広報強化のガイドブログ「経済記者OBの目」

——あなたの会社の危機管理は大丈夫?
——正しいメディア対応についてアドバイスします。

 長引くコロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻など世の中が激動する中で、人々の考え方や働き方が大きく変わっています。併せて「会社とは何か」「仕事とは何か」の根源的な問いかけも増えています。一方、インターネットの普及と進化がメディア事情を一変させ、メディアにかかわる人たちは誰もが試行錯誤を繰り広げています。
 経済記者シニアの会は、前身の広報ソリューション懇話会を発展的に解消し、新たなブログメンバーの参加を得て発足しました。このブログは経済記者シニアの会を運営するベテラン・OBの経済記者が交替で、毎週月曜日に発信しています。企業の広報担当者から経営陣まで、役に立つメディア対策を中心に過去の事例などを取り上げながら、わかりやすくアドバイスしています。

ウィズコロナ・ポストコロナの処方箋

山下 郁雄  世界各国がポスト・コロナに移行しているなか、ゼロコロナを目指す彼の国と、第7波の勢いが止まらない某国だけが、世界の潮流とは異なる濁流に飲み込まれ悪戦苦闘を強いられている。彼の国は、新型コロナ発祥地でロックダウンによる押さえ込みに成功し、某国は、ファクターXのおかげか、死亡者数を桁違いの少なさに抑え、共にちょっと前まで「世界の優等生」ともてはやされていた。その両国が、いつの間にか優等生から劣等生に、そしてガラパゴス国家へと様変わり。一体、何が起こったのだろうか。

 彼の国=中国は、世界中のひんしゅくを買いながらもゼロコロナ政策に固執している。いつまで続けるのか。先行きを占うと、コロナの動静もさることながら、今秋開催の、5年に一度の中国共産党大会が、より重要な要素になるとの見方がある。異例の3期目を目指す習近平にとって、大会開催前に看板政策のゼロコロナを見直すのは難しい。大会を乗り切り、権力基盤を確立したならば、さまざまな理由づけをして路線変更に踏み切るだろうとのヨミである。万一、政権交代が起こったら、誰が国家主席になっても、もちろんすぐに政策転換となる。  

 問題は某国=日本だ。感染者急伸の「波」が来るたびに、やれ医療崩壊だ、やれPCR・抗原検査だ、人流抑制だと大騒ぎするばかり。武漢株の日本上陸からすでに2年半余りが経ち、未知の新型コロナウイルスは、変異が続いているとは言え、未知が既知に、新型が旧型になったと言い換えられよう。にもかかわらず、「未知との遭遇」にあたふた・オタオタする状況は少しも変わっていない。一体なぜなのか…。その答えは「学びがない」に尽きるだろう。

 「新型コロナの発症リスクを高める食品は、甘いもの、油脂類(トランス脂肪酸等)、乳製品、小麦製品、添加物-の五つ」、「逆に、免疫機能を高め発症リスクを抑えるのは植物繊維、発酵食品、オメガ3脂肪酸(青魚やナッツ類に含有)など」、「入浴時に湯船につかることが、コロナの感染・発症リスクを下げる可能性がある」…。これらの知見は、ITベンチャー、シグナルトーク(東京)が、全国1,500人を対象に食生活等を調査し、AI(人工知能)を用いたデータ解析により導き出した。

 同社は10年ほど前から「健康と食」の相関を明らかにして健康増進を支援する事業に取り組んでいる。コロナ禍の広がりを踏まえ、新型コロナ感染リスクに照準を合わせた調査分析を実施し成果をとりまとめた。同社の栢(かや)孝文社長は「新型コロナ発症した人 しなかった人」(幻冬舎)を今春、著し、知見の数々を披露。同書のなかで「世界中で発表された新型コロナに関する論文や厚労省の食品成分データ等の解析とAIによる学習を進め、発症リスクを左右している可能性がある食品のリスト化に成功した」と記している。

 日本では新型コロナウイルスが2類相当に分類され、感染者の全数把握が義務付けられていることなどから、コロナ関連の膨大な情報が収集・蓄積されている。AIやデータサイエンスが長足に進歩した今日、それら無数のデータを多面的・多層的に解析すれば、ウイルスの正体(毒性と感染力の関係性、今後の変異予測等)やmRNAワクチンの功罪を高精度でつかめるはず。一民間企業でかなりの成果を上げている試みを国・政府レベルで出来ないわけがない。多くの学びと気づきを得て、ウィズコロナ・ポストコロナ時代にふさわしい処方箋を書き上げることが急がれる。
 

<お知らせ>
「経済記者OBの目」は8月15日配信を休みます。開始は22日(月曜日)からとなります。


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IT多重下請け構造に公取委が切り込むには

佃 均  6月末、公正取引委員会が「ソフトウェア業の下請取引等に関する実態調査報告書」を公表しました。資本金3億円以下のソフトウェア関連企業2万1千社を対象に行ったアンケート 調査から、取引上の優位な地位を利用した「買い叩き」や「中抜き」、対価の支払い延長などが恒常的に横行している実態が浮き彫りになったかたちです。

 ソフトウェア受託開発の多重下請け構造は、IT業界にあって“宿痾”のような課題です。引き金は1980年代の後半に始まった都市銀行の第3次オンライン開発で、「ソフト要員が100万人足りない」と言われたものでした。システム開発もバブルだったのです。

 ブラブラしている青年に特急印刷で作った名刺を持たせて現場に送り込む。それだけで毎月40万円、50万円の稼ぎになりました。やっているのはワープロ作業やお茶汲みなのに、名刺の肩書きは「SE」(システム・エンジニア)というケースもありました。

 湯水のように予算があるのなら、良し悪しは別として、多重下請け構造は利益配分の仕組みとして機能するかもしれません。ところが予算が減ってくると、それは利益を搾り取る仕組みに変わります。

 2009年に類似の調査を実施したところ、ちょっと規模が大きな開発案件では、元請け>委託>再委託>準委任>要員派遣というのがザラで、最下層は5次、6次というものでした。現在はさらにフリーター、個人事業主、要員派遣が複雑に錯綜しています。

 公正・公平な取引きを阻害するだけでなく、国のシステム開発にカルト教団が入り込んだり、ハッキングのためのバックドアを仕掛けられたり等、システムの安全性、信頼性にかかわってきます。ITが社会・経済のプラットフォームに位置付けられるので、「公取委は下請法(下請代金支払遅延等防止法)の適用を強化する」とIT系メディアは報じています。

 ですが、2004年にも公取委はこの問題を取り上げていますし、「2年ごとに業種を変えて同様の調査をやっている」とのこと。同法第9条にある検査権を行使することに腰が引けているように見えて仕方がありません。そうでないことを願いつつ、経産省や厚労省と連携してユーザーのシステム開発丸投げや偽装契約、派遣就労の問題にどう取り組むか、注目したいと思います。


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