ポケモンテーゼ

ポケモンの小説がメインのブログ。 独自の解釈を元にストーリーを展開しています。 ポケモンの真実を目撃せよ!!

番外編「素材」-9

ハリーセンは本来、その全身の針を逆立て丸々と膨らんでいるものだ。しかし目の前にあるそれはまるでピザのようにぺしゃんこで、針も寝ている。とても「ふうせんポケモン」に見える外観ではなかった。
「へぇ、締めるとこんな風になってしまうんですね。」
レイコが感心してそれを眺める。
「ただ単に締めたわけじゃないぞ。なんでこのハリーセン、食用にできると思う?」
そう、ハリーセンには食用に向かない。最大の問題点はそのタイプだ。ハリーセンは毒タイプのポケモンで、全身のトゲにテトロドトキシンと呼ばれる強力な毒を持つ。致死率の高い毒として知られており、トレーナーの間でもハリーセンだけは食べるなとよく言われている。毒のトゲはウロコが変化したものであり表面に絶え間なく生え揃っているため捌いて除去するのは困難である。
「伝統料理、とさっき言いかけていたな……」
つまり、最新の機械などで毒を除去したのではなく調理法があるという事だ。きっと料理人の間では常識なのだろうが方法はさっぱり思いつかない。
「お、考えてる考えてる。まあ少しヒントをやろう。毒のある部分を取り除いているわけじゃないんだな、これ。」
と、言うことは毒を無毒化していると考えるのが手っ取り早い。ハリーセンは水・毒タイプ……毒タイプを無くせば水タイプ……
「そうか、『水浸し』か。」
「水浸し」とは一部のポケモンが習得できる変化技で、技を受けたポケモンを単水タイプに変化させてしまう性質を持つ。

番外編「素材」-8

箸で身をほぐしながら一口。小骨はあるがそんなに気にはならない。よく煮てあるため柔らかくなっているからだ。蛋白な魚肉とコクのある味噌の味付けは食欲を増進させる。野菜にも良い感じにダシが絡まっており、添え物としての役割を演じている。鼻から抜けるような味の余韻が心地よい。箸をつけるペースもさっき以上に早まる。
「本当に美味しそうな顔して食ってくれるな。作った甲斐があるってもんだ。」
その食べっぷりは以前にも感心された事がある。まあ美味いのは本当なのだから仕方ない。味に限界はない。つまり「食」の欲求だけは天井知らずだ。それを追求する事は至高の趣味と言える。
「店主、そろそろさっきの話の続きを。」
そろそろこいつの種明かしが欲しい。何せこの魚肉は本当に「食べたことがない」味だからだ。
「気になるか、そうだろうね。まああまりジョウトじゃお目にかかれないからな。」
一人で勝手に納得しながら店主は何やら厨房に行ってしまう。再び出てきた時には人の頭くらいの何か黒い丸い物体を握っていた。良く見るとそれの表面にはトゲがびっしりと生えている。
「こいつは……ハリーセンか?」
疑問系になってしまうのも無理はない。何故ならそれから受ける印象は普段見ているハリーセンから受けるそれとは全く違うからだ。

イッシュポケモンオンリーバトル考察 第三回ナットレイ対策3

2:鋼タイプ、草タイプ
「技を受けきる」だけならこの2タイプでも可能。ただしジャイロボールの威力を抑えられるくらいの遅さと一応、じならしに対する耐性が欲しい。


オススメポケモン

モロバレル:
パワーウイップ1/4、鈍足、やどりぎ無効。「きのこのほうし」で眠らせて安全に攻撃できる。ただしこちらからも大ダメージを通せる技はないので長期戦になる。


シュバルゴ:
ウイップを1/4、じならし普通、ジャイロは遅いので全く効かない、と技の面では完封できる。メガホーン2、3発で倒せるはず。やどりぎのたねには耐性がないので早めに倒してしまいたい。


3:格闘タイプ
弱点はつけるが炎タイプと違って耐性はない。そのため交代出しは危険。他にも炎と違ってダメージは倍どまりなので案外耐えられてしまう可能性もある。特に対戦で人気なテラキオンはジャイロボール、パワーウイップのどちらを受けてもほぼ一撃で倒されてしまう。格闘技はほぼ接触技なので「てつのとげ」によって気合いの襷や特性「がんじょう」も無意味になってしまう。

