経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

カテゴリ: 財政破綻

 消費税率の10%への引き上げが延期されたために、財務省に対する批判が収まっているようにも見えるのですが…結局、増税が嫌だから財務省批判になるのでしょうね。

 いずれにしても、では、当初予定の2015年10月から1年半経過した2017年4月に本当に消費税増税は実施されるのでしょうか?

 どう思いますか?

 えっ、景気がよくなっていれば増税してもいい、と言うのですか?

 では、景気がそれほどよくなっていなければどうしましょう?

 それに、景気がよくなっているというのは、どのような状態を指すのでしょうか?

 私は、1年半やそこらでそれほど大きく変わることはないと思うのです。多分似たり寄ったりだ、と。

 でも、似たり寄ったりの状況だと、やっぱり増税は反対だと言う人が現れるのではないでしょうか。それに景気がそれほど改善していないなかで増税を実施しようとすれば、今回と同じような主張がなされる恐れはないのでしょうか。つまり、景気が悪い中で増税を断行すれば、元も子もないではないか、と。増税は、景気を回復させた後に行うべきであり、景気回復が優先するのだ、と。

 でも、仮にそのような論理が近い将来、今回と同様に成り立つのであれば、何故安倍総理は、2017年4月には再延期はあり得ず、必ず実施する、そして、景気判断条項を付けることもない、と断言したのでしょうか?

 私は、そこら辺りに安倍総理の性格が現れているような気がするのです。モトイ、安倍総理だけではありません。政治家の性格が現れている、と。

 だって、そうでしょう? 2017年4月と言えば、あと2年と3か月もある訳ですから…

 つまり、まだ相当先のことだから、間近になったらまた改めて考えればいい、と。

 でも、何故安倍総理は、増税の再延期はあり得ないと言明したのか? その点についてははっきりとさせず、ぼやかす手はなかったのか?

 それは、そうとでも言わないと、安倍政権が真剣に財政再建に取り組む姿勢が見えないということで、国債離れが始まりかねない恐れがあると考えたからではないでしょうか。

 考えてみてください。そうでなくても…つまり、もう再延期はあり得ないと言明しても、日本国債の格付けは1ランク下に落とされ、中国や韓国よりも下になってしまったです。

 それに、総理に再延期はあり得ないと言明させることが財務省としてできる最大限のことだったのでしょう。つまり、安倍総理は、再延期はあり得ないと言明することと引き換えに、財務省側に増税延期を受け入れさせた、と。

 いずれにしても、そのようことを考えるのであれば、巷間言われている財務省陰謀論とか、総理の意向とは逆に財務省が増税を断行しようとしているという批判が如何に的を得ていないかが分かると思うのです。

 しか〜し…

 それにも拘わらず、「安倍総理VS財務省」というような対立の構図があるかの如く主張する人々がいるのは如何なものでしょうか?

 サンケイのiRONNAは、次のようなタイトルの記事を掲載しています。

 「「安倍総理VS財務省」どちらが正しいか」

 おかしくありませんか?

 財務省は政府の一部門に過ぎず、その政府のトップが総理大臣である訳であり、さらに言えば、財務省の幹部の人事権は最終的には総理が握っている訳ですから、総理と財務省との間で対立の構図などできる訳がないのです。

 財務省のやっていることがおかしいと総理自身が考えるのであれば、既に財務省の幹部の何人かが更迭されていることでしょう。

 でも、決してそのような異例な人事は行われていない。ということは、財務省は、総理の意向の範囲内で動いているに過ぎないのです。

 確かに、財務省の事務方としては、当初予定どおり2015年10月の増税実施を総理に決断して欲しかったとは思うのですが…でも、それは事務方の意思であるだけではなく、麻生財務大臣の意思でもあったのです。

 しかし、そうであったにしても、増税延期が決まった以上、財務省はその判断に従って動いているのです。

 どこに「総理VS財務省」などという対立の構図が存在しているのでしょうか?

 私は、何も財務省には間違いがなく、言うことは全て正しいなどと主張するつもりはありません。人間の集団ですから、間違いもあれば傲慢なところも多々見られるかもしれません。

 しかし、もし財務省が間違っているとしたら、それを正すのは政府のトップである総理の仕事ではありませんか? 

