薄れゆく伝統生きのこる職人

2025年02月19日

あらためて断熱材についておさらいする

暑さ寒さも彼岸まで

さて、その春のお彼岸まであと一ㇳ月余り。今年の寒さは身に応えます。この時期になると考えてしまうこと、日本の住宅はなぜ断熱にこうも無頓着なのか?なぜ我慢してしまうのか?
日本人の特性?辛抱強いのはながいながい日本人の歴史と DNA の賜物?
そうかもしれません。しかしそこでもう少し掘り下げてみると、答えは意外と単純で、冬の寒さよりも夏の暑さのほうが堪えるから、兼好法師の昔から「住まいは夏をもって旨とすべし」。わたしたちの体にはこの「DNA」が骨身にしみて抜けないのです。そして、夏の暑さは建具を全開して風を入れたらいいじゃないか!そこで個室という発想は雲散霧消し、襖と雨戸で場を仕切るというこの生活習慣がわたしたちの国を覆ってしまった。耐え難き夏の酷暑の前では冬の寒さはドテラを着込むことで満足させられてしまった。実にこれが二千年以上はつづいたわたしたちの生活習慣病と言っても良い伝統だったのです。
しかし流石にここにきて夏の暑さは「団扇、風鈴、打ち水」だけでは如何ともし難い。耐えがたい暑さはエアコンで凌ぐ他には手がないとなると今度はエアコンの室外機の熱に覆われさらに街は熱帯化して、頭はぼーとして気合いでやり過ごすような次元を超えている。
さて、そこでわたしたちは考えなければなりません。そもそも住まいの質が、性能が悪いのではなかろうか?家ごと断熱することは出来ないのだろうか?いや、きっと出来るはずだ。
ピンポン!
実は、日本最古の住宅、姫路市の近郊にあるその名も「千年家」はまさにこの発想で分厚い土壁と厚い藁葺の屋根でできた断熱住宅と言って過言ではありません。ただ、夏の暑さはしのげても冬の寒さはどうなのか?暮らしてみないことには何とも云えませんが、暖房すれば(囲炉裏や火鉢の事ですが)すぐれた能力を発揮しそうな気がしないでもありません。
さてしかし、そこに思いがいたるまでのなが〜いなが〜いわたしたちの道のり。冬暖かく夏涼しい家。それは決して無理な注文ではありませんでした。

優れた断熱材で家を建てればきっと冬暖かく、夏涼しい家が出来上がるに違いない。と、誰しも考えるようになりましたが、果たしてそうでしょうか?
断熱をその性能値だけで考えるのなら熱抵抗値のサイコーな商品を並べてくれば事足ります。気になる方はこちらをどうぞ。➡「コモハウスの標準仕様2025」

快適な住まいを考えるとき、その住まいの快適さを充分掘り下げなければ快適であることの方向性を間違えてしまいます。快適な住まいは断熱材だけでは解決しません。気密と換気、断熱と開放。
しかし、その前に、わたしたちはどのように暮らしを立てるのか?向き合うのは家族です。向き合うのは自分自身なのです。
そうすると私は考えます。3LDK?それは何なのか?
玄関があり、ホールがあり、居間があり、食堂があり、トイレ洗面浴室があり、それからおもむろに個室が三室。これが私の望む家?そんじょそこらのどこにでもある伝説の3LDK 。これが家づくりの肝なのか?と。
家はそれでも良いけれど、住まいはそれではすまされない。「住まい」はすぐれて人間的です。住まいは家という箱に魂を注ぎ込むものなのです。だからこそ住まいをもっと美しく拵えなければなりません。
断熱性能はその結果もたらされるもので、断熱性能を上げるために住まいを創造するわけではないというこのあたりまえのことに気が付かないと家は一瞬にして朽ち果ててしまいます。 

さて、古い、寒い我が家もあまりお金をかけずに暖かくすることが できるのをご存知ですか?
先日我が家の居間のレースのカーテンが紫外線でいよいよダメになり新調しようということでカーテン屋さんを訪れました。
接客してくれた女性がカーテン生地の長さのことで確認しますということで説明をしてくれたのですが、丈はいかがしますか?通常は床から1cmか2cm短くして裾の汚れを回避するのですがどちらがよろしいですか?1cm、2cm?
丈と幅は私が測ってきて指定したのですが、「いえ、このままでお願いします。この寸法は実際より3cmくらい長いんですけどカーテンは隙間なく窓を塞がないと冷気が入って役に立ちませんからこのままで」と説明すると、彼女、よくご存知ですね、そうですね、その通りですね、と。
うん、彼女はわかっている、しかし、それを説明しても なかなか理解されないのでしょうね。それよりも日本人は裾の汚れを気にするのだと。

断熱は今時の建築屋さんなら一通りの説明はどこでもしてくれます。R値を勉強すれば誰でも断熱材のエキスパートになれます。 
しかし、住まいづくりは断熱のために作るのではありません。
温めるのは体だけではなく、なにより心なのだとわたしたちは思うのです。
 

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