以下、このブログでは珍しく具体的数値の話。
テラキオンは性格陽気、持ち物気合いの襷を想定。ナットレイがHP252振りならインファイトで、相手が満タンなら36%の確率でしか倒せない。ナットレイは防御に84振れば確定で1発耐える。防御特化ならいじっぱりでも耐える。コジョンドのとびひざげりはいじっぱりなら耐えないが陽気なら防御に補正性格をかければ耐える。つまり、これらのポケモンで確実に倒したいなら襷でなく威力に補正をかけるアイテムを持たせる必要がある。1.2倍の補正が掛かる拳のプレートか達人の帯が無難。

オススメポケモン

コバルオン、ビリジオン:
上の鋼、草とそれぞれ複合な格闘タイプ。コバルオンならパワーウイップ、ジャイロボールのどちらも受けて交代出しできる。耐久系の数値も高く、また防御の強化技補正を無視する「せいなるつるぎ」で「のろい」による強化も気にならない。


4:炎タイプの技を覚えさせておく
炎タイプでなくても炎技は覚えられる。以下は主な炎技とそれを覚えるポケモン一覧

ほのおのキバ:ムーランド、ワルビアル、クリムガン

ほのおのパンチ:ズルズキン

オーバーヒート:ゼブライカ

だいもんじ:タブンネ、サザンドラ

かえんほうしゃ:ミルホッグ、シビルドン、ゾロアーク



倒せそうなポケモンは意外と多い。

イッシュポケモンオンリーバトル考察 第二回ナットレイ対策2

前回の続きから、攻撃技について。

・アイアンヘッド
鋼、威力80。30%で怯み効果があるが先に攻撃できないと意味はない。後述の電磁波を使う場合はジャイロボールより優先される。マヒと怯みで相手の行動を47.5%封じてしまう。


・じならし
地面技、威力60。相手の素早さを一段階下げる追加効果あり。
前回挙げた3つはどれも炎タイプ、鋼タイプには今ひとつ。その為、そのどちらにも効く地面技が補助攻撃技として都合がいい。ナットレイは「じしん」を覚えないので多少威力は劣るがこのじならしを採用するケースが多い模様。完全な耐久型で攻撃技を3つも余裕がない場合は入らないが、アタッカー型の可能性があるならこの技にも注意しなければならない。とはいえ威力はたった60でタイプ不一致なのでパワーウイップの1/3しか威力はない。よってよほどの弱点でなければ大ダメージは受けない。


・しっぺがえし、おんがえし、どくづき
攻撃範囲が狭く、また威力も不足しているので余り採用されない。警戒する必要は特にないと思われる。


というわけで攻撃技は主に4つ。タイプ的には3つ。対策ポケモンを用意するならこれらにある程度の耐性があれば良いでしょう。

そして補助技。能力上昇系、妨害系共に良いものが揃っています。むしろ攻撃技よりも厄介なので、ナットレイを見たら挑発などでまずこれらを封じてしまいたいところ。


・やどりぎのたね
相手のHPをターン毎に吸収し自分のHPにしてしまう。
遺伝技。耐久性能の高さと噛み合うため、居座られると厄介な事この上ない。まさにナットレイの真の主力技。アタッカーでもダメージの補助として持っている可能性が極めて高い。対策としては草タイプに効かないので草タイプか「そうしょく」特性を交換出しすると良い。


どくどく
耐久型ナットレイがダメージ源として持っていることがある。基本的にはやどりぎのたねの補助的役割でありこの技自体を主体にはしてこないと思われるので警戒はそこまでしなくていい。毒、鋼タイプには効かないので上と併せて草・毒の複合タイプならこの手のナットレイは封殺できる。


電磁波
相手をマヒ状態にする補助技。これを持っているときは大抵上記のアイアンヘッドとセットで使う。ターンを稼いでやどりぎのたねの回復量アップを狙ってくる。アイアンヘッドを読んで交代し先制でダメージを与えていけばターンを稼がせないで済む。


のろい
攻撃防御を1段階上昇させ、素早さを1段階下降させる強化技。
ナットレイをアタッカーとして使うなら入れない手はないほど優秀な技。素早さ低下はジャイロボールの威力範囲を押し広げてくれるのでむしろメリットである。