 それにも拘わらず、自分は正しく、財務省が悪いと言いたいのであれば、自分に如何にリーダーシップが欠如しているかを示すだけなのです。

 民主党政権時代にも、天下りは是正されることはありませんでした。退職して天下りするのではなく、現役の身分で出向するという形を取っただけでした。しかし、自民党政権が復活すると、天下りのどこが悪いのだと言わんばかりの状態に戻っていると言っていいでしょう。

 安倍政権は官僚組織とそうやって水面下ではしっかりと手を握っているのです。

 それにも拘わらず、総理と官僚組織の一部である財務省が対峙しているなんて報道するのは如何なものでしょう。


 
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 我が国の国債が格下げになりました。ムーディーズが日本国債をAa3からA1に引き下げたのです。

 では、A1とはどの程度のランクなのでしょうか?

 一番上がAaa。米国、ドイツ、カナダがこれに属します。

 二番目はAa1。英国やフランスがこれに属します。

 三番目はAa2。これにはアラブ首長国連邦が。

 四番目はAa3。これには中国と韓国が。

 そして、5番目がA1であり、日本やイスラエルが属するのです。

 だいたいの感じがお分かりになったでしょうか? そうなのです、日本は今回の格下げによって韓国や中国よりも下のランクになってしまったのです。

 どう思いますか? 対GDPで見た政府債務比率がダントツに高いだけに、止むを得ないと考えますか?

 ただ、理屈では理解できても…それでも韓国や中国よりも劣るなんて釈然としない向きが多いと思うのです。案の定、今回のムーディーズによる日本国債の格下げに関して、ネット上では批判の声が多いのです。

 もちろん、私だって納得がいくことばかりではありません。

 但し、国内において一方で円安をまだまだ歓迎しながら、他方でこうした国債の格下げを批判する声が上がるのも私には理解できません。

 行き過ぎた円安はおかしい、と主張する一方で、国債の格下げを批判するのであれば分かるのです。何故かと言えば、一国の通貨の価値とその国の国債の格付けは、基本的には同じような方向を目指すのが普通であるからです。

 従って、円高が続いていた頃までは、私は、日本の国債は相対的に格付けが低すぎたと考えているのです。もう少し、高い格付けであってもおかしくなかったのではないか、と。

 しかし、今は事情が相当異なってきています。異次元の緩和策に加え、貿易赤字が定着してきたこともあり円安が続いているのです。

 そうでしょう? ある意味、円安になっても止むを得ないのでしょう?

 そして、円安がこれからも進む可能性があると考えるのであれば、それは円という日本の通貨に対する信認が低下することを意味するのですから…だったらその日本が発行する国債の信用度が低下しても当たり前ではないでしょうか?

 それとも、円安は続いてもいいが、日本の国債の格付けは最高ランクのAaaであって当然だと主張するのでしょうか?

 確かに、長期国債の利回りから判断する限りにおいては、日本国債の格付けがAaaであってもおかしくはないという主張もあり得るのでしょうが…でも、今や国債の流通市場は完全に日銀のコントロール下に置かれていて、従って、国債の価格及び国債の利回りは自由な市場で自然に形成されたものであるとは言えない状況になっているのです。

 誰が、そのような利回りを額面通りに受け入れることができるでしょうか?

 いずれにしても、国債と言えば10年物国債が主流であるのですから、格付けには、この先10年程度の出来事は十分に織り込んでおいてもらわないと困るのです。

 この先1、2年のうちに我が国の国債が暴落するというような事態は考えにくくても、今もような財政状況が続けば、その先、何が起こるか分からないと言った方が正解でしょう。

 
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 ドル円が7年ぶりに1ドル=115円台に突入しました。

 相場の動向に一喜一憂する必要もないのでしょうが…でも、それにしても急ピッチでの円安の進行です。

 では、この先円安はまだまだ続くのでしょうか?

