2010年10月26日

点火一次電圧の強化 その1

電圧降下の原因を色々調べてみました。

イグニッションコイル一次側の電圧が低いだけでなく、ブレーキスイッチの電圧やポジションランプの電圧も低いことから、電源回路全体が降下しているようなので、配線全体に通っているプラス線すべてに通過するのは、ヒューズやメインキーという事になりますが、どちらも大きく抵抗があるわけでもなく、左右のスイッチがCBR400RRの物を使っているのでスイッチの配線がCB550のノーマルより細い為、少しの電圧降下がありますが、大きな原因はどうやらダイナ3のイグナイターユニットが大きく電気を使っているようです。

そうなるとイグナイターをどうにかする事も出来ないので(笑)、イグニッションコイルに入る電源線をバッテリーからリレーを使って直接入力してやる事にしました。


BATTIG-ONEG-START

上の画像は右のデジタルテスターでバッテリー電圧、左のオシロスコープではイグニッションコイルの一次電圧を測っています。
左から:停止状態
     イグニッションオン
     エンジンスタートです。
エンジン運転状態でバッテリー電圧に対し、点火一次電圧が低い状態がわかります。

配線図バッ直配線図

上図左側が今までの点火系の配線です。
右側がリレーを使ってイグニッションコイルに直接バッテリー電源を送る配線です。
キルスイッチから来る「黒/白」の配線をリレーのスイッチに使い、バッテリーとコイルをリレーを介して繋ぎます。


RELAY


実際の状態です。4本の配線が繋がるクロイのがリレーです。バッテリー直の配線はヘッドライトリレーに使っている線を分岐しました。



BATT-STRAIT

リレー回路装着後エンジン始動での左:点火コイル、右:バッテリー電圧です。
バッテリー電圧と点火コイルの電圧が当然のことながら同じです(笑
回転を上げていけば電圧も上昇します。

続いて一次電圧マイナス側の点火波形です。

1.29MS


1.64

上がノーマル状態で放電時間1.29ms(ミリセカンド・1/1000秒)、下がバッテリー直電リレー使用で1.64ms。
電圧が高くなった分放電時間も長くなっています(つまり強い火花が飛んでいると思われます)。

このテスターはヒューズを取り外して、外したヒューズをブレーカー代わりにして回路に流れる電流を測るMAC TOOLS  ET302Mという電流計です。
本来ミニヒューズ用ですが、配線加工してオス・メスのキボシをつけて、上の配線図にあるΑの部分、イグニッションコイルの入力線に直列に繋ぎ、走行時の消費電流を測定します。


ET302M




RUN
電圧もバッテリー電圧ではなく、上図Vのところ(一次側の入力電圧)を測定出来るように配線し、実際に走ってみました。

走った感じでは、かなり力強くなった印象です。
アクセルのツキも非常によく、エンジン自体もスムーズに回っている印象です。
26パイのCRキャブを装着しているので、低開度が濃い目になるのは仕方のない事ですが、ノーマルキャブのようにというと大袈裟ですが、かなりマイルドというか開け閉めが軽くなりました。

走行状態の電圧、電流の変化はこちら

回転の上昇と共に、電圧電流とも減少します。
停止状態での測定と実際の走行状態では違うようです。
回転の上昇と共にスパークの回数が増えるので、一次電圧の立ち上がる時間が短くなるせいではないかと思います。

さて、一次電圧を高める事により、点火の状態が良くなる事がわかったので、次は非常に気になっている新しいパーツをテストしてみたいと思います。
お楽しみに!  
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2010年10月23日

MFJスーパーモタード 関東東北エリア選手権 第5戦伊那ラウンド

dart


有志により運営されているスーパーモタードMOTO1関東、東北エリア オフィシャルサイトのカメラマンとして、10月3日開催された第5戦伊那ラウンドに行ってきました。

伊那での撮影でコース内から撮影したのは初めて。
今までコース外からの撮影(今年の全日本も)はやった事ありましたが、内側からは色々な撮影場所があって、なかなか良い写真が取れたかと思います。

オフィシャルサイト掲載の画像はこちら

オフィシャルサイト未掲載の練習走行画像(全クラスではない)はこちらMOTO2    MOTO1OPEN
 MOTO3


junp



bank


1corner


上3枚は全日本にも参戦中、MOTO1OPENクラスの現役高校生ライダー 天野 拳選手 。
ロード、モトクロスでは高校生ライダーも珍しくはありませんが、モタードでは現在、彼のみ。
成長していく天野選手の今後がたのしみです。


また、当日のレースレポートも動画と共にオフィシャルサイトにアップされています。
是非ご覧ください!


