先日書いたこちらの記事にたいへん大きな反響を頂きました。お読み頂いた皆様、ありがとうございます。記事では、第1種登録選手の状況を整理し、選手がプロになることがいかに厳しいことかという点に触れさせて頂きました。


また、先日Jリーグの村井チェアマンがJ3からJFLの降格について発言した記事が話題となりました。アマチュアとプロの1線があるこの辺のゾーンについては、J3創設時もそうでしたが、様々な反応があり、議論が巻き起こります。

色々なツイートを見ながら疑問が湧いてきたのは、サッカー先進国である外国リーグのアマチュアリーグってどうなってるの?ていうところで、とりあえず漠然と認識しているところはあるものの分からない所も多いので、良い機会なので調べてみることにしました。

今回の調査対象はイングランドです。

皆様お分かりだと思いますが、私はプロリーグの詳細にはあまりというかまったく興味が無いので、調査範囲は下へ下へと潜っていきます。調査を開始してすぐに思ったのは、結局英語のページに辿り着くので、私の語学力では物凄く大変だということと、カテゴリーを降りていけば行くほど情報が少なくなっていくのは日本と同じだということ。日本語に訳されているものも情報が古かったり、我らがウィキペディア先生の情報も鵜呑みにしていいのかも分からないので、結局一つ一つ公式情報を辿っていくという、、

完全な沼でした(笑)

奇跡のコーチング クラウディオ・ラニエリ伝記

新品価格
¥1,944から
(2017/1/25 16:42時点)



それでは、気を取り直してまいりましょう。

イングランドフットボールリーグの構造

English football league system
https://en.wikipedia.org/wiki/English_football_league_system
英版ウィキペディア先生の図では、イングランドのフットボールリーグは
22部まである
ことが分かります。

日本語版ウィキペディア先生は24部まであると言ってるんですが、まぁ20以上あるんで、2くらいの誤差は深く考えないことにします(笑)が、12部から22部までつながる Mid-Sussex Football League の説明に、同リーグの最下層Division Nineがイングランドフットボールシステムの最下層とあるので、多分「22部まで」が正解なんじゃないかと思います。

英版ウィキベディア先生によると、全体で個別のリーグが140あり、Divisionは480あるそうです。また約5300クラブ、約7000チームが参加しているとのことです。日本の第1種登録チームが2015年度時点で5775チームなので、イングランドの方が1300チームくらい多いですね。

FAのリーグ管理サイト「FULL-TIME」
http://www.soccerstriker.net/html/worldsoccer/a_masamoto_02/wsb_12_a_mas_02_131113.html
上記のページに分かりやすいピラミッド型の構造図(1部~8部)とリーグ解説があります。私達がよく目にする華やかなリーグはトップリーグであるプレミアリーグですが、プロリーグは上から4部(Premier League、Football League)になります。

組織概要

Level 1:Premier League
Levels 2–4:Football League
Levels 5–6:National League
Levels 7–8:Isthmian League、Northern Premier League、Southern Football League
Levels 9–10:Combined Counties League 他13リーグ
Levels 11 郡リーグ

National League System
https://en.wikipedia.org/wiki/National_League_System
5部リーグから11部リーグまでの7つの階層で National League System(FA管轄)を構成しアマチュアサッカーの上位リーグを管理します。5部から11部はセミプロリーグとのことです。イングランドフットボール全体ではトップのPremier LeagueをLevel1として、日本で言う◯部をLevel ◯と表記しますが、National League Systemでは、5部リーグをStep1として11部リーグをStep7とするStep◯という固有の段階表記を用います。

Non-League football
https://en.wikipedia.org/wiki/Non-League_football
ノンリーグという言葉自体は、1992年以前のイングランドのトップクラブが全てFootball Leagueに所属していた時によく使われていた言葉で、現在は一般的に5部リーグ以下(表現としては1部~4部以外)の完全にプロフェッショナルでは無いリーグを指すようです。

Sunday league football
https://en.wikipedia.org/wiki/Sunday_league_football
サンデーリーグという表現は、日曜日にプレーするサッカーリーグを指し、プロリーグは通常土曜日に行われる事から対象的な表現で使われる事が多いようです。また、サンデーリーグは、一般的に低いレベルのアマチュアサッカーで、サッカーに費やす時間が短いカテゴリーを指すとのことです。

