小菅努の商品アナリスト日記

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米石油リグ稼働数の増加が続く


米ベーカー・ヒューズ社発表野米石油リグ稼働数は前週比3基増の374基。これで5週連続の増加となり、5月27日の316基をボトムに累計58基の増加になる。増加率だと18.4%であり、50ドル近辺の原油価格が大きな刺激になったのは間違いない。


石油リグ稼働数は昨年の7~9月期にも増加傾向がみられたが、その際は需給リバランスの遅れをもたらすとの寧ろ悲観的な評価が優勢になり、結果的にその後の原油相場急落をもたらす展開になった。今回は、こうしたリグ稼働数の増加を前提にしても需給均衡化が見通せる状況にあるため、二回目の正直で底入れした可能性が高くなっている。


ただ、原油需給均衡化の道のりはなお平坦とは言い難く、リグ稼働数の再開ペースが必要以上に加速すると、原油価格は改めて減産対応を迫るような強力な値下りを要請される可能性がある。その可能性は確率としては10~20%程度の印象だが、今後の動きには引き続き注目しておきたい。


なお、7月は累計で44基の増加が報告されており、ベーカー・ヒューズ社によると過去2年間で月間の増加幅としては最大である。


無題 

NY金の建玉状況からの視点


米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉報告(COTレポート)によると、7月26日時点で大口投機筋の買いポジションは前週比1万9,445枚減の34万7,426枚、売りポジションは1万2,489枚減の6万8,471枚。買いポジションの減少は3週連続であり、米利上げ観測の高まりで利益確定の動きが広がったことを確認。一方、売りポジションの拡大は4週連続で止まっており、これ以上の下値は狙えないとの見方も同時に強くなっていたことが確認できる。


これは米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文が発表される前のデータになるが、買いポジションの規模は6月7日以来の低水準である一方、弱気筋が下値追いをあきらめて始めていたことが、FOMC後の金相場急伸の原動力になったことが窺える。


なおネットロングは前週比6,956枚減の27万8,955枚であり、これも6月7日以来の低水準。ピークとなった7月5日は31万5,963枚であり、そこまで投機買い圧力が強まる展開であれば、未体験ゾーンではない。



無題 

NY 2016/07/29 コモディティマーケット概況

COMEX金*12は16.30ドル高の1,357.50ドル。4~6月期米GDPが市場予測を大きく下回ったことで、ドル安・金利低下圧力が強くなったことが好感されている。FOMC後の早期利上げ観測後退のポジティブな影響も続く中、1,350ドルの節目をブレイクした。


NYMEXプラチナ*10は11.70ドル高の1,150.60ドル。金相場の続伸を受けて、プラチナ市場に対しても買いが膨らむ。高値1,163.80ドルからは大きく下押しされたが、パラジウムの年初来高値更新が続いていることもあり、1,150ドル水準まで値位置を切りあげている。


NYMEX原油*9は0.46ドル高の41.60ドル。月末を控えて売りポジションの含み益確定を進める動きが強く、反発した。米GDP統計を受けてのドル安圧力もポジティブに。なお米石油リグ稼働数は前週比で3基増に。


CBOTコーン*12は4.00セント高の342.75セント、大豆*11は25.00セント高の1,003.00セント。月末を控えて売りポジションの買戻しが先行した。特に、大豆は8月が重要な時期になるため、売りポジションの持越しが警戒された。大口成約報告が続いていることもポジティブ。


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ゴム報知新聞・マーケットアナリティクス

ゴム報知新聞(Web版)に寄稿しています。よろしければご覧下さい。
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 【マーケットアナリティクス】天然ゴム相場の7月後半のレビューと8月前半のアウトルック


