『Comicかば』管理人のブログ

『Comicかば』の事、漫画の事などをつづります。

こじらせ漫画を探して(4)

Mて氏の入社から半年ほど経つ頃には、皆Mて氏のデリカシーの無さにも慣れ、彼に何を言われても全く気にならなくなっていた。
慣れとは恐ろしいものである。

それどころか、積極的に漫画のハナシをするまでになっていた。
そもそも皆漫画好きであり、しかもプロを目指しているとなれば、厳しい環境に自分を置くことを望むとは言わないまでも、そうあるべきと考えるようになっていて、そういった意味で漫画家志望者でなく、且つ、言いにくい話をずけずけと言ってくるMて氏を含めた漫画話は、今までのどこか遠まわしに相手の腹を探り合い、気を遣いあって話していた頃よりも一つ踏み込んだ話ができるようになっていた。

「さて、皆さんそろそろ僕が入社して半年程経ちますが、新作漫画が完成する頃ではないですか?」
いつものファミレスで食事をしながらMて氏が口を開いた。

「いや~まだですね~」「ああ、今ペン入れまではいってるんで、次のまとまった休みの後にはお見せできるかもしれません」
などと皆そっけなくかわすのも慣れたものである。

かわされてばかりで簡単に引き下がる男でもないMて氏は
「これだといつ読めるかわかりませんね。」「それでしたら、過去作でもいいから見せてくださいよ。ねえA木さん」
と、この日は名指しで食い下がってきた。

「ええ~僕ですか!?」「いや~でも見せられるようなものは無いですよ。ほとんど実家に置いてきてますし。」
「あっ、そういえば、O田さん以前に僕らに見せてくれた作品ありましたよね?」
とA木氏はO田氏へと話を逸らした。

「ええ!?あぁ、まあ、あるにはありますけど・・・」
突然振られて動揺するO田氏をよそにK野氏が続ける。
「ああ、あの作品いいじゃないですか。背景もびっしり描きこんでますし。」
すかさずSキ氏も続く。
「いいですね。あれにしましょう。あの作品面白かった記憶がありますし、僕たちも久しぶりに読み返してみたいです。」

半年間逃げ回ってきたが、そろそろ限界が来ていた。
誰かが最初の生贄にならなければならないと皆どこかで思っていた。
追い込み猟を行うようにO田氏を包囲するA木氏、K野氏、Sキ氏の3人。
こんな時の3人のチームワークは完ぺきで、いつも割りを食うのは控えめなO田氏だった。

「では、O田さん、週明けの月曜日楽しみにしてますね。」
とMて氏が締め、O田氏はしぶしぶながらも「・・・分かりました。」と観念し、ついに生贄は決定したのだった。

うまく生贄から脱したA木氏、K野氏、Sキ氏はほっと胸をなで下ろし、ミックスプレートのハンバーグをほおばった。
A木氏に至ってはよほど気持ちに余裕ができたのか、追加でチョコレートパフェも注文しペロッと平らげ満腹感に浸ったのであった。


O田氏がMて氏に作品を見せるほんの3日前の事である。



つづく

2013年総括。

去年の年末も漫画ベスト系の雑誌がいくつか発売されましたね。
年が明けて1ヶ月近く経っていて何なんですが、僕も2013年の面白かった漫画、気になる漫画ニュースなどを総括してみようかと思います。

と、言いましても語れるほどの漫画は読んでいませんので、気になったものをいくつか挙げさせていただく形で総括してみたいと思います。

【単行本】
●『地上の記憶』白山宣之
白山さんの事は恥ずかしながら全然知りませんでした。
大友克洋さんや高野文子さんらと同じニューウェーブ世代の方で、本作の装丁も大友さんがやっているようです。
『ショートピース』『さよならにっぽん』の頃、80年代のアクションコミックスの雰囲気漂う装丁に仕上げてますね。

作品は正に職人さんの仕事です。
寡作の方だったらしく、丁寧に丁寧に魂を込めて描かれているのが伝わってきます。
画を見ているだけで時を忘れさせてくれる作品です。


●『ミリオンジョー』市丸いろは/十口了至
週刊モーニング連載中。
昨今、漫画家漫画は非常に増えましたが、こちらは漫画雑誌編集者とその業界をメインに据えて、さらにサスペンス仕立てになっている作品です。
もし、超人気連載作家が急死したら・・・
毎回の引きがしっかりしていて、ぐいぐい読ませます。
このスピード感は週刊連載で読みたいところですが、隔週連載なのが残念なところ。