具体的には12部以下がサンデーリーグと呼ばれると思います。12部以下は、公式にはイングランドフットボールリーグのピラミッドの中には含まれず、それぞれの独立した組織が管理しています。リーグ間の組織化された昇降格は無いとのことですが、チャンピオンチームがより上位レベルを望むなら加わることはできるようです。またこのレベルの試合は観客席やその他の施設が無い公共の公園で行われることが多いとのことです。

リーグの規模(地理的な範囲)としては、
1部リーグから5部リーグが全国リーグ。
6部リーグは全体を南北に分けた2つのリーグ。
7部、8部リーグは全体を3つ(北部、南西部、南東部)に分けたリーグ。
9部、10部リーグは全体を14の地域に分けたリーグ。
11部リーグからは、郡単位に分けられ、さらにカテゴリーが下がると、リーグはどんどん小さな範囲になっていきます。

さて気になるプロ選手のお給料は

Mind the gap... Premier League wages soar with average salaries during 2014-15 season around £1.7million as the rest creep along
http://www.dailymail.co.uk/sport/football/article-3456453/Mind-gap-Premier-League-wages-soar-average-salaries-2014-15-season-1-7million-rest-creep-along.html

上記のデイリーメールの記事を参考にします。数字は、2014-2015シーズンの出場給とボーナスを抜いた基本給の平均値です。

1部:Premier League £170万ポンド(約2億4100万円)
2部:English Football League Championship £324,250(約4,600万円)
3部:English Football League One £69,500(約990万円)
4部:English Football League Two £40,350(約570万円)
※1£=141.7900 円で計算
※Premier Leagueでは、通常のボーナスを含めると£200万(2億8400万円)を超えるとのこと。

単純にJリーグと比べられないと思いますが、世界の1流選手がプレミアリーグを目指す理由が分かりますね。

ノンリーグを一番下まで追いかける

さて、アマチュアリーグを深く追いかけていってみましょう。起点はノンリーグ最高峰の5部リーグから。日本で言うところのJFLですね。

5部(全国リーグ)、6部(2グループ) 
National League
http://www.thenationalleague.org.uk/
冠スポンサー:Vanarama
5:National League
6:National League North、National League South
※プロフェッショナルクラブとセミプロクラブが混在している。 
※4部リーグ Football League Two の下位2チームが降格する。 
※5部はリーグ優勝チームと昇格プレーオフの優勝チームがEnglish Football League Twoに昇格する。
※6部は名称の通り南北リーグ。

7部、8部
7部は、Northern Premier League、Southern Football League、Isthmian League と3つの別リーグになっていて、それぞれDivisonが2つあり、下位Divisionが8部リーグとなっています。

Northern Premier League
http://www.evostikleague.co.uk/
冠スポンサー:EVO-STIK
7:Premier Division
8:Division One North、Division One South

Southern Football League
http://www.evostikleaguesouthern.co.uk/
冠スポンサー:EVO-STIK
7:Premier Division
8:Division One Central、Division One South & West
※イングランドのサウスウエスト、サウスセントラル、ミッドランド、サウスウェールズのセミプロフェッショナルクラブとアマチュアクラブが参加。

Isthmian League
http://www.isthmian.co.uk/
冠スポンサー:Ryman
7:Premier Division
8:Division One North、Division One South

9部以下は、全部追うのが無理なので関連性で追っていきます。追っていくのは、Southern Football Leagueの系統で、イメージとしては、Southern Football LeagueからStroud and District Football LeagueのDivision Seven(20部)に辿り着くまでって感じです。
※これを追うことにした理由は単純に追えたからです(笑)

9~10部(1グループ、14リーグ)
Western Football League
http://www.toolstationleague.com/
冠スポンサー:Toolstation
9:Premier Division
10:Division One
※イングランドを構成する9つのリージョンのうちの1つ「サウスウエスト」のサッカーリーグ。ブリストル、コーンウォール、デボン、サマセット、ドーセット西部、グロスターシャーとウィルトシャーの一部をカバーする。

11部(2グループ、43リーグ)
Gloucestershire County Football League
http://www.countyleague.co.uk/
冠スポンサー:MARCLIF
※イングランド南西部にある行政区域グロスタシャー郡のサッカーリーグ。

12~13部
Gloucestershire Northern Senior League
http://www.gnslweb.co.uk/
12:Division One
13:Division Two
※グロスターシャー郡サッカー協会所属。FAグロスターシャー郡リーグより1段下にあり、所属クラブはすべてグロスターの中心から半径50マイル以内にある。