まあこの辺が良く見かけられるナットレイの技です。
以上の点を踏まえてイッシュ地方のポケモンで対策をするなら、

1:炎タイプポケモンへの交代
ナットレイは炎タイプへダメージを与える有効な技をあまり持たないのでこれが一番効果的。大体交代してくるのでその後の対処を考えた技を打つべきでしょう。

オススメポケモン
ウルガモス:パワーウイップの威力を1/4まで押さえられ、且つじならしが弱点でない。そのため攻撃技では殆どダメージを受けない。まず交代してくるはずなので「ちょうのまい」で後続を倒す準備ができる。

シャンデラ:
ナットレイ側は相性の良いシャンデラやブルンゲルを用意している事が多い。シャンデラを倒すのには実はシャンデラが都合がよく、交代を読んでシャドーボールで倒せる。ブルンゲルもゴーストタイプが弱点なので対処可能。


更に続きます。

イッシュポケモンオンリーバトル考察第一回 ナットレイ対策

デボンコーポレーション東京支社(http://fangofiron.yu-nagi.com/index.html )で開催予定のイッシュポケモン限定シングルバトル。やはり対策必須ポケモンとして一番最初に名前があがるのはこのナットレイでしょう。

ナットレイの強さはその防御性能。他にはない以下の3つの要素が組み合わさった結果、その力は最大限に活かされています。

.織ぅ
草・鋼というタイプはこのイッシュ地方が初となります。非常に半減できるタイプの多い組み合わせですが、強みはそれだけではありません。このタイプの強みは「水、電気半減」でありながら「氷が弱点でない」という点です。通常の草タイプは氷が弱点なので水タイプは補助攻撃技として冷凍ビーム等氷タイプを持っている事が多いのですが、ナットレイにはそれほど通用しません。また、電気技を半減する地面、草、ドラゴンは全て氷で弱点を突けるため、電気タイプも補助攻撃技に氷タイプがよく採用されます。これらのタイプは総じて炎タイプの技を覚えにくく、ナットレイの弱点を突きにくいのです。
また、物理型の水タイプは補助攻撃技としてよく岩タイプ(ストーンエッジか岩なだれ)を採用する傾向にありますが、ナットレイは両方半減です。要するに水タイプに対して異様に強いというのがこのタイプの最大の強みです。

能力
ナットレイのHP、防御、特防はかなり高水準であり、また数値的にも防御特防が同程度なので、どちらに特化して運用しても同じような働きができます。つまりどちらよりに調整されているかがわかりづらく、判断を誤ると非常に不利な状況に陥ってしまいます。一応参考までに、ランダム対戦では特防特化型の方が多いようです。

F胆
「てつのトゲ」は接触技を打ってきた相手に相手の最大HPの1/8のダメージを与える特性。ダメージ量はそこそこ大きく、またこれによって気合いの襷などを潰されてしまう可能性があります。これによりナットレイを見せるだけで相手は「げきりん」系統の技を打つのを躊躇せざるを得なくなり、また「しんくうは」以外の先制攻撃わざを打つ際にナットレイへ交代される事を考慮しながら戦わなくてはいけなくなります。同様の効果をもつ「さめはだ」持ちには耐久向けのポケモンがいないので、こういったプレッシャーを与えられるのはナットレイだけの特徴です。



では、攻撃性能はどうかと言えばその値は決して低いものではありません。
攻撃力は並のアタッカーに比べれば当然低いですが、技の威力が非常に高く、決定力自体は物理アタッカーと呼んでも何ら問題はないほどです。以下にナットレイの持つ攻撃技を一覧にします。

・パワーウィップ
草タイプ威力120。主力技。威力が安定していて殆どのナットレイが所持している。

・ジャイロボール
鋼タイプ威力不定。
自分より相手が速ければ威力があがる。
最大威力は150にもなる。ナットレイの最も遅い個体はレベル50で素早さ22なので、以下の式で威力は計算できる。

