COOL LADY’S PARADE

人生はレビューです。マンガ、本、ライブ、DVD、CDなど、色んなものをレビューします。
タイトルは “COOL LADY’S PARADE”。
JUNKな文章なので、お気軽に読んで行って下さい。

2018年 テレビ

日本テレビ「ゼロ 〜一攫千金ゲーム〜」

何で今更!?福本作品はこれまで数多く実写映画化もしくは
ドラマ化されてきましたが、これにまで手を出すほどテレビ局は
ネタがなくなったのでしょうか。数年前に週刊少年マガジンの
連載を中断してそれ切りの福本伸之先生の賭博覇王伝 零
連続ドラマ化されました。日曜午後10時半の枠で、7月期に
放映され、福本先生本人がゲスト出演していた回もありました。

宇海 零(うかいゼロ)は集団自殺しようとしていた
3人の男性を助け、彼らを誘って義賊として活動していました。
謎の義賊はマスコミの話題にもなっていました。ところが
振り込め詐偽をしていたヤクザのグループから金を奪おうとして
失敗し、3人は、グループのアジトに監禁されてしまいました。

零が3人を助けに行くと、そこに突然、巨大財閥在全グループの
総帥、在全無量(ざいぜんむりょう)が現れました。
車椅子に乗った横柄な老人・在全は、自分が持つ莫大な財産を継ぎ、
自分の後継者となれる王の器を持つ人物を探していました。
そして王を選抜するゲームに参加するよう、ゼロを誘いました。

優勝賞金1,000億円。それすらも在全の財産のほんの一部。
優勝者は在全の全ての財産と地位を継ぐ後継者に指名される。
その話に、その場に居合わせたヤクザのリーダーの
末崎さくらと、その弟の末崎セイギも食いつきます。

予選では(しるべ)という不思議な中学生と出会いました。
予選通過者は東京湾に浮かぶ人工島、ドリーム・キングダムに
集められます。そこで行われるゲームをクリアすると、ゲームの
難易度に応じ、1つまたは複数のリングを獲得できます。
その難易度の高さとは、命を失う危険度の高さでもありました。

期限内にリングを4つ集めた者が王となる資格を与えられます。
ギリギリで4つ集めたゼロは、先にトップで集めていた
標との、一対一での最後の対決に挑みます。果たして
ドリーム・キングダムの優勝者は?在全の後継者となるのは?

多分視聴率はパッとしなくて、私もマガジン読者じゃなかったら
見なかったでしょうが、面白かったですねぇ。大掛かりな
セットを作って“鏖の魔女”や“ジ・アンカー”などのゲームを
完全再現してきましたよ。最近の実写化は本当に出来がいいです。

原作のゼロは、──連載が中断して描き切っていない事もあり──
考えてみれば素性が謎のままでした。ドラマはそこにゼロに対し
人間としての肉付けをしていました。元科学者で、訳あって
大学を去り、現在は予備校の講師をしていると言う設定です。

主役のゼロを演じたのは、メンバーの脱退や不祥事など不遇な
イメージのあるNEWSのメンバー、加藤シゲアキさん。小説を
書いている事だけは知っていましたが、これで顔も覚えました。

ゼロは福本マンガなのに珍しく、少年誌向きにしようとして
やたら目がキラキラしている主人公です。最初は歳が行き過ぎと
思いましたが、演じるうちに加藤さんの真っ直ぐな瞳は
ちゃんとキラキラしてきて、ちゃんゼロに見えてきました。

在全は梅沢富美男さんでした。もっと老けた人が良かったなぁ。
秘書の後藤は後藤峰子という女性キャラにされて、これは
小池栄子さんが演っていました。小池さん、この手の役が多い
気がするなぁ。そして弾けていて、この手の役が好きそう。

さくらはケンドーコバヤシさんでしたが、これはハマってました。
ゼロのコバンザメになる調子の良さ、扱い安く、おだてられると
すぐ乗せられる単純さ、意外と持っている任侠。いかつい外見と
相まって、これらの演技がいかにもキャラにぴったりでした。
よく知らないけど、芸人さんなのに演技が上手いですね。

ドリーム・キングダムで行われるゲームはほぼ原作通りでしたが、
キャラとストーリーはオリジナルな部分がかなり多かったです。
メインキャラでもあったそのオリキャラの1人が、セイギでした。

セイギはさくらよりかなり若くて、兄と違い頭の回転が良く、
大学も出ているプライドの高い人物です。振り込め詐偽の
グループの一員で、先に出てきた末崎がこちらだったので、末崎が
若いイケメンにキャラを変えられてしまったのかと思いました。

もう1人の重要なオリキャラがユウキです。柔和な笑みを
絶やさない優男で、やはり頭の回転は速いのですが、他人と、
自分自身の命をも何とも思わない、危うさを持っている人物です。

セイギもユウキも始めはゼロをライバル視して、張り合ったり
足を引っ張ったりしようとしていたのですが、気が合ったのか
顔を合わせる内に2人で組んで行動するようになり、
ゼロと命がけのゲームを乗り越え、またゼロが乗り越えるのを
目撃する内に、彼らとゼロの間にも友情が芽生えてきました。

これはこの2人のオリジナルキャラを作ったからこそ生まれた
ドラマオリジナルの展開で、これは大成功だったと思います。
完結していない原作の代わりに作られたオリジナルの結末も、
原作読者も納得のものでした。きっと脚本が良かったんでしょう。

嘗て連載していたマガジンでは何故かドラマ化に当たっての
告知が無く、新聞の新ドラマを紹介する記事で知ったほどでした。
マガジンに載ったのは、ドラマが始まる直前の週の1ページの
紹介記事だけでした。この冷たい扱いは何なんでしょうね。

ドラマは綺麗に終わりましたが、週刊少年マガジン編集部と
福本先生には、これだけを言いたいと思っています。
『崖から落ちた後、ゼロはどうなったんですか?』
連載再開を、今でも待っています。

