経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

カテゴリ: 異次元緩和策

 黒田日銀総裁が、昨日、講演を行いました。

 黒田総裁は、先ず自らが行ってきた緩和策について、次のように自画自賛します。

 「第一に、企業部門では、中小企業を含めて企業収益が大幅に改善しました。」

 「第二に、家計部門では、雇用・所得環境が大幅に改善しました。」

 しかし、日銀の緩和策の第一の目標は、インフレ率2%の目標実現にあった訳で、そのことについて、次のように言うのです。

 「第三に、物価の基調も明確に改善しています。一昨年夏以降本年初にかけて、原油価格が70%以上も下落したため、生鮮食品を除くベースでみた消費者物価指数の前年比は、直近では−0.5%となっています。」

 基調は改善しているなんて負け惜しみみたいなことを言っていますが…でも、生鮮食品を除くベースでみた物価指数を2%引き上げるというのが目標であったのですから、それは言い訳にしか聞こえません。

 では、物価が上がらない原因について、どう分析しているかと言えば…

 「一方、こうした大規模な金融緩和にもかかわらず、2%の「物価安定の目標」は実現できていません。この間、外的な要因として、第一に、原油価格が 14 年夏以降大幅かつ数度にわたって下落したこと、第二に、14 年4月の消費税率の引き上げ後の個人消費を中心とする需要の弱さ、第三に、15年夏以降の新興国経済の減速やそのもとでの国際金融市場の不安定な動きなどが、影響したことは明らかです。」

 どう思いますか?

 何度も言いますように、ハードコア(日本語でいうと筋金入り)なリフレ派は、どのような理由があろうとも、世の中に出回るお金の量を増やしさえすれ、どれだけでも物価は上がる筈だと言ってきた訳ですから、何を今さら…と思ってしまうのです。

 さらに言えば、エネルギー価格の影響の除いたコアコアの物価指数でみても、目標とする2%には遠く及ばないので、エネルギー価格の低下があったからというのは理由にはなり得ないのです。

 消費税率引き上げの影響についても、物価上昇率は前年同月との比較でみる訳ですから、消費税率引き上げ後1年を過ぎればその影響は消失すると黒田総裁自身が認めていたのですから、これまた何を今さら、と。

 いずれにしても、黒田総裁は、そうした外的要因がどのようなメカニズムで2%の目標実現を阻害したかを考えるには「予想物価上昇率」の変化をみることが重要だと言います。

 そして、その予想物価上昇率の変化が3つのフェーズに分けることができる、と。

 第一のフェーズは、2014年夏までの1年強の期間。予想物価上昇率は上昇。

 第二のフェーズは、2015年夏までの1年間。予想物価上昇率は横ばい。

 第三のフェーズは、その後現在に至るまで。予想物価上昇率は弱含み。


 しかし、予想物価上昇率の変化が実際の物価上昇率を左右するなんて考えること自体があまり意味がないと言っていいかもしれません。

 そもそも、どうやってみんなの予想していることが分かるのか、と。それに本当にそんなに変化しているのか、と。というよりも、実際のインフレ率の変動に合わせて、予想が変化しているだけではないのか、と。

 いずれにしても、予想物価上昇率はマイナス金利を導入しても大きく上向かせることはなかった訳で、だとしたら何のためのインフレ目標値の設定なのかと言いたい!

 しかし、それでも黒田総裁は、次のように言っているのです。

 「もちろん、マイナス金利の深堀りも、「量」の拡大も、まだ十分可能であり、政策手段の面では幅広い選択肢があると思っています。」

 本当に懲りない人なのです。

 まあ、安倍総理と一緒に乗り込んだ「インフレターゲット丸」ですので、今さら自分だけさっさと降りる訳にもいかない、という事情もあるのでしょう。

 「この結果、わが国では内外に例をみないようなきわめて緩和的な金融環境が実現しています。こうした金融環境を企業や家計が前向きな経済活動に活用してほしいと願っています…」

 黒田総裁は、折角いい環境を作ってやっているのに、それを利用しようとしない企業や家計が悪いと言いたそうですが…企業はともかく、家計はマイナス金利政策のために利子収入が完全に失われたと言ってもいい状態になっているのですから、それでは消費が活性化する訳がないではないですか。

 それに、企業部門も、マイナス金利政策のせいで企業年金の積み立て不足が増えるという切実な問題が発生しているのです。

 そういうところは、敢えて無視するのが黒田流なのでしょうか?



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 テレビなどでは殆ど取り上げられることがありませんが、マーケット関係者の間では、最近、ヘリマネの議論で盛り上がっています。

 ご存知ですよね。

 インフレ率が再びマイナス圏に落ち込んでいることから、なんとかしてマイルドなインフレを起し、デフレ脱却を果たしたいとの思いからであることは理解できるのですが…

 でも、仮にそうであるとしたら、リフレ派の諸君は、自分たちの当初の主張が間違っていたことを認める必要があるのです。

 それに、あれだけ旧体制の日銀を批判していた訳ですから、そのことについても潔く詫びるできなのです。

 どういうことかと言えば、純粋のリフレ派は、マイルドなインフレを起こすためには、インフレターゲットを設け、金融緩和さえしっかり行えばそれで十分であると豪語していたからなのです。

 マイルドなインフレを起こすのに財政出動は必要ないと言っていました。

 何故ならば、物価は貨幣的現象であるので、貨幣の量を変えることでどうにでもコントロールできるのだ、と。

 従って、物価は簡単にコントロールすることができないなどという日銀総裁は辞めてしまえ、と。

 そんな悪態をついていた一人が、今日銀の副総裁の座にいる岩田規久男氏です。

 どうして3年半も経つのにマイルドなインフレが起きないのでしょうね。

 そして、そのことについて真摯に反省することなく、何故今ヘリマネが必要などとぬけぬけと主張しているのでしょう?

 特に、早稲田の若田部教授にそう言いたい!

 この人も、かつて日銀を厳しく批判していたリフレ派の1人なのです。

 つまり、金融緩和をすればマイルドなインフレなどすぐ起こせる筈だと言っていた人なのです。

 それが、最近では、ヘリマネという薬がそこにあるのだから、それを利用しないなんて手はないなんて言っているのです。

 明らかに、かつて自分たちが言ってきたことと違うことを言い出しているのです。

 何故財政出動が必要なのでしょう?

