サバイバー、自死遺族の基礎知識

2009年12月14日

遺品整理とか、その後の部屋の片付け

かおりさんから質問があったのと、今後の遺族の方の参考になればと、遺品整理の方法をまとめておきますね。
ただ、地区ごとにゴミの処理方法なども異なると思いますので、そのあたりはよくご確認ください。

まず、遺品整理ですが、基本的にいるものといらないものに分けるのが大変でした。
うちの場合は、まずはよっちゃんのご家族にいるものを全部持ってかえってもらい、その後掃除をしました。

手紙や直筆のもの、洋服、靴などは、すべてよっちゃんの実家に持って帰りました。
そして、自分のいるものも、ぼちぼち自分の実家にもって帰りました。

その後、いらないものを残し、普通に捨てれる燃えるゴミや雑誌類、古い服などは、普通に捨てました。

残った大きなゴミのうち、可燃物やガラス類は、市のゴミ処分場に持って行きました。
全て併せると100kgを超えていましたね。
ここでは、陶磁器以外は、全部ごちゃごちゃで大丈夫でした。
ちなみに、処分場に入る前に車の重さを計り、出るときにもう一度計って、そこから重量分のお金を払いました。
1万円もしないぐらいの、安い金額でしたよ。
ちなみに、ここでは、30kg以下は無料だったので、何回かに分ければ、無料で処分も可能のようです。
このあたりは、地元自治体にご確認くださいね。

そして、家具や家電、大きなベッド、ダイエットマシーンなどが残りました。
これらは全て、中古業者にまず見積もりをお願いしました。
見積もり業者によって、金額が異なるので、できれば2~3箇所に見積もりを頼むとよいでしょう。
うちの場合、全て見積もりは無料でした。
これは、ネットで検索してみつけました。
タウンページなどでもいいと思います。

そして、ベッドはどこも引き取りにお金が必要との事でした。
食器棚、ソファ、その他家電類はほぼ値段がつきました。
その他も引き取れないものもありましたが、買い取りに併せて、半分無理やり持ってかえってもらいました。
結局、ゴミ処分代も併せても、3万円ほどお金になりました。
ちなみに、二社で別々に買い取ってもらいました。

また、陶磁器などは実家に持って帰り、実家の大掃除も兼ねて、いらないものを集めました。
そして、これらは、ゴミ屋さんに集めに来てもらいました。
トラック一台分のゴミ、なんでもOKで7000円でした。

うちの遺品整理はこんな感じです。
一番のポイントは、市のゴミ処分場の有効利用でしょうか。
意外とみんな、直接持っていけることを知らないので、おすすめです。
それと、家電、家具は、なるべく多くの中古買い取り業者に見積もりをとってもらうと良いでしょう。
グーグルなどで、「家具 買い取り 市の名前」などで検索すれば、すぐに出てくると思います。

意外と遺品整理には根気と忍耐が必要でした。
最後は、掃除と、電話、インターネット、電気、ガスなどの解約。
それに、郵便物の転送依頼。
そして、届いたよっちゃんへのダイレクトメールの中止処理など。
いまもまだ作業は続いています。

ご遺族の方にとっては、故人が残した、最後の大仕事だと思って、がんばってください!
自分は結構途中挫折しかけましたが、なんとか家族の助けで乗り越えれました。

こんな感じですが、少しでも遺品整理の参考になれば幸いです。

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2009年10月26日

グリーフワークとグリーフケア;サバイバー=自死遺族の立場から3

以前から自殺関連のサイトを見ていて良く目にした言葉がある。
それが「グリーフワーク」だ。

このグリーフワークという言葉。
まず「グリーフ(grief)」は「深い悲しみ、悲嘆、悲痛」。
「ワーク(work)」は、「仕事(身体・精神両方)」。

日本語にすれば、「喪の仕事(作業)」「悲哀の仕事(作業)」となる。
日本では「喪に服す」という言葉もあるが、これは若干ニュアンスが違うと思う。英語では「モーニングワーク」にあたるのではないだろうか。
私の感じた「グリーフワーク」という言葉は、あくまでも自分自身が悲しみに向き合う作業のこと。
「喪に服する」という言葉は、どちらかというと、儀礼的な、対外的な言葉に感じられる。