テレビ朝日「激レアさんドラマ 激アツ!ヤンキーサッカー部」

これどこの雑誌に載ってるマンガが原作!?
知らない人はそう言わざるを得ないのではないでしょうか。
以前同局のバラエティ番組激レアさんがやってきた
紹介された、野人・岡野雅行元選手の高校時代の実話です。

W杯にも出場した元浦和レッズのサッカー選手・岡野雅行さん。
ワイルドな風貌とプレースタイルから、ニックネームは“野人”。
激レアさんはたまに見ていて(月曜が祝日だと見ない)、
岡野さん本人が出演したその時の回も、たまたま見ていました。

それはマンガかよと思うような爆笑話だったのですが、余程の
大反響だったのでしょう、そのエピソードが異例のドラマ化、
ドラマも爆笑。先月末に前後編の2回に分けて放映されました。

岡野が入学した高校はどヤンキー校。多分私と同学年ですが、
地域によってはこの時代でもまだこんな高校あったんですねぇ。
そこにはサッカー部は無く、何て学校に入ってしまったんだと
愕然としますが、同じ想いを持っていた生徒と出会い、
不良達を集め、自分達でサッカー部を作る事にしました。

有望な生徒のスカウトの為に時に一対一の勝負をし、ごくごく
初歩的なルールも知らない不良達に「手は使ってはいけない」
と言うところから教え、選手の家族の協力でユニホームを
手に入れ、漸くこぎつけた初の練習試合で相手校と大乱闘。

怒り哀しむ岡野を前に、嘗ては岡野をいじめていた不良達は
頭を垂れて反省します。喧嘩が強いので元々皆身体能力が高く、
体力も根性もあります。波乱を乗り越えめきめき上達していった
選手達は、やがて県予選決勝に残るほどの強豪に育ちます。

もう、これが実話だって言われたら、ヤンキー×スポーツの
マンガなんてどのマンガ家も恥ずかしくて描けませんよ。
ルーキーズも目じゃ無い!岡野と不良達はタイトル通り
激アツで、深夜帯にやるのが勿体無いくらいいいドラマでした。

Eテレ「聲の形」

週刊少年マガジンの読み切りが大反響を巻き起こし、それを
受けた連載も大ヒットした、大今良時先生のコミックが原作です。
TVアニメ化でも実写映画化でもなく、劇場版アニメとして
公開された、’17年の日本アニメNo.1ヒット作です。

小学六年生の石田将也は、聴覚障害の転校生西宮硝子
いじめていました。クラスメートもそれに同調していたにも
拘らず、親や教師が介入して問題になると、石田だけが槍玉に
挙げられ、一転していじめの標的が石田に向けられてきました。

犯した罪のその罰は、中学、高校と進学しても続きました。
石田はヤバい奴、付き合わない方がいいと囁かれ、孤立し続け、
石田は死ぬ決心をしました。バイトを辞め、銀行口座を解約して
全ての貯金を下ろし、かつて迷惑を掛けた母にそのお金を返し、
最期に一目、西宮に会いに行こうと手話の教室を訪れると──。

保存版にするつもりで録画したのですが、ラッキーだった事が
2つありました。一つはEテレでやってくれたので、CMが
無くて編集不要だった事。二つ目は、最初の放映時に大雨の
気象情報が入ってしまってがっかりしたのですが、その少し後に
再放送をしてくれて、完璧な形で録り直せた事でした。

原作は全7巻とほどほどの長さに纏まっているとは言え、
2時間の短い時間で完結している物語のどこまでを収めるのか
気になっていましたが、自主映画製作の要素だけを抜いて、
大事なエピソードを上手く拾い上げて組み込みながら、
物語の結末までを、綺麗に纏めた構成になっていました。

美しい作画と全体に漂う柔らかい雰囲気は、原作のイメージを
そのままに映し出すものでした。キャラの動きも小学生の石田の
いかにも悪ガキが歩いているような歩き方、永束くんのぐらぐら
揺れる感じ、正にマンガの絵が動き出したように思えました。

最初は西宮の事を気に掛けて親切にしていた女子達に、段々と
面倒がる空気が広がっていき、手話を覚えたいと手を挙げた
佐原に対して『いい子ぶってる』『点数稼ぎ』と陰口を
叩く様子には、小学5,6年生の女子の生々しさが出ていました。

この年代はプレ思春期と言える年代で、自分が周りから
どう見られているか、自分と周りの人間関係が気になり出し、
周りから突出し過ぎないように、微妙な均衡を保つ事に神経を
擦り減らす年頃です。うっかり目立つといじめの標的になる──
佐原のように。これは、この年代の女子がどういうものかを
知っている、女性の作者ならではの描写ではないでしょうか。

西宮は何を考えているか判らない娘でした。自分をいじめ始めた
石田に『友達になりたい』と──声は出ないけれど──ずっと
言い続け、酷い事をされても石田に近付こうとしていました。

石田が自分の代わりにいじめられ始めた時も、机に書かれた
石田の悪口をこっそり消してあげたりしていました。
週刊少年マガジンを読んでいた時から不思議だったのですが、
西宮がそこまで石田を気に入っていたのは、何故なのでしょう。

西宮と石田は、──男子と女子にも拘らず──一度取っ組み合いの
喧嘩をした事がありました。腫れ物に触るように義務的に
優しく接しようとする同級生の中にあって、石田が唯一、対等に、
本音でぶつかってくれた人と感じたからなのでしょうか。
それくらいしか、西宮が石田を特別視する理由を想像できません。

高校生になって石田と再会した西宮は、はっきり「好き」という
言葉を、──上手く発音できないのに勇気を出して声に出して──
伝えようとさえしていました。ところがそれは石田に「月?」と
勘違いされ、「月が綺麗だね」と返されてしまいました。

ただ、原作のマンガを読んでいた時は気付かなかったけれど、
良く考えてみるとこの返事はこれはこれで文学的に立派な
返事になっているんですよね。作者がこのネタを知っていて、
そこまで狙ってやっていたのかは、知る由もありませんが。