再掲:セミナー「ひろこの知らないコモディティの世界 -Part2-」

1週間後の8月5日(金)に東京商品取引所(TOCOM)でセミナー(主催:日本フィナンシャルセキュリティーズ)を行います。フリーアナウンサーの大橋ひろこさんと一緒に、穀物、天然ゴム、貴金属、原油など、コモディティ市場動向について色々と話します。よろしければお越し下さい。まじめな勉強会というよりも、楽しめる感じの内容を目指しています。


7月24日(日)に大阪で開催したのと同内容ですが、これから微調整して最新動向にも対応します。


◆2016/08/05(金)18:30~

南アランドは対ドルで年初来高値更新目前に

為替市場では、対ドルで南アフリカ通貨ランドの軟化が進んでいる。イギリスの欧州連合(EU)離脱直後には一時1ドル=15.61ランドを付けていたのが、足元では14.13ランドとなり、年初来高値14.09ランド(4月29日)更新も意識した値動きになっている。


イギリスのEU離脱を受けて一時的に新興国通貨からの資金引き揚げが見られたが、その後のリスクオンの地合の中で再びランドに対して上昇圧力が強くなっている。7月26、27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米国の早期利上げ観測が更に高まることが回避されたこともあり、このまま安定的なリスク投資環境が維持されると対ドルでのランド高トレンドは維持され易い。


これは、南アフリカでドル建て白金やパラジウムの生産コストライン切り下げに寄与することになる。なお、ランドが年初来高値を記録した4月29日時点での白金価格は1,052.70~1,082.90ドル。その後にイギリスのEU離脱などを受けて米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げサイクルに遅れが生じていることを考慮すれば、1,100ドル台は十分に正当化できる状況にある。ランドが高値更新サイクルに再突入すれば、PGM相場に対するサポート効果は大きい。


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日経新聞・貴金属相場コメント

日本経済新聞・朝刊(7月29日付)にコメントが掲載されています。

貴金属の国際価格上昇 米早期利上げ観測後退で 」(会員ページ)

 

NY 2016/07/28 コモディティマーケット概況

COMEX金*8は5.60ドル高の1,332.30ドル。前日引け後のFOMCが予想されていた程にタカ派の内容にならなかったことで、安値是正の動きが継続する。ただ、高値1,344.30ドルに対しては、上げ幅を10ドル程度縮小して引けている。


NYMEXプラチナ*10は10.70ドル高の1,138.90ドル。金相場の堅調地合を受けて、白金相場に対しても買いが膨らむ。これまで金相場の軟化が上値を圧迫していたが、その制約が外れたことで素直にパラジウムの急伸に連動する値動きに。


NYMEX原油*9は0.78ドル安の41.14ドル。引き続きガソリン在庫の余剰が警戒される中、下値切り下げ傾向が維持されている。前日に発表された米原油・ガソリン在庫の増加を蒸し返す展開に。GSが17年中盤までの横ばい見通しを示したことも売り安心感に。


CBOTコーン*12は4.25セント安の338.75セント、大豆*11は8.00セント安の978.00セント。高温見通しは維持されるも、イールドに対する影響は限定的との楽観評価から、戻り売り優勢の地合に回帰。輸出統計も低調。


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原油価格、世界金融危機後のチャートとの比較

原油価格がボトム形成からどのような回復基調をたどるのか、2008~09年の金融危機時の安値形成からのリバウンド局面と比較したのが下の表になる。世界金融危機後もこの時間帯に大きな調整局面があり、その後も比較的大きな乱高下を繰り返しながら緩やかなペースで値位置を切り上げている。今回も同様の価格トレンドを形成すると、年末時点で55ドル水準が一つの目安になりそうだ。


無題 

GS=原油価格は横ばい続く

米金融大手ゴールドマン・サックス・グループは、2017年中盤まで原油需給環境がほとんど変わらないため、原油価格は45~50ドルの現行レンジが続くとの見方を示した。


