最早引き篭もりでもニートでもない芝二郎38歳。馴染みの
ペットショップでバイトを始めて半年。仕事はサボりがちで、
同僚まちこから文句ぱかり言われていました。そんな折、
店長の景虎から二人で犬のしつけ教室を任される事になり──。
’13年公開の幼獣マメシバシリーズ劇場版第3弾です。

鞠子が勝手に家を売却して海外に移住してしまったという
台詞による簡単な説明だけで、いきなり二郎ちゃんがアパートで
一人暮らしをしている状態で始まりました。親戚が経営している
アパートに住まわせて貰っているようです。しかし家賃は滞りがち。

折角入れて貰えたペットショップなのに、二郎ちゃんはやる気を
失っている様子です。仕事を抜け出して駄菓子屋で小学生と
うまい棒(明太子味)の取り合いをしたり、勝手に家に
帰ってしまったり、しばしば無断欠勤をしたりしています。
景虎がいかに人が良くても、クビにならないかとハラハラします。

まちこはそんな二郎に苛立って口うるさく注意します。二郎の
親戚の郵便局員財部陽介は、二郎を心配してちょくちょく
店に顔を出し──ているのかと思いきや、まちこ目当てなのか、
二郎は陽介からまちこに渡してくれと手紙を預かります。
手紙を読んだまちこは、怪訝な表情で渡した二郎の顔を眺めます。

景虎は、話があると二郎を呼び出しました。さすがの景虎も
二郎の勤怠について注意するのかと思ったら、まちこと二人で
これから始める犬のしつけ教室の講師になるよう二郎に命じました。
二郎がもっとレベルの高い仕事をしたいと嘯いた事に、本気で
対応してくれたようです。二郎に講師なんて、できるのか!?

TV版だと二郎がバイトを始めた事でアパートでお留守番していた
飼い犬のマメシバ一郎がストレスからおいたばかりする
悪いコになってしまったので、二郎がしつけのし直しをして、
毎回そのミッションを動画にしてUPする、というシリーズでした。
が、映画では二郎が働いていても一郎はいいコです。
TV版とはパラレルな系統のストーリーになっているんですね。

自分が何もしつけをしなくても一郎は賢いいいコと思い、二郎は
まちこのしつけ教室をバカにして、まちこの講義に助手として
参加しているにも拘らず、茶々を入れてばかりいました。二郎は
生徒の女性から不審な目で見られ、反感を買ってしまいました。

すると、二郎ちゃんに、あの声が聞こえてきました。
劇場版第1弾では二郎ちゃんを苛んでいたけど、第2弾では
聞こえなくなっていた、周囲が自分を責め、蔑もうとする、声が。

二郎ちゃんはいたたまれずに逃げ出します。そしてそのまま
仕事を辞めてしまいます。きっと頑張り過ぎてしまったのですね。
サボっていたのも無断欠勤も、二郎ちゃんの心のキャパシティが
ギリギリのところにいるというサインだったのでしょう。
長年引き篭もりをしていたのに急激に社会に出た事でストレスを
感じていて、それが極限に達し、とうとう破裂してしまったのです。

そこからどういう訳か、二郎ちゃんは叔父の紹介で発毛を促す
マッサージの仕事に就く事になりました。これはTV版には
無かった、どう転がっていくのか全く見当が付かない展開です。

それが意外と客に大人気。本人が思っているのと反対に、不思議と
人に好かれるんですよね。ところが幸か不幸かその勤務先が
閉鎖されてしまいました。そして二郎ちゃんは、まちこから
思いも寄らなかった真実を知らされて、愕然とします。

留守中に一郎が二郎を恋しがって鳴くようになり、近所から苦情が
来ていると聞いた二郎は、そんな筈は無いと思ったのですが、
それはそれまで二郎の留守中に陽介が一郎を躾ていて、それが
来られなくなった所為で鳴くようになったのだと知りました。

まちこへのラブレターだと思っていた陽介の手紙は、自分は
転勤するから二郎を頼むと、二郎を心配した陽介がまちこへと
綴っていた手紙だと判ったのです。自分の力だけでやっていたと
思っていたのに、見えないところで自分は助けられていた。
二郎は自分の未熟さに猛烈に恥ずかしさを感じた事でしょう。

まちこの前で、二郎は初めて、自分の弱さ、本音を曝け出します。
怖くて仕方が無いのにいつも強がりばかり言っていた二郎が。
景虎は二郎を快く受け入れ、仕事に復帰しました。二郎は
一念発起、動物の躾の資格取得を目指し、猛勉強を始めました。

立派になった二郎を見て、陽介も、母鞠子も感無量の様子でした。
景虎もまちこも皆が見守ってあげていて、二郎ちゃんは本当に
いい人達に囲まれています。そして視聴者も見守りたくなる。

ああ、成長したなぁ。もう大丈夫・・・。とは行かず、まだ続編が
あるんですよね、映画。今回も一郎は可愛くて、佐藤二朗さんは、
二郎が実在するとしか思えないくらい、二郎ちゃんでした。