経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

カテゴリ: 物価

 米国では、最近急速にインフレが意識されるようになっています。

 そのために、長期金利が上がり、株価が下落したのですよね。

 しかし、インフレは酷くはならないという説もあるようで…

 米国の公共放送のnprが報じています。

 それから、お読みになる前に、この記事のなかでgig economy という単語が出てきますが、ご存知ですか? 

JOHN YDSTIE, BYLINE: The whiff of inflation that sent the stock market tumbling came when the government reported earlier this month that over the past year wages rose 2.9 percent. That's the biggest increase in almost a decade. And that's good news for workers, says economist Gus Faucher of PNC Financial Group. But, he says, it also could be sowing the seeds of inflation.

「政府が月初に、過去1年間に賃金が2.9%上昇したと報じたところ、株式市場をひっくり返すインフレの風が舞った。上昇率は過去10年間ほどで最大のものであった。そして、それは労働者たちにとっては良い知らせであったとPNCフィナンシャルグループのエコノミストであるガス・フォーシェーは言う。しかし、同時にインフレの種を播くことになるとも」

GUS FAUCHER: Businesses are reporting that it's difficult for them to find the workers that they need so they respond by raising pay. That's obviously good news for workers, but it does raise concerns about inflationary pressures building.

「企業は、労働者を見つけるのが難しくなっており、賃金を引き上げて対応する必要がある。それは労働者にとっては明らかに良いニュースであるが、インフレ圧力を強めるとの懸念もある」

YDSTIE: And, Faucher says, the big tax cut and spending package from Washington added even more fuel for economic growth. He says that's likely to push unemployment even lower and force businesses to pay even more for workers.

「大規模の減税と大規模な財政出動によって経済成長の燃料を追加したとフォーシェーは言う。このため、失業率はさらに低下し、企業はさらに賃金を上げることになりそうだとも」

FAUCHER: With higher pay, businesses try to recoup that by raising the prices for the goods and services they sell. And so that leads to stronger overall inflation, which is prices throughout the economy.

「賃金が上がるために、企業は、彼らが売るモノやサービスの価格を引き上げることによってそれを穴埋めしようとする。そうなると全般的な価格の上昇、つまりインフレが起きるということになる」

YDSTIE: And that's how inflation normally ramps up. But economist Megan Greene is skeptical that classic model of wage and price inflation is working in today's economy, and she thinks the tax windfall that companies have coming could actually be used in a way that puts some downward pressure on inflation.

「通常、そのようにしてインフレは起きる。しかし、エコノミストのメーガン・グリーンは、今日の経済において、賃金と価格の古典的モデルが機能するのかどうか、懐疑的である。彼女は、減税の恩恵がインフレを引き起こさないような形で実際には作用するのではないかと考える」

MEGAN GREENE: I think there's an avenue for the windfall from the tax bill that most analysts aren't considering, and that's that companies decide that they're going to try to protect their market share by cutting prices as they're trying to compete with huge conglomerates like Amazon.

「殆どのアナリストたちが考慮に入れていないような減税の恩恵があると私は考える。そして、アマゾンのような巨大な企業と競争しようとして価格を抑えることによって市場のシェアを確保しようと彼らが決断するかもしれない」

YDSTIE: That windfall could allow companies to raise wages while keeping prices for goods and services they sell in check. And Greene, who's the chief economist at Manulife, says there are other powerful disinflationary forces in the economy, including globalization.

「彼らは減税の恩恵によって自社の製品やサービスの価格を抑えつつ、賃金を引き上げることができる訳だ。そして、マニュライフのチーフエコノミストであるグリーンは、グローバリゼーションを含め、現在の経済にはディスインフレの圧力がかかっていると言う」

M. GREENE: There's an oversupply of cheap labor globally, and companies don't have to hire within the U.S. anymore. So that keeps upward pressure off of wages and therefore inflation. Also we've got the gig economy.

「世界的に安い労働力が余っている。企業は国内で人を雇う必要がない。そのため、賃上げの圧力をかわし、従ってインフレを起きにくくする。そしてまた、ギグ・エコノミー(非正規労働力に依存する経済)になっていることもある」

YDSTIE: Like Uber drivers or freelance writers and I.T. workers. Those contract workers can provide low-cost labor for companies. And then Greene says there's demographics.

「ウーバーの運転手やフリーランスの記者、或いはインターネットの労働者のように。こうした低賃金の契約労働者は企業に対して低コストの労働力を提供する。人口動態も関係しているとグリーンは言う」

M. GREENE: As the baby boomers are retiring, we're replacing them with much younger, cheaper workers. And so there isn't a lot of upper pressure on wages or inflation.

「ベビーブーマーたちが引退しており、若手の給料の安い労働者がそれに代わっている。だから、賃上げの圧力ややインフレ圧力がそれほどではないのだ」


 まあ、この仮説もある程度は説得力を持つような気もする訳ですが…ただ、実際に賃金が過去1年で2.9%も上昇したというのは事実であり、そのことについての説明はない訳です。

 gig economyの意味分かりましたか?

