経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

カテゴリ: GDP

 2016年4−6月期のGDPが発表になりました。

 実質GDPの成長率は、前期比で0.0%、年率換算すると0.2%の伸びになったのだ、と。

 前期比が0.0%なら年率換算しても0.0%にしかならんだろう、と疑問に思う人がいるかもしれませんが、これは端数の関係なのです。

 2016年1−3月期の実質GDPは530兆59百億円であったのに対し、2016年4−6月期のそれは530兆85百億円であったので伸び率は0.048%となり、四捨五入すると0.0%にしかならないのです。但し、年率換算すると、0.2%になる、と。

 いずれにしても、殆ど増えていないということなのです。

 では、過去10年間ほどの実質GDPがどのように推移しているかをみれば…

 グラフをご覧ください。

実質GDP 2016年4−6月


 8年前の2008年9月にリーマンショックが起きた訳ですが、それより少し前の2008年1−3月期に実質GDPは529.4兆円だった訳で、リーマンショック後大きく落ち込んだ実質GDPがようやく元の水準にまで回復したということなのです。

 もっとも、8%へ消費税率が引き上げられた直前には、駆け込み需要が発生して、実質GDPは535.0兆円に跳ね上がっているのですが、それを異常値と考えるなら、それ以前の528兆円程度のレベルがこれまでの最高と考えることができ、従って、今の水準はそれを僅かに上回っているということなのです。

 まあ、均してみれば、この2年間ほど実質GDPはほぼ横ばいというか僅かしか増加していないということなのです。

 よく、消費税の増税を行っていなければ、これほど消費が弱くなることもなく、実質成長率はもう少し高くなっていただろうという意見が聞かれる訳ですが、でも、消費税の増税が行われていなければ、財政収支はもっと悪化していた筈であり、そして、そうやって財政収支が悪化すればするほど増税の必要性が増す訳ですから、増税は時間の問題と言わざるを得ないのです。

 換言すれば、増税の先送りは、問題を将来に先送りしているだけだ、と。

 結局、そうなると、増税をしようがしまいが、我が国の潜在成長率はほぼゼロ%にまで低下しているということなのでしょう。



 名目600兆円なんて言っているのは、政治家だけだと思う方、クリックをお願い致します。
 ↓↓↓
 人気blogランキングへ


にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加

 先ず次の記事を読んで下さい。
 
 「国の経済規模を示す国内総生産(GDP)の算出方法が、12月に発表される7〜9月期の2次速報値から変更される。これまで除外されていた研究開発費を算入することになるため、GDPが3%程度上積みされる見通しだ。安倍晋三政権が掲げる「名目GDP600兆円」の目標達成にも追い風になる可能性がある。 」(1月4日付毎日新聞)

 どう思いますか?

 少々難解ですよね。何故かと言えば、研究開発のために企業がお金をつぎ込み行為は、将来の生産にとっては必要な行為であっても、それ自体ではまだ何も生み出していないという見方もできるからです。

 早い話、何かを発見するために研究員を採用し、そして、実験器具を取り揃え、研究を開始したとしても、それが失敗に終わってしまう可能性もあります。

 失敗に終わると、結局何も生産したとは言えず…だとしたら、何故研究開発費がGDPを構成する投資(設備投資)にカウントされるのか、と。

 但し、そのような考え方を貫くとしたら、例えば、画期的な新商品を生産する機械設備を設置した場合についても、その機械設備が期待した通りに動かなかったとしたら、その設備投資も意味のないことになり、GDPにカウントすべきではないとなってしまうのです。

 研究開発費をGDPにカウントする意味がこれで少しはお分かりになったのではないでしょうか。

 ただ、私が本日言いたいのは、それだけではありません。そうではなく、そうして研究開発費をGDPにカウントした場合、GDPを3%程度上乗せする効果があるということについてです。

 この記事では次のようなことも言っています。

 「増加の主な要因は、企業などの「研究開発費」が設備投資に加えられたことだ。現在は費用と見なされ、GDPから除外されているが、基準改定に伴い付加価値を生む「投資」として認められることになった。日本は「3%程度GDPを押し上げる」(内閣府)と見られている。」

 「安倍政権は「20年ごろに名目GDP600兆円」との目標を掲げている。15年度は503兆円が見込まれているが、新基準による3%(15兆円)の上積み効果が実現すれば、518兆円になる。政府が目指す名目成長率3%が毎年実現すれば、20年度にはちょうど600兆円になる計算だ。」

 どう思います?

 「どう思うって、何が?」

 いや、「政府が目指す名目成長率3%が毎年実現すれば、20年度にはちょうど600兆円になる計算だ」と言っている点について、です。

 この記事を書いた人は、内容をよく理解して書いているのか、と。

 まあ、確かに15年度のGDPが503兆円から518兆円になれば…そして、それ以降毎年3%の成長が実現できれば、次のようになります。

 2015年度:518兆円
 2016年度:518×1.03=533.5兆円
 2017年度:533.5×1.03=549.5兆円
 2018年度:549.5×1.03=566.0兆円
 2019年度:566.0×1.03=583.0兆円
 2020年度:583.0×1.03=600.5兆円

 確かに2020年度には、名目GDPが600兆円になる計算です。

 しかし、2015年度のGDPが503兆円から518兆円に嵩上げされるのは理解できるとしても、何故それ以降3%もの成長が続くと考えられるのでしょうか?

