広報強化のガイドブログ「経済記者OBの目」

——あなたの会社の危機管理は大丈夫?
——正しいメディア対応についてアドバイスします。

 企業のグローバル経営が進む中で、企業広報の重要性は一段と高まっています。マスメディア向け情報伝達手段はインターネット社会の進展とともに大きな変化を見せています。雇用のトラブル、食品メーカーの異物混入、データの偽装等々、企業をめぐる不祥事も後を絶ちません。とりわけ、個人情報の流出、不正アクセスなど、ネット社会に根ざした事件が目立ちます。
このブログは、広報ソリューション懇話会を運営する経済記者OBが交替で毎週月曜日に発信しているもので、企業の広報担当者に役立つマスメディア対策について、最近の報道内容や過去の経験などを取り上げながら、分かりやすくアドバイスしています。
 当懇話会では、企業の不祥事や緊急事態の発生を想定した「模擬記者会見」の実施や、広報業務に関する悩み・困りごとを解決するための「広報よろず相談室」を設けています。
【協賛】
株式会社ファンケル戸田建設株式会社株式会社ニシウオマーケティングセコム株式会社
株式会社ぐるなびANAYKK AP株式会社

巨大災害対策の総点検を急ごう

大澤 賢  今夏は埼玉県熊谷市で摂氏41・1度と国内最高気温を更新(7月23日)するなど、各地で「命に危険な暑さ」が続いた。また1時間に100ミリを超す雨が降り、広島・岡山・愛媛県を中心に死者220人余りを出す「西日本豪雨」が起きた(7月上旬)。台風もすでに14個と多く、秋の巨大台風が心配されている。

 企業にとって自然災害は経営上の主要リスクの一つであり、BCP(事業継続計画)の策定など事前の対応策をとっているところが多い。だが災害は時に想定を超える規模で発生するから、万全の対策をとっていたはずの生産拠点や事務所などが大きな被害に遭い、従業員の安全確認や施設の復旧などに追われることになる。

 例えば西日本豪雨では自動車メーカーのマツダと三菱自動車などが、2週間で約4万台の減産を余儀なくされたという。工場自体の浸水被害はほとんどなかったものの、従業員(家族)の被災のほか道路、鉄道、上下水道、電気・通信網といったインフラの損壊、そして部品供給の途絶などでなかなか操業が再開できなかった。

 今後の最大の不安は巨大地震の発生である。

 7年前の東日本大震災と同じマグニチュード(M)9クラスの巨大地震の発生確立が高まった。政府の地震調査委員会は今年2月、静岡県から九州沖合で発生する「南海トラフ地震」について、発生確率を昨年までの「30年以内に70%程度」から「80%程度」に引き上げた。

 また首都圏で発生する確率の高いM7クラスの「首都直下地震」でも、同様に80%程度へ高めた。同委員会は巨大地震について「状況が急激に悪化したというわけではないが、次の大地震に少しずつ近づいていることを表している。これから間違いなく発生することを忘れずに備えておいてほしい」と対策の強化を訴えている。

 被害想定も拡大した。政府の5年前の推計では、南海トラフ地震の経済被害額は最大で220兆円、首都直下地震は同93兆3000億円だった。だが今年6月に土木学会が公表した推計によると、南海トラフ地震では経済がほぼ回復する20年後までの被害額は1410兆円、首都直下地震では778兆円に達するとした。

 巨大地震が発生すれば「国難」レベルの危機になる可能性が高い。企業も危機的状況に陥る可能性がある。BCPを絶えず見直して、本社機能の一部を富山県黒部市に移したYKK(東京)のように、重層的対策を構築することが不可欠である。机上のプランにならないよう、この夏以降、全社挙げて巨大災害対策の総点検を急ぎたい。


<お知らせ>
連載ブログ「経済記者OBの目」(毎週月曜日)は8月20日の配信は休みます。27日から再開します。


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なぜ? 頻発する企業不祥事

廣瀬鉄之介 毎月のように報道される企業不祥事。テレビの画面には、企業幹部が深々と頭を下げ、再発防止の言葉を決まり文句のように並べる謝罪会見。しかし、不祥事は一向になくなりません。それどころか、同じ企業が2度3度謝罪会見を繰り返すケースさえ見られます。謝罪会見はパフォーマンスに過ぎないのでしょうか?なぜ、企業不祥事が頻発するのでしょうか?

 企業不祥事が明るみに出ると多くの場合、企業は第三者委員会を設け、調査報告書を公表します。しかし、この報告書が曲者で、第三者委員会とは“名ばかり”、実態は、会社側の意向に沿ったり、不祥事の核心部分を意図的に避ける報告書が見られるなど、およそ第三者の名からは遠い実態が浮かび上がります。

 第三者委員会に対する信頼が揺らいでいることから、日本弁護士連合会は、2011年3月に第三者委員会ガイドラインを公表し、さらに、ガイドライン作成にかかわったメンバーを中心に大学教授、ジャーナリストなどの参加を得て「第三者委員会報告書格付け委員会」を設立しました。第三者委員会の報告書がどの程度信頼できるかを、格付けする機関です。

 格付けは上からA、B、C、Dの4段階評価で、格付けに値しない不合格はFとなります。評価は、第三者委員会の委員構成に関し、独立性、中立性、専門性が保たれているか、調査対象が的確かつ十分か、ガイドラインに準拠しているか、などいくつかの要素に基づき評価します。評価は格付け委員会メンバー9人が個人の資格で行います。

 格付け委員会はこれまで計17回の格付けを行い、その結果を格付け委員会ホームページに掲載しています。非常に興味深いので、そのまま転載させていただきます。


過去の各付け結果のまとめ
(第三者委員会報告書格付け委員会ホームページより)


 格付け結果を見ると、神戸製鋼所の検査結果の改ざんでは、不合格評価が6人もあり、残り3人はいずれもD評価です。東芝の場合は、不合格が3人で、残り5人はC、Dの評価です。東亜建設は何と9人全員が不合格評価です。興味ある格付けとしては、日本オリンピック委員会の東京オリンピック招致活動、朝日新聞社の慰安婦情報問題などがあり、また、日本大学アメリカンフットボール部の反則行為に関する第三者委員会報告書なども近々評価結果が出される見通しです。

 格付け委員会委員長の久保利英明弁護士は、NHK NEWS WEBのインタビューの中で次のような趣旨を述べています。 「神戸製鋼の場合、格付け委員会の格付けを逃げようとしている。東芝は、報告書で核心部分のウエスチングハウスと監査法人問題にまったく触れていない。これでは、第三者委員会は“名ばかり委員会”だ。逃げたり、隠蔽体質の企業は2度、3度と不祥事を起こす。第三者委員会の一番の仕事は、不祥事の本当の原因、本質を明らかにすることである。トップや内部統制に原因があるなら、なぜそんなトップを選んだのか、なぜ内部統制が利かない仕組みになっているのかを指摘し、次のトップを選ぶときに、それを活かす。それが本当の再発防止策だ」


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