 私は、知りませんでした。

 知っていたという人は凄いですね。


 インフレの弊害について少しも考えたことにない安倍総理は、さっさと辞任して欲しいと思う方、クリックをお願い致します。
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 日経平均が300円以上下げています。米国の金利上昇が懸念されているのだとか。

 ニュースをチェックしていると、米金利上昇という言葉が散見されます。

 では、何故米国の長期金利が上昇するかといえば…

 それはインフレの恐れが出てきているからです。

 では、市場のインフレ見通しはどのように変化しているのでしょうか?

 グラフをご覧ください。
米国物価連動国債


 通常の長期国債(10年)の利回りと物価連動国債(10年)のそれぞれの利回り、そして、その差をプロットしたものです。

 期間は、2016年11月から2018年1月末までです。
 
 普通国債の利回りから物価連動国債の利回りを差し引いたものは、ブレークイーブン・インフレ率と呼ばれます。

 物価連動国債は、元利払いがインフレ率に連動して行われるので、どんなにインフレになろうが投資家は心配する必要がありません。

 つまり、物価連動国債の利回りは、実質利回りと考えることができるのです。

 従って、名目利回りから実質利回りを差し引くと、インフレ率になる、と。

 ご覧のように、名目利回りがここ最近急上昇していることが分かると思うのですが…ブレークイーブン・インフレ率も、それには及ばないものの上昇していることが分かります。
 
 何故予想インフレ率が上昇しているのか?

 それは、昨日も言ったように、トランプ大統領の経済政策が大きく作用していると思って間違いありません。

 大規模な減税と大規模な公共投資で、流石にインフレ率は上昇するであろう、と。

 で、こうして長期金利が上昇しだすと、一般論で言えば、株式投資の魅力が低下し、米国の株価上昇に冷や水をかける格好になります。

 問題は、どこまで長期金利が上がるのか、そして、どこまでインフレ率が上がるのか?

 マイルドな水準で止まればそれほど影響を及ぼすことはないでしょうが…

 しかし、どんどん長期金利が上がり続けるようではこれまでの流れが逆転する恐れがあるのです。


 
 
 米国が経済成長を続け、失業率がこれだけ低下しているなかで大規模な減税と大規模な公共投資をすることは経済学の教科書の教えに反していると思う方、クリックをお願い致します。
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 ロイターの記事です。

 世界経済が勢いを増し、原油その他のコモディティ価格が数年ぶりの高値を付けているため、インフレが進むと有利になる米物価連動国債(TIPS)の人気が高まっている。
 
 市場では、主要国の中央銀行が何年も達成できなかった2%のインフレ率が、米国で久々に実現するかもしれないとの見方が広がってきた。そうなればTIPSは今年、通常の米国債よりも高いリターンをもたらしそうだ。

 ニュー・センチュリー・アドバイザーズのシニア物価アナリスト、コム・クロッカー氏は「世界同時景気拡大が起こっており、インフレは上昇に向かっている」と言う。
 
 如何でしょうか?

 確かに、先日ご紹介したようにエネルギー価格が上昇傾向にあるのはそのとおりですが、物価連動国債の人気が上がっているからとか、長期金利が上がっているからといって、必ずしもインフレ率が高まるかと言えば…

 断言するのは難しいと思います。

 というのも、今起きている長期金利の上昇、イコール国債価格の下落は、株価上昇の裏返しの面があるからです。

 また、NYダウが高値を更新しているでしょう?

 つまり、株投資の魅力が増している、と。

 で、株投資が相対的に有利になれば、当然のことながら債券投資が相対的に不利になるということで、価格は低下する、と。

 そして、価格が低下するということは、金利が上昇することを意味し…そして、金利が上昇するのは、物価上昇の兆しではないかと思われれているだけのことなのです。

 もちろん、物価が上昇すれば遅かれ早かれ金利は上昇する訳ですが、金利が上昇するからといって必ずしも物価が上がる前兆ではないのです。

 それに、長期金利が上がっているとはいっても、歴史的にみたらまだまだ低い水準にある訳です。

 長期金利が3%を超え、さらに上がるようになれば別でしょうが…まだ、インフレが起きると断定するのは危険な気がします。



 トランプ大統領が暴言を吐いても、株価が上がるのだから能天気なアメリカだという意見に賛成の方、クリックをお願い致します。
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 日経の記事です。
 
 原油価格が内外で一段と上昇した。国際価格の指標となるニューヨーク市場のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物(期近)は9日、1バレル62.96ドルと前日比2%上昇し、2014年12月以来3年1カ月ぶりの高値を付けた。米国の気温低下や底堅い景気で原油在庫の取り崩しが進むとの観測が強まった。日本時間10日の時間外取引も63ドル程度で推移している。 
 (中略)
 石油輸出国機構(OPEC)は協調減産で供給量を落としている。米国は寒波の到来で暖房燃料の需要が伸びているうえ、産業活動も堅調で原油の在庫が減るとの見方が広がっている。米石油協会(API)の9日の統計で、前週の米原油在庫が市場予想を上回って減ったことも買いを誘った。

 これまで度々言ってきたことですが、エネルギー価格の上昇からマイルドながらでもインフレが起きると…

 インフレが起きると、どうなるでしょうか?

