ワイルドインベスターズ投資ブログ

     ~ グローバル投資への扉 ~   関東財務局長(金商)第1173号

2014年03月

逆の値動きにどこまで耐えられるか?


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週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第151号 逆の値動きにどこまで耐えられるか?

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今週はブラジルやロシアなど、新興国の株と通貨が上昇しました。


米国株が高値を更新する中で新興国のキャッチアップが鈍いと思っていましたが、
これまでの遅れを一気に取り戻す勢いです。

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「状況はどう考えても悪いのに、市場がそれを織り込み過ぎて強く上昇する」

これは金融の世界でしばしば起こることです。

問題のある会社や国の株は、じりじり下がり続けた後に突然ドーン!と上がります。

調子に乗って売り増しすると、とんでもない損失を食らいます。

買戻しできないまま破産することもあります。

ショート(売り)はロング(買い)の数倍難しいと言われる理由です。

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そこで慌てて買い戻したり、ドテン買いにすると今度はまたじりじり下がり続けます。

売ろうかな、と思うのですがまた急上昇するのが怖くて売れません。

すると今度は

「思った通り下げているのに、自分はポジションを取っておらず儲からない」

ということになるのです。

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何が問題なのでしょうか?

ほとんどの場合、その原因は「ポジションが大きすぎる」ことにあります。

一時的な上昇による損失に耐えられず、売りを継続できないのです。

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市場の先行きを見通すことを「車のエンジン」とするなら、
リスク管理やマネーマネジメントは「シャフトやタイヤ」にあたります。

いくら優れたエンジンを持っていても、
適切なポジションを取らなければ利益をあげることはできません。

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これは売りだけでなく、買いにも言えることです。

投資家は本来、一貫した戦略を継続できるだけのリスクしか取ってはいけないのです。

しかしみなそれを忘れて、短期間に大きな利益をあげようとしたり
自分の見通しを過信したりします。

それをやってしまう人は資産を減らす一方で、
適切にリスクを取れる人がどんどん儲けてゆくのです。

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さて、新興国の状況が良くなったわけではありません。

中国の不動産バブル崩壊は、信用収縮へと進んでいます。

ウクライナを巡る米露対立は、貿易や資金調達の幅を狭めます。

食糧価格の上昇は新興国民の生活を圧迫します。

これに米国の緩和縮小、そして利上げが重なるのです。

耐えられない国はいくつも出て来るでしょう。

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それが世界的な信用収縮につながれば、米国株も急落します。

しかしその後、ふたたび新高値を更新する可能性が高いのです。

あなたのポジションはその上下動に耐えられるでしょうか?

2割急落したときに損切りせざるを得ず、その後の上昇を見送るだけになってしまうのではないでしょうか。

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新興国の株と通貨のリバウンドは良い機会です。

自分のポジションが逆の値動きにどこまで耐えられるか、もう一度確認しましょう。


(終)


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投資戦略動画(公開用)20140328

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気になるチャート 20140328

新興国がキャッチアップを始めた。

ウクライナの緊張や、中国企業のデフォルトが報じられているが市場はある程度織り込んだということだろう。

LineChartMajorEq1f1_20140328 


























MSCI相対株価で見てもそれは明らか。
特にロシアブラジルのリバウンドが目を引く。

LineChartMajorEqvsMXWO1f1_20140328 


























通貨も新興国株の戻りが目立つ。
ただし中国元には注意だ。

LineChartMajorCcyUSD1f1_20140328 




























米国セクターもこれまで牽引してきた一般消費財ヘルスケアが変調をきたしている。
「米国買い、その他売り」のアンワインドの結果か。

LineChartSP10vsSPX1f1_20140328 




























産業用金属が下がって農産物価格が上がるのは、資源国にとってはつらい状況だ。
株価や通貨はリバウンドしても、苦境を脱したわけではない。
LineChartCmdtyIDX1f1_20140328 

FRBの卓越した市場期待コントロール



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第150号 FRBの卓越した市場期待コントロール

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米国のイエレンFRB議長はこの秋にも量的緩和を終了し、
その6か月後には金融引き締めが始まる可能性があることを示唆しました。

いつもながら見事な「市場期待コントロール」です。

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これにより、市場はしばらく株安とドル高に進むかもしれません。

しかしそれは力強い消費や雇用を背景とした引き締めですから、
いずれ株価は上昇に転じることになります。

1年後の利上げを今から織り込み始めるのです。
実際に行われるときはほとんどショックはないでしょう。

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FRBが市場との対話をする能力は、この数年で格段に進歩しました。

まず「将来こうするよ!」と早めに宣言してから市場の反応を見ているのです。

最初はショックが走り、市場が混乱します。

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しかしそれは数か月で織り込まれ、実際に行われるときには驚きはありません。

経営の基本「ノーサプライズ」を地で行く期待マネジメントです。

今回も緩和縮小を打ち出した時と全く同じパターンで、
ソフトランディングを狙っているのです。

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もちろん途中で何かあれば、予定を変更したり延期したりすることもあります。

たとえば新興国危機などが起れば、FRBは緩和縮小や利上げを見送るでしょう。

そのときは予定変更がサプライズとなって、市場を支えるわけです。

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この「市場との対話」は、金融理論のほかに投資家心理を理解していないとできません。

さらに修辞学的な才能も必要になります。

市場経験のある人々の中でも、限られた人間にしかできないのです。

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アメリカの恐ろしいところは、学者であるはずの人がそれを次々とやってのけることです。

グリーンスパンよりバーナンキ、バーナンキよりイエレンと、
ますます進化しているように思えます。

これは個人の才能ではなく、FOMCのメンバーやスタッフが総力を結集しているのでしょう。

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それと比較すると他国の中央銀行は、ひとつの立場に固執しているように見えます。

たとえば「インフレファイター」だとか「リフレ派」だとかです。

米国が金融政策を「成長と雇用の道具」として使っているのに対し、
その他の国はまず金融政策ありきです。

その結果、成長や雇用にあまり注意を払っていないように見えます。

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米国が1年後に金融引き締めを始めるとなれば、
新興国からの資金流出が加速するでしょう。

中国では不動産会社が潰れ、信用収縮の足音が聞こえます。

ウクライナでは騒乱の陰に、払えきれない借金があります。

破綻がいつ連鎖的に広がってもおかしくありません。

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こんなときこそ、マクロ戦略はチャンスです。

ロングオンリーでは儲けられない局面でも、利益を積み上げることができます。

ここから先数年は、我々の腕の見せ所になると感じています。



(終)


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