14~20部
Stroud and District Football League
http://www.stroudleague.co.uk/
14:Division One
15:Division Two
16:Division Three
17:Division Four
18:Division Five
19:Division Six
20:Division Seven
※グロスターシャー郡サッカー協会所属。グロスターシャー郡の中心部、北のグロスターから南のチッピング・ソッドベリーまで。

長い旅路に果て(笑)に20部まで辿りつきましたが、日本のように都道府県リーグ>地域リーグみたいなシンプルな構造じゃなくて、クラブのホームタウンによって所属リーグも構造も名称も違うので、全体を把握するのが物凄く大変ですね。

とても感心したのは、11部リーグまでリーグに冠スポンサーがついていることです。11部リーグは州リーグになるので、日本でいうと地域リーグになると思います。日本でJFLや9つの地域リーグにそれぞれ冠スポンサーがついたら、、て想像すると、それだけで胸が熱くなりますね。

CUP戦に注目してみる

最初に公開した記事ではFAカップのみの記載でしたが、リクエストがあったのでカップ戦についてさらに詳細に掘り下げてみます。まずはイングラインドサッカー協会(FA)が主催する大会からいきます。

FA CUP
http://www.thefa.com/competitions/thefacup
The Football Association Challenge Cup。世界で最も歴史があるサッカーの大会であるFAカップは、2015年~2018年は、The Emirates FA Cup となります。

プロリーグである1部~4部。ノンリーグは5部~10部のクラブを対象として行われる大会です。

まず、予選は5部~10部に所属するチームが参加し、6回戦制の予選を勝ち抜いた32チームが本戦1回戦に出場。1回戦から3部、4部チームが参加、3回戦からプレミアとチャンピオンシップのチームが参加します。予選は前年8月~10月、本戦は11月~翌年5月まで月1で行われます。

一生忘れられない負け試合
http://plfjapan.blog.fc2.com/blog-entry-152.html

Liverpool相手に、ノンリーグのクラブが前半2-2で折り返す。Liverpoolのサポーター通称Kopが総立ちで、健闘を讃えて後半に向かうノンリーグのクラブに拍手を送る。想像しただけでも鳥肌が立ちますね。

FA Community Shield
http://www.thefa.com/competitions/hidden---the-fa-community-shield
The Football Association Community Shield。イングランドサッカー協会(FA)が主催。Premier League の優勝クラブと、The FA CUP の優勝クラブによって、毎年行われるスーパーカップです。

FA Trophy
http://www.thefa.com/competitions/fa-trophy
The Football Association Challenge Trophy。5部~8部のクラブが対象。

FA Vase
http://www.thefa.com/competitions/fa-vase
The Football Association Challenge Vase。9部~11部のクラブが対象。

FA Inter-League Cup
http://www.thefa.com/competitions/grassroots/fa-inter-league-cup
以前は NLSカップという名称で知られ、UEFA Regions' Cup に出場する英国代表クラブを決める大会。11部リーグのクラブから各郡リーグの代表チームが参加。
※UEFA Regions' Cupは、欧州のアマチュアクラブによる国際大会。
http://www.uefa.com/regionscup/

次からは、各リーグが主催するカップ戦で代表的なところを記載します。

EFL CUP
http://cup.efl.com/
The EFL Cupは、1部~4部までのプロリーグが対象。English Football Leagueが主催するリーグカップで、優勝チームにはUEFA Europa League への出場権が与えられる。

EFL Trophy
http://www.efl.com/checkatrade-trophy/
The EFL Trophy(Checkatrade Trophy) は、3部と4部が対象。English Football Leagueが主催。

7部、8部のクラブが対象となるリーグカップもあります。下記はそれぞれのリーグが主催しているカップ戦の一つです。

Northern Premier League Challenge Cup
http://www.evostikleague.co.uk/match-info/cups

また、11部リーグ以下は、郡協会が独自のカップ戦を持っているとのこと。

County cups
https://en.wikipedia.org/wiki/Category:County_Cup_competitions

クラブのカテゴリーによって、参加できるカップ戦が違うんですね。

National Leagueに注目してみる

Football Conference to be renamed as National League
http://www.bbc.com/sport/football/32194854
ノンリーグ最高峰ということで、National Leagueに注目してみます。5部リーグは、1986年から2015年の間は「Football Conference」という名称でしたが、2016年に「National League」に名称変更されました。

