COOL LADY’S PARADE

人生はレビューです。マンガ、本、ライブ、DVD、CDなど、色んなものをレビューします。
タイトルは “COOL LADY’S PARADE”。
JUNKな文章なので、お気軽に読んで行って下さい。

山下久美子

Baby alone

布袋寅泰プロデュースによる山下久美子の3部作の3作目です。
レコーディングは、’88年2,3月に行われています。
解散宣言〜LAST GIGSの間、布袋はこんな事をしていたんですね。
3部作に好きな順番を付けるとしたら、
1位が1986、2位がこのアルバムです。
’88.6.21発売。

山下久美子さんは、このアルバムに続くツアーを最後に、
二年ほど休養に入りました。
復帰後に布袋さんのラジオに彼女がゲスト出演した時に、布袋さんは
「自然な感じで、休もうか、という感じだった」
「歌い手としての自分を見つめ直したかった」などとその理由を代弁し、
久美ちゃんも「そうなの」などと同意していましたが、
当時は公に語れなかった、シンガーとしての苦悩があったようです。

数年前、彼女が本を出した時にワイドショーか何かで聞いた話ですが、
布袋さんと作品を作るようになり、BOΦWYの人気が上がるに連れ、
彼女のコンサートには、サポートとしてギターを弾いている
布袋目当ての男性客が、増えていったそうです。

そして男の声で『布袋ー!』という声援ばかりが飛ぶようになり、
久美ちゃんは“この人達は自分を見に来てくれてるんじゃない、
自分は何なんだ”と悩むようになったそうです。
布袋の強過ぎる個性に、食われてしまったのです。
それが“歌い手としての自分を見つめ直す”、という事だったんでしょう。

復帰後にも布袋プロデュースのアルバムが何作か発表されていますが、
そちらでは速いビートは鳴りを潜め、穏やかな、
いかにも女性向けという曲ばかりになってしまいました。
JOY FOR USleeping Gypsyまではレンタルしましたが、
はっきり言ってそれらは私の好みには合いませんでした。
それ以降の山下久美子さんのアルバムは、もうチェックしていません。

私がこの3部作を聴いていたのも、BOΦWYの頃の面影を宿す
布袋サウンド目当てだったのですから、こういう客は、
久美ちゃんにとっては有り難くない客だったんだろうなと思います。

しかし、私も布袋がプロデュースした他の歌手の作品を、
片っ端から聴いていた訳ではありません。
布袋のサウンドと久美ちゃんの歌声が共鳴し、単なる足し算以上の
優れたものが出来上がっていたからこそ、この3部作だけは、
レンタルだけじゃなく、(中古ですが)購入までしたいと思ったのです。

このアルバムも、前作のPOPに引き続き、
作詞は全て久美ちゃん、作曲・編曲は全て布袋が担当しています。
全体的に、ギターよりもキーボードが効いたアレンジになっています。
そのキーボードは、ホッピー神山さんが担当しています。
ギターは勿論布袋、ベースは前2作に引き続き、松井恒松さんです。

ドラムは池畑潤二さんという方です。検索したところ、
ルースターズというバンドに在籍していた方だそうです。
POPのドラムは(ドラムの専門用語は解んないんだけど)
低いタイコの音に癖があって好きではないのですが、
こちらのドラムは、キレがあってカッコいいです。

因みに同じルースターズの花田裕之さんは、
ソロ作品を布袋がプロデュースした事があります。
BOΦWYと同時期に活躍したバンドらしいので、
バンドぐるみで、布袋と個人的な知り合いだったんでしょう。

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POP

布袋寅泰プロデュースの、山下久美子のアルバム第2弾です。
気にした事が無いので今まで気付かなかったんですが、
これもBOΦWYをやりながら作ったアルバムのようです。
時系列を考えると、この次がPSYCHOPATHという事になります。
この時期の布袋さんは、精力的に仕事してます。
’87.7.21発売。

このアルバムは、タイトル通り、前作の1986よりも
かなりPOP色が強いアルバムになっています。
前作が、色んな事を試行錯誤してやってみたという感じなのに対して、
今回は冒険している曲は少なく、“女の子の歌”という事を
より意識して作ってあるような印象を受けます。

作詞は全て久美ちゃん。作曲・編曲は全て布袋です。
前作で「布袋久美子」になっていたコーラスのクレジットは、
普通に「山下久美子」名義になっていました。
前作は余りに私的要素が強過ぎたと、反省したんでしょうか。

このアルバムにもベースに松井恒松さんが参加していますが、
今度は高橋まことさんは参加していません。ドラムは山木秀夫さんで、
他のメンバーは、キーボード・オルガンとしてホッピー神山さん、
ベースにもう一人、シーナ&ザ・ロケッツの浅田猛さんが入っています。