エリア関東、東北の最終戦は今月末10月31日のツインリングもてぎでの開催で、この日は全日本の最終戦と同日の開催にになります。
全日本のトップクラスの走りも見れて大いに盛り上がる事でしょう。
皆さん、お誘い合わせのうえ是非ご観戦ください(残念ながら私は法事で行けません・涙)

というわけで、一足お先に今年の活動は終了しますが、らいねんも可能な限りお手伝いしたいと思っています。
では、選手及び関係者の皆さま、最終戦頑張ってください!!!




  
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2010年10月16日

ファイナルカウントダウン その4

USED PLUG

11日は朝から天気よく、走るには最高っぽかったですが、この先の天候が張れるとも限らないので、出かけずにレースの準備日にしました。


今年は良く走っているので、レース前に新品プラグも投入します。
このところキャブの塩梅は非常によかったので点検してませんでしたが、結構クロイ・・・しかもデポジットも・・・・(汗

FCRのセッティング時、その前につけていたCRの時、このプラグにするまでのイリジウム時にはデポジットがつくことはなかったので、これが電圧降下のせいなのか、そもそもいつ頃から電圧降下が起こっていたのか、そのあたりはしっかり今後調べておきたい部分です。


PLUGTERMINAL

イリジウムがあまり長持ちしないので、コストパフォーマンスに負けて標準プラグにしましたが、イリジウムが持たないのも電圧降下に原因があるのかもしれませんが、今回も標準タイプで行きます(笑

テーラーのコードを使っているのでターミナルキャップが必要になりますが、私、結構な数のターミナルキャップは確保済みです。
ターミナルキャップの緩みにも相当悩まされましたが、このところは締めあげた後4か所ポンチを打つ事で解消しています。



CAM CHAIN TENSYONER

プラグを交換して色々見ていると、カムチェーンテンショナーアジャストボルトからのオイル滲みを発見。

TENSYONERO-RING

レースに向けて、先日の一次コイルマイナス線の抜けが見つかったり、事前に色々見つかって本当にラッキー。
しかも規格品じゃないОリングなので予備ももっていて更にラッキー!


あとはオイル交換して(今回もフィルターは無交換)

FILLER



FILTER CASE



DRAIN


オイル関係のワイヤリングも終了。

今週末は天気もよさそうなので、一気に進められそうです。




  
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2010年10月15日

急がば回れ

いや、レースまで時間があまりないので

まわっている余裕はなさそう。

点火一次電圧の電圧降下の原因を探る時間はなさそうなので

リレー

小型リレーです。

こいつを使ってバッテリー電源を直接イグニッションコイルに印加してみます。

左はドイツ製、右はニッサンに使われている国産、しかも防水。

どっちを使うかな。  
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2010年10月13日

ダイナⅢ フルトランジスターイグニッション

早速訂正です。

まずはダイナⅢの配線図から
wiring

点火系の相談をさせていただいている方から、この配線図の状態から見て、ダイナⅢ自体で一次電圧を制御しているとは思えないというご指摘を頂き、見直してみました。



ig-oneg-start

左はエンジン停止状態でメインキーをオンにした状態です。
右はエンジンをスタートした状態。

バッテリー電圧が低いのは、エンジン掛ける前に色々と調べていた上、スモールライトスイッチがオンになっていたせいです。

右の波形は前回と同じなのですが、のこぎりのような波形が点火後に山を下っていて、その落ち込みが激しいので、電圧降下の疑いを指摘されました。
そして試しにバッテリーから直接一次電圧をかけてみてはという事でやってみました。

batt

イグニッションコイルのプラス側にバッテリーのプラスから直接配線を引く事で、当然ながら電圧は上昇。
簡易配線だったので走行は出来ませんでしたが、2,3回の空ぶかしでは、わかるほどの音の変化(力強く乾いた音)を聞きとれました。


ig-p


12v-ig-p

上の2枚はバッテリーから直接配線で繋いだ時のコイルマイナス側で測った一次波形です。
下は10V付近に電圧降下している、今までの波形です。
残念ながらこの波形を解読する知識はないのですが、通電時間がバッテリー直の方が長いのが特徴になるのでしょうか。(といっても10万分の30秒ほどの違いなので誤差かもしれませんが)