[自分の素早さ÷22]×25

[]:ガウス記号、中身の値の小数点以下切り捨て。
この式から自分のポケモンがナットレイから受ける威力を計算しておくと良い。


長くなってきたので分割しますね。

番外編「素材」-7

美味しい唐揚げは二人で摘まんでいるとあっという間になくなった。
「少し食べ過ぎてしまいましたね……ちょっと心配です。」
レイコの言う通り、まだまだコースは続いている。肉自体はそんなにしつこく無いとはいえ、やはり揚げ物は揚げ物。かなりお腹になる。
「そんなに気になるならここで辞めるか?」
と、冗談めかして言ってみた。
「おいおい、お二人さんそりゃ無いでしょう?せっかく次はさっぱりとした物を用意して胃の調子を整えて貰おうと思ったのにな。」
そう言って店主が持ってきたのは汁碗。中には魚の煮付けと青菜が添えてある。量も少量で、重い唐揚げの次にはぴったりだ。
「ふむ、きちんと客を考えた順番……流石だな。」
正に今欲しいと思っていたような料理。長年の経験から考え込まれたコースなのだろう。
「ホウエンの郷土料理、アバサー汁だ。この料理はだな……」
と、店主の蘊蓄が始まりそうになる。
「ちょっと待て、そういう話は食べてからにしろ。今はまず無心で食べたい。」
料理を楽しむのに予備知識なんてものはいらない。目で見、舌で味わい、鼻で嗅ぎ、口で触る。その感覚が料理の全てだ。そして何より未知を堪能できるのは最初の一回だけなのだ。
「言うじゃねぇか。ならよく味わってくれよ。」

番外編「素材」-6

お酒をちょびちょび飲みながら料理を待つ。
「さて、お次はコレだ。」
店主の持ってきた皿には唐揚げがこんもりと乗っている。当然、ただの唐揚げではないのだろう。
その中の一つをつまんで一気に頬張る。
こういう料理は多少下品な食べ方でも構わない。その方が美味しいしな。
衣はサクッと仕上がっており、油も多すぎる事はない。続く肉の触感は柔らかいが、脂身は殆どないあっさりとした食感。そして仄かに口に残る香辛料のような香り。味付けも塩と胡椒による実にシンプルなものだが、絶妙だ。唐揚げとしては正に理想的な食感と味だ。
一つでは確証は持てないがこの唐揚げには心当たりがある。とりあえずもう一つ食べてみよう。
「手で食べないでください。みっともないですよ。」
おっと、レイコに怒られてしまった。きちんと箸を使う事にしよう。
2つ目を食べて確信した。
「これはヌオーの唐揚げだな?」
まず肉質、脂が少なくサラサラした感じは鳥類に似ているが固さは少々柔らかい。これは両生類の肉の食感である。決め手となったのは香り。味付けの胡椒とはまた違う山椒に似たこの香りはヌオー独特のものだ。
「おう、よくわかったな。」
以前、2、3度食べた事がある。最近市場でも増えているのだ。ヌオーは成長が早く生命力も強いので養殖に向いている。その生命力は半分に裂いても生きているほどで「ハンザキ」の愛称がついてる。食用ポケモンとしては大変美味な部類に入り、しかも高くはない。店主の揚げ物の腕もいいが、これは食材の良さもかなりある。

番外編「素材」-5

ああ、もっと食べたい。
そんな欲求が自分の中に渦巻いている。この料理の謎を解きたいが食べきってしまったので判断材料を失ってしまったのだ。
「ダメだ、考えてもわからない。この肉は一体なんなんだ?」
ここは大人しく諦める他なかった。プライドを欲求が上回っだ瞬間だ。
「若いの、まだまだだな。これはトリトドンの肉だ。」
「ト、トリトドン……なるほど。」
トリトドンと言えば浜辺に良くいる軟体動物ポケモン。浅瀬を這って歩き海藻を食べている、水地面タイプの奴だ。弾力性、磯臭さ、確かに言われてみれば納得できる。
だがしかし、トレーナー時代に一度、トリトドンを捕って食べようとした事がある。あの時は泥臭くてとても食べれたものでなかったと記憶している。
「はっはつは、トリトドンは入念な下ごしらえを必要とするのさ。水に漬けて泥抜きした後に更に揉み洗いだ。普通の店で扱ってないのはこの手間のせいだろうな。因みにわしはジョウトで一番トリトドンの揉み洗いが上手な自信があるぞ。」
ふむ、こいつには美味しい物を他人に提供したいという信念があるようだ。その為にならどんな手間も惜しまない、正に職人気質。
これは期待できる。
この一皿だけでそれが断言できる。
「ところでお二人さん、お酒はどうする?」
忘れかけていたが、これは宴会コースだった。さてどうするべきか。酒は料理を美味くするが、味の感覚を鈍らせる。ここは無難にいくべきか。
「そうだな、穀物酒を一杯。」
一応、アルコール込みの味付けなのだろうから一杯は頼んでおく。しかし濃度はそれほど高くはないので酔ってしまう事はないようなものを選んだ。
「では、私はカシスオレンで。」
レイコはカクテルか。どうも自分は甘い酒は得意じゃない。

