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今年も年始からたくさんの、そして色々なことが起きて、自分ではコントロールできないことがほんとに多いなと思った一年でした。来年も、こんな感じで思いとは別に色々な方向に物事は進んで行くんだろうと思います。

11月に以前このお店でアルバイトをしていた彼とご飯を食べました。今は高校の教師です。「外国人が増えるよね〜」との話の時に、僕がアメリカの学校の寮で同じ部屋だった黒人の彼の言葉が頭に過ぎりました。「まだ、早いよ」。お部屋で2人でお酒を飲んでいる時、どうしてアメリカでは有色人種への差別が終わらないだろうかと、話している時でした。あの時は今から30年程前です。マーチンルーサーキング牧師が「I have a dream」との演説をワシントンDCでおこなったのは1963年。翌年には公民権法が施行されます。だから、寮での話しは演説からまだ25年しか経っていない時です。公民権法の初施行の時、例えば20歳だった人はまだ45歳。公的には黒人の大学入学は許されていたものの、実際には相当の学力であったり、相当のバックグラウントを持った黒人でないと一流と言われる大学、公民権法の前には入りずらかった。彼の「まだ、早いよ」の意味は黒人と白人の教育レベルが揃うまでにはまだまだ時間がかかるよという意味。そして、教育が黒人にも行き届けば、もっと住みやすい社会になるかもね、ということが言いたかったようです。だから、お互いにレスペクトし合いながら生活するためのキーは「教育」だということです。

公民権運動の真っ最中の黒人を「1世」とすると、今はまだ「2世」の世代がアメリカでがんばっていることになります。

戦前、そして戦時中にこの国は多くの移民を受け入れました。その時も今と同じで労働力不足です。その多くは朝鮮人です。実際には1910年にあった日韓併合の後の移民がほとんどなので、正確な意味での移民ではありませんが、「日本以外にルーツを持つ人の移住」という意味なら移民になります。そして、やってきた多くの移民、子孫をこの国に多く残しています。その時移民した人々を「1世」と呼べば、今その子孫は「3世」であったり「4世」です。中国残留孤児、1981年から肉親探しが始まり、2000人から3000人は日本に永住帰国しています。正確の意味ではその人達は移民ではありません。ですが、日本の言葉も日本の文化もほとんど知らずに帰国したその人達のことを「移民」として捉えてもいいのかも。その人たちを例えば「1世」と呼べば、今、社会で活躍している人達は「2世」です。

色々の書物を見ると、どんどん出てきます。残された子孫の葛藤。1世は必死です。仕事をするために日本にやってきた。残してきた家族や一緒に連れてきた家族のために、1世は必死で働きます。2世はこの国で教育を受けることになります。でも、親を見て育った2世は、どうしても日本に馴染めない。そんな2世を見て育つ3世、この国で教育を受けます。友人は日本人ばかり。それでも、2世を見て育った3世、やっぱり日本の生活に違和感がある。でも、その違和感はどんどん薄れて行きます。受ける教育も世代を追うごとに上がっていきます。そして、4世、そして5世。日本人と結婚する人も増えてくる。どうだろう、最低でも3世代は必要なんじゃないかと思います。つまり、外国人が移民してからその国に慣れるまでに、だいたい60年。

この数字、アメリカの黒人差別でも同じ感じなんじゃないと思います。公民権運動が始まってから60年くらいは必要なんじゃないと思います、なんとく黒人が普通にアメリカで生活できるようになるには。3世代は必要だと思います。アメリカでは「アファーマティブアクション」等で、色々な分野での黒人の社会進出を後押ししてます。ですが、抑えられていた人々に社会で生活する力が付いてくると、それになんとなく違和感を覚える方々の意見が大きくなってきている感じがします。今のアメリカなんてそうなのかもしれない。保守的な力が強くなるんですね、不思議と。

日本への移民はものすごい勢いで増えます。僕らの「移民リタラシー」を試されるのは今から50年、そして60年先なんじゃないかとの僕の見立です。移民した方々本人、そしてその子孫が日本に慣れるまでに60年。その時、移民の子孫に優しい社会であって欲しいと思っています。子孫はその父、そして母がどのような扱いを受けてきたかを存分に感じながら生活をします。その子孫、なん世代後には完全に日本人になると思うんです。違和感を残さず、僕たちの何世代先の子供達と上手くやっていける環境作りをもう始めないと、手遅れになるかもしれません。1世は大丈夫。彼らはめちゃ仕事するから。遊ぶ暇ありませんから。必死です。でもその子供達は別です。その子供達を受け入れるコミュニティーを作ることをここ数十年続けて欲しいし、そのようなコミュニティーに積極的に参加したいと思っています。色々考えていることありますが、大したことはできませんので、少しつづ進めて行きたいと思っています。歳を取ると次の世代のことばっかりを考えてしまいます。まだまだ下の世代が見習えるくらいの大人にはなっていません。もう少し踏ん張らないといけないと、来年もいつも通りフルスロットルで歩んでいくんだと思います。皆様に私たちの歩みを後押し頂けるように、前を見ながら、何度も何度も振り返りながら、確実に前に進んで行きたいと思っています。来年もどうぞよろしくお願い致します。