変わり者の西宮の妹結弦も面白い存在でした。姉をいじめていた
張本人として最初は石田を遠ざけたけれど、石田を観察した末、
石田が充分反省し、充分罰を受けていると知り、結局石田を
慕うようになりました。石田家に入り浸り、変な関係です。

高校生になっていじめの当事者が奇しくも勢揃いしますが、
単純に和解などできるものではありませんでした。再び
傷付け合って、その末に、西宮は衝撃的な選択をしようとします。
それが更に皆を巻き込み傷つける、悲劇を生む事になります。

思春期の長い間、周囲から孤立していた石田は、他人の顔に
×印が張り付いているように見えるようになっていました。
ところが永束というクラスメートと友達になると、
彼の顔からは×印がはらりと剥がれて落ちたように見えました。

石田も随分病んだものだと思いますが、他人を自分と無関係な
モブではなく、人格を持った個人であると認識すると、
その人の×印は、顔からはらりと剥がれ落ちます。

入院し、退院して西宮と回っている文化祭で、名も知らない
生徒の分も含めて、石田の視界にあるそれがババッと
一気に落ちた様子は感動的でした。もしかしたら、この作品で
作者が一番書きたかったシーンは、これなのかも知れません。

テレビ朝日「仮面ライダービルド」

第1話の最初のシーン。画面に大きく表示された名前が
氷室幻徳
見るの決定。
氷室は別に主役ではなかったんですけど、仮面ライダー電王以来
低年齢層に傾斜し過ぎていた近年のシリーズにあって、
久し振りに見た、大人にも見ごたえのある一作となりました。

10年前。人類が火星から持ち帰った“パンドラボックス”により
“スカイウォール”が築かれ、日本列島は3つの国に分断された。
北都・東都・西都という3つの独立国には、各々に首相がいた。

最近は、“スマッシュ”と呼ばれる怪物が人を襲うようになった。
そしてそのスマッシュを倒し人を守る、“仮面ライダー”という
存在がいると、都市伝説のように囁かれ、巷の話題になっていた。

自称天才物理学者の桐生 戦兎(きりゅう せんと)は、
石動惣一・美空父娘の喫茶店の地下を研究所にしながら、
仮面ライダーに変身する装置・ビルドドライバーを開発し、
仮面ライダービルドその人として密かにスマッシュと戦っていた。

その戦兎は、殺人犯として服役しながら無実を訴えて脱獄した
万丈 龍我(ばんじょう りゅうが)と出会った。
スマッシュと警察から万丈を救った戦兎は、万丈を匿いながら、
万丈が容疑を掛けられた葛城巧の事件を探り始めた。

葛城巧の正体は、驚くべきものだった。万丈が容疑者として
選ばれた事も偶然ではなく、全てが仕組まれた事だと判った。
スマッシュを生み出している“ファウスト”という組織を探ると、
東都の氷室首相の息子・幻徳が関わっていると判った。
更にその背後で糸を引く謎のライダーがいる事も判った。

そのライダーこそが、火星を滅ぼしただけじゃ飽き足らず、
今また地球を侵略に来た宇宙人・エボルトだった。
仮面ライダークローズとなった万丈と、一時は闘った北都の
ライダー・仮面ライダーグリスの猿渡 一海(さわたり かずみ)、
西都との戦争と裏切りを経て仲間になった仮面ライダーローグの
幻徳の4人のライダーで、強大な敵・エボルトに立ち向かう。

第1話でもう一つこれを見続ける決心をさせた事は、主役である
仮面ライダービルド・桐生戦兎と、その最大の相棒である
仮面ライダークローズの万丈龍我が、とにかくイケメン!

イケメンで通っている歴代平成ライダーの中にはうーん・・・と
首を捻ってしまう人もいるのですが、この二人は文句無く
イケメンでした。今後俳優として伸びる事、間違い無しです。

ビルドはさまざまな動物や者の特性を持つボトル同士を組み合わせ、
異なる技を持つ様々なフォームに変身するライダーです。
相性があうボトル同士をベルトにセットすると「ベストマッチ!」
ベルトが掛け声を上げ、強い力を発揮します。得意なのは兎と
戦車を組み合わせたラビットタンク。戦兎の名前の由来ですね。

戦兎は記憶喪失となり、雨の路地裏で子犬のように濡れそぼった
姿で、石動惣一に拾われました。以来石動に厄介になっています。
石動の娘の美空は、ビルドが倒したスマッシュから抽出した
ボトルを浄化して、ビルドの次の武器にする力を持っています。
その力を狙われているので、引き篭もり生活をしています。

ビルドはかなり複雑で、深いテーマを包含する
ストーリーを持っていました。特筆すべきは「仮面ライダーは
軍事兵器として作られた」としている点。戦兎は平和の為だと
反発します。東都は北都に続けて西都とも戦争が勃発し、各々の
代表のライダーで一騎打ちをします。力とは、使う人次第で
人を守る事も命を奪う事もできるという、メッセージなのです。

万丈の無実を証明する為の、葛城巧殺人事件の捜査はいっぱしの
ミステリーのようでした。真犯人は記憶を無くす前の戦兎!?
と思わせて、戦兎こそが巧本人という、衝撃の事実が判りました。

記憶喪失の主人公は前もいましたが、主人公が本来の名前も顔も
違う別人で、自分達が追っていた悪の組織の中心にいたという、
子供向けとは思えない斬新な設定。自分がビルドドライバーを
作らなければ人は傷付かず、戦争は起きなかったと苦悩する戦兎。

そして、記憶を失ってから石動に名付けられた“桐生戦兎”と、
戦兎の中で目覚めた本来の人格である“葛城巧”が同居し、
時に心象世界で対話するという、二重人格の状態になります。

巧と戦兎が向かい合って手を合わせ、互いの体をすり抜けていく
オープニングのイメージは、BOΦWYのPSYCHOPATH
ビデオクリップのようでした。氷室というネーミングを
使っている事と言い、脚本家、ひょっとしてBOΦWYファン?