 おかしいでしょう?

 GDPの嵩上げ効果は一回こっきりの話であって、その後の成長率を嵩上げされる効果はないのです。

 つまり、2016年度以降は、また普通の状態に戻るのです。それに、2015年度の成長率についても、嵩上げ効果は除外して考えるべきですから、成長率が急に伸びたと考えるのはおかしいのです。
 
 この毎日新聞の記事を読んだ人のなかには、きっと早合点している人がいると思います。





 毎日新聞の記事は、ミスリーディングだと思う方、クリックをお願い致します。
 ↓↓↓
 人気blogランキングへ

 RSSリーダーで購読する
このエントリーをはてなブックマークに追加

 昨日、2015年7-9月期のGDPが発表になりました。前期比年率換算で0.8%の減少となったことは既にご承知のとおりです。

 では、改めて質問しますが、何故マイナスになったのでしょうか? 一番の原因は何なのでしょうか?

 難しいでしょうか?

 では、三択でいきます。

 (1)設備投資が減少したから

 (2)個人消費が低迷しているから

 (3)在庫投資(在庫増加分)が減少したから


 さあ、如何でしょうか?

 まあ、新聞などによく目を通している人なら(1)と答えるかもしれませんね。

 逆に、新聞などみることはなく、経済低迷の全ての原因は消費税にありと考える人は(2)と答えるかもしれません。

 では、(3)と答える人は?

 相当なマニアですね。

 まあ、正解をお示しするまえに、各メディアがどう報じたかをみてみましょう。


<日経>
 「7〜9月期のGDP増加率は年率換算で前期比0.8%減。0.7%減だった4〜6月期に続くマイナス成長となった。主因は前期比1.3%減となった設備投資だ」

 「個人消費の回復も鈍い。7〜9月期は前期比0.5%増」

 「ただ7〜9月期の景気の実態は、0.8%減というGDPの数字ほど悪くない。民間在庫が0.5%減ったことがGDPを押し下げたが、在庫がはければ企業は増産に転じやすくなる。内閣府によると、在庫の影響を除くとGDPが前期比年率1.4%だった計算になる」

 さあ、如何でしょうか?

 この日経の記事からすれば、正解は(1)になりそうです。

 但し、最後の「ただ…」の記述が気になります。民間の在庫が0.5%減ったことがGDPを押し下げたと言っていますが、在庫の量が0.5%減ったくらいでそんなに大きな影響があるのもでしょうか? それとも、この「民間在庫」というのは、在庫増加分を意味するのでしょうか? これらの点については後で説明します。


<NHK>
 「主な項目では、GDPの過半を占める「個人消費」は、外食やレジャーなどへの支出が増えたことから0.5%のプラス、「住宅投資」は1.9%のプラスでした。しかし、「企業の設備投資」は、中国をはじめ世界経済の先行きに対する懸念を背景に工作機械などへの投資が減ったことから1.3%のマイナス、「公共投資」も0.3%のマイナスとなりました。また、GDPにプラスに加算される「企業の在庫」は今回減少し、GDPを0.5ポイント押し下げました」

 NHKが挙げる悪材料は、設備投資と公共投資と「企業の在庫」。そのうち、設備投資と公共投資については、設備投資の方が、減少幅が大きいことは直ぐにわかります。

 では、「企業の在庫」との比較ではどうなるのでしょうか?俄かには判断できませんね。それに、NHKがいう「企業の在庫」とは通常の意味での在庫と考えていいのでしょうか。それとも、在庫増加分を意味するのでしょうか。

<朝日>

 「内閣府が16日発表した2015年7〜9月期の国内総生産(GDP)の1次速報は、物価の変動の影響をのぞいた実質成長率が前期(4〜6月期)に比べて0.2%減だった。この状況が1年続いた場合の年率に換算すると、0.8%減。2四半期連続のマイナス成長となった。企業の設備投資が減少し、景気回復の動きが足踏みを続けていることを示す結果となった」

 「設備投資は前期と比べて1.3%減り、2四半期連続のマイナスとなった」

 「一方、GDPの6割を占める個人消費は、0.5%増と2四半期ぶりのプラスに転じた。衣服や外食、レジャーなどへの支出が増えた。シルバーウィークの日並びが良く、9月の冷え込みで秋物衣料の動きが良かったことが寄与した」

 朝日の記事によれば、正解は(1)になるでしょう。在庫投資に関しては全くパスしています。

<読売>

 「個人消費は0.5%増で、2四半期ぶりにプラスに転じたが、企業の設備投資が1.3%減と前期(1.2%減)に続いてマイナスと振るわなかった。景気に明るい材料となる消費の持ち直しで在庫が減少し、統計上、GDPを押し下げた側面があるとはいえ、景気の足踏み状態が続いている」

 読売に記事によれば、正解は(1)になるように思えます。ただ、朝日とは違い、在庫について若干言及しています。でも、その在庫投資が、今回のマイナス成長のどう影響を及ぼしたのかは判断できません。というよりも、何を言いたいのか、と。

<毎日>
 
 「中国経済の減速により企業が設備投資を先送りし、賃金の伸び悩みにより個人消費の回復ペースも弱く、景気回復は依然足踏み状態にあることを示した。在庫投資はGDPを0.5%分押し下げた。在庫減少要因を除くと、GDPは年率1.4%のプラス成長になる」

