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国際社会は、弱肉強食の“ジャングルの法則”へ  ~米軍とイスラエル軍が突然、イランを空爆~

高橋 成知 ■国際法を踏みにじるトランプ大統領
 トランプ大統領の米軍とイスラエル軍が、2月28日、イランへ突然、戦闘機で空爆し、イスラム教シーア派の最高指導者ハメネイ氏を殺害した。それもイランと米国が核開発の協議をしているさ中、イランの核施設等への空爆等を行った。

 この暴挙を国際社会が許してよいのだろうか?明らかにトランプ大統領は国際法違反である。米国議会の承認や国連安全保障理事会の承認もなく、一方的に主権国家を武力で破壊し、体制変革を促す。トランプ大統領はまるで“十字軍”気取りだ。

 こんな「暴挙」を黙認すれば、国際社会は第1次世界大戦前の弱肉強食の“ジャングルの法則”に戻りかねない。これに対抗して、イランの革命防衛軍は報復として、サウジアラビヤ、カタール、オマーン、UAEなどにある米軍基地や石油施設へのミサイル、ドローンによる攻撃を行った。

 これに伴い、ホルムズ海峡が事実上、通行不能となり、今後の原油価格(現行1バーレル=70ドル)が140ドルにまでに高騰する恐れがあり、紛争の長期化が懸念されている。

 わが国には254日分の原油備蓄があり、当面は“油断”による石油ショックは起きないようだが、紛争が長引く際には、わが国のエネルギー需給に大きなダメージを受けそうだ。

■5年目に突入、終わらないロシア‐ウクライナ紛争 戦死者は180万人に
 紛争と言えば、ロシア-ウクライナ紛争だが、この2月で5年目を迎え、未だに終わらない戦争を継続している。第1次大戦も最初は2カ国の紛争が次々に広がってしまい、世界戦争になってしまった。早く終結しないと、第3次世界大戦に拡大する恐れがある。

 CSIS(米戦略国際問題研究所)の推計(2025年末まで)によると、ロシア軍の戦死者は120万人、ウクライナ軍が50-60万人の合計180万人に達している。第2次大戦以降、これほど多くの戦死者を出した大国は存在しないし、ロシアが制圧した地区は、ウクライナ領の1・5%に過ぎず、異常な代償を払って戦争を継続している。

 トランプ大統領は確かに焦っている。トランプ関税により「国が豊かになる」と訴えてきたのに、物価はますます高騰し、トランプ反対デモが各地で起きている。移民政策によるICS(移民・税関捜査局)の失態もあり、支持率が最低水準となってしまっている。

 加えて、「エスプタイン文書」による性的人身売買により、世界の政財界の要人が次々、辞任に追い込まれている。元大統領のビル・クリントン氏や、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏らの関係もあぶり出され、英国のアンドリュー王子は皇位はく奪に追い込まれている。

 公開された文書は300万ページ、共謀者の名前は黒塗りされているが、トランプ大統領や政権の関係者が数多く含まれており、大統領の責任を問う声が日増しに大きくなってきている。

■ハルマゲドン(世界最終戦争)を望む、キリスト教“福音派”
 それでもトランプ氏が強気なのは、キリスト教の聖書を信奉する「福音派」の存在だ。キリスト教原理主義の福音派はキリスト教TVネットワークTBNで一番の視聴率を誇り、豊富な資金力を誇るダラス・ファースト・パブテスト教会の指導者、ロバート・ジェフレス牧師の存在が大きい。彼はトランプ大統領の友人で宗教的な助言を行っている。インタビューでも彼は「聖書には、エルサレムにユダヤ人の国家が出来ると、ハルマゲドン(世界最終戦争)がおき、やがてキリストが再誕する」とこれを映像で「ハルマゲドンは近い」と声高に演説している。

 加えて、“福音派”は米国の軍隊の中でも布教活動を展開している。新入隊員向けのセミナーを開催し、信者獲得の勧誘を行っている。これに異を唱える元軍人の弁護士宅の前では、毎日、ヘイトスピーチで弁護士に汚い言葉を浴びせ、スピーカーで誹謗・中傷し続けている。

 そのやり方はある意味、旧統一教会と似ている。彼らは、反対者には過酷な中傷を行う。また、政治家へは無給で良く働く秘書を大量に送り込み、政治家を徐々に洗脳していく。既に、100名以上が送り込まれていたようだ。

 “福音派”は、イランが米国と核開発で合意してもらうのが困るのだ。イスラエルのネタニアフ首相やトランプ大統領に助言し、大戦争を促がしているのだ。豊富な資金力と全米のキリスト教徒の多数を占める「福音派」が今回の戦争の後ろ盾と言っても過言ではない。

 こうした状況の中、第2次大戦の英国ではチャーチルが登場し、反ヒトラーとしてナチスに断固として戦った。一方、喜劇役者のチャップリンは大変な読書家でもあり、ヒトラー登場時の1940年に風刺映画「独裁者」を演じて、痛烈にヒトラーをパロディで皮肉った。その最終幕の演説が「人々は自由を求めている」という最高のスピーチであったと、寅さんで著名な山田洋次監督が朝日新聞の日曜版のコラムで紹介している。

 仲介者のいない中東の戦争がいつまで続くのか?長期化するのは、影響が大きく、国際社会は望まないであろう。今、米国に異を唱えているのはスペインのサンチェス首相のみ。

 21世紀のチャーチルやチャップリンは出てこないのか?21世紀は平和の世紀が来るのかと思ったら“戦争の世紀”へ逆戻りしてしまった。人類は進化しないのか?憤りを感じざるを得ない。