さて、このグリーフワークだが、別に私のようにサバイバー=自死遺族のみが行うことではなく、一般的に配偶者や子供などの家族や、大切な友人などを亡くした遺族が、その深い悲しみから立ち直るために行う過程のことを指す。

基本的には、皆、無意識のうちにこのグリーフワークを行っていると思う。
私自身も、実際この「グリーフワーク」という言葉は全く知らなかったが、その過程を知れば、ああ、なるほどと思えることが多々あった。


以下に、一般的な「グリーフワーク」のプロセスをまとめてみる。

1.ショック期(感情麻痺の時期)

最愛の人、大切な人を亡くしたことによる感覚の麻痺。例えば、涙が出ない、感情が湧かないなど。
また、何も考えられず、混乱状態の中、何にも集中できない。日常生活の簡単なこと(食べる・眠るなど)さえもできない状態。また、正常な判断ができずに、パニック状態になることもある


2.喪失期(怒りの段階)

死を現実に受けとめ始めるが、まだ充分に受けとめきれない段階。
号泣や怒り・敵意、自責感などの強い感情が、次々と繰り返し表れる。
信じられない思いや受け入れられない気持ちの中で、故人がいるかのように振舞うことがある。
この段階では深い悲しみが最も一般的な反応であり、しっかり泣くことが重要である。
また、深い悲しみとともに、故人・周囲の人を責める気持ち、そう思ってしまう自分を責める気持ちが同時にある。
故人への愛と悲しみ、または怒りが、心の中に溢れている状態。


3.閉じこもり期(抑うつの段階)

故人の死を受け止めることができた段階だが、そのために、従来の自分の価値観や生活が意味を失って絶望感に襲われ、深い抑うつ状態に陥り、自分が存在していないような無気力な状態になる。
生前にしてやれなかったことに対して、あるいは自分が死の原因を作ったのではないかなどの、自責感に襲われることも特徴。希死念慮が出ることもある。
適応能力に欠け、外出せず、引きこもりのような状態。


4.再生期(立ち直りの段階)

故人の死を乗り越えて、現実を認められるようになる状態。
徐々にエネルギーが湧き、新たな自分、新たな社会関係を築いていく時期。この時期になると、積極的に他人と関われるようになる。
これらは一見、異常と思える状態であるが、悲嘆の反応としては正常である。
「グリーフワーク」の期間には、個人差があるが、第1~第2段階は1~2週間が一般的。
また、「グリーフワーク」全体の期間は、配偶者の死別の場合で1~2年、子供の死別の場合は2~5年ほどと言われている。


このブログを読み返せば、本当に笑えるほど当てはまっている。
所詮、人間の行動なんて同じようなものなのだなと、少し苦笑した。
今の自分は、さしずめ「3.閉じこもり期(抑うつの段階)」にあたるだろうか。
「4.再生期(立ち直りの段階)」になるのは、まだまだ先のことになりそうだが。

自死遺族の方のブログを拝見しても、そのスピードに差はあれど、やはり皆、同じようなグリーフワークの過程を経ているように思える。
また、自分の中で特に異様に感じた「ホッとした」気持ち。
それを感じた時は、自分に非常に嫌悪感を覚えたものだが、やはり「自殺」に怯えて生活していた方は、同様の気持ちになったことも分かった。
このように、知識として自分の現状を知ることは、より自分自身の立ち直りを早めてくれる気もする。

次に、グリーフワークでの反応、症状を書いておく。

●身体的症状
身体的苦痛、のどの緊張感、呼吸障害、疲労感、食欲喪失、消化に関する諸症状、睡眠障害、気力喪失、頭痛・嘔吐・消化不良・筋力の欠如・動悸などの身体的愁訴、故人と同じ症状の出現、アルコールや薬の依存 など