戦兎の相棒の万丈も、負けず劣らず驚きの正体が発覚しました。
エボルトが自身の細胞を妊娠中の万丈の母親に潜ませて生ませた、
人間ではない存在だったのです。恋人を殺されたと思えば
エボルトに乗っ取られたり、悲劇のヒーローと言えるでしょう。

三人目のライダーの一海は、東都と北都の戦争でビルドとの
一騎打ちに敗れた後、戦兎たちの仲間になります。美空が持つ
もう一つの顔であるネットアイドル“みーたん”の大ファンで、
みーたんにメロメロだけど、ちっとも相手にして貰えません。

美空は一海の事をその最期まで「グリス」と呼び、愛称の
『カズミン』と呼んであげませんでした。つれなく見えましたが、
一海の最期に彼女なりに拘った理由があったと判りました。

4人目にライダーとして仲間になったのが、あの氷室幻徳でした。
幻徳は首相の息子として権力欲とコンプレックスが強く、
屈折した人格の持ち主でした。一時は敵のエボルト側として
立ちはだかり、心の弱さを利用されてライダーになりました。

人格者の父・氷室首相との対立を経て、父の愛に気付き、心を
入れ替えて仲間になった後は、私服が変というキャラ付けをされ、
急激に面白キャラになりました。一海らに「ヒゲ」とか「幻さん」
呼ばわりをされ、役者さん、戸惑ったのではないでしょうか。

オープニングの前に入るあらすじにネタを入れて遊んでいたり、
政治の話や難波重工というカルト集団による洗脳があったり、
仲間や敵の裏切りなど、心理描写もしっかりした深い物語でした。

最終回は新しい世界に戦兎が独りぼっちで生き残る哀しい
ハッピーエンドかと思わせて、最高の相棒と再会させてあげて、
気持ちのいい、清々しい結末になりました。翌週から始まった
ジオウにも二人がそのままゲスト出演したのは嬉しかったです。

テレビ東京「シネマスペシャル 銀魂」

週刊少年ジャンプで連載中の・・・え、終わるの!?とうとう?
空知先生、いい加減飽きてきたのでしょうか。(腐)女子にも
人気のギャグマンガが何と実写映画化!しかも主演は小栗旬!
実写映画バン第2弾公開の宣伝の為に、何とゴールデンタイムに
3時間!放映してくれました。視聴率5%位だったらしいけどね!

原作のマンガは嫌いだったんですけど、意外にも実写にすると
ハマってました。変態仮面もそうだったんですけど、
原作をつまらないと思ってても、実写化する事でギリギリさが
強調されて、マンガより面白さが増す事象も発生するようです。

主役の坂田銀時に小栗旬って、銀さんってそんなにイケメン
扱いだったのと思いましたが、これがいい雰囲気出てる!
おもっくそ鼻くそをほじくる小栗旬の貴重な姿も見られます。
小栗さん、コメディ、と言うかギャグもイケるんですね。

他のキャラも原作そっくりで、もう大コスプレ大会でした。
メガネ(新八)とか、特に神楽は外見は勿論の事、
台詞のイントネーションをアニメに寄せてきていました。
この娘ステマのイメージが強くて好きじゃなかったんだけど、
頑張って練習したんだろうなと、ちょっと見直しました。

近藤さんはもう、体張ってましたね。高杉が堂本剛さんなのは
クレジットを見ないと判りませんでした。はしっかりと
ヅラしてるし、定春はぬいぐるみ感が拭えませんでしたが、
エリザベスがいいですねー!銀さんに「実写化すると怖い」とか
メタなツッコミされてましたが、プラカードで喋るのも上手い!

ストーリーは、読者に人気が高いそうですが私はつまんないので
流し読みしてた、紅桜編が中心でした。が、その前のツカミとして、
カブト狩りのエピソードを入れていました。数あるネタの中で
何故これだけチョイス!?それからずっとシリアスになりました。

シリアスの中にもポイントポイントで強烈なパロネタを
捩じ込んでいて、それが面白い!この監督は凄いですね。
これがどういうパターンのギャグをやるギャグマンガなのか、
原作の性質を的確に把握しつつ、完全に原作を超えていました。

「これ絶対TBSに怒られる奴だ」と言いつつやってたCDTVの
キャラになるネタとか、小栗さんが花沢類を演ってた事に掛けて
「“まーきの”みたいに呼ぶな!」とメガネにツッコませるとか、
もっとヤバイ所に怒られそうな、ナウシカネタも笑えました。

でもそれより凄かったのがシャア専用ザク!えーとこれCG?
まさかこれだけの為に実物大で作ったとか言わないよね!?
銀さんがオッサンのシャアに「相棒の人だよね!?」とか、
ホント監督センスいいわぁー。ツッコミをやる小栗さんもいい。

クライマックスは、空を飛ぶ船の上での豪華なCGを使った
妖刀・紅桜(・・・に呑まれた岡田)との死闘。
小栗さんは、刀を使ったアクション、つまり殺陣も見事でした。

TBS「花のち晴れ 〜花男2nd Season〜」

花より男子の次世代のドラマをやると聞いて、第一印象は
TV局が勝手に作った続編だろうからどうせつまらないだろうと
高を括っていました。しかし原作者本人が描いた正統な後継と
知って見始めたら、さすが本物。花男に勝るとも劣らない
切なさとときめきがたくさん詰まった、正統派ラブコメディでした。

セレブが集う名門・英徳学園高等部にあって、特に家柄が良く
学園の中心的存在となっている、5人の男女がいた。彼らは
“C5”と呼ばれ、英徳学園内で絶対的に君臨する存在だった。

C5は英徳に相応しくないと判断した生徒に退学を強要する
“庶民狩り”を行っていた。対象外の生徒は公開処刑のような
そのイベントに喝采を送り、対象になりそうな生徒は、
いつ自分の番が来るのかと、びくびくしながら生活を送っていた。

江戸川 音も、自分が庶民だといつバレるかびくびくしていた
生徒の1人だった。入学時点では間違いなく社長令嬢だったのに
父親の会社が倒産してあっという間に没落。アパートで質素な
暮らしをしていて、でもそれがバレると庶民狩りの対象になるので、
友人の前でも、涙ぐましい努力をしてセレブのフリを演じていた。