 もちろん、財政出動派の人間は、金融緩和よりも財政出動こそ必要だと言っていた訳ですから、財政出動派の人間がヘリマネを言い出すのであれば、まだ理解できます。

 それにしても、ヘリマネの何たるかを十分考えることなく、追加緩和策としてのヘリマネ導入を望む声が少なからずあることに私は呆れています。

 お金を借りると利息を払うどころか、利息がもらえるというマイナス金利。

 そして、中央銀行がヘリコプターからお札をばら撒くから拾って使ってくれというヘリマネ政策。

 本当におかしなことばかりなのです。

 経済を治す薬が必要だというよりも、そのようなことを訴えている専門家の心の病を治す薬が必要だと思います。



 ヘリマネが必要だなんて、よく言えたものだと思う方、クリックをお願い致します。
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 三菱東京UFJが、プライマリーディーラーの資格を国に返上する方向で検討していると報じられています。

 まあ、そんなことを言われても、一般の方は、なんのこっちゃいなと思うだけかもしれませんので、プライマリーディーラーの意味を先ず説明したいと思います。

 我が国において、プライマリーディーラーというのは、「国債市場特別参加者」という言葉が示すとおり、一般の市場参加者(ディーラー)とは異なり、特別の義務や特権を有するディーラーを意味しています。

 何故そのような特別な市場参加者の存在を認める必要があるかと言えば、どのような状況にあっても国債が安定的に消化されることを確かなものにするためだとされています。

 つまりですね、常日頃、大量の国債の入札に応じてくれているメガバンクや大手証券会社に、そうした目的を遂行するために協力してもらう制度なのです。

 具体的には、プライマリーディーラーには、全ての国債の入札で発行予定額の4%以上の額に応札することや、マーケットメークのために国債流通市場に流動性を提供することなどの義務を課す反面、国債市場特別参加者会合に参加し、財務省と意見交換等を行うことができる特権を与えているのです。つまり、プライマリーディーラーになると、価値ある情報を得ることができる、と。

 ということで、本来であれば、財務省にとっても、そして、銀行や証券会社にとっても有益である筈のこの国債市場特別参加者制度から三菱東京UFJが脱退したいと言っているのです。

 何故なのでしょうか?

 その理由は、日銀が導入したマイナス金利のせいで、現状、国債の利回りが低下している(マイナスになっている)ことから、損失が出かねないと判断したからと言われています。

 どう思いますか?

 確かに常識で考えれば、マイナスの金利になっている国債を保有したいと思う者は普通、いない筈。

 しかし、現実には、10年物国債でもマイナス0.1%程度の金利水準となっており、マイナス利回りでも国債を落札するディーラー(銀行や証券会社)が存在しているのです。

 何故、彼らがマイナス利回りでも国債を落札するかと言えば、それは、日銀がさらに高値で国債を買い取ってくれるので、損失を被るどころかむしろ儲けることができると考えるからなのです。

 では、何故三菱東京UFJは、損失が発生すると考えたのでしょうか?

 それは、今の日銀の政策が続く限り…つまり、日銀が何時までも高値で国債を買い取ることを続ける限り、損失が発生する可能性は小さいが、ひとたびそうした政策が停止されてしまうと、マイナス金利の国債を自分たちが償還時まで保有することが余儀なくされるからと考えたということなのでしょう。

 要するに、アベノミクスの「大胆な金融政策」がこの先いつまでも続く保証はないから、今のようなマイナス金利という不自然な条件で発行された国債を保有することは非常にリスキーであると判断した、と。

 換言すれば、三菱東京UFJは、マイナス金利まで導入した日銀の量的・質的緩和を見限ったということになるのではないでしょうか。

 安倍総理を含むリフレ派の人々は考えました。

 銀行が国債にばかり投資するから、新規の貸し出しが伸びず、景気が良くならない。

 だったら、その国債を日銀が買い上げれば、新たな資金が世の中に出回り景気がよくなるのではないか、と。

 しかし、銀行は、国債を買い取ってもらった代金の殆ど全てを、日銀の当座預金勘定に預けたままにしておいた。

 そこで、またリフレ派の人々は考えたのです。

 日銀当座預金にマイナスの金利をかければいいではないか。そうすれば、銀行は預金を引き出し、貸出に回すようになるのではないか、と。

 そして、併せて、日銀が国債をより高い価格で市中銀行から買い上げれば、金利がさらに下がり、新規の貸し出しが伸びるのではないか、と。

 しかし、お金を貸す市中銀行からすれば、余りにも金利水準が下がり過ぎて、貸出先の貸し倒れリスクをカバーできないほどになってしまっているので、新規の貸し出しにより二の足を踏むようになっているのです。

 市中銀行からすれば、何故10年物の国債までもがマイナスの利回りになるなどという非常識な事態が起きているのか、となるのです。

 これが物価が毎年5%とか10%とか低下するという酷いデフレの状態で起こるのならまだ理解できるけれども、物価の上昇率がほぼゼロ程度の状況で、10年物国債がマイナスの利回りになっているのは、日銀のバカな社会実験のせいではないか、と。

 それに、マイナス金利を導入するというのであれば、預金金利もマイナスにしなければ整合性が取れないのに、日銀や政府は、預金金利は絶対にマイナスにしてはならないと言う、と。

 日銀のやっていることと、民間銀行の考えていること、どちらが筋が通っているかは明らかだと思います。

 アベノミクスのエンジンをこれ以上ふかすのは止めてくれ、ということだと思います。




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 岩田一政という人がいます。日銀の副総裁をやっていた人です。

 その岩田氏が21日都内で講演を行い、日銀による市中金融機関への融資をマイナス金利で行うこともあり得ると述べたのだとか。

 昨日から急激に円安が進み、本日は1ドル=111円台をつけていますが…その主な理由が、日銀が追加緩和策を打つ、具体的に言えば、日銀が市中金融機関にマイナス金利の融資を導入するのではないかという噂が流れているからなのです。

 私、昨日、日銀が市中金融機関にマイナス金利の融資を導入するかもしれないというニュースに接したとき、そんなバカなことが本当に行われるのかと思ったのですが、どうやら震源地は岩田氏にあったようなのです。

 貴方も、バカバカしいアイデアだと思うでしょう?

