日々是学〜木造住宅を極める〜

木造住宅の建築・リフォームに第一線でたずさわる建築士が木造住宅の構造や耐久性、気密断熱など裏話も交えお話ししていきます。

東日本大震災復興支援チャリティーコンサート

08f79cb5.jpg来る7月16日(土)に姫路商工会議所青年部主催で姫路市文化センターにて東日本大震災復興支援チャリティーコンサートを開催いたします。プロのミュージシャンによるコンサートと防災展を行ないます。防災展では私が、「地震に備えて今できること」と題して、講演をさせていただきます。地球の内部構造にも触れながら、ここ播磨地方での地震についてお話しさせていただきます。講演は午後1時から午後4時まで3回を予定しております。当日はチャリティーオークションなど楽しい企画もありますのでぜひ足をお運びください。

古民家再生(建築士会の会報より)

建築士会の会報誌「tsudoi4月号」に限界耐力計算方法による古民家の耐震診断・補強方法に関する研修会の報告をさせていただきました。
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東南海・南海地震について

西日本の太平洋沖では下図のようにユーラシアプレートの下にフィリピン海プレートが1年に約5cmづつ沈み込んでいると考えられています。このひずみが蓄積され限界に達したときにユーラシアプレートが跳ね上がり境界プレート型の巨大地震を発生します。このプレート境界は南海トラフと呼ばれています。
日本付近のプレート
東南海地震や南海地震はこの南海トラフを震源域とする地震ですが、その地震の名称と震源域を整理してみましょう。この南海トラフで起こる地震には、北から順に‥豎っ録稔東南海地震F邀っ録未般召鼎韻蕕譴討い泙后ここでいう東南海というのは、東海と南海の2つエリアを足したものではなく、東海、南海から独立した区域で東海と南海の中間部分にあたります。(下図参照)
東南海地震の震源域

便宜上?3つのエリアに分けられてはいますが、どれも同じプレートで起こる地震であり、同時に3つのエリアが動く可能性もあります。そのときはM9.0クラスあるいはそれ以上の巨大地震が発生する可能性が十分にあります。また、南海トラフは南にいくと琉球海溝とつながっており、この琉球海溝も同じくユーラシアプレートにフィリピン海プレートが沈み込んでいる南海トラフの延長であり、東南海・南海地震で一緒にこの琉球海溝も動くとM10を超えるような地球観測史上最大の地震が起こる可能性も考えられます。(続く)

東北地方太平洋沖地震は予想できたのか

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上の表は宮城沖の地震の発生確率の公表値で、平均37年に1回という高い割合で発生しています。また下の表は宮城沖地震の発生確率を年度別に示しています。地震が発生しないまま年数が経過していけばいくほど、次の地震の発生確率が高くなっていることが分かります。このため、「何時を評価時点とした発生確率か」が、重要になります。2001年時点では、10年以内の発生確率が26%しかなかったものが、2009年の発表では70%にもなっています。もちろん、このことは宮城県や岩手県の太平洋沿岸部の方々は周知していたはずです。
 ではその予兆はあったのか?2003年から2009年まで全国で震度6弱以上の地震が10回観測されていますが、そのうち1回は2009年の駿河湾を震源とする地震ですが、それ以外の9回は全て、宮城、岩手、新潟、北海道の北米プレート内で発生しています。これだけ内陸の活断層が活発になるということは、プレート内のストレス(ひずみ)が増大していたと考えられ、宮城沖のプレート境界の地震が近いことを意味していたのです。これは地震の専門家も警笛を鳴らしていました。確かに、有史上、過去の地震の大きさを超える規模の地震と津波ではありましたが、もっと積極的に宮城沖地震の危険度を広報していれば、被害を減らせたのではないかと悔やまれます。
 次は東南海地震の危険性についてお話したいと思います。

東北地方太平洋沖地震における活断層への影響

31-2 のコピー
 昨晩、静岡県東部を震源とするM6の直下型地震がありました。これは糸魚川ー静岡構造線の一部の活断層が動いたものですが、この糸魚川ー静岡構造線はユーラシアプレートと北米プレートの境界にあたります(図の点線部分)。
 プレートには、比重の軽い大陸プレートと比重の重い海洋プレートの2種類のプレートがあります。先日の東北沖地震は、北米プレートと太平洋プレートの境界で起こりましたが、北米プレートは大陸プレートで、太平洋プレートは海洋プレートで、海洋プレートのほうが比重が重いため、比重の軽い大陸プレートの下にもぐりこんでいます。
 一方、ユーラシアプレートは大陸プレートであり、糸魚川ー静岡構造線は、大陸プレート同士がぶつかりあっている境界でアルプス山脈を形成しています。昨晩の静岡東部を震源とする地震は3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震と関係していると考えるのが自然です。
マグニチュード

