2024年12月08日
「木」 近頃のトレンド part��
世界的な木造建築ブーム、といっても大規模建築に木が使われだしたというお話で、一般住宅に木が見直されてきたという意味では全然なし。
隈研吾氏の建築が木を使うことで高い評価を得ていますが、その木材が腐れてメンテナンスに莫大な費用がかかる、と話題になったりで、しかしまたそれは必ずしも建築家のせいとばかりは云えず、木はほっておけば腐るのはあたりまえです。
弊社もよく木を使います。が、やはり使い方に慎重にならなければせっかくのすぐれた材料も宝の持ち腐れになってしまいます。
弊社の事務所にもウッドデッキがありますが、やはり十年持たずに部分的に取り替えたり、塗装は三四年で塗り替えたりという努力は必須です。
外壁に木を使う場合は、厚さ18mm以上の米杉や国産杉、ヒノキと言った材を選ぶことは重要です。これまでの経験から言えば、米杉、又は焼き杉がオススメです。それから軒の出です。法隆寺が1300年保つているのもやはりあの深い軒の出が建物を雨から守っているのです。
できれば三尺は出したいところですが、最低でも600mmは必要です。そして霧除け。これも必須です。こうしたことに手間暇をかけてしっかりと施工することが大事です。
そう云えばよく巷で見かける軒のない建物は罪深いですね。隣地との問題などでやむを得ない事情はあるのでしょうが、少なくともデザインとして採用するのは罪でしょう。
なんとなれば、やはり住まいにおける木の優位性は特筆ものだと思うのです。素材は大事です。特に有機的建築、これを侮っては住まいは味気ないただの住むための箱に成り下がってしまいます。
残念ながら日本の建物に使われている外壁材、サイディング材などはなるべくなら避けたいものです。弊社では極力おすすめいたしません。
（注釈）サイディングは、1964年に窯業系サイディングの生産が開始されてから外壁の仕上げに
利用され始め、1990年代以降には主流となりました。施工が短期間で完了し、工事費用を節約
できるのが特徴です。また、デザインの種類や機能も豊富で、注文住宅の外壁としても人気が
あります。
利用され始め、1990年代以降には主流となりました。施工が短期間で完了し、工事費用を節約
できるのが特徴です。また、デザインの種類や機能も豊富で、注文住宅の外壁としても人気が
あります。
弊社も建築会社ですからお客様のご要望を無視してまでサイディングを否定しようとは思いません。しかし、建物は心の問題なのです。心温まる建築がわたしたちの最大のテーマです。そのためにできることはひとつやふたつではありません。六つも七つもあるのです。そうした選択の積み重ねが心温まる住まいづくりの集積なのです。
まずはそのことをご理解いただいたうえで 住まいづくりを進めること。
良い家造りは些細なことに妥協せず、美しくなる素材を吟味して、正しく使うことが住まいづくりを成功に導く唯一の鍵なのだ、と思います。
comohouse at 17:14│
│建築雑感