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「SaaSの死」「危険性認定の撤廃」に「ポリマーケット」 -前座と真打ちの“三題噺”

ポリマーケットのホームページ(2月27日時点のエコノミー部門)
ポリマーケットのホームページ(2月27日時点のエコノミー部門)

山下 郁雄  「SaaSの死」なる文言がにわかに広まった。「危険性認定の撤廃」が大きなニュースになった。前者はIT(情報技術)やAI(人工知能)に関わる話で、後者は温暖化ガス、気候変動を巡る取り組みだ。さらに、ここへきて赤丸急上昇中なのが「ポリマーケット」なる代物。そこで、いずれも米国発で、互いに何の関係もない「今が旬の3ワード」がお題の“三題噺”を作文した。

 インターネット・クラウド上でソフトウエアを提供するSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)は終わったのか。「SaaSの死」が意味するのは、このストレートな問いかけだ。米AIベンチャー、アンソロピックが今年1月に開発・販売したAIツール「コワーク」が既存のソフトウエアの多くを代替するものだと高く評価され、それに伴い、セールスフォース、アドビ、インテュイットなど代表的SaaS銘柄の株価が急落。動揺は世界中に広まり、刺激的な「SaaSの死」がハヤリ言葉となり今に至っている。

 トランプ大統領は2月12日、「温暖化ガスが公衆の健康・福祉を危険にさらしている」とする危険性認定を撤廃すると発表した。同認定は2009年にオバマ政権下のEPA(米環境保護局)が策定した。トランプ氏は「オバマ時代の悲惨な政策だ。米自動車産業に深刻な損害を与え、米消費者が支払う価格を押し上げた」と批判し、「撤廃は米国史上最大の規制緩和措置だ」と自賛した。気候変動対策は史上最大の詐欺―とのトランプ氏の持論に基づく取り組みであるのは言うまでもない。

■未来予測と予測市場
 「SaaSの死」と「危険性認定の撤廃」。二つに共通するのは、どちらも未来をどう見るかの未来予測に深く関わっている、あるいは未来予測そのものという点だ。SaaSは本当になくなるのか…、温暖化ガスは深刻な影響を与えているのか、気温はどこまで上がるのか…。そんな未来予測のニューフェースとして、俄然、脚光を浴びているのが、予測市場の代名詞ともなる「ポリマーケット」である。

 ポリマーケットとは何か=予測市場とは何かになるので、ここでは予測市場に目を向ける。予測市場を一文で表すと「未来の出来事を予測して、その予測が正しいかどうかで、正しい人が得をし、予測を外した人が損をする、併せて、高精度の未来予測が実現する場であり仕組み」となろうか。興味を持った方は【未来を売買する仕組み】予測市場が、なぜいま注目されるのか|大将(TiShow)を読んでいただきたい。

 ポリマーケットで「セールスフォースの2年後の売り上げは10%減少する」(SaaSの死の真贋)、「向こう3年で地球全体の平均気温が0.02度上昇する」(危険性認定の撤廃=温暖化は詐欺or真実)の問いを立て、Yes・Noを投じてもらう。株式市場の株価のようにYesとNoのそれぞれの価格は変動し、その価格推移により、SaaSは死ぬのか否か、温暖化は嘘か誠か-が分る仕掛けである。日本からもYes・Noを投じられるが、目下のところは、違法行為(オンラインカジノ)なのかどうか、グレーゾーンにある。

 以上が前座の三題噺。以下に真打ちの三題噺を記す。

 SaaSは消えた。少なくとも、あれほど万能の解のように語られた「主役」としては舞台を去った。温暖化ガスの危険性認定もまた、絶対不変の真理のように扱われたかと思えば、政治の風向きひとつで揺らぐ。科学はデータで語るが、認定はしばしば空気で決まる。

■専門家は外す、政府もメディアも外す…
 つまり未来とは、だいたい外れる。専門家は外す。政府も外す。メディアも外す。ついでに私も外す。だが人間は予測をやめない。なぜなら、当たるかどうかよりも、「参加している感じ」のほうが大事だからだ。そこで登場するのがポリマーケットである。未来に値札をつける。意見ではなく価格で語る。「そう思う」ではなく「いくら賭ける?」と問う。

 SaaSがどうなるか。危険性認定がどう転ぶか。議論は尽きない。だが市場は一瞬で数字にする。しかもその数字は、案外しぶとく当たる。無責任な評論よりも、責任を伴う賭け。肩書きよりも、ポジション。未来を語る人は多い。未来にベットする人は少ない。そして皮肉なことに、後者のほうが、だいたい正確だ。ならば次に揉めそうなテーマが出てきたらどうするか。まず専門家を呼ぶ前に、市場を開けばいい。白熱した討論の代わりに、冷たいオッズを眺める。真理は一つとは限らないが、価格は必ず一つに収束する。

 さて。この原稿の主張――「予測市場は専門家より当たる」という命題。これをポリマーケットに上場したら、いくらつくだろうか。もし高値がつくなら、私は胸を張ろう。もし安値なら――そのときは、静かにポジションを閉じるだけだ。未来とは、正しさの競争ではない。損益の記録である。そしてそれこそが、いちばん残酷で、いちばん誠実な予測なのかもしれない。

 この真打ちは一体誰?-賢明な読者諸氏はご明察だろう。そう、チャッピーことチャットGPT氏。お題を与え三題噺の創作を頼んだら、数秒で仕上げてくれた。チャッピー、恐るべし!
 


<お知らせ>
第一月曜公開予定の「記者会見を斬る」は今月お休みとなります。


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