●『ぷらせぼくらぶ』奥田亜紀子
大橋裕之さんの『シティライツ』がすごく好きなんですが、『シティライツ』の魅力の一つが美しいトーンワークでした。
そのトーンを担当していたのが、どうやらこの奥田さんだったようなのです。
作品は痛々しい思春期を題材としています。
大人になるとなんであんな小さな事気にしていたんだろうと思える出来事も、この時代はそれが世の中のすべてなのです。
そんな漫画です。


●『赤パン先生』安永知澄
『コミックビーム』連載中。
小学生の心情が良く描けていると思う№1。
同じ小学生を扱った漫画では『すみれファンファーレ』も注目していたが、本作を読んだ後だと‘‘なんか違うよな‘‘と思ってしまった。 


●『ヤンキー塾へ行く』
カッコいいだけでなく、カッコ悪いところも平等に描いている点に好感が持てます。
そしてヤンキーへの愛に溢れる作者の視点も素晴らしい。


【web】
nankadetekimaさんの作品

去年からweb漫画もチラチラ見るようになり、 どんなきっかけか全然覚えていないのですが最初に見たのがこの方の作品でした。
面白すぎてビビりました。
意味がありそうで、なさそうで、シュールであり、不条理でもあり、ギャグでもあり、なんかエロくて、不安と希望とバカバカしさが覆っている。

http://www.pixiv.net/member_illust.php?id=925558

【その他】
●寄生獣映画化

大好きな作品の映画化は残念な結果になる事も多いですが、20年以上前の作品が再び脚光を浴びる良い機会ともいえます。
ファンとしては付随する新たな企画に期待したいところです。
原画展とかやってほしい!


http://natalie.mu/comic/news/103937

●Dモーニング創刊
紙の雑誌初のデジタル版が創刊。
Dモーニングは創刊号から購読していますが、本気度がスゴイ。
初めはこの流れに他の週刊誌も追随しないかな。などと考えていましたが、ここまで真剣にやられてしまうと逆に生半可な気持ちでは参入できないでしょう。クオリティの違いが際立つだけだと思います。

アプリの使い易さ、過去作の再連載、新人増刊号、紙モーニング創刊号復刻etc
恐らくDモーニングはやれる事はすべてやりつくすつもりだと思います。

下記編集長インタビューが面白いですよ。
http://otapol.jp/2014/01/post-407.html


と、こんな感じでしょうか。
今年の漫画界はどのような動きがあるのでしょうか。楽しみですね。

それでは、2014年も『Comicかば』をよろしくお願いします!
http://comickaba.web.fc2.com/
 

『Comicかば』第3号公開。

久々のブログ更新です。

1月27日に『Comicかば』第3号の配信を開始いたしました!
今号はスペシャルゲストとしてやまもとありささんにご参加いただいております。 
『Comicかば』初の女性作家さんの登場ですよ。
今まで野郎ばかりであった誌面が女性の作家さんが入るだけでこうも華やぐものなんですね。

そんなやまもとさんの作品はコマの流れが途中でひっくり返り、また最初のコマへと戻っていくという、非常に実験的な作品に仕上がっております。
何も知らずに読むと途中で「あれっ!?」と迷路にでも迷い込んでしまった錯覚に襲われます。
しかしながらこの同じところをぐるぐる回っているような、前に進んでいるのか後ろに進んでいるのか分からない感覚というものが、正に暇を持て余す女子学生のたわいもない日常、会話を表現しているようにも思えてくるのです。
是非この不思議な感覚をご自身で読んで確かめてみて下さい。

そして先日発売した『月刊!スピリッツ』3月号に読切り『ゆきてかえらぬ』が掲載中の今野涼氏もエッセイ漫画で参戦です。 
好きなゲームソフトとの悲劇の思い出を語っております。
今野氏はゲーム好きであり筋肉鍛えるの好きであり、漫画描きである。
最近はギターも弾くし英語も覚えたいみたいでどこへ向かっているのか気になりますね。

その他、
『月刊アクション』で『強豪野球部新入部員のありがちな日常』を連載中のスズキイッセイ氏、ヒロキオータ氏、みぎて氏のレギュラーメンバーも参加しております。
スズキ氏はそろそろ単行本が出てもいいような。。。今度聞いてみます!


そんな『Comicかば』第3号はこちらからどうぞ↓

ピクシブ→http://goo.gl/JF2Bif
パブー→http://goo.gl/0Yc0Sw






 
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