そんな音が、ひょんな事からC5のリーダー的存在神楽木 晴
(はると)の秘密を知ってしまった。コンビニでバイトをしている
庶民だとバレた音だが、音は音で晴の弱みを握った事になり、
晴は音に何も言えなくなってしまった。自分に物怖じせず、
ずけずけと物を言う音は、これまでのどの女とも違っていた。
晴は生まれて初めて恋をした。しかし音には、馳 天馬がいた。

英徳に君臨するグループのリーダーと英徳にいてはいけない
庶民との恋。この構図は花男を踏襲していますが、
単なる二番煎じではない、いくつかの大きな違いがありました。

一つには、表向きはオレ様キャラの晴が、実は喧嘩はからきし
弱いヘタレだった事。もう一つは、最初から庶民だった花男
牧野つくしと違い、音は元はセレブの社長令嬢だった事。
最後には、音には馳天馬という、相違相愛の婚約者がいた事──。

伝説のF4の道明寺 司に憧れて、道明寺みたいになりたいと
目指しているけれど、開運グッズ好きで本当は気が弱いヘタレで、
名家・神楽木家の当主の父からは落ちこぼれの烙印を押され、
精神的虐待と言えるほど見下げられ、無視されている晴。

天然ボケのところがあって、一生懸命で見かけに寄らず努力家で、
あらゆる面で天馬に敵わないと認めつつも、音への一途な想いを
諦め切れない晴。親しみが湧くキャラで、それを演じている
新人の平野紫耀さんの一生懸命な演技も、光りました。

客観的に、理性的に抑えようとしたけれど抑えられない恋心が
溢れ出し、切々と「好きで好きでたまらない」と音に告白する
シーンは、キュンキュンするとしか言いようがありませんでした。
平野さんが所属するKing&Princeは主題歌も歌っていて、
それがグループにとってデビュー作となるシングルだそうです。
明るくて、ドラマのイメージに合った主題歌だったと思います。

天馬くんは、家柄良し、成績良し、性格良し、武道の達人で
イケメンで、学内の人望も厚い生徒会長という完璧超人です。
しかも音とは家族ぐるみの付き合いで幼馴染み、天馬の母の死に
音が寄り添い励ましたという絆もあり、両家公認の婚約者です。

どう考えてもこの2人の間のどこに入る余地があるのかという、
物凄く高いハードルがこれでもかというくらい課されており、
晴は圧倒的に不利です。音との事は神楽木家の息子の相手として
父親からも反対されていて、勝ち目の無い戦いの筈でした。

でも、音と晴の間に生まれた感情は、理屈ではありませんでした。
言ってみれば不倫みたいなものなので、音は必死に“自分は
天馬くんが好き、天馬くんを選ぶ”と自分に言い聞かせます。
そうあるべき、そうでなければいけないと、自分の胸の中に
生まれた熱を、隠し通そうとするのです。この感情の動きが、
晴との細かなエピソードを通して、痛いほど伝わってきます。

晴と言うライバルが現れた事で、天馬もショックを受けます。
音の気持ちを自分よりも理解している存在。自分といるより
晴といる方が音は自然に笑っている。婚約者として振舞いながら、
天馬は音との気持ちの擦れ違いに気付かざるを得なくなります。

晴に恋するC5唯一の女性メンバーの愛莉の音への嫌がらせ、
大人気モデルで且つ良家の子女の(メグリン)の出現など、
音と晴の関係を疑い脅かすライバルも登場し、四角関係の様相も
呈しますが、やはりメインは晴、音、天馬の三角関係でしょう。

こんなに切なくて、こんなに真正面から連合いを取り上げて、
しかもキャラの心理も描写できているドラマを、久々に見ました。
愛莉役の娘は人形みたいで本当に可愛かったけど、リアルでも
モデルらしいメグリン役の娘は顔立ちが地味で、これで10代に
大人気のモデルと言われてもどうしてもピンときませんでした。

道明寺から始まって、花沢 類も顔見せをしたのは
花男ファンへのサービスですね。西角は晴に
武術を指南していて、結構本格的に出演していました。演じる
松田翔太さんも何となく楽しそうに見えました。F4で一人だけ、
美作が現れなかったのは、芸能界の事情があるんでしょうね。

テレビ東京「ヘッドハンター」

テレ東に新設された月曜10時のビジネスドラマ枠の第1弾です。
主演はガイアの夜明けのナレーションの縁で江口洋介さん。
題材はタイトルそのままヘッドハンター。この時間帯のドラマを
録画する(TV局には悪いけど私は本当に見たい番組は全て録画)
という習慣は無かったので初回を録り逃してしまったのですが、
翌日曜日に再放送してくれたので、フォローする事が出来ました。

高額の紹介料を目当てに劣悪な職場やその人のスキルに合わない
ミスマッチの職場を斡旋し、転職後のフォローは一切無い。
そんな悪質なヘッドハンターがいるという噂が流れていた。
大手人材会社ブリッジに所属する赤城響子は、
黒澤和樹がその噂の人物ではないかと疑っていた。

黒澤は社員3人の弱小人材紹介会社SAGASUの社長。
ノーネクタイで黒ずくめの格好がトレードマーク。経歴は謎が多い。
ヘッドハント対象者がしばしば黒澤とバッティングするが、
赤城はいつも黒澤に思わぬ手段で出し抜かれていた。

黒澤の右腕が灰谷という同年輩の男だが、2人の関係も謎。
必ずしも友好的ではないらしい。情報屋としてSAGASUと
プリッジ双方に通じている蝙蝠のような元新聞記者の真城は、
赤城の依頼だけではなく個人的な興味で、黒澤の素性を探る。

メインキャラの名前に黒、赤、灰、白と色が入っているのは、
最終回を見終わってから気付きました。抑え目の演出だけど
脚本が練られていて、オトナが見るドラマといった雰囲気でした。