 毎日の記事は微妙です。確かに設備投資が足を引っ張っていることは分かるのですが、在庫投資がGDPを0.5%分押し下げたとも言っており、果たしてどちらが最大の理由なのか、と。


<産経>

 「実質GDPの項目別では、設備投資が1.3%減と、2四半期連続のマイナス。特殊産業機械、建設、自動車の落ち込みが目立った。

 個人消費は0.5%増と2四半期ぶりの増加。9月の大型連休「シルバーウイーク」の影響などもあり、衣服や飲食サービスが伸びた。

 輸出は2.6%増、輸入は1.7%増で、いずれも2四半期ぶりのプラスとなった。輸出では、訪日外国人による「爆買い」の影響も大きく、内閣府は「GDPを0.1%押し上げる効果があった」としている」

 
 産経の記事も、在庫投資についてはパスしていますね。

 では、正解はどれなのか?

 正解は(3)。

 何故そう言えるのか?

 次の表をご覧ください。

GDPの主要支出項目の増減


 主要支出項目について、2015年7-9月期の数値と4-6月期のそれを比べたものです。

 個人消費は1.6兆円の増加。従って、マイナス要因にはなり得ません。設備投資は1兆円の減少。これはマイナス要因になります。

 では、在庫投資(在庫品増加)についてみれば、2.5兆円も減少しているのです。

 因みに輸入はプラスをマイナスとして読みかえる必要がありますので、輸入も1.4兆円分GDPを押し下げる要因にはなりますが…結局、在庫投資(在庫品増加)の減少幅が一番大きく、これが成長率を押し下げている最大の要因なのです。

 それから、日経が「民間在庫が0.5%減ったことがGDPを押し下げた」と書いていましたが、これは全くの間違いです。正しくは、毎日などが書いているように民間の在庫投資が0.5%分GDPを押し下げたということであり、内閣府の資料にもそうはっきりと書いてあります。


 ということで、どの記事も満足できるものはなかったことが判明したのですが…日経は、酷過ぎではないでしょうか。



 記事を書いた記者たちは、勉強不足だと思った方、クリックをお願い致します。
 ↓↓↓
 人気blogランキングへ
このエントリーをはてなブックマークに追加

 7-9月期のGDPの速報値が発表になりました。

 実質GDPは年率0.8%の減少で、2期連続のマイナスです。

 2期連続でマイナスということは、定義に従えば、我が国経済はリセッション入り、つまり景気後退局面に入ったということです。

 でも、デフレ脱却は間近だと言う安倍総理。

 まあ、いいでしょう。

 では、何故経済成長率が落ちているのでしょうか?

 消費税増税の影響が大きいのではないかと言う人がいます。

 でも、残念ながら間違いです。

 誤解しないで下さいよ、消費税増税の影響が全くなかったと言うのではありません。それどころか、消費税の増税が実施された2014年4-6月期は大変な影響があったのです。

 私が言っているのは、消費税増税が実施された期の翌期からは、原則として経済成長率の伸びに影響はないということなのです。

 何故影響がないのか?

 例えば、今回発表された2015年7-9月期のGDPは、前期の2015年4-6月期と比べてどうなったかというもので、その前期の個人消費も、その水準については消費増税の影響を受けて低めとなっているために、前期と比べた伸び率については消費税増税の影響は表面化しないからなのです。

 要するに、個人消費の水準自体は、1年経とうと2年経とうと消費税増税の影響はあるものの、前期と比べた伸び率についてはもはやそうでないということなのです。

 表をご覧ください。

GDPの支出項目

 
 GDPの主な支出項目の変化を示しています。

 時期は、リーマンショック以前のピーク時の2008年1-3月期と直近の2015年7-9月期と、そして、消費税増税実施の2期前の2013年10-12月期です。何故消費税増税実施の2期前を選んだかと言えば、直前の2014年1-3月期は、増税直前の駆け込み需要のためGDPが嵩上げされているからです。

 実質GDPの水準に関しては、この3期とも概ね529兆円程度でほぼ同じ。

 一方、個人消費に関しては、2015年7-9月期は、過去のピーク時を10兆円ほど上回っています。もっとも2013年1-12月期の個人消費は315兆円となっていたので、その時点ではピーク時を16兆円ほど上回っていた訳ですから、個人消費の水準はそれ以降随分押し下げられているのは、そのとおりです。

 しかし、それはそうであるにしても、個人消費は、過去のピーク時と比べて依然として10兆円ほど上回っているのは事実。GDPは増えていないのにですよ。

 では、それ以外の支出項目をみると、設備投資が7兆円も減少。そして、その一方で、政府消費と輸入が10兆円ほどそれぞれ増えているのです。

 ということは、個人消費は10兆円ほど増えているものの、それがほぼ輸入の増加につながったと考えることができます。そして、政府消費の10兆円ほどの増加によって設備投資の減少分がカバーされ、GDPは、過去のピーク時をやや下回る程度の水準を維持できているの、と。

 よく、需要が弱いことが我が国の経済の成長率が低い最大の原因だなんて言われます。つまり、需要さえ刺激すれば、我が国経済の成長率は幾らでも伸ばすことができる、と。

 しかし、ここで示された数値から言えることは、実際には個人消費は伸びているものの、それが輸入に結びついて国内の生産の増加には殆ど結びついていないという事実なのです。

 何故でしょうか?