 私は、その可能性が大であると考えます。

 その理由は、今後米国はゼロ金利政策の解除に動く一方で、我が国の方は、インフレ目標2%の達成のためにはどんなことでもすると日銀総裁が息巻いているからです。つまり、こうした日米の金融当局の姿勢の違いを反映して日米の金利差がさらに拡大することが予想されるからなのです。

 それに、もう一つ大切なことがあります。それは、2014年通年でみて、経常収支が赤字に転落することが予想されていることです。年を明けてそのようなニュースが跳びこんできたとき、市場はどう反応するのでしょうか。

 予想されていることとはいえ、ショックには違いないでしょう。

 いずれにしても、これだけ円安が進んでなにかいいことがあるのでしょうか? 

 そうです、輸出企業は売り上げ増で大儲けしたのでしたよね。輸出数量が増えなくても、円安になった分、輸出代金は膨らむので売り上げが増えるというカラクリです。

 因みに、円安になってもなかなか輸出が回復しないと言われて久しいですが、そのことに関して、黒田総裁は当初、Jカーブ効果のせいでそうなっているだけで、いずれ輸出は回復すると言っていました。今はどう考えているのでしょうか。総裁から直接説明をして頂きたいものなのです。

 円安の悪影響については言うまでもありません。特に、非製造業や中小企業の経営に悪影響を及ぼしているのです。

 しかし、心配すべきことは他にもあるのです。それは、こうやって円安が進む一方で、輸出の回復状況が芳しくなければ、天然ガスや原油の輸入代金が円安のために増える分輸入が増えるので、貿易赤字は一層拡大することが懸念されるのです。

 で、そうして貿易赤字が一層拡大するならば、経常収支が赤字に転落する可能性も益々大きくなるのです。

 では、日本の経常収支が赤字に転落したというニュースが世界に広まったとき、何か懸念すべきとが起きるのでしょうか?

 私は、徐々に日本国債に対する信認が低下し始めるのではないかと懸念します。

 我が国の国債残高は、対GDP比較で見て異常に高い値を示していることはもう10年以上も前から世界的に指摘されていたことなのです。でも、その割には日本国債の信認度はそれほど低くはなかったのです。

 何故でしょうか?

 それは、我が国が構造的な経常黒字国家であったからです。つまり、幾ら政府の借金が巨額でも、それは国内問題に過ぎなかったということなのです。

 私の言いたいことがお分かりでしょうか。

 そうなのです、今、その前提が崩れようとしているのです。

 経常赤字に転落し、そのうえ対GDP比でみて極めて多額な国債を発行している日本!

 誰が、そのような国の国債に高い信頼を寄せることができるでしょうか?

 もちろん、急に国債が暴落するなんてことはないでしょう。しかし、徐々に投資家が日本国債を見る目に変化が現れるのではないでしょうか。

 今は日銀が大量に国債を買い支えているために長期金利は異常に低いレベルに留まっているので表面的には日本国債の人気が高いように見えないこともないのですが…

 我が国を取り巻く経済環境がこれだけ急激に変化しつつあるのですから、政治家たちは、そろそろ本腰を入れて経常収支が赤字に転落した場合の問題点と対処策を検討すべきではないのでしょうか。インフレ率がどうのこうのというより、経常赤字の問題に取り組むべき時期に来ているのです。


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 相変わらず消費税増税に反対する人々がいるのですが…まあ、確かに今年8%に上がったばかりなのに、またかよと言いたくなる気持ちは分からないではありません。でも、他方で、10%の方が計算が楽だなんて思っている人もいるようです、なんて言うと、お前は貧しい人の気持ちが理解できないのだな、と恐らく言われるのでしょうね。

 いずれにしても、本来ならば増税に賛成する人などいない筈。私だって嫌なのです。でも、増税しないとそのツケが将来世代に回わされるだけだから…つまり、自分たちの子や孫が大変な目に遭わないようにしたいから、止むを得ないとなるのです。

 ということで、増税に根強く反対する人たちに対しては、そのことについて聞いてみたいものなのです。自分たちの子や孫に負担を押し付けていいのか、と。

 ただ、いずれにしても今、私は、消費税増税を予定通りに実行するかどうかよりも大切なことがあると痛感しているのです。

 それは何かって、ですか?

