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週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第211号 地政学リスクの考え方(10)米中第二冷戦と中国バブル崩壊

週1回発行
                      ワイルドインベスターズ株式会社
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このシリーズの最後に、現在の地政学状況を確認します。

安倍首相の訪米と議会演説により、オバマ政権や民主党まで日本の味方になりました。

米国は海洋勢力の盟主として、大陸勢力である中国と対決することを選んだのです。

これは世界経済や株価に大きな影響を与えます。

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オバマの「豹変」には驚きました。

これまで毛嫌いしてきた安倍首相を歓迎し、「頼りになる同盟国」として持ち上げています。

伝統的に「親中反日」が多い民主党議員までそうです。

こんなことは今まで見たことがありません。

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中国はスプラトリー諸島を勝手に埋め立てし、米国の海洋権益をわがものにしようとしています。

またAIIB(アジアインフラ投資銀行)を設立し、ドルを基軸通貨から引きずり落とそうとしました。

「中国を発展させれば対立は薄まり、国際社会で責任のある行動をしてもらえるに違いない」

こういった希望は砕け散りました。

日本が痛い目に会って得た結論に、米国もようやく至ったのです。

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英独仏伊に豪州・韓国は、米国が制止するのを振り切ってAIIBに参加しました。

同盟国がドル覇権を切り崩す工作に加担するのは、制裁に値する裏切り行為です。

これらの国に対し、米国はかなり冷淡になるでしょう。

代わりに日本やカナダは厚遇されることになると思います。

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安倍首相の米議会演説は見事でした。

硫黄島で戦った米指揮官と日本守備隊の孫にあたる国会議員が握手し、「激しく戦った敵が、心の紐帯を結ぶ友」になったことをアピール。

安倍 → Abe → エイブ → リンカーンと結び付け、奴隷解放で尊敬される大統領とイメージを重ねたこと。

米国と日本はともに冷戦を戦い、勝利した「戦友」であること。

戦後は米国の支援によって最も恩恵を受けたのは日本であったこと。

日本の支援によって東南アジア・台湾(国として認めてます)・韓国・中国が発展したこと。

3.11の震災で日本が打ちひしがれていたとき、助けてくれたのは米国だったこと。

米国が世界に与えてきたものは「希望である」。そして日米同盟は「希望の同盟である」「一緒ならきっとできます」と締めくくりました。

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とてもポジティブで、勇気が湧いて来る演説です。

何度も謝罪を求められ、卑屈に許しを求めるこれまでの日本の姿ではありません。

同盟国から裏切られ、不安を覚えつつあった米国議員の心を揺さぶったことでしょう。

「俺たちはこれまで世界に貢献して来た。激しく戦った日本がそれを認めているんだ。これからも自信を持って一緒にやろうじゃないか!ウオー!!!」

アメリカ人の心にど真ん中ストライクを投げ込んだ感じです。

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この演説には実に多くの暗喩があります。

名指しはしていませんが、「中国が世界秩序を脅かしている」ことに日米で対抗しようと言っているのです。

日本の発展は米国の支援によるもの。

それを日本は感謝し、忠実な同盟国であり続けています。

そして中国の発展は米日の支援によるもの。

しかし彼らは友好的になるどころか、ますます居丈高になって軍事的圧力を強めています。

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中国は「米国と日本が開いてしまったパンドラの箱」。

中国を発展させたことで様々な災厄が世界に飛び出してしまいましたが、箱の底には「希望」が残っていました。

それが日米同盟だと言うのです。

これは米中第二冷戦の始まりを告げる演説です。

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中国では不動産会社や国営企業のデフォルト(債務不履行)が増えています。

日本の経験ではこれが銀行の損失となり、金融システムが危機に陥ります。

つまりバブル崩壊が隠し切れなくなったということです。

「米中第二冷戦」と「中国バブル崩壊」は、経済や株価に大きな影響を与えます。

我々は時間をかけて、その結果を目撃してゆくことになるでしょう。


(終)



今月号の会員レポート「Deep Inside 2015年5月号」や、2週間後のセミナーでこのことについて話します。

セミナー案内「中国企業デフォルトとバブルの予感」(ゲスト菊池真)2015/05/23(土)

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