塩村議員に対するヤジ問題が未だにテレビで扱われています。

 ヤジを発した議員が塩村議員に頭を下げる場面、そして、議会で質問をしている塩村議員がヤジを浴びせられて苦笑する場面。

 それにしても、ヤジった議員は他にもいるのではないかと、外野席の怒りは収まりそうもありません…なんて思ったら大間違い。

 そんなことはないのです。幾らネット上で塩村議員が同情を集め、そしてまた下劣なヤジを飛ばした議員が悪く言われようと、これがいつまでも世間の関心事である筈がないのです。だって、それと同じようなことを我々はこれまで何度も経験してきたではないですか。

 では、何故私は今になって、もはや賞味期限が過ぎ去ろうとしている塩村議員に対するヤジ問題を本日扱うのか?

 それは、多くの人が見失っている重要な問題が、この塩村議員の質問に対するヤジにかき消されていると思うからです。

 私の言っていることがおかしいですか?

 何故かと言えば、今回のヤジは質問とは全く関係のない下劣な内容に過ぎないからだ、と。

 まあ、そうやって怒りたくなる気持ちも分からないではありません。しかし、ここは冷静になって考えてみて欲しいのです。というか、その前に塩村議員に同情をする人々には、彼女がどんな質問を都議会で行ったかを思い出して欲しいのです。

 あの時、彼女は、都会で暮らす女性が子供を産み、或いは育てる際の心細さを訴えて、東京都に対して、そういった女性を支援するつもりはないのかと問うていたのです。

 お分かりですか?

 彼女が言いたかったのは、もう少し都や国が支援すれば、女性の子育ても楽になり、そうすると少子化問題も少しは改善するのではないか、と。

 では、それに対して浴びせられたヤジはどう解釈すべきか?

 浴びせられたヤジを正確に確定するのは困難ですが、いずれにしても内容としてはお前が結婚をすればいいとか、お前は子供を産めないのかというようなものであったのでしょう。

 誤解があってはいけないので、ここで私の立場をはっきりさせておきたいのですが、私はそのようなヤジを少しも擁護するつもりはありません。そうではなくて、ヤジを飛ばした議員が何を考えていたかを推理しているだけなのです。

 恐らくそのような議員たちは、次のように思ったのではないのでしょうか?

 なんでもかんでも都に支援を求めるのか? それで問題が解決するのか? 女性なのだから自分が子供を産むことが少子化の一番の解決策になるのではないのか、と。

 貴方はそのようには思わないでしょうか?

 もう一度誤解のないように言っておきます。仮にヤジを飛ばした議員たちがそのように考えたところで、下劣なヤジを飛ばしたことの責任から免れるものではありません。しかし、それらの議員の言いたいことには一理あるということなのです。

 何故ならば、女性たちがもっと子供を産むことに積極的になれば、少子化問題も改善に向かうかもしれないからです。

 あのヤジを浴びせられたとき、塩村議員は苦笑しました。あれは、戸惑いがあったためであると思われますが、自分もその指摘に対し少しだけそれはそうかも…と思ったのではないでしょうか。

 但し、いずれにしても彼女は、東京都はもっと女性を支援すべきだと主張したのに対し、幾人かの議員は、その質問に対しヤジを飛ばすことによって、そうではなかろうと言いたかったということなのです。

 いいでしょうか? 彼女と彼らはある種の議論を行っていたということになのです。ですから、どうやったら少子化が改善するかは、彼女と彼らのやりとりを延長することで明らかになるのです。

 少子化対策のために一番重要なことは何か?

 東京都や国が女性を支援することが必要不可欠であるのではないのか、と考えた塩村議員。

 それに対して直接の答えを示すことなくただヤジった議員たち。彼らは、都や国の支援よりも女性自身の問題ではないかと、考えた。

 貴方はどちらの立場を支持したいと思いますか?

 確かに女性自身の問題であるかもしれないが…しかし、その女性たちがもっと都や国が支援してくれたらどうかと要望をしているのです。

 では、仮に都や国がもっと支援をしたら少子化問題は改善するのか?

 私も、確かに行政の支援がないよりはあった方がいいとは思うのですが…行政に支援を仰ぐ前にもっと積極的に行動をすべき主体がいるのではないかと思うのです。つまり、子どもの父親がもっと子育てに積極的になることで女性の負担が軽くなり…そうなれば、子供を産もうと思ったり、或いは、もう一人や二人さらに子供を産もうと思う女性が多くなるのではないか、と。

 つまり、男性が子育てに積極的に参加しやすくする方策が国や都の政策としても重要なのではないのか、ということなのです。

 物事の順序として、女性が困っているから国や都がいきなり支援するというよりも、その前に男性に責任を果させることを考えるべきなのです。

 そもそも戦後企業戦士たちは、殆ど子育てに参加しなかったと言ってもいいでしょう。余りにも会社本位過ぎた、と。年中残業に追われ、或いは何の意味もなく単身赴任を強いられるような転勤ばかりを繰り返していた、と。

 そのような職場の風土を改めることが先決なのではないのでしょうか。つまり、国は直接財政的負担を負うことなく、もう少し女性が子供を産むことのできるような環境作りが可能であるということなのです。

 国家公務員の職場環境を考えてみてください。

 不夜城と言われる霞ヶ関。2年に1度の転勤が当たり前とも言われる職場環境。それで、どうやって女性たちは安心して子育てができるのか?

 そこのところを本気で見直す気にならなければ、日本の少子化問題が解決することはあり得ないでしょう。そう思いませんか?

 国会開会中は徹夜が当たり前の役所のあり方を改め、通常であれば6時か7時を過ぎたら役所から人がいなくなるような雰囲気作りをすることが、少子化対策としては極めて重要な気がするのです。

 

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