 それはですね、政府が長期的な財政の見通しを国民に示して理解を得ることなのです。消費税を増税することを決定することも大事ではありますが、その先がどうなるかを国民に示して理解を得ることはそれよりももっと大切なのです。

 というのも、仮に来年10月に再度消費税を引き上げたところで、それで増税が打ち止めになる可能性はないからです。借金が実質的に増えないようにする(プライマリーバランスを均衡させる)という控えめな目標を達成するためだけでも、消費税率を最低25%程度まで引き上げる必要があるなどと言われているではないですか。

 それに、どんな理由であろうと来年10月の消費税増税実施を延期した場合には、財政健全化の軌道に乗せることが遠のく訳ですから、益々その後の財政見通しについて説明する必要性があるのです。

 つまり、増税反対派の人々は、この先日本経済がどのようなコースを歩み、そしてどのようにして税収が増えて行くかを説得力を持って説明できないのであれば、ただ単に問題を先送りさせるだけの無責任な人々になってしまうのです。

 消費税増税反対派の人々はよくこんなことを言います。

 消費税を増税したって、それで我が国の財政が健全化するには程遠い、と。

 どう思います?

 それは私も率直に認めます。何故ならば、繰り返しになりますが、基礎的財政収支を均衡させるためには、消費税率を最低25%程度にまで上げることが必要であろうと言われているからなのです。

 10%に税率を引き上げるのでさえこんなに反対に遭っているのに、果たして、25%にまで税率を引き上げることなどできるのか、と。

 正直言うと、そんなこと考えたくもないのです。

 でも、だからと言って財政健全化の努力を初めから放棄してしまっていいものかどうか? そうでしょう?

 確かに、この先の道のりは茨の道と言うべきでしょう。だから、政治家はそれを口にしたがらない。でも、国民は、これから先に茨の道が待っていることを十分予想している。だから、政治家の言うことを信じない。そして、だから将来に備えて少しでも無駄遣いをしてはいけないと考える、と。

 私は、来年の10月に予定されている消費税増税を何が何でも実施すべきだと主張するつもりはありません。国民の多くがそれを受け入れたくないというのであれば、民主主義の国である以上仕方がないでしょう。

 しかし、その場合でも、どういう将来が待っているのかを政府は国民に十分説明することが必要なのです。仮に来年10月の消費税増税を先延ばしにしたとして、その後、どのような手順で財政健全化を進めるのか、と。

 逆に言えば、仮に来年10月の消費税増税実施を決定したとしても、その後どのような将来がまっているかを国民に説明しなければ、それは国民に対する背信だと言ってもいいでしょう。

 誤解のないように言っておきますが…何も消費税の増税だけが財政健全化の手段ではないのです。法人税を引き上げたって、或いは相続税を引き上げたって、或いはまた歳出をこの際思い切ってカットしたっていいのです。

 でも、人気を気にする政治家にはそのようなことは決断できない、と。そして、月日ばかりが経過し、爆弾が大きくなって行くのです。

 ですから、本来であれば、財政健全化を道を歩むのは早ければ早いほどよかったのです。

 いずれにしても、増税反対派の人々は、どうやって景気をよくして、どうやって税収が増えるかを説得力を持って説明できないとすれば、単に希望を述べているに過ぎないのです。

 私は、1970年代後半以降の日本の経済と財政の歩みを振り返って、仮にどれほど景気がよくなっても税収不足を回避できないと考えるから増税はやむを得ないと言っているのです。

 あのバブルの頃でさえ、税収不足が発生していて、新発国債の発行を余儀なくされていたのです。そして、その頃の法人税率は今よりも高かったことを考えるならば…どんなにバカ景気になったところで、がばっと法人税収が増えるなんてことは考えられないのです。

 それでも景気をよくさえすれば、財政は健全化するなんて言うのでしょうか?

 いずれにしても、将来の展望を示して国民の理解を得ることなしには消費税増税の判断はできないと思うのです。


 本日も、暗い話で大変恐縮です。
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 突然ですが、我が国の長期金利は今どの程度の水準にあるかご存知でしょうか?

