第1話の最初のシーン。画面に大きく表示された名前が
氷室幻徳
見るの決定。
氷室は別に主役ではなかったんですけど、仮面ライダー電王以来
低年齢層に傾斜し過ぎていた近年のシリーズにあって、
久し振りに見た、大人にも見ごたえのある一作となりました。

10年前。人類が火星から持ち帰った“パンドラボックス”により
“スカイウォール”が築かれ、日本列島は3つの国に分断された。
北都・東都・西都という3つの独立国には、各々に首相がいた。

最近は、“スマッシュ”と呼ばれる怪物が人を襲うようになった。
そしてそのスマッシュを倒し人を守る、“仮面ライダー”という
存在がいると、都市伝説のように囁かれ、巷の話題になっていた。

自称天才物理学者の桐生 戦兎(きりゅう せんと)は、
石動惣一・美空父娘の喫茶店の地下を研究所にしながら、
仮面ライダーに変身する装置・ビルドドライバーを開発し、
仮面ライダービルドその人として密かにスマッシュと戦っていた。

その戦兎は、殺人犯として服役しながら無実を訴えて脱獄した
万丈 龍我(ばんじょう りゅうが)と出会った。
スマッシュと警察から万丈を救った戦兎は、万丈を匿いながら、
万丈が容疑を掛けられた葛城巧の事件を探り始めた。

葛城巧の正体は、驚くべきものだった。万丈が容疑者として
選ばれた事も偶然ではなく、全てが仕組まれた事だと判った。
スマッシュを生み出している“ファウスト”という組織を探ると、
東都の氷室首相の息子・幻徳が関わっていると判った。
更にその背後で糸を引く謎のライダーがいる事も判った。

そのライダーこそが、火星を滅ぼしただけじゃ飽き足らず、
今また地球を侵略に来た宇宙人・エボルトだった。
仮面ライダークローズとなった万丈と、一時は闘った北都の
ライダー・仮面ライダーグリスの猿渡 一海(さわたり かずみ)、
西都との戦争と裏切りを経て仲間になった仮面ライダーローグの
幻徳の4人のライダーで、強大な敵・エボルトに立ち向かう。

第1話でもう一つこれを見続ける決心をさせた事は、主役である
仮面ライダービルド・桐生戦兎と、その最大の相棒である
仮面ライダークローズの万丈龍我が、とにかくイケメン!

イケメンで通っている歴代平成ライダーの中にはうーん・・・と
首を捻ってしまう人もいるのですが、この二人は文句無く
イケメンでした。今後俳優として伸びる事、間違い無しです。

ビルドはさまざまな動物や者の特性を持つボトル同士を組み合わせ、
異なる技を持つ様々なフォームに変身するライダーです。
相性があうボトル同士をベルトにセットすると「ベストマッチ!」
ベルトが掛け声を上げ、強い力を発揮します。得意なのは兎と
戦車を組み合わせたラビットタンク。戦兎の名前の由来ですね。

戦兎は記憶喪失となり、雨の路地裏で子犬のように濡れそぼった
姿で、石動惣一に拾われました。以来石動に厄介になっています。
石動の娘の美空は、ビルドが倒したスマッシュから抽出した
ボトルを浄化して、ビルドの次の武器にする力を持っています。
その力を狙われているので、引き篭もり生活をしています。

ビルドはかなり複雑で、深いテーマを包含する
ストーリーを持っていました。特筆すべきは「仮面ライダーは
軍事兵器として作られた」としている点。戦兎は平和の為だと
反発します。東都は北都に続けて西都とも戦争が勃発し、各々の
代表のライダーで一騎打ちをします。力とは、使う人次第で
人を守る事も命を奪う事もできるという、メッセージなのです。

万丈の無実を証明する為の、葛城巧殺人事件の捜査はいっぱしの
ミステリーのようでした。真犯人は記憶を無くす前の戦兎!?
と思わせて、戦兎こそが巧本人という、衝撃の事実が判りました。

記憶喪失の主人公は前もいましたが、主人公が本来の名前も顔も
違う別人で、自分達が追っていた悪の組織の中心にいたという、
子供向けとは思えない斬新な設定。自分がビルドドライバーを
作らなければ人は傷付かず、戦争は起きなかったと苦悩する戦兎。

そして、記憶を失ってから石動に名付けられた“桐生戦兎”と、
戦兎の中で目覚めた本来の人格である“葛城巧”が同居し、
時に心象世界で対話するという、二重人格の状態になります。

巧と戦兎が向かい合って手を合わせ、互いの体をすり抜けていく
オープニングのイメージは、BOΦWYのPSYCHOPATH
ビデオクリップのようでした。氷室というネーミングを
使っている事と言い、脚本家、ひょっとしてBOΦWYファン?

戦兎の相棒の万丈も、負けず劣らず驚きの正体が発覚しました。
エボルトが自身の細胞を妊娠中の万丈の母親に潜ませて生ませた、
人間ではない存在だったのです。恋人を殺されたと思えば
エボルトに乗っ取られたり、悲劇のヒーローと言えるでしょう。

三人目のライダーの一海は、東都と北都の戦争でビルドとの
一騎打ちに敗れた後、戦兎たちの仲間になります。美空が持つ
もう一つの顔であるネットアイドル“みーたん”の大ファンで、
みーたんにメロメロだけど、ちっとも相手にして貰えません。

美空は一海の事をその最期まで「グリス」と呼び、愛称の
『カズミン』と呼んであげませんでした。つれなく見えましたが、
一海の最期に彼女なりに拘った理由があったと判りました。

4人目にライダーとして仲間になったのが、あの氷室幻徳でした。
幻徳は首相の息子として権力欲とコンプレックスが強く、
屈折した人格の持ち主でした。一時は敵のエボルト側として
立ちはだかり、心の弱さを利用されてライダーになりました。

人格者の父・氷室首相との対立を経て、父の愛に気付き、心を
入れ替えて仲間になった後は、私服が変というキャラ付けをされ、
急激に面白キャラになりました。一海らに「ヒゲ」とか「幻さん」
呼ばわりをされ、役者さん、戸惑ったのではないでしょうか。

オープニングの前に入るあらすじにネタを入れて遊んでいたり、
政治の話や難波重工というカルト集団による洗脳があったり、
仲間や敵の裏切りなど、心理描写もしっかりした深い物語でした。

最終回は新しい世界に戦兎が独りぼっちで生き残る哀しい
ハッピーエンドかと思わせて、最高の相棒と再会させてあげて、
気持ちのいい、清々しい結末になりました。翌週から始まった
ジオウにも二人がそのままゲスト出演したのは嬉しかったです。