原油ファンダメンタルズの改善は依然として脆弱であり、需給改善とそれを相殺する力の交錯が続くとしている。カナダの森林火災に対してはイランの増産、インドや中国の需要拡大鈍化に対してはナイジェリアとベネズエラの減産、石油製品の在庫増に対して原油在庫増と、強弱材料の打ち消し合いが続く中、需給ファンダメンタルズの改善基調に不確実性が残るとのロジックである。


下期は日量23万バレルの供給不足が想定されているが、短期的には、原油ファンダメンタルズよりもドルの動向に影響を受ける可能性が指摘されている。 世界的な需要減退、 リビアやナイジェリアの増産があれば、35ドルを下回る可能性が想定されている。

 The improvement in oil fundamentals remains fragile and continues to feature large offsetting forces: wildfires have helped offset surprisingly strong Iran production, slowing demand growth in India and China in 2H16 will help offset production issues in Nigeria and Venezuela and finally product builds have offset crude draws

米ガソリン精製マージンが急低下

米国のガソリン精製マージン。5~6月前後から精製マージの急速な縮小が確認できる。ガソリンに対して原油がなお高値圏にあり、バランス修正の必要性が徐々に高まっている。ガソリン価格の反発なくして、原油価格の反発も困難な状況になっている。しかし、そのガソリン相場はドライブシーズンの終わりに向かう段階にあり、それが原油相場に売り安心感をもたらしている。


無題 

厳しい海上石油リグ活動、ノーブル決算より

海洋掘削サービス会社ノーブルの4~6月期決算では、調整後の1株利益が0.01ドルに留まった。純利益は3億2,290万ドルと前年同期の1億5,900万ドルを大きく上回ったが、契約を打ち切ったフリーポート・マクモランから和解金として3億7,900万ドルが支払われた結果であり、なお厳しい経営環境が続いていることが確認できる。同社は、「業界の状況はなお厳しい(Industry conditions remain challenging)」として、通年の設備投資計画を従来の8億ドルから6億7,500万ドルまで下方修正している。


米国のシェールオイル分野では生産再開の動きも報告され始めており、リグ数の増加も確認されている。ただ、海上でのリグ稼働はなお厳しい状態にあることが示されており、海底油田開発の動きの鈍さが窺える。同社の海上リグ稼働率は51%であり、前年同期の74%から大幅に低下している。



無題

 

WPIC=新たなプラチナ投資の喚起へ

ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)は7月27日、Bullion Vault社と共同でプラチナ現物投資のオンライン・プラットフォームを設置することを明らかにした。LPPMのグッドデリバリーのプラチナ地金を、既に金や銀地金などを取り扱っているBullion Vault社のプラットフォームでも売買できるようにする。保管場所はスイスが予定されており、10~12月期の取引開始が目指されている。


WPICは南アフリカのプラチナ鉱山業界が立ち上げた組織であり、 その一つの目的に新たなプラチナ需要を喚起することで、プラチナ需給を安定化(更には引き締める)させることにある。既にプラチナ上場投資信託(ETF)の立ち上げなどで一定の役割を果たしているが、新たな投資需要を喚起するツールとしてプラチナ地金販売にも本格参入することになる。


現状では、金地金から多くの投資需要を吸収するのは難しい状況だが、新たな投資ルートが確立していることは確認しておきたい。このプロジェクトが成功すれば、プラチナ地金マーケットの規模拡大が、プラチナの投資需要環境を一変させる可能性はある。


なお、Bullion Vault社は6万人以上の民間顧客を有しており、金地金35トン、白金600トンを顧客口座勘定で保有している。

追加利上げを支持したFOMCに対して、買いで反応した金市場(有料)

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8月上旬の穀倉地帯で気温上昇予報

8月上旬に向けて気温上昇予報が再浮上。五大湖南部で特に気温上昇傾向が強まる見通し。ただ、降水量に関してはそれ程深刻な落ち込みが予想されている訳ではない。ホット・アンド・ドライ警戒というよりも、高温警戒。


8月になればトウモロコシの受粉はピークを過ぎており、こちらへの影響は限定的との楽観ムードあり。一方、大豆は8月の気温と降水量がなお大きな意味を持つため、気象予報通りに高温傾向が強まれば大豆のリバウンド余地が拡大する。


今年は、ホット・アンド・ドライ予報が外れ続けているが、改めて天候プレミアム加算が可能なのか、受粉期としては最後の挑戦になりそうな状況にある。



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FOMC後の利上げ織り込み度合は?

フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場では、12月時点の金利予想として据え置き57.3%、1回の利上げ36.8%、2回の利上げ5.8%を織り込んだ状態に。金利据置は前日の48.5%から逆に低下しており、最近のタカ派評価の織り込みは若干のオーバーシュートと評価されたことを確認。これが、ドル安・貴金属高の原動力になっている。

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なお、9月 時点だと金利据え置き82.0%、1回の利上げ18.0%を織り込んだ状態に。こちらも金利据え置き予想は前日の80.0%から上昇。

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7/26-27FOMCの解説

マクロ経済環境については、「労働市場が力強さを増し」、「経済活動が緩やかな速度で拡大している」、「雇用の伸びは5月は弱かったが、6月は力強かった」、「家計支出は力強く伸びたが、企業の設備投資は軟調だった」など、企業設備投資部門を除くと特にネガティブな表現は見られない。今回はドル高による貿易活動への影響も特に指摘されておらず、景況感の改善が窺える。


特に注目されるのは 「短期的な経済見通しへのリスクは低下した」との文言であり、イギリスの欧州連合(EU)離脱があったにもかかわらず、6月時点と比較すると見通しのリスクは低下したとの楽観的な文言になっている。ただ、ここではあくまでも「短期的な」との限定が行われており、当局はまだ先行きに強い警戒感を抱いていることが窺える。


FF金利の誘導目標は0.25~0.50%で据置になったが、これは市場コンセンサス通り。特に今後の追加利上げについて踏み込んだ発言も見られない状況に。 カンザスシティー連銀総裁が利上げ主張で反対票を投じたことが、やや目立つ程度である。


全体的に、年内利上げの道筋があることを示唆する内容になるも、それを決定的と言える程の文言は見られない。警戒されていたのは、9月利上げ、12月の再利上げという年内2回利上げシナリオだったが、今回の声明文からはその可能性はほぼ消滅したとみて良いだろう。最大で12月の年内1回の利上げがメインシナリオになる。
 

7/26-27FOMC声明文のポイント

6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に入手した情報は、労働市場が力強さを増し、経済活動は緩やかなペースで拡大していることを示している。
Information received since the Federal Open Market Committee met in June indicates that the labor market strengthened and that economic activity has been expanding at a moderate rate.  

雇用の伸びは弱かった5月から、6月には力強くなった。就業者数、その他の労働市場の指標は、ここ数か月で労働力の活用がいくらか進んだことを示している。家計支出は力強く伸びたが、企業の設備投資は軟調だった。

Job gains were strong in June following weak growth in May. On balance, payrolls and other labor market indicators point to some increase in labor utilization in recent months. Household spending has been growing strongly but business fixed investment has been soft. 


インフレは、委員会の目標である2%を下回り続けている。将来のインフレを示す市場の指標は低いままで、長期的なインフレ期待はここ数か月で余り変わっていない。
Inflation has continued to run below the Committee's 2 percent longer-run objective, partly reflecting earlier declines in energy prices and in prices of non-energy imports. Market-based measures of inflation compensation remain low; most survey-based measures of longer-term inflation expectations are little changed, on balance, in recent months.


短期的な経済見通しへのリスクは低下した。委員会は、物価指標、世界経済・金融市場の動向を引き続き注意深く監視する。
Near-term risks to the economic outlook have diminished. The Committee continues to closely monitor inflation indicators and global economic and financial developments.


