家が建たない過去から逃げてくる

2025年07月07日

七月七日の七夕もすぎて、

最近読んだ本で感激したのは「知られざる前島密 日本文明の一大恩人」。
横須賀に住んでいれば芦名の浄楽寺側の「前島密翁終焉の地」の碑が海岸線の道路の脇にひっそりと建ってあることはご存じでしょう。前島密が郵便制度の父と呼ばれているのもご存知の方が多いことと思います。
では、前島密が生涯をかけて築き上げた郵便制度についてあなたはご存知でしょうか?いや、あなた以上に私こそが実はあまり詳しくは知らない、というのが実情でした。

前島翁の郵便制度の創設にかけた想いと実現への苦難の道、そして郵便制度が実現することで我々が蒙った多くの恩恵を詳らかにすると、小泉純一郎の郵政改革がいかにデタラメで百害あって一利もなかった改悪であったことかが身に染みて分かります。
開国時に雪崩を打ってやってきた欧米人がすでに我が国で郵便事業を始めていたという事実。それも治外法権で日本国の行政の蚊帳の外、郵便や貨物が送られてきて、それを日本の代官所がチェックできない。何が運ばれてこようが欧米はいっさい日本の官憲の手配を受け付けなかったのです。それが麻薬であろうが武器であろうが日本の国内を堂々と流通して行く。さらに国宝であれなんであれ郵便の名目でなんであれ国外に持ち出すことが可能であるというこの事実。
これは不味い、と前島密は考えました。ここは日本である以上検閲はあってしかるべきでしょう。しかし、当時郵便制度もなく、飛脚に頼っている現状では大事な郵便も満足に届かない、江戸大阪ならまだしもそこから少し離れて兵庫だ姫路だというともう手紙はどこに行くのか当てもなく、行き先は飛脚に聞いてくれ状態では国の根幹も危ういではないか、と前島密翁は考えたのです。

そこから始まる郵便制度は物流の一大改革を伴って、やがて日本通運、日本郵船といった国策企業の誕生へと大きく発展してついには今につながるヤマト運輸や福山通運といった一大流通網の発展が日本を大きく変えていきました。
しかも前島翁は当時から現金の運搬も考えていたのですから驚かされます。

そうした長い歴史を断ち切って郵政民営化などと私たちを騙した小泉純一郎の悪行を改めて深く考えさせられてしまいました。民でできることは民で?民営化で郵便局は便利になりましたか?
国が自腹を切ってもやらなければならない事業はあるのです。警察を民間に移行して世の中が安定しますか?民間の軍事会社が国家を守りますか?利益の出ない国土防衛など民間の軍事会社がやる訳はありません。

今また農協の解体が小泉氏の息子さんの進次郎によって弄ばされていますが、私たちは小泉親子に騙されてはいけません。

前島密男爵は隠居後芦名に住まいを移して晩年を横須賀で終えたのですが、日本の郵便制度というものがこれほど素晴らしいものだとはこの本を読むまで知らなかったし、興味すらなかったのですから私もほんとうにバカでした。




comohouse at 20:51│ 日々これ精進 
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