10v-ig-p


このあと改めて測ってみると、ブレーキスイッチプラス側や、スモールライトプラス側などが10Vほどしか出ていなく、明らかにハーネス全体にわたる電圧降下が起きています。


現在バイク自体に、感じられるトラブルがなかったのでビックリです。
怪我の功名とはまさにこの事、いつ頃から電圧降下が起こっていたのか、どこに原因があるのかなど、このオフシーズンに楽しみな宿題が出来た気分です(あ~負け惜しみともいいますねw)

ちなみにテイスト・オブ・ツクバの時には全くシンプルなレース専用配線を使うので心配なしです。
  
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2010年10月12日

ファイナルカウントダウン その3

miyagase


旧体育の日の10日、空いた時間(午後2時~)を見計らって、宮が瀬までフロントタイヤの皮むきに行きました。

16時のF-1放送が見たかったので、本当に往復のみw

あ、ちょっとお遊び動画撮影も。

帰り道でリヤサスの動きの撮影を試みるも、あえなく失敗(笑

そんなことやりながらもスタートには間に合いました。

小林可夢偉の走りは、見れて良かった!  
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2010年10月10日

DAINAⅢ  フルトランジスターイグニッション その2

ダイナ?について勉強中です。

今後加筆、修正、訂正等あると思います。

疑問、質問、訂正、指導等はお気軽にコメントください。



さて、その1でポイント、セミトラ、フルトラの全体のシステムについて考えてみました。

そこでダイナ?がどう機能しているのかをオシロスコープを使って測定してみました。

まずは右カバー内、点火信号検出部(ノーマルでポイントが入っているところ)
左画像は画面上に真ん中0Vを中心に上下7V、横方向20ms(20/1000秒)が8目盛で0.16秒の間に3回の信号を検出、信号の電圧は右画像で拡大していますが、590mV(0.59V)です。


ピックアップ1PICK UP

これは1&4番、2&3番用のピックアップ信号の片方です。

1.4+2.3

ちなみに上の画像が1&4と2&3用のピックアップを2つとも同じ画面に入れたものですが、表示スケールを0~1Vと0~5Vにして重ならないようにしているので上下の大きさは違いますが、横方向は均等に、順番に1&4と2&3のピックアップを繰り返している事がわかります。

この信号をイグナイターユニットに送り、トランジスタで1次側の電気の断続を行っていて、点火コイルマイナス側の波形は

点火一次波形

このようなちょっと変わった形の波形になるのですが、この形で正常です。

そこでイグニッションコイルに送っている一次側電圧のようすをみてみるとこうなります。

1800RPM1800RPMTACH

1800回転での状態です。


2800RPM2800RPMTACH

プラス1000回転2800RPMの状態です。

回転を上げても電圧は一定というのが既に私の予想に反しています(笑

予想では回転数が上がれば電圧も上がると思っていたのですが、
電圧を一定に保つ回路が組み込まれているようです。
また、一定の電圧を保つためか、電圧は12V~8Vあたりを定期的に上下していて、
入力電圧値

こういう状態の電圧をデジタルテスターで測ると、その平均値を表示するので、9.8Vの表示でした。
この一次側プラスの電流を測ってみましたが、電流の数値がバラバラと動いてしまってきちんと測る事が出来ませんでした。


コイル2ケ分


上の画像は1.4コイルと2.3コイルを縦の数値を変えて画面一つに2ケ分表示したものです。
電圧が上下するタイミングは全く同じになっています。


PICK UP&PRIMARY VOLTAGE

上の画像は一次電圧の状態にピックアップの状態を重ねたもので、山の立ち上がる時にピックアップ信号を検知している事がわかります。


一次側プラス&マイナス

上の画像は点火コイルひとつのプラス側、マイナス側を同時に測定したものです。
当たり前ですが、点火ピックアップと同じタイミングで一次波形画検出できました。


色々測定してみて分かった事。

ダイナ?はイグナイターユニットでピックアップの検出や一次電圧をきちんと制御しているという事でした。(結論が短いwww)