 だって、設備投資が増えないのですから生産力が上がる筈がありません。それに、労働力人口も1人当たりの労働時間も減少傾向にあるのです。

 さらに決定的なことを言えば、安くて魅力のある製品を作る能力が相対的に落ちてきているという事実があるのです。

 実質賃金もなかなか増えません。だから、消費者としては、どうしても価格の安い外国の商品を選択してしまうのです。

 よく賃金が上がれば、経済の好循環が生まれるのではないかと言われますが…まあ、そのような循環が全く生まれないとまでは言いませんが、その一方で、賃金を上げれば上げるほど、日本の商品は相対的に益々割高になる訳ですから、そうなるとさらに消費者は安い外国の商品を買うしかなくなるという要素もあるのです。

 ですから、労働者の生産性の向上に伴う賃金の上昇は大いに歓迎すべきなのですが、無理やり賃金を引き上げるようなことをしても、それが果たして経済全体に好影響を与えるかと言えば、甚だ疑問なのです。

 その意味でも、国民一人ひとり、或いは企業の一つひとつが地道な努力をする他ないということなのです。



 個人消費が伸びても、国民が安い外国の商品を買うのであれば、GDPは増える筈はないことが理解できたと思う方、クリックをお願い致します。
 ↓↓↓
 人気blogランキングへ
このエントリーをはてなブックマークに追加

 7-9月期のGDPの伸び率が、2期連続マイナスになりそうだと報じられています。

 何故そのようなことが言えるかと言えば、本日発表された8月の鉱工業生産指数が2か月連続でマイナスになり、4半期ベースでみても、7-9月期は前期比マイナスになることがほぼ確実になっているからなのだ、と。

GDP推移

 では、何故ここに来て成長のペースが鈍っているのかと言えば、中国経済の減速の影響が大きいのだとか。

 安倍さんは、名目GDPで600兆円を目指すと言ったばかりですが、経済の現状は、上向ているどころか下を向いているのです。

 安倍さんは、このような厳しい現状が分かっていないのでしょうか?

 否、そうではなく安倍総理は、自分にとって都合の悪い事実は敢えて見ないようにしているのです。だから、いつも言葉の歯切れはよい。 しかし、事実はそうではないから空威張りと同じです。

 中国経済の減速が与える影響に関しては、副総理の麻生さんが、次のようなことを言っていたのを憶えているでしょうか。

 「中国経済が弱くなっているという見方から新興国を中心に今後経済が厳しくなるのではないかという見方が広がっていますけれども、大臣の世界経済の現状認識について教えていただけますでしょうか」

  「世界経済全体、中国の場合が我々日本にとっては世界の193カ国で見ますと最大の貿易相手国、いわゆる輸出入の相手国としては今中国が一番ですから、その経済がどうなるかというのは日本の経済にとって大きな影響があるということは確かです。ただ、よく経済記事を見ていると日本は貿易立国と書いてありますが、日本のGDPの中に占める貿易というのは今すごく大きくなったと言って15%程度だからね。ついこの間まで10%だから。残りの90%は内需ですよ。30%、40%いっているドイツとか中国とかというのは貿易立国と言われるのかもしれないけれども、日本の場合はそれに当たらないという大前提を置いておかないと中国との付き合いで具合が悪くなった途端に日本の経済が具合悪くなるなんていう構造では日本の場合はない。だからそこのところをまず大前提に置いた上で、日本の場合はヨーロッパの経済が少なくとも今のギリシャの話でふらふらしてみたり、いろいろ状況が影響しているとは思いますけれども、ドイツがかなりの部分で中国経済と関係を深めていますから、中国の具合が悪くなったらドイツに影響が出てくると。それは、ひいてはヨーロッパ経済に大きな影響を与える確率は極めて高くなってくるのだと思いますね」

 これ9月1日の記者会見の際の発言ですから、まだ1か月経っていないのです。

 麻生さんは、日本よりもドイツに与える影響を心配すべきだと言っていた訳ですが…そして、今、ドイツは全く違う要因で厳しい局面を迎えていることは皆さま、ご承知のとおりなのですが…しかし、こうして1か月も経たないうちに、中国経済減速の影響が顕在化しつつあるのです。

 因みに、私がそのときどのような見解を示したかと言えば…

 「確かに近年ドイツが中国との経済的関係を強めようとしていることは事実。しかし、そうはいっても日中と独中の関係を比べると、明らかに日中の関係の方が強い。

 中国が一番モノを買っている相手国どこでしょう。

 それは、韓国や日本。決してドイツが上位にくることはないのです。

 だとしたら、明らかにドイツよりも韓国や日本の受ける影響の方が深刻であることはすぐに想像できそうな筈。

 さらに言えば、麻生流の考えに従えば、ドイツの方が日本より貿易の割合が大きいのだから、例えばリーマンショックによる影響(輸出の落ち込み)も、ドイツの方が大きくならないとおかしいのですが、実際には、日本の方がドイツよりも深刻な影響を受けたのです。

 だから、日本の貿易の占める割合が相対的に小さいと言っても、中国の経済不振が日本に及ぼす影響は小さいとは決して言えないのです。」


 中国が調整期に入る訳ですから、日本にとってその影響が小さい筈がないのです。

 またぞろ、財政出動の話が出てくるかもしれませんが、しかし、財政出動をしても、人手不足や資材価格の上昇が起きている現状ではそれを消化する能力が限られているために、殆ど効果がないでしょう。

