までの政策が効果がないのであれば、それを量的にいくら拡大しても意味がないではないですか?
 本日、日銀は、追加緩和策を打ち出しました。
 しかし、その内容は、株価指数連動型上場投資信託(ETF)の年間買い入れペースを3兆3000億円から6兆円に倍増させるというもの。
 日銀としては、何もしないという訳にはいかなかったということでしょうか。
 しかし、この内容では、物価の流れを変えることなどできる筈はありません。

 日銀に必要なのは、追加策を打ち出すことではなく、これまでの緩和策を根本から見直すことなのです。


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 10月末のマネタリーベースが344兆4225億円になったと報じられています。15月連続での過去最高更新だ、とも。

 「日銀は、マネタリーベースを年間約80兆円増やすペースで国債を中心とした金融資産の買い入れを続けており、今年末見通しの350兆円程度に向けて積み上げは順調に進んでいる」(ロイター)

 しかし、その一方で、物価の方は、生鮮食品を除く総合でみるとマイナス0.1%と、インフレの兆候はないのです。

 では、何故マネタリーベースが増えても、物価は思ったほどは上がらないのか?

 原油価格が下がっているから?

 しかし、原油価格の影響を除いたベースでインフレ率を試算しても、1%を少し上回る程度でしかないのです。つまり、2%の目標には遠く及ばす。

 消費税増税の影響があるから?

 しかし、消費税増税の影響があったとしても、消費税率が引き上げられたのは2014年4月のことですから、それから1年を経た2015年4月以降は、影響は殆どなくなっているのです。

 では、何故物価は上がらないのか?

 世の中に出回るお金、つまりキャッシュが増えていないからなのか? 

 ロイターは次のように報じています。

 「10月中のマネタリーベースの平均残高は、前年比32.5%増の338兆8877億円で過去最高を更新。マネタリーベースの構成要因ごとの月中平均残高は、金融機関の手元資金を示す当座預金が前年比47.3%増の242兆4597億円、紙幣は同6.1%増の91兆7792億円、貨幣は同0.9%増の4兆6488億円だった」

 つまり、日銀券は、前年同月比で6.1%も増えている、と。

 グラフをご覧ください。

日銀券


  確かに、ここ数年、日銀券発行残高の増えるペースが上がっているように見えます。

 では、何故物価は思ったほど上がっていないのか?

 これ、結局、日銀券の発行残高が増えている理由が、投機的動機によるものが大きく、取引需要によるものが小さいからなのではないかと思うのです。

 取引需要によるものとは、景気がよくなり経済活動が活発化することによって起こるものですが、そのような現象はそれほど見られていない、と。

 では、何故日銀券が求められるかと言えば、例えば、金利が異常に低いために、国債や預金という形で資産を保有するよりもキャッシュで持っている方が理屈に合う、と。例えば、短期の国債にマイナス金利がつくような状況では、損をするだけだからです。つまり、いつの日のか金利はまた上がるから、だったら今は現金という形で保有しておいて、金利が上がりそうになったら国債などの債券で保有しよう、と。

 ということは、少なくても貧乏な人の財布の中身が増えている訳ではなく、資産家が保有していた国債等が現金に姿を変えているだけ。そして、その資産家たちは、何かを買うために現金を保有しているというよりも、将来の金利上昇に備えているだけなので、なかなか消費は活発化せず物価も上がらない、と。

 いずれにしても、これほど日銀券の発行残高が増えているのに、インフレ率が低位に留まっていることは日銀にとっても予想外の出来事ではないのでしょうか。

 今から十数年前、竹中教授が金融担当の大臣をしていた頃、竹中氏は、マネタリーベースはどんどん増えているが、日銀券の発行残高の伸び率が低いので、それで物価は上がらないなんて趣旨のことをよく言っていたのを思い出しました。

 何故このようなことが起きているのか、日銀としてもその原因を分析し、世間に公表すべきだと思うのです。

 

 
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 15日に発表された米国の9月の消費者物価指数は、前月比で0.2%の下落、前年同月比で横ばいになったと報じられています。

 日本もそうですが、原油価格低下の影響が大きいのです。

 では、物価がそのような状況にあるならばゼロ金利の解除は先延ばしすべきなのでしょうか?