 だって、日銀からお金を借りると、マイナス金利分だけ儲けになるのですから、市中金融機関のみならず誰だってお金を借りたいと思うのは当然だからです。そして、市中金融機関がお金を借りて得をした分、日銀は損失を被る、と。

 それでは、日銀の経営が成り立たないではないですか!?

 それに、そんなことをしても、必ずしも市中金融機関が日銀から借りたお金を一般の融資に回す保証はないのです。

 ただ、岩田氏の弁護を敢えてするならば、岩田氏は、市中金融機関が一般企業に対して実際に融資を行うことを条件にマイナス金利を適用すべしと言っているようなので、日銀からお金を借りた市中金融機関が、それをそのまま使わずに持っておくことはできないのです。

 では、仮に岩田氏のアイデアが実現したとして、これまで余り動きのなかった市中金融機関による融資が大きく伸びることが期待できるのでしょうか?

 まあ、でも、殆ど効果はないのではないでしょうか。

 というのも、今、日本の企業は多額の内部留保を保有しているので、設備投資を行う場合でもそれほど金融機関の世話にならなくてもできる状況にある一方で、そうであるにも拘わらず設備投資が盛り上がらないということは、設備投資が盛り上がらない原因は、融資条件に問題があるというよりも、国内の需要が弱いことや、賃金の内外格差があるからに外ならないからです。

 いずれにしても、では何故、日銀によるマイナス金利融資を岩田氏が提案しているかと言えば…

 「日銀が高い価格で国債を買うことで過去3年間で既に8兆円超の損失が生じている。これを償却するには1年で1兆円程度が必要となる。財務上の理由から、これ以上の量の拡大は難しい」

 なんですって。

 黒田総裁が3年前に始めた大量の国債購入計画のために、日銀は8兆円も損を被っているのだ、と。

 しかし、日銀の財務諸表を見る限り、そのようなことは分かりません。つまり、狭義の損失には該当しないのでしょう。

 日銀の国債保有高は、過去3年間で260兆円ほど増加していますが、その約260兆円として計上している国債は、実際には252兆円の価値しかない、つまり252兆円しか償還されないという意味なのでしょうか。

 で、岩田氏は、日銀による国債の大量購入はそれほど大きな損失が伴うものだから、限界であって、だから他の方法、具体的には、マイナス金利の融資を始めたらどうかと言っているのです。

 でも、マイナス金利の融資を行えば、これまた日銀が損失を被るのは明白です。

 岩田氏は、マイナス金利の融資の場合には、損失は被っても、それほど大きな損失にはならないと言いたいのでしょうか?

 しかし、いずれにしても、お金を借りる側の市中金融機関がマイナス金利のプレゼントをもらえるなんておかしいといったらありゃしません。

 こんなでたらめな金融政策を続けていていいのでしょうか?

 本日は、最後に読者からのコメントを紹介させて頂き、終わりにしたいと思います。

「新聞やテレビは、大本営発表ですから。今、いくら借金が増えても日本は破綻しないとか言ってる人がいます。実は昔も同じことを言ってたんですね。国民としては、外貨を買うなりして、備えるしかありません。

>「六、国債の将来
(1)国債がこんなに激増して財政が破綻する心配はないか 国債が沢山殖えても全部を国民が消化する限り、すこしも心配はないのです。 国債は国家の借金、つまり国民全体の借金ですが、同時に国民が其の貸手でありますから、 国が利子を支払つてもその金が国の外に出て行く訳でなく国内に広く国民の懐に入っていくのです。」
「隣組読本 戦費と国債」(発行:昭和16年/制作:大政翼賛会)より

 大政翼賛会と同じことを言ってる人がいますね。歴史は繰り返します。

 隣組読本7



 日銀が国債を買い占める政策やマイナス金利で融資する政策が巧く行く筈がないと思う方、クリックをお願い致します。
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 長期金利(新発10年物国債の利回り)が0.1%を切り、マイナスになりそうな状況になってます。

 どうしてでしょう?

 そのような質問をすると、そんなの簡単じゃないのと言われそうですね。

 それは日銀が先週マイナス金利を導入したからじゃないか、って。

 確かに、先週のマイナス金利導入をきっかけとして金利が急低下しているのは事実ですから、間違っているという訳ではないのですが…でも、よく考えたらどうも納得がいかないのです。

 というのも、日銀がマイナス金利を適用する日銀当座預金の量は、当面は10兆円ほどに過ぎず、約260兆円ほどある日銀当座預金の4%にも満たず、しかも、昨日、グラフで示したとおり、民間金融機関は、そもそも10兆円ほど日銀に預金を預けておけば何の支障も生じないので、250兆円を上回る部分にマイナス金利が課せられたとしても、本来は痛くもかゆくもないからです。

 つまり、マイナス金利が課せられるのであれば、その分の預金を引き出せばいいだけのことだからです。

 そうでしょう?

 これが、マイナス金利が課せられる部分というのが、例えば法定準備預金に係る分などであれば、その部分は必ず預けなければいけないお金であるので、マイナス金利が課せられると、民間金融機関にとっては大きな痛手となるでしょう。

 でも、その場合であっても、だからといって国債の利回りを大きく引き下げる要因になり得るのでしょうか?

 実は、その場合も、国債の利回りを決めるのは、国債に対する需要と供給であり、マイナス金利が適用されることによって民間金融機関の国債に対する需要が増加する訳ではないので、国債の利回りが急低下したり、ましてやマイナスになることはないのです。

 では、今回何故、10年物国債の利回りまでマイナス寸前になっているのか?