ベースは一話完結で、毎回様々な業界が取り上げられます。
そこに毎回徐々に黒澤がどういう人物かが明かされるという
連続性のあるペーストが、程よく添えられています。

ヘッドハントの手法、特にスカウトする価値のある優秀な人材を
どのように探し出すのかという手口は興味深いものでした。
理系なら論文、営業などの事務系なら社内で表彰された人を
社内報や雑誌で探し、これはと思う人材に目を付けるようです。

主演の江口さんは、黒澤のキャラをかなり作りこんでいました。
黒のコートを象徴とした黒ずくめの衣装、何を考えているか
判らない冷徹な口調とシニカルな微笑。黒澤は白か黒か?という
疑惑と興味を掻き立てる脚本の意図を汲み、体現した演技でした。

江口さんは実写映画版湘南爆走族でデビューした時から
知っていますが、黒革の手帖にしろBGにしろ、近年は
“あんちゃん”の頃の熱いキャラを封印し、鉄仮面のような内心の
読めないキャラを演じる事が多くなりました。寂しいです。

このドラマは、何は無くとも脚本が秀逸だったと思います。
ヘッドハントされる側の社内での立場や転職を迷う心の動き、
その人と会社に隠された裏の事情、そういうものを毎回
どんでん返しを交えて、丹念に描いてくれていました。

ヘッドハントされるだけあって、その対象者は優秀な筈ですが、
社内外に様々な事情を抱えている人ばかりです。それは社内の
立ち位置だったり、家庭の事情、スキャンダルだったりします。

そういう負の要因が判明しても、黒澤は思わぬ奇手で解決します。
優秀な人材の探し方は同じなので、赤城響子のブリッジと毎回
バッティングするのですが、ブリッジを出し抜き、ブリッジが
諦めたような案件まで、変化球で成約に導きます。

その過程では、フリーの調査員の真城のリサーチが役に立ちます。
真城はちょくちょくSAGASUに入り浸っているように見えて、
赤城の仕事も受けており、見るからに胡散臭い奴なのですが、
面白ければいいという感じで、誰にも肩入れする事はありません。

視聴者に黒澤の過去を教えてくれるのは、この真城の調査です。
父親の影響や黒澤自身の経歴、黒澤がいつもハヤシライスを頼む
洋食屋や、灰谷との関係も明らかになりました。第二期に向け、
勿体付けて謎のままにしておいても良かったと思いますが。

冷たく見えた黒澤も、過去が明らかになっていくに連れ、暖かみを
感じさせるようになりました。脚本と江口さんの演技の狙いが
上手くマッチしていたと思います。役者さんを含めスタッフが
皆いいチームワークだったのではと勝手に想像しています。
これは続編があるでしょう。次のシーズンを、是非見たいものです。

テレビ朝日「BG〜〜身辺警護人~」

拳銃も警棒も持たず、武器は己の生身の肉体のみ。チームで腕を
差し出して腕時計を見せ合い、「誤差なし」と言うキメ台詞が
流行った・・・と言う話は特に聞きませんが、木村拓哉さんが
ボディガードを演じた、’18年1月期木曜9時の連続ドラマです。

島崎章は警備会社で道路工事の交通整理をしていましたが、
新設された身辺警護課へボディガードとして抜擢されます。体術も
周囲への目の光らせ方もやたらと心得ており、初体験ではないと
思わせるのに、どういう訳か、周囲にはその経歴を隠しています。

島崎は、過去に警護対象者に怪我をさせた事があり、それ以来、
現場を遠ざかっていたのでした。妻とは離婚し、息子が一人。
妻は既に再婚しており、再婚相手の家に居づらいのか、息子は
島崎の部屋に転がり込み、居候のような顔をして暮らしています。

課長の田村は常に穏やかな笑みを絶やさず信頼感抜群。
同僚には凛々しい女性やいかにも今時の若い男性もいますが、
高梨という有能なBGは、過去を隠す島崎に不信感を抱き、
同時にライバル心を燃やし、ストーカーじみた執着を見せます。

要人警護を引き受ける中で、島崎は女子アナから転身した大臣の
立原愛子に気に入られます。立原はどういうつもりか島崎と
何くれと無く顔を合わせ、接近し、果ては食事に誘いさえします。

必然的に、しばしば顔を合わせる事になるのが大臣の正式な
警護担当者であるSPの落合です。落合は立原が自分達SPより
島崎を信用しているように見えるのが気に食わず、島崎を
目の敵にし、意識的に見下げるような言葉を繰り返します。

爆破事件や発砲事件などもあるのですが、題材的にいくらでも
派手にしようと思えばできるのに、派手なアクションを
売り物にするでもなく、どちらかと言えば静かで、落ち着いた
演出になっていました。それが却って良く、格闘シーンでは
木村さんの体さばきも映え、じっくり見させて貰えました。

島崎は前のめりな熱血タイプではなく、常に一歩引いて、皮肉な
目で物を見るような表情をしています。反抗期に入りかけの
息子も父親に似たのか、自ら押しかけて来て同居しているにも
拘らず、いつも島崎には冷ややかな、ツンデレタイプです。
どちらも素直じゃなく、距離感を図りかね、伺っている様子です。

その母親で、島崎の元妻役は、何と山口智子さんでした。月9の
ロングバケーション以来の共演、それも元夫婦役として
話題になり、二人が揃い踏みしている終盤だけ、視聴率が
跳ね上がっていました。回想のプロポーズのラブラブも、
元夫婦となった現在の余所余所しさも、どちらも変な感じでした。

愛子役は、最近奇跡の50歳としてブレイク中の石田ゆり子さん。
女子アナ上がりの美人代議士として色物扱いされてきた愛子は
ちゃらちゃらしているだけかと思いきや、信念と野心を抱き、
権力が物を言う男社会の政治の世界に食い込む為に、その刃を
柔らかい布で覆い隠すように、何を考えているのか読めません。

愛子は何かにつけて島崎に接近してきます。やたら遭遇するのが
不自然でしたが、それは恋愛的な意味だったのでしょうか。
島崎はデートの約束さえさせられますが、結局実現しません。
島崎の方も気付いていたでしょう。意識しない筈がありません。

