こんばんは、獣医師の兒山です
今日は成犬・成猫の歯科検診についてお話します
Qどのくらいのペースで歯科検診を受ければ良いの?
①3ヶ月に1回、歯科専門外来での歯科検診を受けてください。
犬猫の3ヶ月は人間の1年に相当します。
②小型犬・中型犬は1歳から1年に1回、大型犬は2歳から1年に1回
麻酔下での歯科処置・歯科検診をお勧めします。
置が推奨されています。
Q何故、歯科検診が必要なの?
①歯の健康は全身の健康に関係するから。
歯周病菌の毒素は血流に乗って全身に回り、心臓病や肝臓病、腎臓病などを引き起こします。
口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう:歯周病により口と鼻を隔てる骨が溶けて口と鼻が繋がった状態)が
ある犬56頭のうち、約30%の犬で心拡大の併発が認められたという報告もあります。
②犬・猫で頻発する歯周病は気付かない間に進行する病気だから。
犬や猫では虫歯はほとんどありませんが、歯周病には非常に罹患しやすいです。
歯周病は進行すると、歯肉や歯槽骨などの歯の周りの組織を破壊します。
破壊された組織は基本的には元に戻りません。
つまり歯周組織が破壊される前に治療することが非常に重要です。
がほとんどです。
症状がないから・・・、まだ若いから・・・と様子を見ていると、歯周病はどんどん進行します。
そして、歯周病が重度になると抜歯しか選択肢がなくなってしまいます。
更に重度歯周病にも関わらず抜歯もせず放置すると、犬や猫では人と異なり、顎骨の厚みに比べて歯根
が長いため顎骨が折れてしまいます。
歯周病による骨折の場合は全体的に骨がスカスカに溶けているため、通常の外傷による骨折治療と異な
り、骨がくっつかないこともあります。
そうなると痛みを取るために顎骨を切除することになります。
こうならないためにも最低3ヶ月に1回は歯科専門外来による歯科検診を受け、1年に1回は麻酔下での
歯科検診・歯科治療を行うことをお勧めします。
今までしっかりとした歯科検診や歯科治療を受けたことがない方は一度歯科外来を受診してください。