 マグニチュードというのは断層の動いた範囲を表します。図にはM8までしかありませんが、今回のM9.0は距離にして、500kmほどになります。東北地方太平洋沖地震では、恐らく、太平洋プレートと北米プレートの境界のほぼ南の端まで動いたのはないでしょうか。それくらいの広範囲にわたって何メートルも動いているため、プレート内での歪みが大きくなり、また北米プレートに接するその他のプレート境界でのずれが生じてきているのです。
 下図は国土地理院より入手したもので、東北地方太平洋沖地震では、GPSで最大4.42mの地殻変動が観測されています。昨晩の糸魚川ー静岡構造線での地震は、別のプレート境界での地震であり、東北地方太平洋沖地震地震が東海地震や東南海地震を誘発する可能性もあると考えています。
変位

プレートは動く

アメイジア
プルームテクトニクス2米地質調査所(USGS)の研究が、東日本大震災の一連の揺れにより、日本列島が約2.4メートル動いたとの見解を明らかにしたが、これは何も驚くべきことではありません。地球の表面は十数枚のプレートで覆われていて、そのプレートの動きははプルームテクトクス(現在ではこの理論が最新)理論に基づいて動いている。図は2億年後の地球だ。太平洋は最後には無くなる。最後に日本はユーラシア大陸に吸収され、それにオーストラリアもくっついて、大陸プレートは一つの超大陸になる。3億年前も「パンゲア」と呼ばれる一つの超大陸だった。そこから分裂して現在の状態になっている。地球上のプレートは何億年もかけて分裂と融合を繰り返している。
プレートが動く限りプレートの境界では地殻変動=地震が必ず起きる。ある程度の周期はあるが、いつ起こるか?確実なことは誰も分からない。人間の一生の間に、大きな地震に合わないかもしれないし、合うかもしれない。ただ2000年以降、地震や火山活動が活発になっていることから、地殻変動の活動期に入ったことは間違い無いように思います。プルームテクトニクス理論では「パルス期」に入るとプレートの動きが早くなると言われています。もし現在がパルス期であるとするなら、これから地震の回数が増え、規模も大きくなっていくのではないでしょうか?人間の想像をはるかに超えたマグニチュード10とか20とか出てくるかもしれません。
建物にしても防波堤にしても過去の災害規模に基づいての基準でしかなく、それを上回る規模の自然災害が起こればどうずることもできない。防災では無く減災の考え方が必要と考えます。基準以上や想定外の自然災害が起きた場合、いかに災害を最小限に食い止めるか、完全に食い止める防災には限界があります。様々な基準の抜本的な見直しが迫られているのではないでしょうか。
原子力発電所を何度か見学させていただきましたが、確かに鋼鉄製の圧力容器でバックアップ装置もあり、完璧なように思います。ただし、あくまで過去の災害に基づく基準でしかないということです。原子力発電は確かに日本の技術は素晴らしいものがありますが、今後、原子力発電の開発・建設を進めていっていいものなのか疑問に思うところです。

東北地方太平洋沖地震

東北地方太平洋沖地震noこのたびの東北地方太平洋沖地震により被害を受けられたみなさまにおかれましては、心よりお見舞い申し上げます。
昨日の東北地方太平洋沖地震は、M8.8の境界プレート型地震で日本の観測史上最大の地震であった。その後も長野県や新潟県でも直下型地震が頻発している。この関連性の解明は難しいですが、私は関連していると考えるのが自然と思います。プレートに沿って400kmにわたる広範囲にわたって、何メートルもプレートが動いていると考えられ、有史上これまで経験の無い規模のため、誰も確定的なことは言えませんが、プレートの境界付近の上にある活断層は影響を受けると考えています。さらに今回の日本海溝でのプレート地震により、それにつながる南海トラフも今後動く可能性が高まったと言えると思います。それは2000年から始まったスマトラ沖地震が2004年、2005年、2007年、2009年、2010年と10年にわたって震源を変えながら巨大地震を引き起こしていることからも推測できます。
ここ関西地方でも、南海地震、直下型地震に対する備えが急がれますが、ここまで大きいマグニチュードの地震では、建物の耐震だけでなく、津波、山崩れ、液状化、避難所など対策が必要なものが多すぎてどれから先に手をつければいいか分かりませんが、個人としてできることは地震が起こったらまず何をすべきか、家族との連絡の取り方の確認、そして、住まいの立地状況の認識、耐震補強などできることからはじめていくしかありません。日本がそして地球全体が地震の活動期に入っていることは間違いありません。
日本付近のプレート境界と活断層