ダイナSにはイグナイターユニットが存在しないので、どうなっているのかこちらも気になるところです。
CB550も一度ポイントに戻してみて、同じ測定をするというのもなかなか興味深いので、時間が出来たらやってみます。



  
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2010年10月09日

ファイナルカウントダウン その2

pad

先日のタイヤ交換の時にパッドの残量を測ってみたら、

ピストン側2.5mm、アーム側2.65mm。

迷った挙句新品を投入する事にしました。

その新品の厚みは4mm。

意外と減ってない?w

レースが終わったら前に使っていたヤツに戻す事にします(爆

wash

キャリパーピストン戻すので、当然丸洗い。

お湯に中性洗剤を混ぜてじゃぶじゃぶ洗います。

洗いたてでのピストンのスムーズな動きを動画でご覧下さい。
ロールバックの状態もよくわかると思います。


metal rubber

洗い終わったらメタルラバーをピストンに吹き付けて、モミ出しふき取りを繰り返します。(以前はシリコングリスを使っていましたが、最近はもっぱらメタルラバー。シリコングリスよりも扱いが楽です)

daiaflum

ダイアフラムに若干の変形が見られたのでこれは交換します。
ピストンシールのロールバックを助ける重要なパーツなので、定期的に交換する事がお勧めです。




primary

点火系の測定をしようと思ったら突然2気筒に・・・・
コイルのマイナス側が抜けかかりの状態でした。
ここで見つかって非常にラッキー!!!
今回はイケる気がする~~~♪
あると思います!www  
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2010年10月05日

DAINAⅢ  フルトランジスターイグニッション その1



DAYNA


勉強中です。 今後訂正、加筆等あると思います。

古くからのチューニングテクニックとして、ポイント式点火をセミトランジスタ化、フルトランジスタ化して点火火花を強化、安定化させるというのがあります。


ポイント


CB550はポイント式バッテリー点火システムを採用しています。
この方式では、バッテリーから点火コイルに12V電気を送り(一次電圧)、任意のタイミングでポイントを開きます。
バッテリー~コイル~ポイント~アースとして成立していた回路を、ポイントを開く事で急激に遮断する事になり、コイルの2次側に相互電磁作用によってコイルに高電圧を発生させ、スパークプラグに火花放電を起こすというものです。

欠点としては、低回転域におけるポイント開閉時に起こるスパークによりポイント面が荒れ、火花性能が低下する(ポイント接点のスパークを減らすためコンデンサーを並列に接続し、電気を吸収してスパークを抑えますが、その分一次電圧が下がるので高い2次電圧を得にくい。そのため、コンデンサーの容量を下げて吸収する電気を減らして、強い火花を得るというチューニングもかつてはありました。)、また、ヒール面の摩耗、ポイント面の荒れの修正などで点火時期がかわるので、定期的なメンテナンスが必要となる点が挙げられます。

この点を補うのがセミトラやフルトラで、セミトラ化の場合ポイントの断続自体はトランジスタに置き換え、トランジスタの作動タイミングをポイントで制御する方式で、ポイントにはトランジスタのスイッチングを行うだけの低い電圧を使っているので、ポイント面の荒れは抑えられる。
しかし、ポイントヒールの摩耗という問題が起こるので、ポイント自体を廃し、タイミングローター、マグネット、ピックアップコイル等を使い、無接点化したフルトランジスタと呼ばれ、ダイナ?やダイナSがこれに当たります。

因みにダイナ?には見てわかるイグナイターが設置され電流、電圧、点火信号など色々な制御回路が組み込まれている事がわかりますが、ダイナSにはイグナイターらしきものがないので、ダイナ?とは違う制御方式になっていると思われます。

そこで、ダイナ?がどう機能しているかという事ですが、自分で見直すためにここから先はその2に続きます。
少々お待ち下さい。






  
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