日本だとJFLに相当するリーグですが、5部リーグのNational Leagueに所属するクラブは、殆どがプロクラブで、6部リーグの、North、Southは、セミプロクラブが所属しています。プロクラブは、過去に上位リーグのFootball Leagueに所属していたクラブとのことです。

National League
http://www.thenationalleague.org.uk/
冠スポンサー:Vanarama
5:National League
6:National League North、National League South

まずは、お給料から。

Torquay United's players 'earn £375 a week' on average
http://www.bbc.com/sport/football/32018669
上記BBC Sportsの記事ですが、アマチュアリーグ最高峰の5部リーグNational Leagueに所属するTorquay Unitedの記事中に「全国平均が£479(週給:約68,000円)」とあります。年俸に換算すると、約£25,000(約355万円)となりますね。

National Leagueはプロフェッショナルクラブとセミプロクラブが混在しているリーグです。給与関係の英文を読んでいると、Full time player と Part time player という表記をよく見かけます。プロ選手がFull time player で、他に仕事をしながら試合に出ている選手を Part time player と言うようですね。

イングランドの下部リーグでサッカー選手として暮らしてみる!PART3
http://footballatuk.com/archives/627
ちょっと話はそれますが、上記は、実際にサッカー選手としてイングランドの7部と8部でプレーした玉井リョウさんの記事ですが、記事中でお給料に触れており、1ヶ月4万円という記載があります。それでは生活していけないので他にアルバイトをして生計を立てていたそうです。

次は、スタジアム。

National League (division)
https://en.wikipedia.org/wiki/National_League_(division)
上記ページにスタジアムのリストがありますが、Capacity(収容人数)の数値が2,455~16,567とばらつきはあるものの、割とこじんまりしている印象を受けました。

16,567とかどこやねんと思ったら有名なPrenton Parkだったので、そっちは置いといてCapacity:2,455のMaidstone UnitedのホームスタジアムであるGallagher Stadiumを見てみましょう。


良い。凄く良い(笑)

Gallagher Stadiumは2012年7月に完成した比較的新しいスタジアムですが、何とこのスタジアム、天然芝ではなく3G人工芝のスタジアムとのこと。上のカテゴリーであるEnglish Football Leagueでは人工芝の使用許可が出ないので昇格できないとのことですが、FAカップでは使用できるとのこと。Maidstone Unitedの公式アカウントのヘッダー画像や、ツイートにある画像や動画を見ていると、とても地域リーグな匂いがして心が落ち着きます(笑)ツイートを追ってみたら今年はゴール裏にスタンドを増設しているようですね。

英リーグ5&6部で人工芝解禁! 町クラブの経営改善に
http://premier-tokyo.net/%E8%8B%B1%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B056%E9%83%A8%E3%81%A7%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E8%8A%9D%E8%A7%A3%E7%A6%81-%E7%94%BA%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%96%E3%81%AE%E7%B5%8C%E5%96%B6%E6%94%B9%E5%96%84%E3%81%AB/
人工芝というキーワードが出てきたので、こちらの記事を。日本でもJ3やJFLであれば人工芝の導入を進めて良いと思っています。またJ1、J2のスタジアムはプレミアリーグでも導入が進んでいるハイブリッド芝の導入は進めるべきですね。

デッソ・グラスマスター
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%83%E3%82%BD%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC
私はJ3を最高到達点と考えるクラブがあっても良いと思っているので、クラブのビジョンや地域環境を踏まえて身の丈の運営を考えた時に、無理してJ1規模のスタジアムなど作らず、できれば自前の5000人収容スタジアムを作るという発想を持つクラブが出てきても良いと思っています。

小さなスタジアムが示す大きな存在感、地域密着スポーツの最先端とは
http://footballatuk.com/archives/1491
Princes Park (Dartford)
https://en.wikipedia.org/wiki/Princes_Park_(Dartford)
上記は、6部リーグ National League South に所属する Dartford F.C. のホームスタジアムである Princes Park です。この素晴らしいスタジアムの建設費は約700万ポンド、日本円で約9億9千万円とのこと。記事中に記載があるとおり、自然保護や環境に関わる様々な団体からの支援や地方自治体からの融資も少なくないとのことですが、これまでの日本の風潮である従来ある施設利用や改築等で自治体に費用負担を丸投げするのではなく、近い将来、クラブ主導でスタジアム建設を計画し、支援団体や出資者を募り、予算計画を立てて自治体からの融資を取り付けに行くようなクラブが出てきたら面白いのになぁと思います。