 それは、今回マイナス金利が適用されることになった日銀の当座預金の該当部分は、まさに金融機関の意思によって預けられている余裕資金であり、それが今回のマイナス金利導入によって0.1%の金利を稼ぐチャンスを喪失するために、その部分が10年物国債に向かっているからに外なりません。

 日銀は、本当は、その部分が企業への融資等に向かうことを期待している訳ですが、民間金融機関からすれば、魅力のある融資先はないということで、またしても国債に向かう格好になったのです。

 面白い話ですよね。そもそも資金需要が弱く、魅力的な融資先がないから民間金融機関は国債で余裕資金を運用していたのを、黒田総裁率いる日銀が、その国債を大量に買い上げ、民間銀行が融資を増加させることを期待した、と。

 しかし、日銀が買い上げた代金は、当座預金として預けておけば0.1%の金利を稼げるので、民間金融機関は融資を増やすことをしなかった、と。

 そこで、今回、その当座預金(但し一部)の金利を0.1%からマイナス0.1%にしたところ、やっぱり融資は増えずに、国債の購入に向かっているだけだ、と。

 ということは、マイナス金利を導入することによって、イールドカーブが下がると黒田総裁は言っていましたが、イールドカーブが全体として下がるということは、日銀の思惑とは裏腹に全然融資が増えていないことの証明になるだけであって、この政策が失敗だということになるのです。

 いずれにしても、今言ったような理由で民間金融機関の国債の対する需要が仮に年間10兆円分ほど増加したとして、それほどまでに利回りが低下するものなのでしょうか? だって、マイナスになる可能性があるほどですから。

 何故こんなに10年物国債の利回りまでが急低下しているのでしょうね。

新発10年物国債の利回り


 それは、まさに日銀が、量的・質的緩和と称して、市場にある国債を買い占めているため、民間金融機関が国債を流通市場で購入するのが難しくなっているからなのです。

 それに、日銀は、単に大量の国債を買い占めるだけではなく、相場よりもかなり高い価格で購入しているために、民間金融機関は益々国債を購入することが難しくなっており、だから、国債の価格が高騰し、利回りがマイナスに迫っているのです。

 ということで、今、国債の流通市場で金利が急低下しているのは、今回日銀がマイナス金利を導入したからというよりも、そもそも量的・質的緩和の下で日銀が大量にしかも高値で国債を買い占めていることが本当の理由なのです。

 では、そうやって強引に国債の利回りを低下させて何かいいことがあるのか?

 我が国の全般的な金利水準が下がれば、円安の圧力がかかることが容易に想像されますが…そしてまた、円安になれば輸入物価の上昇を通じてマイルドなインフレが起きる可能性がありますが…消費者からすれば、金利収入が減ることと円安によって物価が上昇することの2つの意味で購買力が奪われてしまうのです。

 こうして金利がマイナスに迫ることによって、国債を発行する政府の金利負担が軽くなるので結構なことではないかと考える人がいるかもしれませんが、その分、日銀が本来得るべき金利収入が減少するので、政府と日銀を合算して考えるとプラマイゼロというべきでしょう。

 いずれにしても、超低金利どころかマイナス金利が発生するような状況になれば、投機熱を煽り、バブルが発生するだけの話なのです。

 で、いつの日にか原油価格が上昇し始めるなどして、インフレ率が上がりだすと、否が応でも金融を引き締めざるを得なくなる日が来て、バブルが弾けてしまうのです。



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 今回日銀が打ち出したマイナス金利に驚いている人が多いようなのですが…

 否、驚いたらいけないと言うのではないのですよ…否、やっぱり驚いたらいけないのかもしれません。

 だってね、これが民間金融機関が日銀に定期預金をしており、その定期預金の金利がマイナスになるというのであれば、それは驚いてしかるべき!

 というのも、定期預金であれば、僅かではあっても金利を稼ぐのが目的だから、その金利がマイナスなら、誰も定期預金なんてしないでしょうから。

 でも、今回、金利を一部マイナスにすると言っているのは、民間金融機関が日銀に預けている当座預金についてです。そのことに気が付いていない人が余りにも多すぎます。

 
当座預金に金利が付かないのは、謂わば常識ではないですか!?

 当座預金はいつでも引き出しが可能であるので、企業などからお金を預かっている市中銀行としては、基本的には安定的な融資財源とみなすことができません。それに、当座預金口座は小切手や手形を落とすためのお金を預けておく口座ですから、銀行側に口座を管理するための特別な事務が発生するので、むしろ手数料を取ってもおかしくないのです。

 それが当座預金というものなのですよね。

 では、そもそも何故日本銀行は、民間金融機関から預金を預かるのか?

 それは、一つには準備預金制度というものがあるからです。

 ご存知ですよね、預金者からお金を預かった銀行が、預金総額の一定割合を日銀に準備預金として預けておく必要があることを。

 まあ、そうしておくことによって、万が一預金者からの預金の払い出しが集中したような場合に対処できるようにするためです。

 また、預金準備率を操作することによって、世の中に出回るお金の量をある程度コントロールすることも可能になるのです。

 さらに、民間金融機関の側からすれば、民間金融機関同士等での資金決済を行うために必要な額を日銀に預けておく必要があるのです。

 でも、以上説明したうちの、法律に従い、民間金融機関が必ず預けておかなくてはいけない法定準備預金(日銀当座預金の一部)には金利は付されないのです。つまり、金利はゼロ。

 民間金融機関は、そうして法律で義務付けられた預金をするために、本来であれば獲得できる運用益を放棄しているのにも拘わらず、です。

 では、これまで0.1%の金利が付されてきた日銀当座預金というものは、一体どんな性格の預金であると言ったらいいのでしょうか。

 実は、法的に義務付けられた準備預金を超える預金は超過準備と呼ばれ、この超過準備に対し、2008年の10月から金利が付されるようになったのですが、超過準備というのは民間金融機関側の自分の事情で行う預金と言っていいでしょう。

 ただ、本来民間金融機関は、資金を効率よく運用するために、できるだけ不要な資金を日銀当座預金に寝かせておかない工夫が求められるのです。つまり、超過準備は最小限度に留めるのが鉄則だ、と。

 一般の預金者でもそうだろうと思います。最近は定期預金の金利が異常に低くなっているので、少し事情は違ってきていますが、本来であれば、我々一般の預金者は、金利が低い普通預金の残高は最小限度にしておき、残りは定期預金でもして利息を稼ぐことを考えます。

 それと同じような発想で、民間金融機関も本来金利がゼロの日銀当座預金の残高を必要最小限度に保とうとするのが普通なのです。

 しかし、今はその日銀当座預金の残高は2016年1月末現在で、約260兆円にも達しているのです。でも、法定準備預金は僅か8兆7千億円ほどでしかありません。

 ということは、法律に基づき金融機関側に義務付けられている預金は8兆7千億円ほどでしかないので、残りの253兆円ほどは必ずしも積む必要のない預金だということになるのです。

 グラフをご覧ください。各年の年末の残高を示しています。

日銀当座預金残高推移


 一体、民間金融機関側は、このような巨額の資金を何故、日銀にある口座に寝かせているのでしょう?