私は音楽業界にはホントに疎いので、山木さんがどういう方か
知らなかったんですが、MORALのプロデューサーの渡辺モリオさん
と同じ、マライアというバンドに在籍していた方だそうです。
ドラムに存在感があり過ぎて、どの曲も同じように聴こえてしまうので、
私は個人的には、このアルバムのドラムは好きじゃありません。

1986のカセットテープは兄が持っていたんですが、
それ以降の3部作は無かったので、これは自分でCDをレンタルして、
カセットにダビングしたものを聴いていました。
今持っているCDは、街に中古CD店が増えてきた10年余り前、
中古で見つけて買った物です。

’80年代のCDは殆どそうだと思うんですが、このCDにも、
アルバム全体の長さと一曲ごとの曲の長さが明記してあります。
これは当時のダビングが、カセットテープ主流で行われていた為です。
それを見て、何分用のテープを買うか、参考にしていたんですね。

46分テープなら、片面23分です。1曲5分ある曲も3分行かない
曲もあるので、単純に半分に分ければいい訳ではなくって、
A面とB面にどの曲を振り分けるか計算しなきゃいけなくて、
当時のダビングは大変だったんですよ。
それが今や、MDどころかiPodとかねぇ・・・。時代は変わるものです。

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1986

1986、POP、Baby aloneと続く3部作の1作目、
当時の夫・布袋寅泰の全面プロデュースによる、
ソロシンガー・山下久美子のアルバムです。
リアルタイムでBOΦWYを聴いていた人ならば
殆どチェックしているアルバムなんじゃないでしょうか。
何故なら、ウチにあったくらいだからです。
’86.10.21発売。

兄が持っていた、LPをダビングしたBOΦWYのカセットと並んで、
“山下久美子”だけ書かれた、謎のカセットテープがありました。
私はただ好きな音楽を聴いていただけで、音楽業界には疎かったので、
中2の1月にBOΦWYを知ってから多分2,3年は、
それが何故そこに並んでいるのか、意味が分かりませんでした。

しかし高校生になってから、山下久美子が布袋の(当時の)奥さんで、
それが布袋がプロデュースしたアルバムなのだと知り、聴いてみました。
聴いてみたら、びっくりしました。BOΦWYは解散した後で、
BOΦWYのアルバムは全部知っていたけれど、
それ以外にまだこんなものが残されていたのかと、愕然としました。

そしてこの中のSINGLEという曲を聴き、またびっくりしました。
それは中2の頃、CMで聴いた覚えのある曲だったのです。
更に山下久美子という人が赤道小町ドキッを歌ったのと
同じ人だと知り、またもびっくりしました。
その曲を歌う彼女は、小学生の頃「ザ・ベストテン」で見ていました。
私はずっと前から、この山下久美子という歌手を知っていたのでした。

1986年と言えば、(そう思わない方も大勢いるでしょうが、私の中では)
布袋さんの絶頂期です。その時期に作られたこのアルバムは、
――今はもう布袋は全く聴いていないんですが、恐らくそれでも――
歴代の布袋プロデュース作品の中でも、最高傑作の一つと言っても
差し支えの無いものだと思います。

BOΦWYでは、氷室の声ではやれない事を、
山下久美子の声だからできる事をやってみた、という感じで、
外部プロデュースとしてやったにしては、
どの曲も勿体無いほどクオリティの高いものばかりです。
こちらにばかり力を入れていて、BOΦWYの方がなおざりになって、
氷室が激怒したという噂さえ聞いた事があります。

このアルバムには、布袋だけじゃなく、
ドラムの高橋まこと、ベースの松井恒松両氏まで参加しています。
BOΦWYのメンバーの、3/4がいる訳です。
しかもコーラスは布袋の声、曲のバックに流れるのは、
1フレーズ聴いただけで一発で布袋と判る、存在感のある布袋のギター。

山下久美子さんには大変申し訳ないんですが、だからこれを聴く時には、
どうしても、布袋さんの作品として聴いてしまいます。
それが後の山下久美子さんの苦悩ともなったようです。
ひょっとしたら、この3部作、特に布袋色が濃厚なこの作品は、
昔からの久美ちゃんのファンにとっても、
歓迎できない作品だった可能性があるのではないでしょうか。

“学園祭の女王”“総立ちの久美子”という異名を持ち、
既に女性シンガーとしての地位を確立していた彼女ですが、
自身で作詞を手掛けたのは、このアルバムが初めてだったそうです。
作詞は山下久美子名義ですが、コーラスのクレジットが
“布袋久美子”になっているところに、切なさを感じさせられます。

ハスキーなのに可愛らしく、パワフルだけど時に繊細。
綺麗な声というのとはまた違うけれど、彼女の歌声は、独特の個性です。
その声が、これらの楽曲に、とても良くマッチしています。
BOΦWYを好きな人なら聴いているとは思いますが、
もし聴いていない人がいたら、是非チェックしておくべき作品です。

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HN : COOL LADY
1973年生まれ みずがめ座
女性 独身 神奈川県出身

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