次は、昇降格について。

National League (division)
https://en.wikipedia.org/wiki/National_League_(division)
5部リーグのNational Leagueの優勝チームと昇格プレーオフを優勝したチームは、4部リーグのFootball League Twoに昇格します。

2015-2016 シーズンは、
リーグ優勝: Cheltenham Town F.C.
昇格プレーオフ優勝: Grimsby Town F.C.
の2チームがFootball League Two に昇格しました。

Cheltenham Town F.C. は、1887年創立で今年で130周年を迎えるクラブです。愛称は「Robins」。ホームスタジアムはWhaddon Road(LCI Rail Stadium)。
1999-00シーズンに当時の3部リーグ(Football League Twoと同位)に昇格し、以降15年間Football Leagueレベルに所属します。2006-07には Football League Oneに昇格。2009-10からFootball League Twoへ降格し、2014-15シーズンが23位の成績でNational Leagueに降格しました。2015-16はNational Leagueを優勝し、1年でFootball Leagueへの復帰となりました。
Football League Two 2016-17シーズンの成績(17/1/24時点)は22位で降格ラインぎりぎりにいますね。

Grimsby Town F.C. は、1878年創立。今年で139年目。愛称は「The Mariners」。ホームスタジアムはBlundell Park
2009-10シーズンにFootball Leagueレベルから降格。2010-11から2015-16の5年間を5部リーグで過ごし、2015-16のプレーオフを制して、Football League Twoへ昇格しました。
Football League Two 2016-17シーズンの成績(17/1/24時点)は11位と好調ですね。

2015-16をもってFootball League Twoから降格してきたクラブは下記の2クラブです。
23位: Dagenham & Redbridge F.C.
24位: York City F.C.

Dagenham & Redbridge F.C. は、1992年にRedbridge Forest(1979年設立) と Dagenham(1949年設立)が合併してできたクラブ。Dagenhamを起点とすると今年で68年目。愛称は「Daggers」。ホームスタジアムはVictoria Road (Dagenham)。
2007–08シーズンからFootball League Twoに所属し、2010–11には Football League Oneに昇格するなど9年間Football Leagueレベルに所属も2015–16シーズンでNational Leagueに降格。
National League 2016-17シーズンの成績(17/1/24時点)は4位と昇格プレーオフ圏内にいますね。

York City F.C. は、1908年創立。今年で109年目。愛称は「The Minstermen」。ホームスタジアムはBootham Crescent。2012-13シーズンから4年間をFootball League Twoに所属し、2015-16シーズンでNational Leagueに降格。
National League 2016-17シーズンの成績(17/1/24時点)はリーグ24位とリーグ最下位です。下位4チームは6部リーグへの降格になるため、現在は降格圏内にいるという一大事です。

York City FC Fixture List
http://www.yorkcityfootballclub.co.uk/fixtures-results/fixtures-list/
York City F.C.の戦績リストですが、9月1週のリーグ戦で勝利して以降、12月2週のFA Trophyまで勝利が無く、リーグ戦の勝利は12月4週なので、約3ヶ月間リーグ戦の勝利が無かった事になります。この時期のYork City F.C.ファンのツイートを追うと中々厳しいコメントが見られます。

Mills Appointed First Team Manager
http://www.yorkcityfootballclub.co.uk/fixtures-results/fixtures-list/
York City F.C. は、10月に監督をJackie McNamara から Gary Millsに交代しました。Gary Mills は、2010-13の3シーズンYork City F.C.の監督を務め、2011-12シーズンは昇格プレーオフを優勝して、当時 Conference Premier (5部リーグ)だったクラブを Football League Two(4部リーグ)へ昇格させました。また同年のFA Trophyも優勝し、90年の歴史あるクラブ史上初となる全国規模のカップ戦を制しました。York City F.C.にとって一番良い時期を作り上げた実績のある監督ですね。監督交代後2ヶ月ほど経って12月、17年1月と勝ち星が出てきているので、なんとか持ち直したようにも見えますね。

さて、York City F.C.を掘り下げた理由は、昇降格チームの現在を見るという理由の他にもう1つ理由があって、York City F.C.は2018年に新しいホームスタジアムとなる York Community Stadium が完成します。このスタジアムは、York City Knightsというラグビークラブと共有し、収容人数は約8,000人。レジャー・スポーツ施設やコミュニティーハブを併設した多目的スタジアムです。