 そうですよね、0.5%を僅かに上回る水準にあるのです。なんとまあ、低い水準であることか!

 でも、そのことについて何か不思議に思いませんか?

 我が国の貿易収支や経常収支の黒字額が依然として大きいために国内で資金がだぶつき…或いは、政府の財政事情が改善の方向にあり…或いはまた、景気が悪化を続けているというのであれば分かるのです。

 そのような状況が重なれば重なるほど国債に対する需要は増えるからなのです。

 いずれにしても、国債に対する信頼や人気が高まった結果、国債の利回りは低下するのです。つまり、長期金利は低下する、と。

 では、我が国の経済や財政の状況は今どうなっているのか?

 その前に、この15年間ほどの間に長期金利がどのように推移してきたかを見てみましょう。グラフをご覧ください。

国債(残存期間10年)利回り
(資料:財務省のデータにより作成)

 如何でしょう?

 長期金利(残存期間10年の国債の利回り)は、2003年頃に一時特殊な理由で大きく低下したことがあるのですが、それを除けば2010年頃までは概ね1.5%を中心として上下に変動を繰り返してきたのです。

 しかし、その後はどうでしょうか? 2011年頃からはパターンに変化が生じ、基調的に低下を続けていることが窺がわれるのです。

 何故最近になってこんなに長期金利が低下しているのでしょうか?

 長期金利が低下しているということは、とりもなおさず長期国債の価格が上昇しているということになりますが、それは、長期国債の供給よりも需要が上回っているからそうなるのです。

 では、何故長期国債に対する需要が高まっているのか?

 これが、最近になって、国債の発行額が急速に減少しているとでもいうのであれば分かるのです。

 長期国債に対する絶対的な需要額が増えていなくても、相対的な需要が増えれば国債の価格が上がる、と。

 でも、ご承知のように近年、新発国債の発行額は減るどころか増えているのです。

 では、長期国債の絶対的な需要額が増えているのでしょうか?

 これも、近年、景気がどん底に落ち込み、民間企業の資金需要が全くないというような状況が発生しているというのであれば、結果として国債に対する需要が増えることもあるでしょう。

 しかし、これもご承知のように、最近になって急に景気が悪化しているような状況にはなっていないのです。

 さらに言えば、最近は、貿易赤字が定着してきているので、輸出で儲けたお金のために資金が余剰気味になるということはないのです。

 では、何故長期金利は低下を続けているのでしょうか?

 それは、日本銀行が市場で大量の国債の購入を続けているので…その結果、そうなっているだけなのです。つまり、長期国債に対する需要が増えているのは事実ですが、その殆どは日銀によるものなのです。ということは、こうして長期金利は低下しているとはいうものの、それは自然に形成されたものではなく政府が介入した結果なのです。

 では、仮に政府がこのような大量の国債購入を行っていなかったとすれば、長期金利はどうなっていたでしょうか?

 私は、当然のことながらここまで長期金利が低下することはなかったと思います。

 だって、過去2年間の間に日銀が保有する長期国債の残高は、62兆円から181兆円と3倍もの規模に達しているからです(2012年9月20日→2014年9月20日)。つまり、この2年間でネットベースで120兆円もの長期国債を購入していることになる訳ですから…ということは、120兆円もの追加需要が起きていなければ、こんなに国債の価格が上がることはなかったでしょう。

 要するに、今我が国の国債の利回りがこんなに低い水準にあるとは言っても、それは市場で自然に形成されたものではないので、それを額面通りに受け取ることはできないのです。

 にも拘わらず、我が国の国債の利回りはこんなに低いのだから、財政破綻などあり得ないと暴論を吐く人々がいるのです。

 おかしいのではないのでしょうか?

 それに、ついでに言っておきますと、仮に今行っている異次元の緩和策が成功を収め、そして、我が国のインフレ率が消費税増税の影響分を除いて2%を超えるような状況になったら、どんなことになるのでしょうか?

 リフレ派の人々は、万歳三唱でもしますか?