 そしてまた、何故日銀もそのように巨額のお金を民間金融機関から預かる必要があるのでしょうか?

 もう、お分かりかもしれませんが、本来であれば、こんなに巨額のお金を民間金融機関が日銀に預けて置く筈はないのです。それはそうですよね、本来当座預金に金利は付かないからです。しかし、日銀は2008年10月から気前よく金利を付けてくれるようになったので、民間金融機関としては余裕資金を日銀に預けておくことが一つの有力な資金運用手段になったのです。

 そんなに巧い話を民間金融機関が見逃す筈はないですよね。

 では、そもそも何故日銀はそのような太っ腹な措置を講じているのでしょうか?

 日銀にはお金が不足しているので、お金を集める必要があるからなのか?

 そんなバナナ! ですよね。

 何故ならば、日銀は幾らでも必要に応じてお金を発行することが可能であるからです。民間金融機関からお金を集める必要なんてさらさらないのです。

 でも、だったら何故実際に、民間金融機関からそのような多額なお金を集めているのか?

 実は、これは日銀による壮大な社会実験なのです。

 今の日銀は、アベノミクスというかリフレ派政策というか、お金をジャンジャン刷ってマイルドなインフレにすることを目標としています。そして、その手段として、マネタリーベースを2年で倍増するとか、年間80兆円のペースで増やすと言っていましたよね。

 では、どうやってマネタリーベースを増やすのかといえば…マネタリーベースはキャッシュ(日銀券とコイン)と日銀当座預金の合計を意味するので…日銀が、民間金融機関から国債を大量に買い入れ、その代金を日銀当座預金勘定に振り込むことによって達成しようという算段だったのです。

 ただ、その際、日銀が幾ら大量に国債を買い入れても、日銀当座預金に金利が付かなければ、民間金融機関は国債の売却代金を引き出してしまい、マネタリーベースが計画通りに増えるなどということはあり得なかったのです。

 グラフをご覧になればお分かりのように、通常であれば、10兆円ほども預けておけばそれで用が足りたからです。

 しかし、だからこそ、日銀は本来付けなくてもいい金利を付けてまで民間金融機関側の協力を得ようとしたのです。

 私が、ここまで言っても、まだ多くの人は事の重大さに気が付いていないかもしれません。

 でも、金利を付けてやっているといっても、たった0.1%だろう、と。

 だったら、私は言いたい。我々が普通預金をしてもたった0.02%です。定期預金をしたとしても、最低10年も預けないと0.1%の金利は得られないのです。

 それに日銀が実際に民間金融機関側に支払っている金利は、年間2000億円以上にもなっているのです。

 そして、その2000億円以上ものお金は、本来であれば民間金融機関に支払う必要のないお金であり、また、そうなればその分、日銀の国庫納付金も増える筈であるので、結局、我々納税者がその負担をしているのも同然なのです。

 つまり、国民1人が年間約2000円を負担して、インフレターゲットという社会実験をしていると言ってもいいでしょう。

 で、その結果、円安と株高は実現できたけれども、国民にとってプラスになったことは殆どなしだ、と。

 マイナス金利を導入したとはいっても、これまで預けた分はほぼ全額これまで同様金利が付けられる訳で、そして、それは本来付ける必要のない金利であり、しかも、最終的には納税者の負担になっていることを考えれば、もっと憤慨しても当然だと思います。



 
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 皆さんご承知かもしれませんが、私はインフレターゲット政策を支持しません。

 しかし、仮に私がインフレターゲット政策を支持していたとしても、今の日銀のやり方は肯定できなかったでしょう。

 その点で、私はリフレ派の人々に問いたい。

 皆さんは、今の日銀の政策が合理的であると思いますか、と。

 否、だってそうでしょう? 今、日銀とECB(欧州中央銀行)は、ともに量的緩和策を採用しながらも、全く違ったことをやっているからなのです。

 何のことかと言えば、日銀は、市中銀行が日銀に預ける預金、つまり準備預金(正確にいえば超過準備)に0.1%の金利をつけてあげているのですが、ECBは、日本とは正反対に逆に0.1%の金利を市中銀行から徴収しているのです。つまり、マイナス0.1%の金利が付けられている、と。

 やっていることが全然違うのです。

 では、何故ECBは、お金を預けている市中銀行から金利を徴収するのか?

 それは、そうやって金利を徴収することにより、準備預金の資産としての魅力を薄め…というよりもECBにお金を預けておくとコストがかかるようにすることによって一般企業への貸し出しを促進しようとしているのです。

 お分かりになりますか?

 では、日本はどうなのか? 日銀も、市中銀行がもっともっと一般企業にお金を融資することを望んでいる訳ですから、本当ならECBのようにマイナス金利にするとか、或いはそこまでしなくても、プラスの金利をゼロにするなどの措置を取った方がいい訳です。

 では、何故そうしないのか? 何故0.1%の金利を付けてあげるのか?

 ところで、貴方は今の日銀の量的・質的緩和がどのようなものかご承知でしょうか?

 ご存知ですよね。2年間でマネタリーベースを2倍にするというものなのです。昨年10月末からはそれがさらに増強されている訳ですが、当初は2年で2倍が合言葉だったわけです。そして、その2年でインフレ率を目標値の2%以上にもっていく、と。

 では、マネタリーベースを2倍に増やすことは簡単なことなのでしょうか? それとも難しいことなのでしょうか?

 多くの皆様にとっては、この質問こそ難しいだろうと思います。

 誰ですか、今、「そんなの簡単じゃないか」と悪態をついたのは?

 日銀がガンガン市場から国債を買い上げれば、簡単にマネタリーベースは2倍にできるなんて思っているのかもしれませんね。

 でも、仮にそのようなことをしても、マネタリーベースを2倍にするのは本来とても困難なことなのです。

 何故か?

 そもそもマネタリーベースとはなんでしょうか?