York Community Stadium
http://www.yorkcommunitystadium.co.uk/
私は、那覇市で行われたJリーグ主催のスタジアム説明会みたいなの(※正式名称失念しました(汗))に参加したことがあるのですが、Jリーグが勧めていたのは、サッカー専用の複合スタジアムで、ブンデスリーガのスタジアムを例示して説明していましたが、商業施設を併設した見栄えの良いものが並んでいて、これなら確かに民間への提案としては魅力的なものだなと思いました。ただ、公共団体への提案としては、他のスポーツ施設を併設している York Community Stadium って凄く向いている気がするんですよね。

York Community Stadium: Delayed opening set for 2018
http://www.bbc.com/news/uk-england-york-north-yorkshire-35764322
スタジアム建設費は最終的に約£4400万(約62億1700万円)とのことですが、クラブは、新スタジアムの敷地購入のために「the Football Stadia Improvement Fund (FSIF) 」という団体から、£200万(約2億8200万円)をローンで借り入れたとのこと。

The Football Stadia Improvement Fund (FSIF)
http://www.fsif.co.uk/
団体名を直訳すると「スタジアム改善基金」ですかね。公式サイトの説明を見ると、FSIFはPremier Leagueから年間£600万(約8億4700万円)の資金を調達し、Football LeagueからNational League Systemのクラブまでを対象に、スタジアムの安全性を改善し、イングランドサッカー協会の ground grading (※日本で言うスタジアム要件)を満たすように、資金援助をする団体で、交付金は、新スタンドの建設、投光照明の設置、入場口(改札口)、まったく新しい場所への移転など、広範囲のスタジアムプロジェクトに資金援助を提供するとのこと。

Football Stadia Investment Fund
http://www.nottinghamshirefa.com/club/funding-and-facilities/fsif
Jリーグもダズンマネーの一部でこういう団体作りませんかね。Jリーグクラブライセンスの審査状況を見ると、屋根がー、椅子がー、トイレがー、と、スタジアム要件について何かしら言われているクラブが多いと思います。で、予算は自治体への丸投げになるため第3者への負担が増え、時間もかかりますが、自前で基金を作って資金援助をすれば、状況はかなり変わってくると思います。例えば、百年構想クラブまでという範囲で対象を設定(totoはJリーグ関係以外)すれば、クラブが百年構想クラブになる具体的なメリットも出てくるのではないでしょうか。

GROUND GRADING
http://www.thefa.com/get-involved/player/clubs-leagues/ground-grading
[PDF]GROUND GRADING
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjbyJSqjNvRAhVHurwKHXfYBnIQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fwww.thefa.com%2Fmy-football%2Ffootball-volunteers%2Frunningaclub%2Fbasicfinance%2F~%2Fmedia%2Fb571ee0d58474befa1dacd958dea88e4.ashx%2Fgroundgradinggroundimprovement_jan11.pdf&usg=AFQjCNFAfSPdltf4Hhc7zYLZRERNYFUq9A&sig2=Y_QeLyCN5ch8_BL1jNVOqg
イングランドサッカー協会が公開しているグラウンドグレーディングは上記のリンクになります。これはNational League Systemの各段階での採点要件を標準化するために策定されたものということで、グレードがA~H、その下にMinimum GroundということでStep7まであります。

最下層リーグに注目してみる

English football league system
https://en.wikipedia.org/wiki/English_football_league_system
イングランドのフットボールリーグは22部まであるので、どうせならということで、最下層リーグを有する Mid-Sussex Football League について調べてみました。

Mid-Sussex Football League
http://www.midsussexfl.co.uk/
https://en.wikipedia.org/wiki/Mid-Sussex_Football_League
冠スポンサー: GRAY HOOPER HOLT LLP
12:Premier Division
13:Championship
14:Division One
15:Division Two
16:Division Three
17:Division Four
18:Division Five
19:Division Six
20:Division Seven
21:Division Eight
22:Division Nine

Mid-Sussex Football League は、トップリーグを12部リーグとし、22部リーグまで11階層のリーグがあります。サンデーリーグと呼ばれるカテゴリーですが、このリーグにも冠スポンサーがついてるのは凄いですね。

各Division に参加しているチーム名を見てみると、チーム名の後ろに'A'や'B'といった表記が多いことが分かります。その内の一つ AFC Uckfield Town を見てみると、サードチームがDivision Oneに、フォースチームがDivision Nine にいるということですね。クラブが複数のチームを持っている場合は、力量にあった地域のリーグに参加しているということですね。