 日米とも、人手不足が問題になるほど景気は上向いている訳ですから、ここで物価が上がれば、金融政策の転換が起きたり、利上げのペースが早まるのは必至。

 そうでしょう?

 で、そうなると経済が混乱することが懸念される訳ですが…

 ということで、原油価格の動向が気になるところですが、上の記事を読むと、ひょっとしたら今後も原油価格が上昇し続けインフレが起きる可能性もあるのです。

 グラフをご覧下さい。

原油価格


 原油価格(WTI原油先物・期近)の推移を示しています。

 水準自体は、それほどでもありませんが、しかし、上昇傾向にあることが分かると思います。

 物価が上がるかどうかは、原油価格の水準よりも、上がるかどうかが問題なのです。

 幾ら原油価格が高くても、高値で安定していると物価を押し上げることはありません。しかし、幾ら水準が低くても、徐々に価格が上がり続ければ、物価を押し上げる力が働きます。

 ということで、仮にかつてのピークにまで達することがなくても、このままじわじわ価格が上がり続ければそれなりの効果があるのです。

 そして、物価が本格的に上がり出せば、当然のことながら金融政策は大きく変化し…

 株価が上がり続けることは期待薄になってしまうのです。

 

  安倍総理は、物価が上がることの悪影響をどのように考えているのだろうか、心配だという方、クリックをお願い致します。
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 本日は、朝からガーンと一発殴られた感じです。

 日本はおしまいかも、と思わずにはいられません。

 別の意味ではあるものの、安倍総理が言うように日本には今国難が押し寄せているのかも。

 今回の選挙で自公が300議席を確保しそうな勢いなのだとか。

 233議席に至らなければ責任を取って辞めるといっていた訳ですが、その差は67もある訳ですから安倍政権が続くと思っていた方がいいのかもしれません。

 本当にこんなことでいいのでしょうか?

 韓国には悪いが、これではクネさんを辞めさせた韓国にも劣るとしか言いようがありません。

 与党が選挙で大勝するということは、森友学園疑惑も加計学園疑惑もなかったことになってしまうのです。

 嘘がまかりとおる日本の社会!

 安倍総理は、昭恵は籠池氏側に騙されたみたいな言い訳を今になってしていますが、それも弁解にはなりません。

 騙されたと安倍総理が言うことは、昭恵夫人には責任をないことの言い訳にはなり得ても、結局、昭恵夫人は関与していたと認めたも同然ですから。

 ところで、偽装と言えば、例の神戸製鋼の製品が新幹線の車両の台車にも使われていたと報じられています。

 これ、それだけ多くの企業が神戸製鋼の製品を使っていた、という証拠です。

 でも、それだけ多くの顧客を引き付けるためには、絶えず品質の維持・向上と低価格での製品の提供という相矛盾する要求を満たす必要があったのです。

 つまり、神戸製鋼としては、契約で求められた品質基準を満たすことも、やろうと思えばやれない訳ではなかったが、しかし、厳密にその基準を満たそうとすればどうしてもコストが上がってしまうという問題があった、と。

 しかし、製品価格が上がれば、どうしても客離れが起きかねない。

 国内にも海外にも数多くのライバル企業が存在しているからです。

 品質が同じであれば、少しでも安い製品を買いたいというのが顧客の考え。

 当然ですよね?

 しかし、幾ら安くても名前が売れていない弱小メーカーの製品だったら、恐らく顧客は買いたいとは思わなかったでしょう。

 しかし、神戸製鋼と言えば、歴史もある有名企業ですからつい安心してしまう、と。

 推測に過ぎませんが、神戸製鋼としては、ライバルに負けないようにと低価格をどうにか維持するために品質面で手を抜かざるを得なくなったということではないのでしょうか?

 でも、それは大事な顧客を騙すことでもあったのです。

 その点は、どのように考えたのでしょうか?

 直ちに安全面に影響があるという程ではないから、このくらいの嘘は許されるだろうと考えたのでしょうか?