 マネタリーベース=「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」+「日銀当座預金」

 要するに、世の中に出回っている物理的なお金と、市中銀行が日銀に預けている預金残高を足したものなのです。日銀に預けてある預金はいつでも引き出しが可能であるので、物理的なお金と同一視できるであろう、と。

 で、マネタリーベースを2倍にすると宣言した日銀はどのような方法でそれを実現しようとしているかと言えば、この日銀当座預金を主に増やす方法を採用しているのです。

 何故、日銀券やコインなどを増やす戦略を取らないかと言えば、幾らそれらを増やそうとしても、家計や企業は必要以上の現金を保有しない傾向があるからです。現金を持っていても、利息が付かないし、紛失、盗難の恐れがあります。それに保管のコストがかかることもあるのです。その点、銀行に預けておけば、なにがしかの利息もつき、安全だし、と。市中銀行にしたって同じなのです。だから、必要以上の現金は最終的に日銀に還流してくるので、なかなか世の中に出回る現金の量をコントロールすることは困難なのです。

 では、日銀当座預金はどうなのか? コントロールしやすいのか?

 本当はそういう訳にはいかないのです。何故かといえば、日銀当座預金は、本来、通常の当座預金と同じように金利が付くことはないからです。要するに、市中銀行が日銀当座預金口座にお金を預けておくということは、通常なら得られる利子収入を放棄するということで、必要最低限度の残高にとどめておくことが常識だったからです。

 となると、仮に日銀が市場(市中銀行など)からガンガン国債を買い上げても、その代金が日銀当座預金残高として、どれだけでも積みあがることなど到底考えられないのです。通常であれば、市中銀行は、国債の売却代金をコール市場などで運用するか、或いは短期国債などで運用することになるのです。

 で、そうなると、どんなに日銀が市場から国債をガンガン買い上げたところで、2年で2倍の目標は達成できない、と。

 では、どうするのか? だから、日銀当座預金に0.1%という今の金利水準からみれば破格の金利をつけて上げているのです。

 あれっ、また怪訝な顔をしている人がいますね。

 0.1%ごときで、何が破格だと言いたいのかということですね。

 でも、最近は、短期のみならず中期の国債の金利もマイナスになる状況です。そのようななかにあって、黙っていて0.1%も金利を付けてもらえるならウハウハでしょう。そうして市中銀行が当座預金残高を積み上げることに喜びを感じるからこそ、かろうじて2年でマネタリーベースを2倍にするという目標が達成されようとしているのです。

 では、それでインフレ率の目標は達成されようとしているのか? また、それで世の中に出回るお金の量は増えているのか?

 グラフをご覧ください。

日銀券発行高
(日銀のデータにより作成)

 昨年末の段階で、マネタリーベースはほぼ2倍(2013年3月と比べ)になっているのです。一方、世の中に出回っている日銀券の量はと言えば、約83兆円(2013年3月)が約90兆円(2014年12月)に増えただけ。増え方のスピードが全然違いますよね。

 要するに、日銀当座預金残高は予定通り増加しているのですが、実際に世の中に出回っている日銀券の量は徐々に増加しているに過ぎないということなのです。

 なんとなくインフレが起きない理由が分かったでしょう?

 それはそうですよね。幾らマネタリーベースが増えても、日銀券の発行残高は徐々にしか増えていない訳ですから。

 つまり、そもそもマネタリーベースを2年で2倍にあるという目標を立てたこと自体がおかしなものだったのです。何故かと言えば、その目標は、当座預金に金利を付けるという異常な方法を採らない以上不可能であるからです。それに、その異常な方法である金利の付与は、ECBに言わせれば、一般企業への融資を促進するどころか、それを阻害する要因になってしまうからなのです。

 これではなかなかインフレ目標が達成できる筈はないのです。

 リフレ政策を支持する人なかで、今日銀がやっていることの不合理性を指摘する人がいないのは何故なのでしょう?

 私には、とても奇妙にしか思われません。

 新たに日銀の審議委員になる人の名前が挙がっていますが、インフレ目標を達成するためにさらに追加緩和をすればいいなんて言っています。何もわかっていないとしか言いようがありません。



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 日銀の岩田副総裁が、インフレ目標を達成できない理由をグダグダと言っています。

 男らしくないといったらありゃしない。

 男らしくないなんていうと、女の方が怒るでしょうか? だったら、人間らしくない?

 でも、人間らしくないっていうのは当たらないでしょう。間違いは人の常なんていいますから、むしろ人間らしいというか、俗人らしい、と。

 いずれにしても、岩田副総裁は、原油価格が予想もしないほど低下しているから、目標達成が遅れると言うのです。

 では、原油価格変動の影響を除いてみたらいいではないですか。そうでしょう?

 コアコアでみるべきだというのが、リフレ派のそもそもの主張だったのですから。

 グラフをご覧ください。

コアコアインフレ
(Department of Labor と総務省のデータにより作成)

 日米のインフレ率の推移を示しています。赤が総合指数で、青がコアコアです。(但し、消費税増税の影響分を除いています。)

 如何でしょう?

 米国では、そもそも昨年の夏頃の時点では、総合もコアコアもどちらも上昇率が似たようなものだったので、最近は、原油価格が低下した分だけ総合の方の上昇率が低くなっているのです。

 では、日本の方はどうでしょうか?

 日本の場合には、昨年の夏頃の時点では総合の方が遥かに高い水準にありました。そのため、原油価格が低下しても、まだ総合の方がコアコアを上回っているのです。

 ということは、コアコアでみると、日本のインフレ率はより一層低く見えるということなのです。

 お分かりになりますか? それが、最近、リフレ派がコアコアについて言及しなくなった理由なのです。

 これが、もしコアコアの方が総合よりも高ければ、「原油価格の変動を除いたコアコアでみるべきだ」などと強気の態度を取れたかもしれません。しかし、今言ったようにコアコアの方が原油価格の低下にも拘わらず下回っているために、コアコアには言及できないのです。

 だったら、最初からコアコアで見るべきだなんて言わなければよかったのです。

 但し、コアコアで見た場合には、異次元の緩和策採用後も、一度もインフレ率は1%を上回っていなかったのですよね。ということは、異次元の緩和策が功を奏して目標を達成できそうだとも言えなかったでしょう。

 いずれにしても、コアコア指数がある訳ですから、リフレ派は、原油価格が下がったからインフレ率が低下しているなんてことは言えないのです。

 

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 突然ですが、インフレ目標率というのがありますよね。ご存知でしょう?