委員会はFF期金利の目標レンジを0.25~0.50%で据え置くことを決定した。
Against this backdrop, the Committee decided to maintain the target range for the federal funds rate at 1/4 to 1/2 percent. 


カンザスシティ連銀ジョージ総裁が、0.25%の利上げを主張して反対票を投じた。
Voting against the action was Esther L. George, who preferred at this meeting to raise the target range for the federal funds rate to 1/2 to 3/4 percent.

NY 2016/07/27 コモディティマーケット概況

COMEX金*8は5.90ドル高の1,326.70ドル高。6月米耐久材受注の下振れを受けて、買い優勢の展開に。引け後はFOMC声明が予想されていた程にタカ派ではないとの評価から、ドル安連動で1,340ドル水準まで上げ幅を拡大している。


NYMEXプラチナ*10は29.20ドル高の1,128.20ドル。米耐久材受注悪化も、金相場が買いで反応したことが好感されて急伸している。パラジウムの高値更新が続いていることもポジティブ。引け後はFOMC声明に金相場が買い反応を示したことで、1,140ドル台まで上げ幅拡大。


NYMEX原油*9は1.00ドル安の41.92ドル。米原油とガソリン在庫が同時に増加したことが嫌気され、戻り売り優勢の地合に。改めて過剰在庫環境に対する警戒感が強まり4/20以来の安値を更新。FOMCの影響は特に確認できず。


CBOTコーン*12は3.50セント高の343.00セント、大豆*11は12.2セント高の986.00セント。8月上旬の気温上昇予報を手掛かりに、安値是正の動きが優勢になっている。ともに海外からの大口成約報告もポジティブ材料視される。


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金需給、アジアの落ち込みを相殺する欧米の需要

貴金属調査会社GFMSの発表した四半期レポートによると、4~6月期の世界金需給は96トンの供給超過になった。前年同期の168トンから供給不足幅が大幅に縮小している。


加工、公的部門、小口投資のいわゆる実需は715トンとなり、前年同期の 917トンを大きく下回った。しかし、上場投資信託(ETF)の需要が前年同期の32トンの売り越しから232トンの買い越しに転じたことなどを受けて、帳尻としては需給緩和傾向が強まることが阻止されている。


 アジアの現物需要は間違いなく弱い。イギリスの欧州連合(EU)離脱に伴う先行き不透明感よりも、金価格上昇のネガティブ効果が大きいためだ。しかし、欧米の投資家は金ETF、更にはコインを通じた金購入量を増やしており、価格上昇による需給緩和は回避されている。

 
引き続きイギリスのEU離脱がもたらす不確実性は金価格をサポートする見通しであり、更にはイタリアの銀行部門、低金利期待、米国の大統領選挙などが新たな買い材料になる可能性が指摘されている。イギリスのEU離脱が現在の金価格にもたらした影響は100ドルであり、米経済規模の大きさからは大統領選挙の影響は更に大きくなる可能性がある。 特に米国ではコイン・地金販売が拡大する可能性が指摘されている。


基調としては楽観的な相場見通しになっているが、投機買いが過去最高レベルにあることがダウンサイドリスクとして指摘されている。


(※需給表は、下記リンク先をご覧ください。著作権の関係で、当ブログでは公開しません)
 
Kitco:  World Gold Supply and Demand


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プロフィール
マーケットエッジ(株)代表取締役
小菅 努(こすげ つとむ)

1976年千葉県松戸市生まれ。

筑波大学。商品先物会社の営業部、営業本部、ニューヨーク事務所、調査部門責任者等を経て、現在はマーケットエッジ(株)代表取締役。商品アナリスト。

商品アナリスト・東京商品取引所認定(貴金属、石油、ゴム、農産物)。

貴金属、金属、エネルギー、ゴム、農産物などの商品先物市場全般がカバー対象です。他にマクロ経済・金融市場についても。



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