互いに独身で、本来後ろめたい事など何一つ無いのですが、
方や(元)大臣、方やBGの身分の差は、厳然として存在します。
露見したらスキャンダルになる事必至です。大人同士だから
空気を読み合って、表向きの言葉の裏で会話しているようです。

身辺警護課の仲間達に島崎の経歴が露になると、隠していた事
そのものへの反発が起きますが、その時期が過ぎると、結束は
高まります。その矢先、田村は銃で撃たれ殉死してしまいます。

田村は嘗て落ち合いの同僚で、彼を庇い、彼のミスを自分の
ミスとして報告し、警察官を辞めました。島崎が田村の下で
BGをしていると知って、そして田村の死によって、落合は
何を思ったのでしょうか。頑なで冷徹な態度は変わらないように
見えましたが、彼は最終回で漢気ある意外な行動を取りました。

落合は、官と民という立場は違えど内心は同業との思いがあり、
危険な仕事と知っているからこそ、銃も持たず何の法的な
後ろ盾も無い民間が、SPの真似事をする事は控えて欲しいと
思っていたのではないでしょうか。──好意的に見れば。

それなりに視聴率は取れていたし、役者陣のチームワークも
良さそうだったし、木村さんも意欲的だったように聞いています。
きっと続編はあるでしょう。それどころか、ドクターX
相棒のように、シリーズ化していってもいい作品だと思います。

テレビ朝日「 相棒-劇場版IV-首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断」

杉下右京死す!?テロの標的は首都東京に集まった50万人。
相棒1人につき1本作られてきた劇場版、4代目相棒・冠城亘を
迎えての4本目は、“相棒史上最も切ない物語”だそうです。

警視庁特命係の杉下右京冠城亘は広報課長の社美禰子に頼まれて、
香港から来た彼女の知人で国連犯罪情報事務局元理事の
マーク・リュウを車で送っているところだった。
行き先は、かつてのリュウの部下と待ち合わせていた倉庫だった。

その部下は、“レイブン”と呼ばれている国際的テロリストを
追っていた。倉庫に向かう途中、彼は電話で、日本人の名前を
遺していた。その直後、電話の向こうで、彼は何者かに殺された。
天谷克則。日本中の同姓同名を捜したが、怪しい者はいなかった。

警察の捜査が続く中、外務省のホームページがハッキングされ、
レイブンによる脅迫ビデオが配信されるという事件が起きた。
映っていたのは7年前にイギリスの日本大使館から誘拐され、
そのまま行方不明になっていた、参事官の娘の鷺沢瑛里佳だった。

その時、使用人を含めた邸内の全員が毒殺され、唯一生き残った
瑛里佳は現地の警察が捜査をしている最中にレイブンに
誘拐されていた。当時もレイブンは瑛里佳を人質に日本政府に
身代金を要求したが、それは公にされず、要求は黙殺された。

そして今、ビデオで瑛里佳自身に、身代金と引き換えに瑛里佳を
解放すると語らせていた。そしてレイブンは変声機の声で
こう言った。「拒否すれば、日本人の誇りが砕け散るだろう。」

特命係は戦後に戦死したと処理された人物の名簿の中に、
“天谷克則”の名前が掲載されている事を突き止めた。
天谷の親戚の老女に話を聞きに行くと、天谷の家族は華々しく
開拓団として南方の島に移住したものの、戦争が激しくなると
軍に見捨てられ、島に取り残されてしまったという事だった。

幼い克則が命からがら帰国すると、戸籍上は死亡扱いとなっており、
ショックを受けた克則は、間もなく姿を消した。それきり
行方不明だという。期待されて送り出され、帰国すれば英雄として
迎えられる筈だったのに、国に見捨てられた開拓団と、国に
見捨てられた少女。レイブンは、瑛里佳に共感を抱いたのか?

脅迫ビデオからヒントを得て、監禁場所を絞り込んだところ、
防犯カメラには首にカラスの羽のタトゥーを入れた3,40代の
男が映っていた。世代的に、レイブンは天谷の息子なのか?

右京はレイブンの標的に気付く。それは国際的スポーツ大会の
祝賀パレード。50万人を殺せる量の気化性の毒が、日本選手の
活躍を称えに都心の通りに集まった日本国民の命を狙う。

何と言っても本作の一番の見所は、新旧相棒の2ショットです。
今カノと元カノが彼の噂話に花を咲かせている構図にしか
見えません。壮観です。神戸は顔見せだけかと思いきや、その後も
捜査に協力し、さすがの機転の利いた情報提供をしてくれました。

右京はレイブンの脅迫ビデオの解析を、今や警察学校の講師の
元鑑識課員・米沢守に依頼します。青木にやらせるのではなく
米沢さんだったのは、劇場版だからサービスだったのでしょうか。

ビデオに収録されていたほんの微かな電車の音から、瑛里佳の
監禁場所を絞り込み、候補地近くの防犯カメラが捜査本部総出で
片っ端から調べられました。大勢の捜査員でごった返し彼らが
ずらりと並んだPCと首っ引きになっている中、捜査一課の伊丹が
床に落ちていたUSBメモリを拾い、気軽にPCに挿しました。

果たしてそのUSBには、犯人と監禁場所の特定に繋がる
決定的な映像が納められていました。ところが!そのUSBが
原因で、警視庁のサーバーにウイルスが仕込まれてしまいました。

それが自分の所為だと知った時の、伊丹の愕然とした顔!
あんぐりと顎を落とし、恰もムンクの叫びのようでした。
「ヤベ!アレの所為か!」という思いをアレほど如実に表情に
表すなんて、並大抵の役者にはできない演技だと思いました。

瑛里佳は10歳の少女には重過ぎる業を背負わされました。
右京はそれを“呪い”と表現しました。その脆く崩れそうになった
心を両手で掬うように拾ったのが、誘拐班のレイブンでした。