 デフレからの脱却が何よりも優先するとか、デフレマインドの払しょくが必要だとか言って、鳴り物入りで導入された政策です。それまでの日銀のやり方を厳しく批判して導入した政策と言ってもいいでしょう。

 インフレは貨幣的現象だとか、物価をコントロールできない日銀総裁であったら意味がないとか…いろいろ罵倒していましたよね。

 少子高齢化がデフレの原因になっているなんていう考えに対しても、何を言っているのだ、と。貨幣的現象なのだから、日銀がその気になりさえすれば、つまり可能な限り緩和策を実施すれば必ずインフレになると言っていたのです。

 あれからほぼ2年が経ちますが、どうなりました?

 2%の物価目標はどうなっているのでしょう? 生鮮食品を除いた総合指数は、消費税増税の影響分を除くと0.5%としか伸びていないのです。

 旧体制の日銀を一番批判していた人物の一人が今の岩田副総裁と言っていいでしょう。彼は、日銀当座預金残高が70−80兆円になったら2%のインフレ目標は達成される筈だと断言していたのです。そして、その目標が達成できなかったならば責任を取る、即ち辞任するとも言っていたのです。

 それがどうでしょう? 昨日、岩田副総裁は仙台で講演を行ったのですが、講演後の記者会見で述べたことからすれば、全く反省もしていないのです。

 私は、何も辞めろとまではいいません。何故目標が達成できないのか、それについて客観的に分析して、何がどう間違っていたかをしっかり認めるべきだと言いたいのです。

 でも、彼が実際に述べたことは、言い訳ばかり。しかも、2年前に言ったことと全く矛盾しているのです。

(問)副総裁はかねて「量的・質的金融緩和」の柱として、2年で2%達成への強いコミットメントと、それを具体的に行動で示す、と一貫して説明してこられたかと思います。その点、1月の展望レポートの中間評価では2015年度の物価の見通しの中央値が+1.0%になり、2年での達成は難しく、2%の達成には3年かかるようにみえます。QQEは2年という具体的な期限を明示したことが政策の効果や信頼性を高めたと思うのですが、2年で2%のコミットメントが現状揺らいでいるということはないのでしょうか。原油安が理由ということであれば、2%のコミットメントが守れなかったとしても具体的な行動は必要ないというお考えなのでしょうか。 

(答)「2年程度」の点については、今のところ中央値では「2015年度を中心とする期間」という2年程度の幅におさまっていると思っています。2年程度で、できるだけ早くということには変わりはありません。先程の金融経済懇談会の冒頭挨拶でも申し上げましたが、消費が、消費増税後少し弱かったということ、それが予想外に長引いたということが物価引き下げ要因として働いたわけですが、もうひとつ強く働いたのが原油価格で、これは半年でマイナス6割と、半値以下になってしまいました。これは、すぐに金融政策でどうこうするということではないと思っています。ある程度の時間は物価下押し圧力がかかり、その結果、ある程度、物価上昇を少し遅くするということは確かだと思います。もっとも、物価の上昇を抑制する一番大きな要因である原油価格の下落の影響も徐々に剥落していきます。また、これは経済活動に良い影響を与え、長い目でみれば物価押し上げ要因となるため、2015年の最初の頃は物価下押し圧力は強いかもしれませんが、次第に2015年度を中心として平均的には2%に向けて回復してくる、軌道に乗ってくると考えています。


 釈然としませんね。2013年4月に、2年で2%にと言ったのに、いつのまにか2015年度を中心とする期間となっていますが…2015年度を中心とする期間って、何を意味するのでしょうか?

 それに、インフレ率が目標に達しそうもない理由をタラタラ述べたりして、と。

 消費税増税が、なんたらかんたらなんて言っていますが、その増税は2013年4月時点では当然予定されていたことであるのです。その上、日銀総裁は、その後の10%への消費税率の増税にも賛成していたではありませんか。だから、増税の影響を今更持ち出すことなどできない筈。

 原油価格の下落にしても、仮にそれが大きな理由であるというのなら、さらに緩和策を講じればいいだけの話でしょう? だって、インフレは貨幣的現象と言うのですから。どうしてさらなる緩和策を講じない?

 それは、既に昨年の10月末に実施済みだからでしょう? そして、その効果が全然出ていないからでしょう?


(問)副総裁は就任前の2013年3月4日の講演で、「日銀当座預金が10%増えると予想インフレ率が0.44%上昇する」ということをおっしゃったという報道がありますが、これが事実かどうかをお伺いします。また、実際に日銀当座預金残高の推移をみますと、講演をされた2年前の水準が44兆円で、足許の水準が185兆円、これは10%どころか4倍以上に達しています。それにもかかわらず、予想インフレ率を表す一つの指標であるBEIは足許で1%を切っている水準です。これは、もともとのご発言自体が誤っていたのかどうか、それとも今でも同じようにお考えなのでしょうか。(以下省略)

(答)最初のご質問について、何月何日に何を申し上げたか、何%であったのか、具体的な日時、数字までは記憶になく、調べてみないと分かりません。はっきりお答えはできませんが、日銀当座預金あるいはマネタリーベースと、BEIで測った予想インフレ率とはある程度強い相関関係があります。私が研究していた際には、過去のデータで、日本銀行の最初の量的緩和時代と、その後のリーマンショック以降の期間におけるBEIとベースマネー、当座預金の関係を前提にお話したことは事実です。ただし、その場合でも、最初の量的緩和の時代とリーマンショック以降では、日銀当座預金あるいはマネタリーベースと、BEIの関係は少し異なっています。経済環境によって、日銀当座預金あるいはマネタリーベースとBEIの関係は変わるもので、当時はそれを前提として、これぐらいの変化があれば、これぐらいになるだろうという発言をしたと思います。(以下省略)