 中国は調整に5年を要すると言っていますが、そうなると、よほどのことが起きない限り、日本にも相当の下押し圧力がかかり続けることになるでしょう。




 中国とドイツが、世界経済の足を引っ張ることになるのかと思った方、クリックをお願い致します。
 ↓↓↓
 人気blogランキングへ
このエントリーをはてなブックマークに追加

 米国の公共ラジオ放送をチェックしていたら、次のようなタイトルが目に入りました。

 Why China's Official Economics Numbers Should't be Trusted

  「なぜ中国の公式の経済指標は信じてはいけないのか?」

 なんと辛辣なタイトルであることか!

 米国の公共ラジオ放送のNPRでさえ中国のGDPは信じられないと言っているのです。

 では、何故信じてはいけないのでしょうか?

 答えは、中国当局の幹部でさえ中国のGDPは信じられないと言っているのだから、と。

 中国当局の幹部とは李克強首相のことで、この人が8年ほど前に言ったことが今や世界中に広まっているのです。

 李克強氏によれば、GDPは人が作った数値であり信頼できない、と。電力生産量(電量消費量)を見た方が当てになる、と。

 では、昨今の中国の電力消費量はどのように推移しているのでしょうか?

 かつて中国のGDPが二桁の伸び率を示していた頃には、電力消費量も10%〜15%程度の伸び率であったのが、最近では5%を切っていると言われています。

 そう言えば、今年の鉄鋼の生産量は、このままのペースでいけば前年割れ確実だと言われていますし、貨物の輸送量もマイナスとなっているのです。

 つまり、そのようなデータから推測するならば、中国のGDPが7%のスピードで成長を続けているなどという話(公式見解)はとても信じられないのです。

 実際私も、中国のGDP成長率は、かろうじてプラスを維持しているか、場合によってはマイナスに転落している可能性すらあると思います。

 でも、そんなことを私が言うと、では、タイトルの「公式数値よりも大きいかもしれない中国のGDP!」とは一体どういうことなのかと不思議に思う人がいるでしょう。

 中国がGDPを偽装するということは、実態よりもよくみせかけようとしているということだから、だったら実際のGDPはもっと小さくなるのではないのか、と。

 中国のことが嫌いな人は、特にそんな風に考えるかもしれません。

 率直に言って、私も、最近の中国は余り好きではありません。偽装が多いとも確信しています。

 しかし、真実は小説よりも奇なり、と言います。

 確かに、中国はGDPの成長率に関して偽装をしている疑いが極めて濃いと言っていいでしょう。しかし、偽装しているのはあくまでも成長率、つまり伸び率に関してであり、GDPの絶対値については話は別なのかもしれません。

 何故私がそんなことを言うかと言えば、中国はまともに国内で生産された付加価値の集計をしているとは思えないからです。人口が10億を超す超大国であるのに、他の先進国よりも1か月も早くGDPの数値を公表するなんて可能なのでしょうか?

 おかしいでしょ?

 つまり、彼らは直ぐに集計可能なものだけを単純に集計しているだけかもしれません。その上に、直ぐに集計可能なものとは、主に形となって生産されたモノ(生産物)が中心であり、所謂サービス、特に最終生産物に価値が上乗せされることのないサービスについては、十分にカウントされていない可能性があるのです。

 というのも、元々中国における富の把握は、アダムスミス的なものの見方をしたソ連方式を採用していたからだと言われているからです。

 さらに中国と言えば、沿海部と内陸部の貧富の差が激しいことでも有名ですが、内陸部の農民たちが自家消費する分がちゃんとGDPにカウントされているかと言えばそれも疑わしい、と。同じように、帰属家賃についても、先進国のようにしっかりとカウントされてるのか、と。

 ということで、そのような仮説が当たっているとすれば、中国のGDPは実際に発表されている数字よりも大きくなる可能性があるのです。

 先ほど、発電量(電力消費量)の数値を挙げましたが、確かに伸び率は落ちてきています。従って、そこから推測されることは、GDPの伸び率も鈍ってきているに違いない、となるでしょう。

 しかし、中国の発電量を他国と比べると…

1位     中国      4兆7683億kWh
2位     アメリカ 4兆0477億kWh
3位     インド      1兆0524億kWh
4位     ロシア      1兆0124億kWh
5位     日本        9664億kWh
6位     カナダ          6162億kWh
7位     ドイツ          5852億kWh

 
 2012年の数値ですが、中国の発電量は米国を上回り、日本の4倍以上もあるのです。

 もちろん、発電量だけでGDPを判断することができないのはそのとおりですが、しかし、電力消費量がGDPの大きさを予想させる重要なデータであることは疑いのないところでしょう。

 いずれにしても、中国のGDPの大きさは今や世界2位となり、いつの間にか日本の倍以上の規模になっているのですが、それでも一人当たりGDPでみると日本の2割程度、つまり1/5ほどしかありません。

 もし、それが本当であれば、何故あんなに大勢で爆買いにやってくることができるのでしょうか。

 皮膚感覚ですが、やっぱり中国のGDPは公表値よりももう少し大きそうな気がします。

 

