ちょっと前に次男とライブに行くために東京に行ってました。相当後ろの席でしたけど、1人で行くよりよっぽど楽しかった。妻はこの週末、韓国からのアーティストの「推し活」のために上京です。なんとなく色々な用事があり月に1度は東京に行っている感じです。この国に住んでいることはほんとにラッキー。あちらからどんどんこの国にやって来てくれる。もし私が北朝鮮に住んでいたとしたら、絶対に会えない人に会える。東京に行くといつも思いますが、外国からの旅行者がものすごく増えてる。コロナ禍前よりもよっぽど増えている印象です。
この三重県にも沢山いらっしゃっているとは思いますが、この桑名市で外国からの旅行者を見ることはほとんどありません。普通に住んでいらっしゃる方ばかり。でも、将来を見越してこのお店も外国からの旅行者向けに何かした方がいいのでしょうか。ただ、いいアイディアが浮かばないのです。
もうずっとこの国に住んでいる外国の方々とは色々話す機会があるのでよく話したりしますが、ここの国に来ている外国からの旅行者とは記憶の中では話した記憶がまるでありません。一度、日本の印象を尋ねてみたいと思ってます。日本にずっと住んでいる外国の人からの日本に住み続けることへの「不満」は腐るほど聞いたことがありますし、メディアにも度々掲載されていてよく知っていますが、旅行者が感じるこの国の「第一印象」ってどんな感じなのでしょうか。絶対、いいと思う。もう絶対にいい。
僕自身、ちょっと理解が面倒なところはありますが、この国は世界最高だと思ってます。理由の筆頭はこれ、「劇的に犯罪が少ない」です。僕はこれに尽きると思ってます。
例えばアメリカやデンマークの公共交通機関で小さな子供が1人で通学しているなんて絶対にありえない。この国、特に東京では結構見る風景です。それだけこの国がめちゃ安全だということです。犯罪の少なさから、安全、そして安心に暮らせるといえば、日本は世界の中でトップオブトップ。
ただ、このトップオブトップでも、住んでいる方々からは例えば「子供が育てにくい」等と色々なメディアから流れる街の声があったりします。世界の他の国と比較すると格段にいいかもしれませんが、比較論じゃなくて、絶対論として大変なんだと思う。
母が数ヶ月前に大きな病気になりもう何ヶ月も入院しています。彼女は実家で1人暮らしだから、今回の病気でもう1人暮らしは無理で、多分施設で余生を過ごすことになるんだと思う。入院している病院の対応や費用負担率なんて、もし「僕がインドに住んでたら」って思うと怖くなるほど現役世代に優しい。今後の施設利用でかかる費用も国からの補助で負担は相当軽くなると思うんです。
ただメディアの多くは、その補助があるから国の借金が増えて、国が1000兆円もの借金体質になってると批判しています。その批判はまさに私が利用させて頂いている補助ですから、その批判はまさに私に当てたものです。申し訳ない気持ちです。「東京に次男をライブに行ける財政的余裕があるなら、母のことで国に補助を求めるな」的なことなんだと思います。
犯罪がこの国で少ないのは間違いなく、社会保障がうまく回っているからだと思う。格差が広がったと言われていますが、格差の底にいる収入がなんらかの理由で断たれた方々への国からの施しはとても厚いし、管理/監視も他の国よりも行き届いていると思う。犯罪が起こる様々な理由がありますが、そのほとんどは貧困からです。貧困でもモラルがあれば犯罪は起こらないと思いがちです。でもモラルは生まれつきにあるものではないですから、誰かが教えないといけません。世界には貧困で学校に行けない人の方が多いのは事実です。貧困でモラルが形成されないと、簡単に犯罪を起こします。
なんとなくいいイメージのあるデンマーク、人口10万人あたりので犯罪率は日本の10倍です。10倍って、相当です。だいたい、年間45万件の犯罪。大雑把に500万人の人口ですから、年間10人に1人は犯罪に遭ってる計算です。10年スパンでほぼ、全国民が一度は犯罪に遭ってる計算。人生80年としたら、人生で8回犯罪に遭ってる計算。刑法違反の数です。つまり、警察に報告されている数です。簡単な刑法違反なんて正直、僕らの日常生活ではよくあります。でも警察にお話ししてないだけ。ともかくあのデンマークでもこの犯罪率の高さです。「世界で1番幸せな国」がこの犯罪率。社会福祉が行き渡っていると言われているデンマークでもこの犯罪率の高さ。社会福祉との面では大きく離されているとは思いますが、社会保障という面では、日本の方がデンマークよりも上手だと思います。
ライブで世界から著名アーティストがやってくる日本。世界の美術品の展示会が開かれる、世界の美味しい料理が食べられる、すばらしい四季がある日本。いいことばっかり。この国が世界最高であること、旅行者のほとんどは瞬時に感じ取ると思います。
でもね、もう何十年も住んでる外国の方、そして僕ら自身のようにずっとこの国住んでる人、なんか不満があるんですね。多分、ずっといいところに住んでて「この良さを侵されたくない」って気持ち、「この状態が変わらないで欲しい」っていう気持ちが強くて、ちょっとでも「変化」があると、「おいちょっと待って、変わっちゃうの嫌なんですけど」っていうのが不満の源泉かもしれない。
社会保障の強さは「皆に同じだけの幸せを」を無意識に感じさせるのかもしれない。ただ、幸せなんて本来、その人それぞれ尺度である訳だから、皆が同じだけの幸せってあり得ない。多分、社会保障が強くなった明治維新以降の感覚だと思います。江戸時代なんて、「将軍様が庶民と同じだけの幸せであるべき」なんて感覚ってまるでなかったはずです。「同じ幸せを」なんて妄想なんですが、長く住んでると、そのような感覚になってしまう。犯罪は多いけど、「幸せは個人の尺度で」の国か、犯罪は少ないけど、「幸せは同じだけ全員に」の国か。僕は犯罪が少ない国の方がいい。色々な国に行きましたが、犯罪が多い国は個人的にヤダ。ショッピンモールで場所取りで置いといたものが簡単に盗まれる国、僕は生きづらくて困る。そんな国からやってくる人達。この国は天国に違いないと思う。「幸せの尺度は個人の尺度」との国からやって来た人がこの国に長く住むと、「おいちょっと住みずらいぞ」ってなるのもちょっと分かる。この国に長年暮らす外国の人から聞く不満のほとんどはこれです。