(問)確認ですが、消費者物価はこれから原油安でさらに伸びが鈍化していくと思います。これに対して金融政策で対応する必要はないというお考えでしょうか。

(答)昨年10月末には、消費の弱さと原油安で物価の上昇率が鈍っていました。日本の場合は、15年もデフレが続いたために、予想インフレ率──あるいは、期待インフレ率、デフレマインド、インフレマインドという言い方でもいいですが──の形成が、足許の物価がどうかに影響されやすいということが、私どもの金融政策を考える上で重要であったわけです。例えば、これまで米国では、2%の物価上昇目標を何十年も続けている実績がありますので、足許の物価が変わっても、予想インフレ率、サーベイデータ、BEIもそれほど変わりませんでしたが、さすがの米国ですら、原油価格の下落によってBEIが3割〜4割も下がるという状況になっています。いずれにしても、原油価格が今後一段と下がっていき、5〜10年といったタームの中長期的な予想インフレ率が下がっていくことになれば、どのぐらい下がるかにも依存しますが、前向きなポジティブな活動に影響を与えることとなり、できるだけ早くというコミットメントが必ずしも十分でなくなってしまうリスクがあるため、原油価格が予想物価にどう影響してくるかを注視していく必要があります。その場合、BEIは重要な指標の1つですが、原油価格の急落という状況において、米国でさえ中長期での予想が40%も下がってしまうというのは解せないところがあります。従って、様々なアンケート調査やサーベイ調査、日銀短観での企業の物価見通し、今後の賃金動向、あるいは企業の価格設定行動などを広くみながら、予想インフレ率がどうなっているかを判断し、金融政策を決定していきたいと思っています。

(問)2013年3月5日の国会衆議院議員運営委員会で行った所信表明において、「就任から最初の2年で達成できない責任は自分たちにある。責任の取り方はどれが一番良いのか分からないが、最高の責任の取り方は辞職することだと認識している」とおっしゃいました。その後、答え方を変更されたこと、「電車の時刻表の通りにきっちりいかない」というよな答弁をされたことは承知しています。先程も、きっかり2年ではうまくいかないとおっしゃいましたが、今、お考えにある責任の取り方とはどのようなものでしょうか。また、うまくいかなかった原因というのは、消費増税でしょうか、もしくは原油安でしょうか。4月を迎えるにあたって、期待に働きかける政策を採っている以上、これに対するご説明を頂きたいと思います。

(答)まず、副総裁として目標達成に向けて全力を尽くすということに変わりはないのですが、仮に、達成がどんどん遅れてしまう場合に、国会答弁では、「最終的に」とか「最高の」と言っているわけで、その前の段階の責任は「説明責任」であって、まずは説明責任を果たさなければ話にならないということだと思います。説明責任を果たすとして、その時思ったよりも遅れる理由は、消費増税なのか、原油価格なのかということですが、もちろん消費増税は、ある程度遅らせる要因となっていると思いますが、私は、主として、原油価格がこれだけ下がっているということが大きいと思います。原油価格の低下は、経済活動としては非常に良いわけで、政策委員の中央値としてはそんなに遅れてはいないのですが、就任時などに私がお話した時より遅れているのは、ここまでの原油価格の下落は予想できなかったためです。英国、米国や欧州などでも物価は下がっています。日本の場合は消費税の影響も加味されていますが、これは徐々になくなっていくと思いますので、基本的に大きな要因は原油価格の急落であろうと思います。


 どうも直ぐには辞める気はないようですね。その上、真摯な反省もなし。というよりも、この期に及んでさらにリフレ派の審議委員が加わるのですから。


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 日本銀行の佐藤健裕審議委員が4日、高知市内で講演したのだとか。

 審議委員とは、日本銀行の金融政策を決定する政策委員会の委員であるということです。政策委員会は、日銀の総裁と2人の副総裁、それに6人の審議委員によって構成されますが、佐藤さんはその6人の審議委員のうちの1人であるのです。

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 その佐藤さんが昨日の講演で次のように述べたと報じられています。

 「物価は経済の体温であり、中央銀行が直接に操作可能な変数ではない」
 
 「特定の期間内に特定の上昇率を目指すという硬直的な考え方には違和感がある」

 「原油価格の下落は日本経済に追い風。緩和を強化する理由としては適切ではない」

 如何でしょう?

 リフレ派の人々は、このような発言には鋭く反発することでしょう。ということは、安倍総理もこのような発言には反発することが予想されます。

 何故か?

 だって、日本銀行が物価をコントロールできないなんて言ってしまえば、物価目標値を掲げても意味がないことになってしまうからなのです。要するに、佐藤さんの言っていることは伝統的な日銀マンの意見と一緒であり、リフレ派には到底受け入れられないのです。

 では、日本銀行のトップの地位にある黒田総裁の意見はどうなのか?

 全く反対の立場にあると言っていいでしょう。

 何故かと言えば、黒田総裁は、そもそも2年間程度のうちに物価上昇率を2%にまで引き上げることを目標として掲げていたからなのです。

 当然のことながら、筋金入りのリフレ派の一員とでもいうべき岩田副総裁の立場からしても、この佐藤委員の発言は受け入れることができないでしょう。

 それに岩田副総裁は、かねがね物価をコントロールできないなんていう日銀総裁なら辞めてしまえ、とまで言っていましたし、さらに副総裁就任時には、日銀当座預金残高が80兆ほどになったらインフレ率は2%に達するとまで断言していたのです。

 現実はどうでしょう?

 日銀当座預金残高は、80兆円どころか170兆円にまで積みあがっているのです。しかし、増税の影響を除いた物価上昇率は1%に達していないのですから。

 ところで、10月末に決定された黒田バズーカ2の決定理由は何であったか、憶えていますか?

 巷では、消費税増税を後押しするためではなかったのかと言われていますが…そして、それも外れてはいない気がするのですが、表向きの理由は、原油価格が低下することによってインフレ率に下押し圧力をかける恐れがあるから、その影響を緩和するため、つまり物価を上がりやすくするということが大義名分であったのです。

 ということは、佐藤委員は、そうした黒田総裁の考えに真っ向から反対であるということなのです。

 原油価格の下落が日本経済に追い風になるのはそのとおり。現に、米国においても、その効果のお蔭で景気が益々上向いてきているのです。

 原油価格の低下が物価上昇率を押し下げれば、その分、消費者の購買力が増強される訳ですから黙っていても実質GDP成長率を押し上げる効果があるのです。しかし、仮にそのときに追加緩和策を実施して物価を押し上げてしまえば、折角の原油価格の低下という恩恵を消費者は享受することができずに終わってしまうのです。

 黒田総裁の判断が正しいのか、それとも佐藤審議委員の判断が正しいのか? それほど難しい質問ではないと思います。



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