 今や中国のGDPは誰も信じていないということか、と思った方、クリックをお願い致します。
 ↓↓↓
 人気blogランキングへ
このエントリーをはてなブックマークに追加

 本日、2015年4-6月期のGDPの成長率が発表になりました。

 結果は、前期比0.4%のマイナス、年率換算では1.6%のマイナスになったのです。

 で、需要項目別にみてみると、輸出が4.4%のマイナス、そして個人消費が0.8%のマイナスとなっており、今回GDPがマイナス成長となったのは主に輸出が大幅に落ち込んだのが原因であるのです。

 しか〜し…日経新聞をみていると「消費と輸出が低迷」などと書いてあります。

 せめて輸出と消費の順序を変えるべきではないのでしょうか。

 これ、多分、GDPの6割以上は個人消費であり、その個人消費が低迷しているので日本の景気は良くならないのだというストーリーが刷り込まれているからかもしれませんね。それに増税の影響も大きい、と。

 念のために貴方に質問してみましょう?

 今回、消費がマイナスになった最大の原因は何だと思いますか? 消費税増税が大きく響いていると思いますか?

 如何でしょう?

 もし、消費税増税の影響が大きいと思った人は、勘違いしていると言っていいでしょう。

 確かに昨年4月に消費税増税が行われたことにより、消費者の購買力は2%ほど奪われた(つまり、物価が増税によって2%ほど引き上げられた)訳ですが、しかし、今年の4-6月期のGDPの伸び率は、前期と比べた伸び率であるので増税の効果はないと考えられるのです。つまり、消費の水準自体は相変わらず本来あるべき水準より2%ほど引き下げられている可能性はあるが、前期と比べた伸び率には影響しない、と。

 では、何故今回個人消費がマイナスになったのかと言えば…物価上昇に賃金の伸び率が追い付いていないとか天候不順が原因であったと考えるべきなのです。

 では、こうして景気がイマイチパッとしないのは、やはり個人消費が盛り上がらないからと考えるべきなのでしょうか?

 表をご覧ください。‌

 2015年4-6月期のGDP

 







 個人消費は確かに前期と比べて減っています。しかし、例えばリーマンショック以前のピーク時の2008年1-3月期と比べてみるとどうなっているでしょう?

 GDPの現在の水準は2008年1-3月期とほぼ同じようなものですが、個人消費ははっきりと上回っているでしょう?

 それに比べ、設備投資はかつての水準を下回っており、輸出も一旦は上回ったもののまた下回っているのです。

 従って、日本経済がイマイチぱっとしない理由は、個人消費ではなく設備投資に問題があるからと考えるべきでしょう。

 アベノミクスの金融政策によって円安になり、企業の国内回帰が起きるのではないかという期待もあったと思うのですが、実際には、そのような流れは一部にとどまっていることが容易に推測されるのです。

 つまり、どれだけ円安で企業業績がよくなろうとも、我が国の企業は国内における設備投資には積極的にならない、と。

 国内で生産設備を増強するよりも、海外に工場を設置した方が儲かると考えているからですよね。だとしたら、どれほど政府が企業を優遇したとしても、効果は殆どないと考えるべきでしょう。

 いずれにしても、またぞろ景気対策なんてことが噂され始めていますが、そんなことばかりするので政府の借金がまた増え、だからこそさらなる増税の必要性が強まるのです。

 そして、増税を実施すれば消費者の購買力が奪われてしまうので、景気は悪くなる、と。

 それが分かっていて、何故景気対策なのでしょうか?


 

 増税に結びつく景気対策なんていい加減に止めるべきだ、とお考えの方、クリックをお願い致します。
 ↓↓↓
 人気blogランキングへ
このエントリーをはてなブックマークに追加

 昨日、在庫投資とGDPの関係について、このブログで記事を書きました。

 2015年1-3月期の在庫投資が、前期と同様にマイナスになっているのに、在庫が増えていると書いている新聞があるのはおかしい、と。

 私が言っていることの意味がよく分からないという方は、恐縮ですが、昨日の記事を読んで下さい。それとも、余りにも専門的過ぎる話で興味が湧きませんか? でも、これが理解できると、な〜るほどと感動しますよ。

 なんでもそうですけど、そういう地道な努力も必要なのです。経済成長についても同じです。皆がそれぞれに地道な努力を重ねるから日本の経済が成長する、と。そのような努力なしに、やれ政府に財政出動しろとか、或いはもっと金融を緩和しろなんて幾ら言っても、そのようなことだけでは経済は成長しないのです。

 本題にもどりましょうね。

 いずれにしても、私が昨日、在庫投資とGDPの関係について記事を書いたところ、本日、日経さんが解説記事を掲載しているのです。新聞社のなかでも、何かおかしいぞと感じた記者がいたということでしょう。大いに結構。

 記事のコピーをご覧ください。

在庫投資



  非常に分かりやすく書いてある…と思ったのですが、そうでもないようです。読んでいくと、頭がこんがらかってしまう人がいるかもしれません。

 何故頭がこんがらがるかと言えば…

 こんな風に書いてあるからです。

 在庫が100から110へ増え、さらに150増える場合、GDPを押し上げる、と。

 これは容易に理解できますよね。しかし、その後が難解なのです。

 「まず100の在庫を持つ企業の事例を考えよう。2期目に在庫が110に増えたとすると、その増えた分の10がGDPに計上される。在庫が3期目に150に増加すると、増加幅は前の期に比べて30増え、GDPはこの分押し上げられる」

 何かお感じになりませんか?

