新政権発足を控え世の中の動きに変化が出てきていますが、
こんなことを言っている無責任な大人たちがいます。
「首相になった鳩山さんが24日の国連の会議などで、民主党
の掲げる温室効果ガス削減の中期目標を国際的にコミットしちゃ
うと大変だ」
(注)コミットとは、約束するという意味。
本日は、久しぶりに地球温暖化対策のお話をしたいと思いま
す。
その前に、一つだけ、注意事項を。
貴方が、地球温暖化の議論に懐疑的であるのであれば、ここ
から先の話は貴方にとって何の意味もないでしょう。従って、これ
から先の話は、二酸化炭素の増加と温暖化の因果関係を認める
人だけがお読みください。
では、お話をしたいと思いますが、先ず上に挙げた発言、誰が
言ったと思いますか?
経団連のエラーイ人々が、9月2日に喋った内容です。エラーイ
というのは地位が高いというだけの話です。決して賢人であるこ
とを意味しません。
それはともかくとして、何故、経団連は、そんなことを言うの
か?
経団連の人々が、二酸化炭素の排出と温暖化には因果関係
はないのだ、と主張されるのであれば、それはそれで筋が通って
います。ですから、仮にそうであるなら、私は経団連に何も文句
は言いません。しかし、ご承知のように、経団連も麻生総理も、
明確に二酸化炭素の排出と温暖化の関係を認めているわけで
す。
ここのところが、先ず重要です。いいですか、世界中の国々が
今や温暖化の因果関係を認めている、と。少し前まで温暖化の
因果関係を認めていなかった米国でさえ、はっきりと認めるよう
になった、と。
では、地球の温暖化がこれからも進行すると、環境はどのよう
に変化するのか?
もう言わずもがな、ですよね。
北極や南極の氷が少なくなるだけの話ではなく、そして、海面
が上昇するだけの話ではなく‥、もちろん、それらの影響も極め
て大きな影響を我々に与えます。しかし、もっともっと恐ろしい影
響が予想されているのです。
その1つは、大規模な干ばつや山火事が多発化するということ
です。
最近カリフォルニア州での山火事が、またニュースになっていま
すよね。大規模な山火事が起きると、命が助かっただけでもあり
がたいと思わないといけないのかもしれません。でも、家が燃え
尽き灰になった光景をみて、人々が泣いています。
さらに恐ろしいのは、マラリアなどの伝染病がまた大流行する
かもしれないという恐れです。サンゴの死滅も予想されていま
す。そんな光景、私は、見たくありません。
まあ、素人の私が、いくらそうした温暖化の影響について説い
たところでイマイチ説得力がないかもしれないので、本日は、アメ
リカの公共放送が放送した山火事多発化の特集を紹介したいと
思います。
場所はワシントン州。近年、大規模な山火事が増えている、と。
何故か? そのメカニズムを関係者が説明します。
ワシントン州には、松やとうひなどの針葉樹の樹木が多く生育
しているようなのですが、1990年代の後半ごろから松くい虫が
急増している、と。
日本でもそういうことが話題になったことがありましたよね。松
林が枯れてしまい、無残な姿になり、いろいろと対策を講じたり
しました。
では、どうしてアメリカで松くい虫が急増しているのか?
それは、温暖化の影響で、春の平均気温が1950年以降3度ほ
ど上昇しているというのです。そして、松くい虫などの樹木に害を
与える昆虫が生育しやすくなっているのだとか。
松くい虫が増加し、松を食べてしまうと、松は当然枯れてしまい
ます。で、枯れた松は、当然、自然発火などが起きた場合、燃え
やすい状態にあるということです。
それだけではありません。ワシントン州では、雪解けの時期が1
週間から3週間も早くなっていると。当然、1年のうち、乾燥した季
節が長く続くということになり、これも山火事の原因となっている
のです。
いずれにしても、今や大規模な山火事が発生したというニュー
スを聞いてもちっとも驚かなくなるほどアメリカでは山火事が多発
化するようになっているのです。地球温暖化対策に本気で取り組
まないと、益々多くの被害者を出すということを我々はよく認識し
なければいけません。
ですが、現実には、経団連のエラーイ人々は、「鳩山さんが、温
室効果ガスの排出目標についてコミットしたら大変だ!」という程
度の認識なのです。
経団連は、内外を問わず、多くの人々が地球温暖化を原因と
する災害に遭遇しても、そんなの関係ない!ということなのでしょ
うか。
まあ、経団連の言いたいことは分かります。
仮に、日本だけが努力しても、中国やアメリカも同様に努力して
もらわないと温暖化を食い止めることができないから、意味ない
じゃん!と言いたいのでしょう。
確かに、日本だけが努力しても、他の主要国が努力をしなけれ
ば、温暖化は食い止めることができない。でも、そんなことを言っ
ていると、人類は危機に瀕してしまうのです。我々は、未来の
人々に、「アメリカや中国が言うことを聞かなかったから」なんて
言い訳をすればいいのでしょうか。そんな訳にはいきません。何
とかしない、と!
それから経団連は、次のようなことも言います。
もし、日本が一生懸命努力して温暖化ガスの排出を削減して
も、その一方で中国が温暖化ガスを今までのように排出すること
が認められるのであれば、例えば、鉄鋼の生産に関しては、今
後中国でより多くの生産がなされ、そして日本での生産は減少す
ることになるから、結局より非効率な工場での生産が多くなると
いうことで、却って環境を悪化させてしまう、と。
まあ、その理屈も一応筋は通っています。
ですが、そんなことを言い続けていると、アメリカの山火事はも
っと酷くなってしまうでしょうし、日本ではゲリラ豪雨が多くなるで
しょう。
では、どうするか?
中国に温暖化ガスの排出を削減しろと言っても、今すぐ承知す
るはずがありません。中国にとっては、環境問題よりも今は少し
でも経済が先進国に追いつくことが優先事項であるからです。
ですから、排出量の削減という、石油や石炭の消費量に制限を
課そうとするこれまでのアプローチは機能するとは思われないの
です。
我々が着目すべきは、石油や石炭の消費の段階ではなく、生
産の段階なのです。つまり、石油や石炭の生産国に対して、世界
中における年間の生産に制限をかけてもらうこと。もし、それが
可能になれば、必然的に二酸化炭素の排出量をコントロールす
ることが可能になるのです。
何故、石油や石炭の生産の段階で制約を課すことを考えない
のでしょうか?
もちろん、石油の生産量がそうして減少することになれば、石
油の価格は上昇します。そして、石油の価格が上昇するというこ
とは生産国にとっては儲けにつながるので、悪い話ではないので
す。従って、生産国がそうした方法を受け入れる余地はある訳で
す。
その一方、石油を輸入する国にとっては、価格の上昇が悪い影
響をもたらします。ですが、いくら石油の価格が上がっても、お金
さえ出せば石油を買うことはできるのです。つまり、日本の鉄鋼メ
ーカーはお金さえだせば、中国以上に石油や石炭を購入するこ
ともできるというわけです。
で、もし、そうしたアプローチを採用するのであれば、もはや環
境税などというものは、全く採用する必要性はなくなるというわけ
です。経団連などは環境税に反対のはずですよね? だったら、
どうしてそういう方法に気が付かないのでしょうか。民主党もま
だそういう方法に気が付いていませんが、是非、そういうアプロ
ーチの本格的検討を開始して欲しいと思います。
私は、世界が、石油・石炭の生産量に制限を設けるアプローチ
を採用すべきだと考えます。
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