 いずれにしても、そうして目標を達すれば、遅かれ早かれ日銀は大量の長期国債購入を停止する事態になるでしょう。

 しかし、そうやって長期国債に対する日銀の下支えがなくなってしまえば、国債の価格低下が始まるのです。

 そのような事態になったときに、日銀や安倍政権はどう対応するのでしょうか?

 異次元の緩和策をなお継続すれば、国債の暴落を先延ばしすることができるかもしれません。しかし、そうなればマイルドなインフレどころではなくなり、国民からインフレをどうにかしろという声が起きるでしょう。

 では、インフレをストップさせるために急に異次元の緩和策を停止するとどういうことになるのか?今度は本当に国債の暴落が始まるのです。



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 本日、ある新聞を読んでいたところ、今年の4−6月期に実質GDPが大きく落ち込んだのは事実であるが、1−3月期と4−6月期の平均値と、昨年の10−12月期の数値を比べると、今年前半の平均値の方が高いから、景気は悪化しておらず、増税を実施すべきであるというような議論を目にしました。

 どう思いますか?

 恐らく、圧倒的多数の人々が、何をバカなことを言っているのだとお感じでしょう。

 では、私はどうなのか?

 常日頃、健全財政の重要性を説いている私は?

 しかし、その私でさえ、そのような主張は支持する訳にはいかないのです。

 何故なのか?

 理由は大きく、2つあります。

 先ず第一に、今年前半のGDPの平均値が、昨年10−12月期の数値を上回っているという主張についてなのですが…

実質GDP2
(元データは内閣府より)

 昨年10−12月期の実質GDPは、527.2兆円

 それに対して、今年前半の平均値は、534.9+525.2=530.05兆円

  ということで、確かに、今年前半の平均値の方が高い水準を示しているのです。

 しかし…これ、どう考えてもおかしいでしょう?

 だって、この先の2014年7−9月期の数値がどうなるか分からないからです。

 上の議論は、あくまでも1−3月期の駆け込み需要が、4−6月期の需要分までしか先食いしていないという前提なのです。

 でも、冷静に考えてみてください。今年1−3月期に起きた駆け込み需要は、本来であればもっと先に現実化する筈の需要を含んでいる可能性があるのです。例えば、自動車であるとか、高額な家電製品であるとか。4−6月期に購入の予定だったというよりも、1−2年先に購入する予定だった筈のものが相当含まれていると考えた方がいいでしょう。

 だとしたら、その反動減は今年の7−9月期以降も続くと見た方がいいでしょう。

 ねえ、そうでしょう?

 で、そうであるとしたら、景気が悪化している訳ではないので消費税を増税してもいいのだという議論は、全く根拠がないとしか言えないのです。

 私が、そのような主張を支持できないのには他にも理由があります。

 今、世の中で頻繁に言われている議論の多くは、景気への影響如何で消費税増税の実施を判断すべきだというものですが、そういった考え方が元々間違っているからなのです。

 はっきりと言います。

 普通、増税をして景気が悪くならないなんてことはないのです。もちろん、例外もありますが、普通は増税すれば景気は悪くなる。

 では、景気が悪くなると分かっていながら…もっと言えば、景気が悪くなり、却ってある種の税に関しては税収が落ち込むことも考えられるのに、何故増税を実施すべきだと言うのか?

 それは、そういった悪影響と将来財政破綻する可能性を比べてみた場合、どちらの影響がより深刻であるかを考えた結果であるのです。

 確かに景気はある程度は悪くなる。しかし、仮にそうして増税をすることによって財政再建に軌道に乗せることができれば、その方が、将来世代にとっては遥かに良い結果を生むことが分かっているからです。

 もう一度言います。増税をすれば、その分景気が悪くなるのは当然なのです。

 もちろん、例外はあります。それは、増税をしても、その増税で得た追加の税収を、政府が全て支出するのであれば、マクロ経済に与える効果は全体としてみれば中立に近いものになるでしょう。

