はじめに
先日、友達から「ウェルカムボードを作って欲しい」と頼まれました。
どうやら、アクリルボードの間に新郎新婦の名前を挟みたいので、その文字を3Dプリンターで作って欲しいとのことでした。

「せっかくなので3Dプリンターでもいいけど、金属で文字削ったら高級感出ると思うよ」
と伝えたところ、
「それはいいね!」
と喜んでくれたので、
CNCで文字を削ることになりました。

内心、CADで描いて削るだけだから、2.3日あれば出来ると思ったので
「一週間ぐらいあれば出来る」と伝えてしまいました。


が、しかし
やったこともないのに安請け合いしてしまったのが、問題でした。


もし、これからCNCでウェルカムボードを作ろう、と思っておられる方がいましたら、自分の二の舞になって欲しくないので、この記事が参考になればうれしく思います。 

①加工可能なフォントを選ぶ

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一口に「文字」と言っても様々なフォントがあります。

CNCで使用するエンドミルがφ2mmだとすると、それより小さい穴・丸みのある文字は選べません。
選ぶと文字が不格好になってしまいます。

カッコ良さに加えて、加工出来そうな文字を選びましょう。

②CADで文字を書く。

今回、Fusion360を使って書いたのですが、
結構時間が掛かってしまいました。
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まず、加工するプレートを作って。

その上にスケッチ。
そして、これをオフセットしていけばいいと思ったのですが、このままだとスケッチとして認識してくれません。
アウトライン化する方法が分からなかったので、文字を上からなぞる手法に変更。
無題
文字を書けたら、次に各文字の周りにエンドミルが入る幅をスケッチしていきます。
大体エンドミルの径+1㎜あれば十分です。

今回2mmのエンドミルを使うので、文字の周りに3㎜のスぺースを描きます。
この作業は「オフセット」を使えば早いです
無題
そして、文字の周りを押し出しカットをします。

これにてCAD作業は完了!

③CAM化
「セットアップ」でワーク寸法と原点を設定。

次に「2D輪郭」を選択して設定していきます。

ここも結構迷いました。

何が大変かと言うと、数値の決定デス。
切削速度やら送り速度やら・・・

結論から言うと、これはもう経験ですね!


材料は今回0.5㎜のアルミ板を使いました。
(本当はステンを使いたかったのですが、加工が難しかったので急遽変更。)


そんで、まずは主軸回転速度を計算します
N=1000V(切削速度)/Pi(円周率)*D(エンドミル直径)

ここで分からないのは、Vです。
Vの値は表を参考します。(ググると出ます)
 今回、切削工具は”ハイス”で、材料はアルミです。
その時の切削速度は50-100です。
 
これを先ほどの公式に当てはめると、N=30000.
・・・
・・・
早すぎじゃない!?


汎用でやるときは300とかなので 、この数値にはビックリです。しかもウチのCNCそんなにスピード出ないし。

困ったあげく、結局安全を見てN=5000にします。 
そして、きれいに仕上げるためにゆっくり送ると考えて、切削送り速度は80にします。
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全体はこんな感じ↑
 無題
選択するときは、内側だけでOK。

後の値は、特にいじらなくてもOK!
シミュレーションをして問題無さそうなら、Gコード作成。


これにてデータ作成は完了!

➃加工段取り
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そして、やっとこさ加工に入れます!

段取りとしては、エンドミルが貫通してもいいように当て板を固定。
その上にアルミ板を両面テープなどで固定します。
 ※油を使用しますので、超強力両面テープを使用するといいでしょう。普通のだと加工中剥がれます。

0点を出したら、いざスタート!

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テープだけだと不安なので、切れ端で押さえます。

刃物が折れないか心配・・・

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加工終了!

まとめ
いざ慣れない事をすると分からないことだらけでした。
特にフォントの選択や加工条件を考えるのに時間がかかりました。
(一週間前から仕事終わりに始めましたが、土曜日当日の朝完成しました)

これから、ウェルカムボードを見る目が変わりそうです。

でも、一応出来たので、自信になりました。

またのご依頼を楽しみにしております。

HAN