●心理的症状
故人の面影にとりつかれる、思慕、罪責感、憂鬱、不安、怒り、敵意、孤独、自尊心の欠如、絶望、非現実感、疑い深さ、幻覚 など

●行動的反応
号泣、故人の行動の模倣、行動パターンの喪失 など

●認知的反応
思考・判断速度の低下、集中力の欠如 など


これも、ブログを読み返せば、ああなるほどと納得できることがほとんどだ。

だが、やはり我々サバイバー=自死遺族というのは、普通とは状況が異なる。
グリーフワークの過程で、感じること、悩む点が、普通の遺族とは大きく異なるのも事実だ。
特に、「自責の念」。
これは、なかなか向き合おうとしても難しい。
ではどうすれば向き合えるのか?
まだ自分もその答えを探している途中だが、結局は「いかに自分が納得できる答えを見つけるか。」という点にある気がする。

そのためには、以前読んだ「自殺で遺された人たちのサポートガイド」は一つの指針を示してくれたと思うし、様々なブログで経験談を読み、共感する点を見つけることも役に立つと思う。
また、自分は参加していないが、「自死遺族の会」などに参加し、他の自死遺族と経験を共有するのも、一つの手段であると思う。

いずれにしても、「如何に自分が納得する答えを見付けられるか。」
私のグリーフワークの「4.再生期(立ち直りの段階)」に至るキーポイントは、ここにある気がする。


最後に、「グリーフケア」についても書いておこう。

「グリーフケア」の基本的な考え方は、悲嘆の表現として現れる様々な感情や行動などを、正常なものとして、共に受けとめること。
例えば、自死遺族の会に参加すれば、話を聞いてもらうこともグリーフケアになるだろう。
しかし、このグリーフケアはある意味、諸刃の剣。
あるブログでは、自死遺族の会に参加し、励まされたり、あれこれ聞かれることで、かえって症状が悪化したとあった。

やはり、同じ行動をされても、それを「良い」と感じるか、「悪い」と感じるかは三者三様。
なので、なおのこと、グリーフケアというのは非常に難しいことだと感じている。

基本的には、グリーフケアは、

・悲しみを共有する
・黙って心の傷を吐き出すのに耳を傾ける
・話し手の抑圧や制約を取り去り、解き、悲しみを胸の内から引き出し、悲しみに向き合えることができるように環境を用意する
・傷つけるような言葉、励まし、勝手な助言は控える

このようなことが重要ではないかと私は思う。

個人的には、いつか「自死遺族の会」には参加してみたいと思っている。
そこで、同じサバイバー=自死遺族として、悲しみを共有し、そして分かち合える環境にめぐり合えたなら、たぶん自分自身のグリーフワークを早めることが出来るだろう。

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長々と書きましたが、これは自分自身の知識向上と、少しでも自死遺族の方の参考になればとまとめてみました。
もちろん、これが全て正解ではないと思います。
人それぞれ、個人との向き合い方は差があって当然です。
ですから、あくまでも一般論として、こういう考え方もあるんだな程度に読んでいただければ幸いです。

いずれにしても、自分はまだまだ、立ち直るのには時間がかかりそうです。
よっちゃんを失ったことへの衝撃は、本当に計り知れません。
自分自身のグリーフワーク。
いつかその終わりが、このブログで書けるといいですね。

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2009年10月04日

よっちゃんの新しい人生 13日目3

妻よっちゃんが新しい人生を歩き始めて、13日目になりました。

今日は相変わらず目覚めは早いのですが、気分的には落ち着いています。

少しゆっくり過ごしてから、一気に昨日届いた本を一冊読み終わりました。

購入した本は二冊あり、とりあえず読んだのが
「自殺で遺された人たち(サバイバー)のサポートガイド~苦しみを分かち合う癒しの方法~」
という本でした。

自殺で遺された人たちのサポートガイド
アン・スモーリン ジョン・ガイナン
明石書店
売り上げランキング: 69599
おすすめ度の平均: 5.0
5 サバイバーのケア
5 自死遺族の友人としても、とても良い本でした
5 ケアにあたる人にも読んでもらいたい
4 文庫か新書で
5 自死遺族として















書店で注文の際は、題名か、
ISBN978-4-7503-2610-8
で聞いてみてください。

価格は2400円とちょっと高いかもしれないけど、十分その価値はあると思える内容でした。

内容はまた改めてご紹介しますが、アメリカのサバイバー(=自殺遺族、自死遺族)の方々の体験談を、サバイバーのサポートグループのファシリテーター(リーダーのような方)がまとめた本です。