 自分のところだけでなく、他の企業だって、バカ正直に基準を満たしているところはない筈だ、と。

 私、かねがね何故日本は長い間デフレから脱却できないのかを考えていました。

 少子高齢化が最大の原因だとは思いますが、それと同様大きな原因となっているのは海外の安い労働力の存在。

 しかし、もう一つ忘れていけない原因が存在していたのです。

 それは競争の厳しさからくる安売り競争。そして、価格を低く保つために分からないように品質を低下させるという企業の偽装体質。

 価格が同じでも、或いは、価格が下がっているようにみえても、それ以上に品質が落ちているのであれば本当は価格は上がっているのと同じです。

 でも、店頭に並んでいる商品の価格を調査する人たちが、品質の低下に気が付かなければ、或いは量に減少に気が付かなければ価格は低下しているように見えるのです。

 つまり、企業は隠れ値上げで凌いできた、と。

 しかし、表面的な価格を上げると客離れが起きるので、それを下げるために、見た目は価格を抑えたり、或いは下げたりしながらも、分からないように品質を落としたり、量を少なくして隠れ値上げを行ってきたのだ、と。

 要するに、日本においてモノやサービスの価格が諸外国に比べてなかいなか上がらないというのは見た目だけの話で、本当は隠れ値上げが横行しており、実質的には価格が上がっていると考えた方がいいのではないでしょうか?

 5年前の選挙で、デフレからの脱却がなんとしても最優先事項だと訴えていた安倍代表(当時)。

 しかし、そのデフレの原因が自分たちの偽装体質にあるのであれば、何をか況や。

 少なくても、神戸製鋼が作っていたアルミ製品、銅製品、鉄粉、そして新幹線の台車の価格は、品質が基準を満たすものではないために顧客側は高い価格を支払っていたことになるのです。

 言い方を換えるならば、その品質なら顧客側はその価格を呑まなかった筈だ、と。

 これが日本において価格が上がらない理由の何割かを占めていると考えるべきなのではないでしょうか。




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 5月12日、日銀の原田泰日銀審議員が、都内で開かれたシンポジウムで次のように話したと報じられています。

 「日本では赤ん坊を含む国民1人が保有する現金が80万円に達し、4人家族なら一家に240万円のもの現金を保有していることになる」

 「これは多過ぎる。その一部は違法取引に利用されていると思う」
 
 「(貨幣価値を低下させるインフレ税は)違法取引に対する税金でもあり、その意味ではインフレ税は良いかもしれない」

 「財政赤字が累積したのはデフレのせいであり、デフレをインフレに変えることができれば、名目GDP(国内総生産)が増えるので、財政赤字問題を解決することができる」
 
 「(財政赤字の対名目GDP比率は既に低下しており)日本の財政赤字問題はある程度解決した」


 誤解のないように言っておきますが、日銀審議委員というのは、日本銀行の金融政策の内容を決定する委員ということです。

 そんな重要な仕事を任せられている人が、上のような発言をしているのです。

 呆れてモノも言えません。

 私、この人とかつて同じ職場で仕事をしていたことがあるので知っているのですが、昔から全然変わっていないのです。

 自分勝手な屁理屈をつけてばかりいる、と。

 本質的な批判に入る前に、そもそも国民1人当たりが保有する現金が80万円であったとき、何故4人家族なら240万円になるのか?

 80×4=320万円ではないのか?

 そこのところから私にはさっぱり分かりません。

 それに、普通の人であれば、現金で80万円保有している人など大変稀な存在だと思います。

 日銀券の流通量を単に総人口で割ると80万円になるということで、その多くは富裕層や企業が有しているものだと思うのです。

 それに、いずれにしても、そうした現金の一部が違法取引に利用されているというのは、どういうことなのでしょうか?

 全く理解不能。

 違法取引に対する課税だから結構なものだという理屈ですが、違法でない取引にもインフレ税はかかるのです。

 そうでしょう?

 バカじゃないのでしょうか?

 まあ、確かにインフレになれば、その分、貨幣の価値、及び借金の元本の実質価値は下がるわけで、その意味で借金の負担が軽くなるという面もあるのですが…しかし、インフレになれば当然に金利が上がり、そして、金利が上がれば、その分、利払い負担が増えるのです。

 借金が一回こっきりのものである人にとっては、インフレになることによって返済すべき元利払いの実質負担が軽くなり、めでたし、めでたしとなる訳ですが、政府や企業のように引き続き借金をしなければならない身にとっては、何の解決にもならないことをこの人は全く理解していないのです。

 それに、百歩譲って、否、千歩、万歩譲って、インフレを起こして借金の負担を軽くすると言っても、全然インフレ率は上がっていないではないかと言いたい!

 お前らのインフレターゲット政策は失敗しているのだぞ、と。

 黒田総裁、岩田副総裁らとともに、即刻辞任して欲しいと思います。

 あんなに、デフレの脱却が先決だと言っていた安倍総理が、今はそのことについて何も触れないのですから、無責任極まりないと言うべきなのです。


 
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 日米ともにインフレ率は物価目標値を下回って推移していた訳ですが、ご承知のとおり米国ではトランプ氏が次期大統領に決定して以降、インフレ予想(期待)が高まっていると言われています。

 インフレ予想が高まっているから金利も上昇し、そして、そうやって内外金利差が拡大するからドル高円安になるという理屈なのです。

 しかし、昨日も説明したとおり、幾ら米国の金利が上昇したとしても、インフレ率と歩調を合わせた程度であれば実質金利が上がることはなく、そうなればドル高圧力をかけることもないと思われるのです。

 いずれにしても、では、米国ではどの程度インフレ予想が高まっていると言えるのでしょうか?