伝統木造工法について

1年以上のご無沙汰となってしまいました。今年度はもう少し書き込み回数を増やしていきたいと思います。
先日、兵庫県建築士会 構造研究会の勉強会に行ってまいりました。先月、江戸時代に建てられた篠山町の古民家の調査を行ったのですが、その結果を元に、「限界耐力計算」を行うべくデータの整理などを行い、四宮先生の限界耐力計算方法の講義を受けました。四宮先生の構造の講義はいつも難しい話を分かりやすく説明してくださるので、とても勉強になります。伝統工法の良さは、地震エネルギーの吸収のメカニズムにあります。地震エネルギーに対して、「剛」で保たせようとするのが、現代の筋交いによる軸組み工法で、これは筋交いと金物の力釘のせん断力に頼ったガチガチの工法です。筋交いの量(もちろんバランスや水平構面の剛性も検討しますが)で建物の強度を決めてしまうやり方です。極端な言い方ではありますが、震度6強には耐えるけど震度7になると突然バタッと倒れてしまう、あるいは1回目の地震には耐えたが、金物や筋交いの損傷、釘のせん断力低下により2回目の同じ大きさの地震では倒壊してしまうかもしれないという「一発勝負」の工法と言えます。また一度損傷を受けた部分の復元が非常に難しく、弾性域だけを検証する現代の壁量計算法であり、許容応力度計算法の欠点であると思います。対して土壁でできた伝統工法は、地震のエネルギーを土壁の破壊と木のめり込みによりエネルギー吸収のより、(塑性変形をしながら)徐々に壊れていくため、破壊が急激ではなく、また復元することが可能な工法です。ただ、塑性域を検討するのは計算が複雑で「限界耐力計算」を行わなければなりません。また木と木の繋ぎ部分(仕口)が非常に重要になります。ただいまこの「限界耐力計算」を勉強中なわけです。

玄武洞に行ってきました。

011ae0b5.JPG 昨日、豊岡にある玄武洞に、約20年ぶりに行ってきました。朝起きると、天気がすごくよかったので、急きょ思い立って、お昼前に広畑を出発して、途中、出石そばを食べて、現地に到着したのが、2時半頃でした。玄武洞は、円山川の東岸に位置し、西側を向いているので、午後3時くらいがちょうど日があたってよく見えます。
 今から約2000万年前に日本列島は火山活動を伴いながら、ユーラシア大陸から離れていきました。そのころは、日本海で大きな火山活動が起こっていました。玄武洞は今から160万年前の火山活動によりできたもので、マグマは冷え固まるときにできたものです。
 写真にあるように規則正しい柱状節理は、マグマが冷え固まるときに熱対流によってできたもので、自然がつくりだす世界でも数少ない素晴らしい造形であると言えます。玄武岩という名称は、この玄武洞にちなんで付けられたものです。玄武岩は地表の3分の2を占める海洋の底は全てこの玄武岩質と考えられています。
 大正15年に、京都大学の松山基範博士は、この玄武洞の岩石に残っている磁性を測定して、現在とまったく逆の南向きの磁性があることを発見しました。地球の磁性は今は北向きですが、70万年前の磁性は南向きであったのです。このことは大陸移動説やプレートテクトニクスの証拠にもなりました。
 この玄武洞の傍に、玄武洞ミュージアムという博物館があり、入ってみました。世界中の何百種類?の輝石や鉱物や化石が展示されていて、美しい石の数々に感動しました。館長(社長)と少しお話ししたのですが、40年間かけて集められたそうです。映画上映もあり、玄武洞にこられた方は必見です。
 この次は、山陰海岸の素晴らしい地形を船から眺めてみたいと思います。DSCN0365DSCN0347

住宅の省エネ基準が改正されました。

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 先日、3月3日、大阪で改正省エネ基準の講習会が全国に先駆け開催され、出席してきました。平成11年に改正された省エネ基準と比較して、要求される基準はほとんど変わっていない印象ですが、壁内結露に関して、「透湿抵抗(hmmHg/kg)」の概念が新しく加わりました。
 これまで次世代省エネ基準の認定を受けているものはそのまま継続されるとのことでしたが、次世代省エネに認定されている工法で、ベーパーバリアのないほとんど工法が、透湿抵抗を計算すると、(あくまで計算上ではありますが)壁内結露が起こる可能性があるということになってきます。このあたりは本来、実験などにより立証されればいいのですが・・・
 今後、次世代省エネ基準の認定がどのように運用されていくか?注視していきたいと思います。
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