 でも、よ〜く考えて下さい。

 何故増税をするのか、と。それは、これ以上借金が増えないようにと考えた末の厳しい決断の結果ではないのでしょうか。

 だとしたら、増税で得た追加の税収を支出に回すなんてことは普通あり得ないのです。それで国債の利払いをしたり、元本を返済することになるでしょう。

 だとしたら、政府が需要増に貢献することはあり得ません。もし、追加の需要が起きるとしたら、政府から返済を受けた債権者たちが、そのお金を全て支出に回す場合だけなのです。そのときには、景気の悪化が起こらずに済むのです。

 しかし、国債を保有するようなお金持ちは、たとえ政府から返済を受けても、それを全額消費に回すことなど考えにくいのです。というよりも、余裕の資金を多額に持っていたので国債を保有していたというケースが多いからです。ですから、政府が借金の返済を行うような場合、そのようなお金が消費に回ることは少ないとしか思えないのです。

 ということで、普通は増税をすれば景気が悪化するのは当たり前。だから、景気が悪化するから増税をすべきでないなんてことを言っていては、永遠に増税はあり得ず…でもそうなると、先には財政破綻しか待っていないのです。

 「否、経済を成長させればそれによって税収が増えるので、増税はすべきでないし、する必要もない」という議論があるのことは、承知しています。

 でも、承知はしていますが…そんなに旨いこといくならば、どこの国だって財政破綻などすることはないのです。

 私は、そのようなチョー甘い議論をする人々に聞きたい!

 どうやって経済を成長させるのか、と。もし、高成長路線に日本を乗せる秘策でもあれば別なのですが…

 例えば、明日から日本人が2割でも3割でも長く働くようになるとか…あるいは、日本人の技能が飛躍的に向上するとか、或いは日本企業が立て続けにヒット商品を世界に送り出すようになるとか…、それなら確かに経済が成長することによって税収が増えるでしょう。

 しかしそのような上げ潮派の人間が実際言うことは、経済を成長させるためにもっと公共事業をやれとか、もっと法人税を減税しろとか、借金をさらに増やすことばかりなのです。

 ですから、そうやって仮に景気がよくなって多少税収が増えたところで、景気をよくするために投じた税金の額を上まわることはないのです。

 何故そう言えるかって?

 それは、1970年代の後半以降我が国がやってきたことだからです。

 つまり、社会実験は既に済んでいるのです。

 でも、若い世代の人々は、そのようなことを知らないので、つい増税なしに税収が増えるというような甘い話に乗ってしまうのです。

 ついでに言っておきますが…消費税の増税は財政再建を行うためのものですから、消費税を増税しながらその一方で法人税の減税などしたら、増税によって税収が増える効果は殆ど吹き飛んでしまうのです。

 ということで、私は、経団連が消費税増税を支持しつつも、その一方で、強硬に法人税の減税を主張するその神経が理解できません。

 彼らは、日本の財政のことを心配して消費税の増税を支持しているというよりも、自分たちが得するために、つまり法人税を減税させるために消費税増税を主張しているとしか思えないのです。

 そんな考えの経団連が、企業の政治献金は社会奉仕の一環だなんて言っているのです。

 開いた口が塞がりません。


 

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 突然ですが、10年物国債の表面利率が9月発行分から0.5%になったのだとか。なんと2003年6月以来のことで、過去最低の水準に並んだとも報じられています。

 どう思いますか?

 流石にこれだけ長期金利が低下すると、私などがどれだけ財政破綻のリスクを説こうとも、何を言っているのだと感じている人が多いかもしれません。

 そうですよね?

 財政破綻のリスクが多少なりとも懸念されるというのであれば、そんなに国債の利回りが下がる筈がないからだ、と。そう言いたいのでしょう?

 それは、私にも分かります。でも…

 ところで、先日、次のようなメールを頂きました。

 「先生こんばんは! 日本の財政について心配しておられるようなので、以下の記事をお知らせします。ぐっちーさんは金融業界ほかに幅広いネットワークを持つ日本でも指折りのスーパーエリートです。そのぐっちーさんがフジマキさんが亡くなるまではだいじょうぶというのですから、当面、心配しなくても良いのではないでしょうか?ぐっちーさんは今回の消費税増税にも反対していました。日本の財政は十分にサスティナブルであるということでした。経常収支も怪しくなってきて、ちょっと不安ですが・・・
 http://guccipost.co.jp/blog/gucci/?p=2041  」

 そうなのですよね、藤巻さんもかねてから財政破綻のリスクを警告し続けているのです。

 でも、冒頭で述べたように、こうして長期金利が下がる一方では、そうした警告も言ってみればオオカミ少年の叫び声のようにしか聞こえないのでしょう。

 オオカミが来たぞ! オオカミだ! オオカミだ!