この本のすばらしいと思ったことは、自分が今感じている様々な感情である

・不安感
・後悔の念
・どうしてよっちゃんは自殺したのか?
・自分が殺してしまった!
・一生後悔していくべきだ。
・自分が幸せになってはいけない。
・死んで楽になりたい
・突然悲しくなったり、フラッシュバックのようによっちゃんが亡くなった事が思い出される
・もしかしたら、別の行動を取っていればよっちゃんは助かったかもしれない。

などなど、そのような思いを同じように他のサバイバーも感じていることと、そしてそれに対する対処方法や、今後どう考え方を変えていくべきかなど、本当に目からうろこが落ちるとはこのことか!というほど参考になる本でした。

この本のおかげで、少し気分が落ち着き、自分の中でも社会復帰に向け、少し元気が出てきたと感じれています。

もちろん、この本の全てが正しいとは思いません。
でも、長年サバイバーと様々な状況を経験し、その実話から冷静に判断している部分は、「ああそうかも・・・」と納得せざるを得ないことが多かったと思います。

もしも、このブログを読んで、いまだに悩んでいるサバイバーの方にはぜひ読んで欲しいと思える一冊です。
また、このサバイバー(=自殺遺族、自死遺族)という言葉は、なにも親族だけに当てはまるものではないそうです。
例えば、担任をしていた教師、隣人、遠い友人などなど。
影響を受け、悩んでいる人全てに当てはまる言葉なのだそうです。
だからもし、同じように悩んでいる方には、機会があれば読んでいただくと、少し気持ちが楽になるかもしれません。

個人的にも、自殺遺族、自死遺族という言葉はあまり好きではありません。
私も、今後機会があれば、このサバイバーという言葉を使っていきたいと思います。

さて、昼ごろまでいろいろと実家の片づけをし、自分の部屋だけでなく、実家の何部屋かも掃除機を当てました。
親も自分がきれい好きになったことに驚いていますw
これは本当によっちゃんのおかげです。
親にも、「自分がきれい好きになったことは、きちんとよっちゃんに感謝しないといけないよ。」と言っています。

昼ごはんを食べてから、我が家に戻り、後片付けを行いました。
なかなかはかどりません。
そして、よっちゃんの部屋で、ふと漫画や雑誌が目に付きました。

よっちゃんは以前からCoccoが大好きで、その特集の雑誌もありました。
開くと、生々しい、壮絶なリストカットの痕だらけの、Coccoの写真が載っていました。
ああ、よっちゃんはこんなつらい本を見ていたのか・・・とちょっとショックを受けました。
別に、今回の自殺とは関係ないと思いますが、少し気になる雑誌でした。
対談も赤裸々で、少し気分が悪くなりました。
今の自分にはちょっときつい内容です。

そういえば、生前、あまりよっちゃんの本には関わっていませんでした。
女の子向けの本が当然のように多く、そんな本があるんだ~ぐらいにしか思っていませんでした。
でも、人間、例え漫画や雑誌と言えど、少なからず感性には影響するはずです。
しばらく片付けもそこそこに、よっちゃんの漫画を読み漁りました。
少しでも、よっちゃんの気持ちに近付けるかと思ったからです。

ふと時計をみると、結構時間が経っていました。
いかんいかんと慌てて片付けをし、実家に帰りました。

帰りの道中、いまは気分も落ち着いています。
運転も普段通りにできるようになってきました。
あの本のおかげかもしれません。

でも、だからといって、よっちゃんへの気持ちが変わることはありません。
これからもずっと、愛している気持ちは忘れず、よっちゃんを供養していきたいと思っています。


よっちゃん、そっちはどう?
同じことの繰り返しなのかな?それとも、よっちゃんがわくわくするよう新しいこともあるのかな?
こうやって、よっちゃんへの手紙を書くのはいいことなんだって。
だから、これからも、できるだけいろいろと手紙を書いていくよ。

自分も、やっと立ち直りの第一歩を踏み出した感じがしています。
まだ13日目。早すぎる?もっと悲しみに明け暮れて欲しい?
でも、よっちゃんも明るいほうが楽しいよね。
だから、がんばって新しい生活が送れるように、自分も努力していきます。
よっちゃんも、新しい人生をがんばって歩いていってね!

これからもずっと忘れないよ、よっちゃん・・・


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