瑛里佳は7年間自分を育ててくれたレイブンに恩義と愛着を
感じていたようです。その事に右京がストックホルム症候群という
言葉を用いなかったのは、脚本家が知らなかったからでしょうか。

捜査員は、50万人が集まり大通りで、レイブンを探します。
ところが警察無線に通じずに、スマホのメールも使用できず、
通信手段を乗っ取られてしまいます。連絡と連携が取れない中、
特命係の二人は奔走し、レイブンと思われる男を確保します。
が、カラスの刺青のその彼は、レイブンではありませんでした。

レイブンに共感して仲間になっていたその男を演じていたのは、
北村一輝さん。映画公開当時、この役を演った事で将来的にも
自分が相棒に抜擢される可能性がなくなったとぼやいていました。
それ、結構本気でがっかりしていたのではないかと思います。

レイブンの本当の目的に気付いた右京さんは、身を投げ出して
レイブンの代わりに狙撃されます。まさか、右京さんが死・・・?
んでる訳無いのは、相棒がまだ続いている事から
お判りでしょうが、胸を撃たれてかなりヤバかったです。

テロリストを紹介した社は責任問題になるのではと思いましたが、
そこはスルーでした。犯人の意図、目的には無理があった
気がします。一般人を標的にしたテロから国民を守るという
テーマは劇場版第1弾にも通じますが、第1弾のが良かったと
思いました。どこが切ない話なのか、良く判りませんでした。

テレビ朝日「相棒season16 最終回2時間スペシャル」

週刊フォトスの記者、風間楓子がホテルのエスカレーターから
突き落とされて怪我をした。容疑者は警察幹部を含む6人全員。
とうとうseason16最終回。サブタイトルは容疑者六人
長いシリーズの中でも節目の一つとなりそうな、重要な回でした。

とあるホテルで珍しい人物達がばったり顔を合わせました。
甲斐峯秋社美禰子内村刑事部長と
その部下の中園参事官。青木年男衣笠副総監。
それぞれ偶然同じホテルで会食し、帰ろうとしていた所でした。

そんなところへゴシップ系週刊誌週刊フォトスの記者風間楓子
通りかかりました。兼ねてより警察のスキャンダルを興味本位に
書き立ててきた週刊誌であり、奇妙な組み合わせに興味を持って
近付いてきた彼女を、6人は困惑したような表情で迎えました。

楓子は6人の真ん中を突っ切って、エスカレーターへ向かいました。
下りエスカレーターに足を一歩踏み出した瞬間、楓子は何者かに
背中を押され、長いエスカレーターを下まで転落していきました。

フォトスは6人の写真付きで、その事件を大々的に取り上げました。
目は隠されていたものの、6人の身元はすぐに割れ、掲示板に
晒され、ネット上で大バッシングを受けるようになりました。

のみならず、青木、中園が、連続してチンピラ風の男に階段から
突き落とされました。楓子は関西のヤクザの娘であり、その母親の
匡子が、娘の顔に傷を付けられたとして報復を始めたのです。

警視庁特命係の杉下右京冠城亘は事件当時の各人の
位置関係を考察し、6人を容疑者として順番に聴取していきました。
捜査は難航し、犯人が特定されない状況に業を煮やした母の匡子は、
このまま犯人が見付からないなら6人を順番に殺していくと楓子に
宣言しました。楓子は特命係に早く犯人を見つけてと懇願します。
右京は犯人を3人に絞リ、6人を集めました。犯人は誰か──?

名前や顔まで覚えていなかったのですが、社と因縁が深いという
台詞から、楓子はヤロポロクの事件の時に情報リークに
利用した、あの時の記者だったのですね。それがヤクザの娘という
濃い設定を付けられて再登場しました。今後も出てきそうです。

警察幹部による記者への傷害事件かと騒ぎ立てたフォトスですが、
当の記者がヤクザの娘、その組員が警察官に報復したとなると、
そっちの方が大スキャンダルになりそうなものです。青木と中園が
突き落とされた事件の方は、マスコミに隠蔽されたのでしょうか。

フォトスがヤクザと警察幹部の癒着を追っているという噂があり、
該当の幹部の犯行かという説も浮上しましたが、実はそれは
他でもない内村と匡子が旧知の仲で、上京して匡子が泊まっている
ホテルの部屋を、内村が訪問する程の間柄なのでした。いつもは
保身に熱心なだけの内村の、人間的な面を見た気がしました。

今回は中園が重要な役割を果たしましたね。自ら特命係に足を
運ぶとは極めて珍しい。慌てふためいたり怒りをぶちまけたり、
証人としても派手な役回り演じました。怪我で頭に包帯を巻いた
後頭から撮った、薄い頭頂部のアップのアングルが印象的でした。

衣笠というのはキャラが薄いですね。ただ、青木と特別な関係と
評されていて、警官だった青木の父親との縁なのだろう──
と思っていたら!青木の太股を撫で、肩を抱き寄せる衣笠。
えっ、特別な関係って、そっち?そういう意味!?
その部屋の外に大河内が立っているという暗示的な演出。
ラムネは相変わらす、ラムネをガリガリとかじっていました。

亀山薫以降、神戸尊甲斐亨が3シーズンで卒業しており、
亘も早くも3シーズン目。「何様だ」発言で仲違いの伏線を
張られていたので、やはりこれで卒業させられるのか?いやいや、
そんな噂は聞こえてこないので大丈夫だろう、でも最後まで
気が抜けないと、ハラハラしながら見進めていたシーズンでした。

しかし最終回で何事も無く継続が決まり、ホッとしました。
時に右京をも謀る策士で、女好きでおちゃらけて、傍の人に
ちょっかいをかけるような仕草も面白くて、亘のキャラはとても
気に入っています。この先もずっと、亘が相棒でいて欲しいです。

果たして亘残留の代わりなのでしょうか、特命係にこれまでと
違う変化が起きました。何と事件の責任を取って、青木年男が
特命係へ島流し!!まさかの相棒2人!?早くも名札も自分で用意。
3人の特命係、どうなるのか、今から次シーズンが楽しみです。
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1973年生まれ みずがめ座
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