またリーグはTwitterのアカウトも持っています。 @MSFLChat 
参加チームやファンのツイートを積極的にリツイートしてますが、同じ匂いがするのでとても共感が持てます(笑)

それでは、試合会場について調べてみましょう。

Roffey FC Reserves は、Championship に参加しているチームですね。うん、写真の風景が何とも言えず心地よい。
 
FA Full-time
上記サイトでリーグの順位表や試合結果が参照できます。最下層リーグまでFA管理のサイトで結果が確認できるのは素晴らしいですね。せっかくなので、Division Nineの試合結果を表示して、FairfieldとAFC Ringmer II のカードを見てみると、試合会場は the Green Elephants Stadium, Leylands Park とのことですので見てみましょう。

LEYLANDS PARK
https://www.footballgroundmap.com/ground/leylands-park/burgess-hill-town

うん、凄く良い(笑)

サンデーリーグは、公共の公園等で行われるとのことですが、日本の地域リーグや都道府県リーグでよく見かける配置、風景で、なんかホッとしますね。

次に、昇格について調べてみましょう。

Mid-Sussex Football League は、11部リーグの Southern Combination Football League Division Two とつながっています。2015-16シーズンのMid-Sussex Football League Premier Division チャンピオンは JARVIS BROOK FC。公式サイトは見つけられませんでしたが、ツイッターアカウントはありました。 @JARVISBROOKFC

Short Form League Tables
http://www.scfl.org.uk/pages/tables.html
今季 2016-17シーズンは、Southern Combination Football League Division Two に昇格し、現在(17/1/25時点)リーグ3位と好調ですね。

カップ戦もありました。

The FA Sunday Cup
http://www.thefa.com/competitions/grassroots/fa-sunday-cup
イングランドサッカー協会主催のサンデーリーグのカップ戦もあるんですね。

それでは、最後にイングランドからコミュサカテイストを感じるツイートを拾ってみましょう。

"緊急の助けが必要です。ピッチを温めるために車で助けに来てください!私達にはより多くの車が必要です!"
 ピッチ凍ってるから、みんな車で来て温めて!って凄い呼びかけですね(笑)寒いイングランドならではですね。

世界中でみんな頑張ってますね。私達も頑張っていきましょう(笑)
 
さいごに

階層の深さ、リーグの多さ、チームの多さと、文化の違いを思いっ切り感じたわけですが、学べるところはたくさんあるし、良いところはどんどん吸収していきたいですね。

最後に、私達がアンダーカテゴリーの試合を観戦して感じることを、イングランドのファンも感じているようで、良いなと思った記事を紹介して終わりたいと思います。

【現地記者の英国通信】イングランドで注目度急上昇のノンリーグの現状と人気の理由
http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=13236
※記事中引用
ブロムリーファンが居座ったその場所は、立って観戦するファンと座って試合を眺めるファンが混在していた。
 
 ファン同士の会話や声援からは決して11歳(ルーカスの年齢)に適した言葉は聞き出せなかったが、彼らは愛するチームと選手に向けたチャントを歌い続けていた。そうした光景はフットボールを純真に愛する非日常的な日々を思い起こさせた。
 
 イングランドのスタジアムはピッチとスタンドの距離が非常に近いのだが、ノンリーグの魅力のひとつとして、ピッチ内の選手の声をしっかりと聞きとれることが挙げられる。

イングランドの片田舎、番狂わせを起こし続ける「奇跡のクラブ」
http://dearfootball.net/article/1177
※記事中引用
フットボールを失う危機を乗り越えたヘレフォードのサポーターは今、この街でこうして試合が観られることを心から幸せに思っているように感じる。彼らにとって所属ディビジョンやレベルは問題ではない。勝ち負けでもない(もちろん勝つに越したことはないが)。ここにフットボールがあること。きっとそれが一番重要なのだ。

※英語力が乏しいため、記事中の表現におかしいところがあるかもしれませんがご容赦ください。やさしくご指摘頂ければ修正致します♪
※本記事は、管理人の雑記帳より転載し、調整しています。
管理人の雑記帳
http://ameblo.jp/commusoccer

フットボールのない週末なんて ヘンリー・ウィンターが案内するイングランドの日常

中古価格
¥946から
(2017/1/25 17:03時点)