こんばんは、獣医師の兒山です

唾液腺は大唾液腺(耳下腺、下顎腺、舌下腺、頬骨腺)と小唾液腺(軟口蓋や口唇、舌、頬部などに存在)から成ります。
唾液腺は複数存在しますが、唾液腺腺癌は犬では下顎腺、猫では耳下腺に発生することが多いです。
10〜12歳の高齢動物に多く、特にシャム猫に多いです

また雌猫より雄猫の方が多いです

診断時には犬の17%で領域リンパ節に、8%で遠隔転移していると報告されています

猫では39%で領域リンパ節に、16%で遠隔転移していると報告されています

症状
耳の基部や頸部、上唇、上顎、口唇粘膜に片側性の硬い無痛の腫れ
口臭、食欲低下、上手く飲み込みが出来ない、眼球突出、くしゃみなど
診断
麻酔下での口腔内レントゲン検査、胸部レントゲン、CT検査、MRI検査、病理組織学的検査(針吸引や組織生検)などを行います。
治療
可能な範囲で外科的切除し、放射線療法を行います。
必要に応じて抗菌剤の投与や鎮痛剤の投与、胃瘻チューブ造設をすることもあります。
お家のワンちゃん・猫ちゃんの唾液腺が腫れていたら、それは唾液腺腺癌によるものかもしれません

特に雄のシャム猫は注意してください。
もし、片側性に耳の基部や頸部、上唇、上顎、口唇粘膜に腫れがあれば速やかに動物病院で診察を受けるようにしましょう