 インフレターゲットを支持する立場からすれば、恐らく金利の引き上げはすべきでないとなるでしょう。というのも、実際のインフレ率が目標値を大きく下回っているからです。

 では、何故インフレ率がこんなに低下しているかと言えば…既に述べたように原油価格低下の影響が大きいからですが、だとしたら本来は所謂コア指数(食料とエネルギーを除いた物価指数)で見るべきかもしれません。

 グラフをご覧ください。

米国のインフレ率と失業率の関係

(米Department of Laborのデータで作成)

 対前年同月比で見たインフレ率ですが、コア指数は、ご覧のようにこの4年間ほど2%前後の水準で推移しています。或いは、コア指数は大きな変動を示していないと言うべきかもしれません。

 要するに、これだけ失業率が低下してきているのに、コア指数でみたインフレ率は殆ど反応していないのです。

 経済学の教科書には、失業率が低下すればインフレ率が上がり、逆に失業率が上がればインフレ率は低下すると書いてある(フィリップス曲線)訳ですが、少なくてもここ最近は、失業率の低下に伴ってインフレ率が上昇するという関係は確認できないのです。

 では、この先、さらに失業率が低下してもインフレ率は上がらないのでしょうか?

 断言はできませんが、これまでの動きからすれば、急にインフレ率が上がるとも思えません。

 では、この先失業率がどれだけ低下しても、インフレ率が上がらない以上、金利を上げるべきではないのでしょうか?

 如何でしょうか?

 しかし、そのような目先の現象に囚われた対応をしていると、今度は原油価格が上昇に転じた時の対応が難しくなってしまうのです。

 仮に近い将来原油価格が急上昇したとして…そのときFRBは、エネルギー価格を除いたコア指数でみることが適切だ、なんてことを言うでしょうか?

 言わないでしょう?

 というのも、どんな理由であれ、インフレが起きればそれに対処するのがFRBの務めだからです。

 日本だって同じなのです。

 黒田総裁は、最近、エネルギー価格を除いた物価指数でみると、物価は1%以上上がっているから…なんて言っていますが、では、逆に原油価格が急上昇して物価が上がったような場合、それは原油価格の上昇によるものだからあくまでもエネルギー価格を除いた物価指数で見るべきだなんてことを言うでしょうか?

 恐らくそれはあり得ません。理由はなんであれ、生鮮食品を除く総合指数で2%を超えるマイルドなインフレが起きれば、目標は達成されたと自画自賛することでしょう。

 要するに、エネルギーを除いた指数でみるべきだなんて言っても、エネルギーを除いた指数が殆ど変化を示さないのであれば、何の意味もなく、結局総合指数(生鮮食品については除いてもいいでしょうが…)でみるしかないのです。

 ということで、インフレ率を把握する際の考え方を整理すると、次のようになります。

 (1)米国のエネルギーを除いたインフレ率は、2%前後で推移する傾向にある。

 (2)従って、米国の総合でみたインフレ率は、エネルギー価格が低下傾向にあるときには、2%前後の水準を下回り、逆に、エネルギー価格が上昇傾向にあるときには、2%前後の水準を上回るであろう。


 米国のインフレ目標は2%です。ということは、今は偶々原油価格が下がっているから総合でみたインフレ率が目標値を下回りがちなのですが、逆に原油価格が上昇に転じる局面では、必然的に目標値の2%を超えることになるでしょう。

 ただ、インフレ率が2%を超えた状況のなか利上げを行う際、急に利上げに転じると、どうしても利上げのペースが速くなり、そうなると実体経済に悪影響を及ぼしてしまうのです。

 何故かと言えば、幾らインフレ率が目標値の2%を超えたと言っても、景気が過熱して物価が上がったというよりも偶々原油価格が上がった結果であるに過ぎないからです。

 車は急には止まらないと言いますが、船はさらに急には止まりません。そして、金融政策は船の舵取りに譬えられるのですから、将来のことを予想して早め早めに手を打つ必要があるのです。

 繰り返しになりますが、このままではさらに失業率が低下しても、物価が上がるとは思われません。物価が上がるとすれば、原油価格が反転したときでしょう。そして、原油価格が反転しだすと、インフレ率は一気に2%の目標を超えるでしょう。そして、2%の目標を超えてしまうと、どうしても引き締めのペースを急なものにせざる得なくなるのです。

 足元のインフレ率にだけ注意していてはいけません。将来の原油価格がどうなるか、それを注意深く見ていく必要があると思います。


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