広報強化のガイドブログ「経済記者OBの目」

——あなたの会社の危機管理は大丈夫?
——正しいメディア対応についてアドバイスします。

 企業のグローバル経営が進む中で、企業広報の重要性は一段と高まっています。マスメディア向け情報伝達手段はインターネット社会の進展とともに大きな変化を見せています。雇用のトラブル、食品メーカーの異物混入、データの偽装等々、企業をめぐる不祥事も後を絶ちません。とりわけ、個人情報の流出、不正アクセスなど、ネット社会に根ざした事件が目立ちます。
このブログは、広報ソリューション懇話会を運営する経済記者OBが交替で毎週月曜日に発信しているもので、企業の広報担当者に役立つマスメディア対策について、最近の報道内容や過去の経験などを取り上げながら、分かりやすくアドバイスしています。
 当懇話会では、企業の不祥事や緊急事態の発生を想定した「模擬記者会見」の実施や、広報業務に関する悩み・困りごとを解決するための「広報よろず相談室」を設けています。
【協賛】
株式会社ファンケル戸田建設株式会社株式会社ニシウオマーケティング
「現役記者に聞く」セミナー開催案内 広報ソリューション懇話会主催
・演題=「東芝の不正会計を追い続けた記者の報告」
・講師=「東芝 粉飾の原点」著者 小笠原 啓日経BP社日経ビジネス副編集長
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詳しくは広報ソリューション懇話会HP を。電話でのお問い合わせは(TEL03-6260-9855)へ

3月期決算にみる有力企業の明暗と生き残り戦略

大澤 賢  主要企業の2018年3月期決算がほぼ出そろった。米国や中国の景気拡大と円安効果などを反映して、全体として業績は好調だった。ただし、不祥事や経営不安を抱える企業は厳しい決算となり、明暗がはっきりと分かれた。

自動車では米国での法人税減税の恩恵を受けたトヨタ自動車が純利益2兆4939億円(売上高29兆3795億円)を計上し、国内企業の最高記録を更新した。一方、新車の無資格者検査問題とタカタ製エアバッグのリコール(無料の回収・修理)を引き起こしたSUBARU(スバル)は、2年連続の減益となった。

 電機では最大手の日立製作所が好調で、純利益は3629億円(売上高9兆3686億円)と過去最高益となった。地道な努力を続けてきた英国を中心とする鉄道事業、中国での建設機械事業などが順調に拡大し、グループ全体の業績を押し上げた。

 これに対して東芝は純利益が8040億円と4年ぶりの黒字となったが、これは米原子力発電会社の譲渡に伴う利益などがあったため。進行中の半導体子会社の売却が実現し財務体質が改善されても、将来の発展基盤をどう構築するかが大きな課題となっている。

 鉄鋼では神戸製鋼所の純利益は黒字だったが、製品データの改ざん問題による影響(部品交換などの補償費用や受注減など)が約120億円あった。今期も100億円の影響を予想している。

 決算発表やトップの記者会見を通じて浮かび上がるのは、日本企業が「生き残り」を求めて必死に戦っている姿である。

 自動車業界の最重要課題は、世界的に普及が進む電気自動車(EV)など次世代車の開発だ。トヨタ自動車は自動運転技術やEV開発で、研究開発費を来年も1兆円以上投入すると公表した。豊田章男社長は「今は大変革の時代。これを100年に一度の大チャンスととらえる」と語り、IT企業など異分野企業との提携を含め、世界3大メーカーの地位を死守する姿勢を鮮明にした。

 海外企業の買収で世界市場での優位を目指すところもある。国内製薬最大手の武田薬品工業は今月8日、アイルランドの製薬大手シャイアーを総額460億ポンド(約6・8兆円)で買収することで合意したと発表した。日本企業による買収では過去最大で、これが実現すれば武田は世界製薬会社の上位10社に入るという。

 今月31日、経団連会長に就任する日立製作所の中西宏明会長は「経済のグローバル化とデジタル化で産業間の垣根はかなり低くなっている。それをチャンスととらえないと生き残れない時代だ」と指摘する。中小企業を含め国内外市場で勝ち抜くには、技術力の向上と国際人材の活用など“総力戦”で対応する必要性を強調している。

 この時代、広報スタッフにも経営者の視点が不可欠である。


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あなたの会社のMeeTooは?

廣瀬鉄之介 佐川宣寿前国税庁長官が辞任したのに続き、今度は福田淳一前財務省事務次官がセクハラ問題で辞任に追い込まれました。財務省のツートップの辞任で、最高責任者の麻生財務大臣の責任が問われています。それは別にしても、福田氏のセクハラ問題は、官僚中の官僚とされる財務官僚にしては、何ともあきれたセクハラ言動といわざるを得ません。

 公僕たる役人のセクハラは、言語道断ですが、われわれ企業で働くサラリーマンの間でも、この種のセクハラは、きわめて多いのが実情です。厚生労働省の「職場におけるハラスメント対策マニュアル」(平成29年作成)によると、労働者、事業主などから都道府県労働局に寄せられたハラスメント相談件数2万1050件(平成28年度)のうち、7526件、実に4割近くが、セクハラに関する相談です。これに次いで「婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取り扱い」28.2%、「性差別」6.1%などとなっています。

 実は、この職場内セクハラは、相談案件として公表されたのは、氷山の一角で、そこまでに至らない、いわゆる“泣き寝入り”が圧倒的件数と見られています。職場内におけるセクハラは、同僚から受ける場合もありますが、事業主や上司など、権限や地位のある管理職からの言動が、被害者を泣き寝入りさせてしまうケースが多いと思われます。

 セクハラ被害が社内で公けになると、配置転換などの不利益を受ける、場合によっては退職に追い込まれるなどが想定されるからです。福田前事務次官のセクハラ問題で、財務省が、「被害者の言い分も聞かないと片手落ちになる」として、被害者に名乗り出るよう求めたことが、逆に財務省の「お上意識」の姿勢に厳しい批判を招く結果となりました。

 厚生労働省は、職場のセクハラを防止するいくつかのポイントを掲げていますが、大きくは3点に絞られます。1点目は就業規則等の文書でセクハラ行為に厳正に対処する旨を周知する。2点目は相談窓口を設け、現実の行為だけでなく、発生の恐れに対しても相談に対応する。3点目は、行為者に対する措置を厳正に行うなど、再発防止に向けた対策を講ずる―です。

 いずれも企業としては、対応を急がれる課題ですが、セクハラは、被害者にとって、プライバシーや職場における立場など、複雑な問題を含んでいます。そのため、むしろ企業とは別の第三者窓口の利用も選択肢の一つでしょう。第三者窓口は、国(厚生労働省)や都道府県労働局、さらには、弁護士会など、さまざまな機関で対応しています。

 職場におけるセクハラは、表面化すれば、企業イメージの失墜につながります。広報担当者としても他人事で済まされません。会社内、職場内のMeeTooを未然に把握し、適切な対応を整えておくことが、企業ブランドの維持に役立つでしょう。


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