 トランプ氏が大統領に就任し、1兆ドルのインフラ整備事業がスタートすれば、インフレ率は目標の2%を軽く超えると見られているのでしょうか?

 如何でしょうか?

 「そんなこと分からない」

 まあ、そのような答えも当然予想されるのですが、市場関係者がインフレ率についてどう予想しているかを知る方法があるのです。

 どうやったらそれが分かると思いますか?

 ヒントを差し上げましょう。

 名目金利はどうして決まるかを考えれば分かります。

 名目金利=実質金利+予想インフレ率
 
 インフレ率が上がれば、それに応じて名目金利も上がらないと債権者側は儲けを確保することができません。だから、インフレ率が上がりそうだと思えば、債権者は高い金利を要求する、と。もっと言えば、インフレ率にプラスアルファしたものが名目金利になるであろう、と。そして、そのプラスアルファに当たるものが実質金利と呼ばれるものなのです。

 つまり、物価の動向如何に関係なく、債権者が要求する利回りが実質金利と言っていいでしょう。

 ということは、名目金利から実質金利を差し引けば、予想インフレ率が分かるということになりますが、では、実質金利はどうすれば分かるでしょうか?

 答えは、物価連動国債の利回りを見ればよいのです。

 物価連動国債というのは、元利払いが実際のインフレ率に比例して行われるので、物価連動国債の金利が実質金利になるからなのです。

 では、大統領選の投票日以降、米国の物価連動国債の利回りはどのように変化しているのでしょうか?

 グラフをご覧ください。普通の米国債(10年)の利回りと物価連動側の米国債(10年)の利回り、それに、それらの関係から導かれたインフレ率(ブレークイーブン・インフレ率)を表示しています。

ブレークイーブン・インフレ率
 

 物価連動国債の利回り、つまり実質利回りはご覧のように上昇していますが、名目利回りの伸びには及ばず、その結果、ブレークイーブン・インフレ率が上昇してきているのです。

 しかし、注意すべきは、それでもまだ1.9%程度に留まり、目標値の2%には達していないのです。

 ということは、米国で長期金利(名目金利)が上昇している理由としては、インフレ予想が上昇していることもあるが、それ以上に実質利回りが上昇している、つまり、実質経済成長率が今後高まると予想する向きが増えていることが大きいと思われるのです。

 以上からすれば、米国の金利が急上昇している理由としては、インフレ率が上昇するとみられるからというよりも、景気が良くなるとみられるからと考えるべきだと言えるでしょう。そして、そうなると、インフレ率が多少上がるとしても、それは名目金利が上がる主な理由ではないということで、ドル高の現象とも整合性がつくということになるのです。

 ということで、トランプ氏勝利後の為替の動きに関する説明がかなり整理されてきたと思うのですが…そうなると次の関心事は、トランプ氏が大統領に就任後、本当に景気が回復するのかということになると思うのです。

 1兆ドルのインフラ整備計画は10年間に渡るもので、年間では1000億ドル程度支出を増やすに留まります。つまり、米国のGDPを0.5%程度押し上げる効果が期待できる、と。

 その程度のことで本当に米国の景気が良くなると期待できるのでしょうか?

 私は何とも言えないと思います。




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 突然ですが、皆さんはインフレという言葉を聞いてどうお感じになるでしょうか?

 我々のような石油ショックを経験した世代や、それ以前の世代にはインフレを歓迎する人など殆どいないと思うのですが、最近の若い世代はインフレを経験したことがないため、デフレよりインフレの方がマシだ思っている人が多いのではないかと推測します。

 いずれにしても、異次元緩和策が開始された直後は、これで少しはインフレ率も上昇するかと思われたのですが…そして、実際にインフレ率は上昇したのですが、結局、その後いろいろあって目標値の2%に到達することができないままでいるのです。

 というよりも、最近、物価は低下を続けているのです。

 もうこうなると、この先、日本がインフレになることはないのではないか、という気持ちが強くなるばかりだと思うのですが…

 しかし、災害は忘れたころにやってくると申します。

 インフレも似たようなことが言えるのではないのでしょうか?

 つまり、インフレになることはもうない、なんて皆が思い出したら、そのときになって、インフレが訪れる、と。

 私、思うのですが、今の日銀は、日本が仮にインフレになった場合上手く対応できるのか、それが非常に心配なのです。

 なんですって? 物価が下落しているのに、そんなこと心配する必要はないと言うのですか?