 在庫が100から110になり、その増えた分の10がGDPに計上されるというのは分かりますよね。でも、だったら3期目に110から150に増加すると、その増えた分の40がGDPにカウントされると思われるのに、この解説では前の期に比べて30しか増えていないので、30だけしかGDPを押し上げないとしているからです。

 何とも不可解な、とお思いでしょうか? 

 でも、ここは取り敢えずさらに読み進めていきましょう。

 在庫が減る場合については、こんな風に言っています。

 在庫が100から70に減り、さらい60に減るケースでは、3期目の減り方は2期目の減り方よりも10少なくなっているので、その10の分だけGDPを押し上げる、と。

<お詫びと訂正>

 上の文章の「
3期目の減り方は2期目の減り方よりも10少なくなっているので、その10の分だけGDPを押し上げる」は「3期目の減り方は2期目の減り方よりも20少なくなっているので、その20の分だけGDPを押し上げる」の間違いです。訂正してお詫びいたします。


 如何でしょうか?

 人によっては、100の在庫が70に減る場合にはGDPを30引き下げ、それがさらに60に減ると、GDPを10引き下げる、と。

 実は、そのような考え方をする人は錯覚に陥っているのです。

 どういうことかと言えば、100の在庫が110になった後、150になった場合、3期目のGDPには、その増えた分の40がGDPの一部になっているのは間違いがないのですが、2期目のGDPに比べてどれだけGDPが増えるかと言えば、それは30でしかないからです。つまり、3期目の在庫投資(在庫の増加額)の40のうちの10は、前期と同じ水準のGDPを実現するために当てられ、それ以外の30が増加分になるということなのです。

 つまり、2期目と比べた3期目のGDPの増加分に在庫投資がどれだけ寄与しているかということになると、毎期10ほどの在庫投資があるのが普通であるとするならば、その10に幾ら上乗せされたかが問題になるということなのです。

 ということになれば、在庫が増え続ける局面でも、通常よりもその増えるペースが遅い場合には、GDPを引き下げることになります。逆に、不況に突入して、在庫が減り始めるような局面では、今度は限られた期間において、いつもより減るペースが遅い場合には、GDPを押し上げることになるのです。

 お分かりになったでしょうか?

 いずれにしても、在庫投資というのは、このように非常に分かりにくく、しかも、思った以上の作用を及ぼす訳ですが、何故そのような力を持っているかと言えば…何故だかお分かりになるでしょうか?

 それは、それ以外の需要項目、例えば個人消費や、設備投資や住宅投資、或いは公共投資、輸出などは、全て値がマイナスになることはないのに反して、在庫投資の場合にはマイナスになることがあるので、余計にGDPを攪乱させてしまうからです。

 例えば、個人消費が思った以上に順調に伸びている場合でも、仮に、在庫投資が急激に減少している場合にはそれほど生産に結びつくことがなく、GDPの伸びが予想以上に低くなることとがあり得るのです。逆に、個人消費が不調である場合でも、在庫投資が急激に増えているならばGDPの伸びが予想以上に高くなることもあり得ます。

 本日も、難解な話にお付き合い頂き大変ありがとうございました。





 在庫投資の話は、難しいと思った方、クリックをお願い致します。
 ↓↓↓
 人気blogランキングへ
このエントリーをはてなブックマークに追加

 衆議院が解散され、アベノミクスの成否に注目が集まっています。

 当然のことながらアベノミクスは成功しているという意見と、そうではなく失敗であったという意見がある訳です。

 しかし、不思議なことにどちら側に属する人々も、ある点では意見が一致しています。何でしょうか?

 それは、日本が長い間デフレから脱却することができずにいるということ。つまり、日本が先進国のなかでは突出して不況に喘いでいるという点で認識が一致しているのです。

 どう思いますか? 貴方もそう思いますか?

 いずれにしても、与党の議員も野党の議員もそうですが、自分たちの支持層に受けが良さそうなことを言うだけ!

 そして、今言いましたように与党の議員も野党の議員も、日本は長い間不況にあるという前提でそれぞれ持論を述べるのです。

 日銀にどんどんお札を刷らせてマイルドなインフレを起こすことが先決だとか、円安に誘導することが望ましいとか、最低賃金を引き上げることが必要であるとか、規制緩和をすべきであるとか…

 しかし、そもそも前提となる認識が間違っているのです。

 日本の経済成長率は低くないのです。他と比べて低いと思うので、どうにかして他の国並みにならないものかと思い悩む、と。

 グラフをご覧ください。

生産年齢人口1人当たりGDP

 「日本経済をぼろぼろにする人々」というタイトルのブログに有益なグラフが掲載されており、それを引用させてもらおうかと思ったのですが、よく調べてみると2012年5月に当時の白川日銀総裁が講演の際に使用したグラフが元になっていることが分かりましたので、その日銀の資料を引用させて頂きたいと思います。

  右側のグラフをご覧ください。2000年から2010年までの主要国の実質GDP成長率が比較されています。赤が日本の実質GDP成長率です。

 確かに日本の成長率は低い。しかし、それには各国の人口の変動が反映されていないのです。人口が増えつつある国の成長率が人口が減っている国の成長率を上回っても、ある意味当然でしょう?