 誰も本気にする人はいないのです。

 しかし、忘れてはならないのは、オオカミ少年の話は、最後にはオオカミが来るということなのです。

 そうでしょう?

 ぐっちーさんとやらは、フジマキさんがなくなるまでは大丈夫だと言っていますが、それが何の安心材料になると言うのでしょうか?

 フジマキさんは、1950年生まれですから現在、64歳なのです。

 日本人の男性の平均寿命が約80歳ですから、フジマキさんの余命は概ね16年ほどといったところでしょう(あくまでも単純計算ですから気を悪くしないで下さい)。

 いいですか?

 仮にぐっちーさんの言うとおりだとしても、あと16年ほどしか時間の余裕はないということなのです。

 仮に、この先、いつかの時点で財政破綻のリスクが一般にも意識されるようになったとして…だからといって一気に税率を上げるようなことはできないのです。そんなことをすれば経済が大混乱を来してしまうからです。だから、税率を上げるにしても、時間をかけて徐々にやっていくしか方法はないのです。

 つまり、重要なことは、国民や投資家の多くが本当に財政破綻のリスクを気にしだしてから行動していたのでは、間に合わないということなのです。

 本気で財政破綻のリスクが懸念されるようになれば、金利がどんどん上昇をし始めるからです。一度そのような局面が訪れると、もはやちょっとやそっとのことでは流れを変えることはできないのです。

 何故ならば、売りが売りを呼ぶだけだからです。

 よく、日銀がどれだけでも国債を買い支えれば国債の暴落など起こる筈がないと主張する人がいますが…それは飽くまでも表面的な話でしかないのです。

 確かに、日銀がどれだけでも国債を買い支えれば、取り敢えず国債の利回りは上がらない。それはそのとおり。

 しかし、そうなったときには、日銀以外には誰も国債を買おうという者などいないということなのです。それに、同時にそのような状況では日銀券の信用がガタ落ちになってしまうでしょう。だから、日銀がどれだけでも国債を買い支えれば財政破綻は免れるなんていっても、全く意味をなさないのです。

 繰り返しますが、そのようなときにはそもそも日銀券を国民が見放すのですから。

 フジマキさんは、そうした事態が予想されないでもないから本当は円を外貨に換えることを考えたい、とも。

 いずれにしても、長期金利が上がり出し、本当に財政破綻のリスクが懸念されるようになってから行動しようとしても手遅れなのです。だから、私は、少しずつ準備をすべきだと言っているのです。


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 昨日、「日本は税制破綻しないと主張するのはお金に縁のない人ばかり!」というタイトルで記事を書いたところ、次のような反論を頂きました。

 「財政破綻は絶対にない。ありえない。

 これは財務省とそのシンパの捏造、デマ、プロパガンダに過ぎない。国の借金と言うのは政府の負債であり、国民の負債、借金ではない。国の純資産は300兆円近くある。国の負債は日銀が買い取ればチャラになる。体の良い融手だ。お札発行すれば日銀は一万円に付き、9000円以上の利益が出る。それで政府は還付された利益で相殺できる。日銀の株主に天皇陛下も入っている。心配は要らない。

 財政再建健全化は財務省のうちでの子槌預かりの責任でもある。1000兆円の政府負債でも政府の債権は600兆円ある。全く心配は要らない。財務省とその天下り連中が騒いでいるだけだ。貴方もその一人だ。」(一部誤字等を修正しました)


 以上ですが、どう思いますか?

 私は、この手の議論には全くついて行くことができません。どこまで本気で言っているのか、或いは無茶な理屈だと分かっていて言っているのでしょうか。


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