 確かに、物価下落恐怖症に陥っている人々、つまりリフレ派の人々は、インフレは歓迎しても、心配することなど何もないと言うかもしれません。

 しかし、そうはいっても…

 仮に日本のインフレ率が恒常的に2%を超えるような状態になったら、否が応でも金融政策の変更が迫られるのは事実です。

 インフレの兆候などどこにもないではないかって、ですか?

 しかし、日経は次のように報じています。

 「中国、卸売物価9月0.1%上昇 4年7カ月ぶりプラス」

 「中国国家統計局が14日発表した9月の卸売物価指数(PPI)は前年同月比0.1%上昇した。前年同月の水準を上回ったのは2012年2月以来、4年7カ月ぶり。前月比では0.5%の上昇だった。最近の鉄鋼や石炭の値上がりが主な理由だ。中国の卸売物価の下落圧力は弱まりつつある。」

 「中国政府による鉄鋼や石炭の過剰生産能力削減の取り組みは始まったばかりだが、削減効果を先取りする格好で値上がりしている。」

 ついでに言えば、9月の消費者物価指数も前年同月比1.9%の上昇となっているのです。

 いいでしょうか?

 中国の物価が上がったからといって、日本の物価がすぐ上がる訳ではないことはそのとおり。しかし、中国の物価が上がれば、中国の金利も上がるのが普通。そして、中国の金利が上がれば、ドル安人民元高の圧力がかかり、そうなると対円でも人民元高となりやすく、その結果、輸入物価の上昇が起きやすくなると思われます。
 
 そして、そうした動きは、最終的に日本の国内物価にも及ぶのです。

 最近の原油価格の動向に変化が起き始めていますが、こうして中国の状況にも変化が起きつつあるのです。

 まあ、そうはいっても日本のインフレ率が目標の2%の到達するまでにはまだまだ時間がかかるでしょうが、仮に目標に達しないまでも、インフレ率が上がれば長期金利なども上がりだすのは必然であり、そうなると国債が暴落することが考えられ、そのことが多方面に影響を及ぼすことが懸念されるのです。

 一旦、国債の価格が低下し始めると、損失の拡大を防ぐために、国債を売りに出る投資家が増える訳ですが、そうなると益々国債の価格が下落するのです。まあ、そうした状況が発生した場合、インフレ率が相当に高まっている状況では、なかなか日銀も国債を買い支える理由がないのです。

 そうでしょう?

 私が言いたいのは、そうしたことにどのように対処するのか、日銀は準備ができているのかということなのです。






 今は、日銀が意図的に国債の価格を持ち上げているので、一旦価格が低下し始めると、その勢いは一層激しくなる…つまり、国債バブルは簡単に弾けると思う方、クリックをお願い致します。
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 去る9月30日に経済財政諮問会議が開催され、そこで民間議員から「「しつこいデフレ」の状況にあり、賃金をジャンプさせ、賃上げ主導の物価上昇の実現が必要」との意見があったと報じられています。

 これ、かつてローソンの社長を務め、今はサントリーホールディングの社長をしている新浪剛史(にいなみたけし)氏の発言なのです。
 
 内閣府が公開している議事録から抜粋すると…
 
 「資料5、2ページをご覧いただきたい。先ほど伊藤議員からもお話があったが、継続的な賃金の上昇が、脱デフレの要であることを改めて強調したい。
 経済財政諮問会議では、継続的な賃金の上昇と可処分所得向上をデフレ脱却の最重要課題と位置づけ、その実現のために施策を強力に推進すべきである。賃金を年収ベースで3%上げていくことを目指し、その結果として、力強い消費経済を作り、そして、物価2%の上昇を実現していくことが重要である。」

 「7ページ、ご覧になっておわかりになるとおりである。私どもでは、本年も年収ベースで賃金を3%上げた。来年も年収が3%上昇となるような業績を目指して頑張っており、ぜひともそのような業績を達成したい。」

 「大企業が目線を高く持ち、年収ベースで賃金上昇3%を目指すという旗を絶対に降ろしてはいけない。率先して賃金上昇のモメンタムを作り、社会に醸成し、中小企業にも伝播させていく。こうした流れがデフレ脱却に大変重要である。」


 安倍総理や麻生副総理からしたら、なんと心強い発言でしょう。このような経営者ばかりであれば、我が国はとっくにデフレから脱却できている筈だと思っているかもしれません。

 確かに、多くの企業が賃上げに積極的になれば、家計の消費活動も活発になり、物価が上がりやすくなるでしょう。

 日銀の金融政策の効果が限定的であることが確認された今、金融政策以外の手段に頼りたくなる気持ちは分からないでもありません。

 しかし…

 冷静になってよ〜く考えてみてください。

 いいでしょうか?

 サラリーマンや政治家が何故物価を上げる政策を望んだのか?