番外編「素材」-4

宴会のコース料理、まずは前菜だ。この店ではお通しも兼ねている。こういった前菜はメインの料理を用意する場繋ぎ的な意味合いもあり、大抵は作り置きしておいたものが出る。当然、ここも例外ではなく、店主がすぐに持ってきた酢の物だった。野菜と一緒に白い切り身が入っている。これは……オクタンだろうか?
何はともあれ食べてみない事には何も始まらない。正体のわからないものを食すこの緊張感、これは適度に心地よいのだ。箸を口に運びまずひと噛み。
「むっ。」
違う、これはオクタンではない。弾力が強い。噛みきるには多少の力が必要だ。そして酢の奥から滲みでる旨味。仄かな磯臭さがあるがさほど気にはならない。むしろそれが絶妙な塩加減を演出してくれている。
不思議な食べ物だ。
噛めば噛むほど疑問が生じていく。
軟体動物系の肉である事は疑いようがないのだがどこか掴み所がない。この謎を解きたいが為に一口、また一口と箸が進んでいく。気がついた時には皿が空になっていた。
そこではっとなり顔を上げると店主がニヤニヤしながらこちらを見ていた。夢中になって食べていた事に満足な様子だ。
「なるほど完敗だ。認めよう、これは美味い。」
悔しいが自分を納得させられるだけの力がこの酢の物にはある。
「ふふ、ほら良い店でしょう?」
レイコは得意気な顔を浮かべている。普段は事務的な会話しかしない彼女がここまで自分に対して勝ち誇ったような顔を見せつけてくるのは恐らく始めての事ではないだろうか。

番外編「素材」-3

「おっと、誰かと思えばレイコちゃんじゃねえか。随分と久しぶりだなあ。」
店主は気前よくレイコに話しかけており、彼女が何度も足を運んでいた事を伺わせる。
「ええ。近くに来る用事があったものですから。」
近くと行ってもエンジュとチョウジの間にはすり鉢山があり、十数km離れている。今日はわざわざ足を運んできたわけだ。
と、店主が辺りをキョロキョロ見回す。
「おや、今日はビィルさんは一緒じゃないのかい?」
なるほど、ここは親父の行きつけの店だったのか。先代の社長でもあるビィル氏と言えば財界一の美食家としてよく知られていた。父の舌の確かさは自分も良くわかっているつもりだ。その父がこの店に通っていたのならばその味は確かなものだろう。
「現在会長は社長職を息子のアルバ様に譲って隠居しております。」
「なるほど、つまりそこの若ぇのがビィルさんの息子ってわけか。」
少々癪に障る言い方だ。親父よりも下に見られる事は何よりも自分を苛つかせる。しかし、こいつは大した男だ。言動からかなり親しい事が伺えるが、あの親父と対等に付き合える人物というのは知っている限り数えるほどしかいない。つまり、互いに認めあった仲であるという事だ。
「面白い、味には絶対の自信があるようだな。オレの腹を満たしてくれ!!」
「じゃあいつもビィルさんが頼んでいた宴会Bコースにするとしよう。レイコちゃんもそれでいいかな?」
レイコは無言でうなずいた。
Profile
黒蛛 (作者)
鋼ポケモンを使う程度の能力を持ったトレーナー。
癖のある戦い方で敵を翻弄する。

当サイト「ポケモンテーゼ」は黒蛛とWXC氏の共同企画によるもので、小説自体は2年前から書き始められていたもの。
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