スペイン大使館から、先日Sに手紙が届いた。
最近のスペイン本国での動向や、手続きの変化などの詳細が書かれている中に、
「7月○日、民法の一部改定がありました。今後は、同性も結婚が可能になりました」という説明文が。
「わあ、載っているよ。ずごい」と、S。
シンプルで事実のみを伝えたものだけれど、私たちには手紙のどの内容よりも光って見える。日本政府とEUの合意で、スペイン市民と結婚したものはEU諸国での配偶者待遇が得られる、というものもあった。
なんて話から、「ケッコン」よもやま話へ。
私もSも、結婚式にあこがれる年齢でもなし、もともと宗教色のきわめて少ない人間だから、教会結婚も神前結婚も興味が全くない。というか、一般的な「式」には全然興味がない。
だからスペインで同性婚法ができたということを、ゲイの解放運動としては大歓迎なのだけれど、「滞在権の保障」と、そうしたことを「選択できる」ようになったということが一番大きいわけで。
もちろん、ケッコンして、すぐにでも日本での滞在権が得られるのであれば、Sの状況を考えてケッコンを選択すると思う。だけど、今の日本じゃそれは不可能だとすれば、ちょっと冷静にケッコン自体を眺めることができる。
Sにとってのネックは、親。ケッコンするということは、実家のお母さんに知られてしまうことだから、「親へのカムアウト」というもう一つの大きなハードルをくぐり抜けなければならない。
それでも、Sがケッコンしたい理由は、EUでの結婚に伴う種々の権利の保障と同時に、この法律を作った現政府(サパテロ首相)に、この制度が海外でも確かに有効であり、スペイン市民への偉大なる貢献であったということを伝えたいということがある。
うーん。やっぱりpolitically correctな考え方をついついしてしまう私たち。複雑なおバカさん。この世代の特徴でしょうか、ねえ(笑)。
『ゼクシィ』じゃ、ありませんが、ケッコン自体にあこがれて、ただシンプルに喜んで結婚できれば、どんなにラクでありましょう。