 物価を上げることが究極の目的だったのでしょうか?

 そのとおりだという人もいるかも知れませんが、多くの人はそうではありません。そうではなく、毎年給料が上がらないどころか減っていく状況が続いていたものだから、どうにかして給料が下がらないようにして欲しい、できれば少しは上げて欲しいという声が大きくなっていたものだから、どうにかして賃上げを実現したいと考え、そのためには先ず物価を上げることが先決だとなったのです。

 もう一度言います。

 物価を上げることが究極の目的ではなかったのです。給料を上げることが究極の目的であり、しかし、物価が下がるような状況では給料が上がることは期待できないということで、物価を先ず上げようということになったのです。

 それなのに…この民間の議員は、賃上げをすれば物価は上がるなんてことを言っているのです。

 その発言が間違っているというのではないのです。賃上げが行われれば、物価は上がるでしょう。

 しかし、では、どうやって賃上げが行なわれやすくなるかと言えば…

 それが難しいのです!

g20


 それなのに、今頃、またそんな議論をやっているのです、この経済財政諮問会議とやらでは。

 ついでに、他の議員の気になった発言を紹介すると…

 先ず、黒田議員(黒田総裁)。

 「このような「総括的な検証」を踏まえ導入した「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」である。新しい政策枠組みの内容は、大きく2点ある。

 第1に、金融市場調節によって長短金利の操作を行う、イールドカーブ・コントロールである。これにより、経済・物価情勢だけでなく、金融情勢も踏まえた上で、2%の「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持するために、最も適切と考えられる長短金利、すなわちイールドカーブの形成を促していく。金融市場調節方針としては、従来のマネタリーベース増加額目標にかえて、短期政策金利と長期金利操作目標を決定する。今回の金融市場調節方針では、短期政策金利はマイナス0.1%を維持し、10年物国債金利の操作目標は、概ね現状と同じゼロ%程度とした。

 第2に、オーバーシュート型コミットメントである。この下で、振れの大きい生鮮食品を除いた消費者物価の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する。金融政策には効果が現れるまでに時間差があることを踏まえると、実際に2%を超えるまで金融緩和を続けるというのは、極めて強いコミットメントである。さらに、2%の実現に向けたモメンタムを維持するため、必要と判断すれば、躊躇なく追加緩和を実施する。」

 黒田総裁は、今回の緩和策の枠組み修正のポイントが2つあるとし、1つは、目標を従来のマネタリーベース増加額から長短金利の操作水準に変更したこと、そして今1つは、人々の物価上昇予想を強めるために、インフレ率が2%超となる状態が出現してもすぐにはマネタリーベースの拡大方針を撤回しないこと、だというのです。

 おかしいでしょう?

 というのも、第1のポイントとしてマネタリーベースの増加額を目標から外したと言いながら、第2のポイントとしてマネタリーベース拡大の方針は継続するなんて、どう考えても矛盾していることを言うからです。

 麻生議員(麻生副総理)は、次のように言います。

 「伊藤議員からしつこいデフレという表現があったが、歴史的には、1989年12月に3万8,900円だった株価が、8,000円台まで落ちて、この3年間でやっと1万6,000円まで戻ってきた。土地の価格も、六大都市の商業地で一時ピークである1991年の13%まで落ちたものがやっと戻りつつある。デフレが悪いのではなくて、デフレ不況が問題なわけで、デフレでも好況はあったのである。そこのところからいくと、先ほど新浪議員が言われたように、企業の一番の問題は、収益は間違いなく上がっているのに、それが投資に振り向けられていないことである。企業の収益が上がっていることは、資料を見ればはっきりしている。内部留保がこの3年間で73兆4,000億円も増えている。トータルで約380兆円の内部留保が積み上がっている一方、現金・預金等で220兆円ある。金利がつかないのに、現金・預金で何をするのかと言いたくなるが、それでまた法人税率を下げろと言うから、下げて何をするのかと、私はいつも企業の人に申し上げている。」

 いつもと同じようなことを言っていますね。

 耳にタコができたよ、と思っている人が多いのではないでしょうか?

 最後に安倍議長。

 「日本銀行は、「総括的な検証」を行った上で、金融緩和を強化するための新しい枠組みの導入を決定したところである。これは、2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現するためのものであると理解しており、歓迎したい。金融政策の意図と効果が市場関係者にしっかりと伝わっていくことを期待したい。」

 2%の物価目標をできるだけ早期に実現するためのものなのですって。

 どうして、長期金利をゼロ%に誘導すると、2%の物価目標が早期に実現できるようになるのでしょう?