 但し、人口が増えている国の成長率が相対的に高くても、人口1人当たりでも同じことが言えるという保証はないのです。

 真ん中のグラフをご覧ください。人口1人当たりの実質GDPの成長率を比較したものです。

 日本をはっきりと上回る国は英国とドイツ位なもの。日本は米国やフランス、それにユーロ圏全体とほぼ同じ成長率を示しているのです。

 しかし、人口1人当たりのGDPを見るよりも、生産年齢人口1人当たりGDPで見た方がもっと現実を反映していると言えるかもしれません。というのも、日本のように急激に高齢化が進んでいる国家では、人口全体に占める生産年齢人口の割合が小さくなるからです。だとしたら、生産年齢人口1人当たりGDPを比べた方が、日本の経済の実力をより的確に示していると言えるでしょう。

 では、生産年齢人口1人当たりの実質GDP成長率を比較するとどうなるのか?

 左側のグラフをご覧ください。

 な、な、なんと日本が一番高い成長率を示しているのです。

 いいでしょうか? 日本の潜在成長率が他の国々に比べて見劣りしているというのは、あくまでも人口要因を度外視した議論であるということを忘れてはいけません。

 もちろん、各国の実質GDPの成長率を単純に比較したら日本が低いのはそのとおり!

 ですが、そのことは何も日本の1人当たりのGDPの成長率が低いことを意味しないのです。

 逆に言えば、日本の少子高齢化現象に歯止めをかけることなしに実質GDP成長率を上げることが困難であること位すぐ分かる筈。

 にも拘わらず政治家たちは、お札を刷れとか、最低賃金を上げろとか、或いは規制緩和をしろとか、本質からそれた議論ばかりをするのです。

 以上のようなことが分かれば、我が国としてどんな対策が一番必要とされるかは自明のことではないでしょうか? つまり、人口を増やすこと。そして、人口を増やすことが困難であるというならば、それなら我が国の実質GDP成長率を他国並みにしようなどとは思わない方がいいでしょう。

 しかし、だからと言って必ずしも悲観することはないのです。何故ならば、1人当たりのGDPの成長率が他の国並みであるならば、我々日本人1人ひとりの豊かさの程度も他の国々と足並みをそろえて向上していくことになるからです。


 最近の日本人は、デフレを意識し過ぎてしまっているのかもしれないと思う方、クリックをお願い致します。もっと自信を持ちましょう。
 ↓↓↓
 
人気blogランキングへ
 
このエントリーをはてなブックマークに追加

 2014年7−9月期のGDPが発表になりました。

 GDPの数値は、多くの経済指標の中で最も注目度の高いものの一つですが、しかし、今回ほど注目されたことはないかもしれません。というのも、このGDPの伸び率如何によって消費税増税の延期が確定的となり、従ってまた、衆議院の解散が確定的になると見られていたからです。

 では、結果はどうなったのか?

 既にご承知のとおり、2014年7‐9月期のGDPの伸び率は前期比マイナス0.4%(年率換算でマイナス1.6%)となったのです。

 はっきり言って、ここまで悪い数値になるとは驚きです。私だけではなく民間の大方の予測とも大きく異なっていたのです。

 多くのエコノミストは、決していい数値ではないにしても、マイナスになるとは思ってもいなかったのです。

 では、ここで貴方に質問!

 何故、そんなに悪い数値になったのか?

 前期比マイナス0.4%ということは、4−6月期に、1−3月期の反動減でどーんと落ち込んだ水準からさらに低下したということなのです。

 どーんと落ち込んだ後だから、水準自体はそれほど高くなくても少しは戻すであろうと思っていた人が殆どではなかたのでしょうか?

 本当に何がGDPを押し下げたのでしょう?

 やっぱり増税の悪影響が消費行動に及んでいると考えますか?

 せっかちな方なら、そう早合点してしまうかもしれません。でも、そうではないのです。

 表をご覧ください。

2014・2QのGDP

 
 個人消費は減少してはいないのです。1Qの305.5兆円から2Q の306.6兆円と1.1兆円増加しているのです。

 GDPを押し下げている要因を探すと、住宅投資がマイナス、そして、設備投資もマイナスなのですが…実は、通常は余り注目されることのな在庫投資の増加分が‐3兆円となっているのです。

 ということは、仮にこの‐3兆円がゼロであったと仮定すれば、2QのGDPは0.8兆円増加していた訳で、そうなると前期比で0.15%ほど増加していた計算になるのです。

 でも、多くのメディアはそのことについて詳しく報じていません。ちゃんとした分析もしないままGDPの6割を占める個人消費の伸び率が低かったからなんて言うようなものが殆ど。

 では、民間在庫投資の増加分が大きく減少したということは悪いニュースなのか?

 そうではないでしょう?

 確かに、将来の売れ行き見通しが弱気になれば、企業は在庫を減らす行動に出るかもしれませんが、そうではなく、予想以上に在庫がさばけているだけなのかもしれません。であるとすれば、それほど悲観するのは如何なものか、と。

 いずれにしても、今回GDPがマイナスになった理由について正しく理解しておくべきだと思います。個人消費がマイナスになった訳ではないのです。


 GDPがマイナスになった理由について、正しく理解していない人の方が多いのではないかと思った方、クリックをお願い致します。
 ↓↓↓
 
人気blogランキングへ

 
このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