 虚しい発言としか思えません。





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 OPECが事実上減産で合意したとNHKが報じています。
 
 「OPEC=石油輸出国機構は、アルジェリアで開いた非公式の会合で、原油価格の上昇に向けて、加盟国の生産量の上限を1日当たり3250万バレル〜3300万バレルとする事実上の減産で合意し、原油価格が上昇に転じるのか注目されます。

 OPECは、原油価格の回復が頭打ちとなる中、対応を協議するため、28日、アルジェリアの首都アルジェで非公式の会合を開きました。その結果、原油価格の上昇に向け、加盟国の生産量の上限を1日当たり3250万バレル〜3300万バレルとすることで合意しました。OPECの加盟国のこのところの生産量は、1日当たり3300万バレルを超えていて、今回の生産量の上限は事実上の減産となります。OPECが減産することで合意したのは、世界的な景気悪化で需要が減少していた2008年12月以来、およそ7年9か月ぶりです。」

 まさにNHKが報じるとおり、原油価格が今後上昇に転じるのか、そして、それが物価にどのように影響するのかに関心が集まるところなのです。

 では、ここで質問なのですが、原油価格が今後反転して、それによって物価が上がりだしたら我が国の経済はどのようになると思われるでしょうか?

 日銀は、物価目標が達成できていないのは、原油価格の低下が大きいと認めている訳ですから、逆に、原油価格が今後上昇に転じるならば、日銀が別に追加緩和をしなくても自然と物価が上がっていくことが予想されるのです。

 そうですよね?
 
 異論はないでしょう?

 では、仮にそうやって物価が上がり、目標とする2%を超え、或いは3%程度にまで上がっていったら日本経済にはどんな影響を与えると思いますか?

 物価目標が達成されたということは、完全にデフレ脱却宣言ができるということで万々歳?

 マイルドではあっても、物価の下落が続くことが諸悪の根源と考える経済学者などは、インフレ率が上がったことを大歓迎すると思われます。たとえ、自分たちが主張したマネタリーベースの増大がインフレ率を高めることに寄与しなかったとしてもです。

 というか、3年半以上もリフレ派の主張どおりの政策を実施してきたものの、一向にインフレ率が上がらない訳ですから、リフレ派の主張が正しくなかったことは既に証明済みであるのです。

 いずれにしても、安倍総理や黒田総裁などは、原因がなんであれインフレ率が2%を超えるようになったら、「どうだ俺たちが言っていたとおりになっただろう」と大きな顔をするのでしょうね。

 では、そうやって2%、否3%程度にまでインフレ率が上がったとして、それで日本の経済成長率は今までより高くなることが期待できるのでしょうか?

 残念ながら、答えはノー。

 何故ノーなのでしょうか?

 その理由は、物価が上がる理由が、需要が供給を上回ることによって起きたのではなく、単にエネルギー価格の高騰によるものであれば、エネルギー価格が上がった分だけ消費者の購買力の一部が奪われることになるので、実質的な消費が増えることは期待できないからです。

 でも、リフレ派の人々が主張するように、物価が上がる状況が出現すれば、人々は、価格が上がる前にモノやサービスを購入しようとするということで、消費が盛んになることは期待できないのでしょうか?

 私は、その可能性はないと思います。モノやサービスの価格が上がるから、上がらない前に早く買おうというような行動が見られるのは、ハイパーインフレになったような場合だけで、通常みられるインフレの場合には、消費者は物価が上がることに対処するために、むしろ節約に心がけるようになるだけでしょう。

 それに、どんなに物価が上がっても、日本の人手不足が改善することはないでしょう。

 そうすると、需要の面で見ても、供給の面で見ても、日本のGDPが実質的にそれほど増えることはないと考えるべきなのです。

 賃上げはどうなるでしょう?

 確かに、物価が上がれば、賃上げが行なわれやすくなるでしょうが、しかし、インフレ率以上に賃上げが行われることは期待できないでしょう。

 と、ここまで来ると、暗い話ばかりではないかとお叱りを受けそうですが、予想される本当に深刻な事態は他にあるのです。

 それはどんなことかと言えば、仮にインフレ率が2%を越し、3%にでも接近するようになれば、流石に日銀も緩和策を転換せざるを得なくなる訳ですが、そうなると日銀が今まで大量に国債を購入してきたことが停止され、場合によっては日銀が国債を売りに出すことも想定されるのですが、そのようなことになれば、国債が暴落する恐れがあるということです。

 そして、国債の暴落が起これば、当然のことながら財政破綻が意識されるようになり、そうなると今度は、本当に増税や緊縮財政に移行せざるを得なくなってしまうということなのです。

 要するに、物価が上がると、それによって景気の好循環が生まれるのではなく、我が国の財政破綻の可能性が意識され、国民は緊縮財政を強いられてしまうだけなのです。

 ということで、物価が上がり、目標が達成できたとしても、黒田総裁は英雄扱いされるのではなく、日本の財政を破綻に導いた人として記憶に残るだけなのです。

 

 物価が上がると、良いことよりも悪いことが起こるかもしれないということを、何故日銀や政府は考えないのだろうかと疑問に思う方、クリックをお願い致します。
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