広報強化のガイドブログ「経済記者OBの目」

——あなたの会社の危機管理は大丈夫?
——正しいメディア対応についてアドバイスします。

 企業のグローバル経営が進む中で、企業広報の重要性は一段と高まっています。マスメディア向け情報伝達手段はインターネット社会の進展とともに大きな変化を見せています。雇用のトラブル、食品メーカーの異物混入、データの偽装等々、企業をめぐる不祥事も後を絶ちません。とりわけ、個人情報の流出、不正アクセスなど、ネット社会に根ざした事件が目立ちます。
このブログは、広報ソリューション懇話会を運営する経済記者OBが交替で毎週月曜日に発信しているもので、企業の広報担当者に役立つマスメディア対策について、最近の報道内容や過去の経験などを取り上げながら、分かりやすくアドバイスしています。
 当懇話会では、企業の不祥事や緊急事態の発生を想定した「模擬記者会見」の実施や、広報業務に関する悩み・困りごとを解決するための「広報よろず相談室」を設けています。
【協賛】
株式会社ファンケル戸田建設株式会社株式会社ニシウオマーケティングセコム株式会社
株式会社ぐるなびYKK AP株式会社アットホーム株式会社キッコーマン株式会社
積水ハウス株式会社鹿島建設株式会社

『観光バブル』崩壊の傷は深く長い

大澤 賢  「感染者100人のうち20人が重症化し、5人が死亡する」という新型コロナウイルスの脅威に歯止めがかからない。一日の感染者5万人以上を記録した米国のほか、ブラジルやインド、アフリカ諸国などで感染拡大が目立つ。

 「コロナショック」が世界経済に大打撃を与えていることは、前回触れた。最近では国際通貨基金(IMF)が、2020年の世界経済は実質前年比マイナス4・9%に落ち込むとの見通しを発表した。4月の予想を下方修正し、「ほかに類を見ない危機。回復も不確実」と解説している。

 何よりも人の移動が止まった影響が大きい。日本は4月から“鎖国”に踏み切った。「過去2週間以内に対象国・地域に滞在歴のある外国人は、原則として入国禁止」という措置で、対象国・地域は6月末には129に拡大した。

 その結果、ビジネス交流だけでなく、訪日外国人旅行者も激減した。JNTO(日本政府観光局)によると
◆1月=前年同月比1・1%減の266万1千人
◆2月=同58・3%減の108万5100人
◆3月=同93・0%減の19万3700人
◆4月=同99・9%減の2900人
◆5月=同99・9%減の1700人―となった。

 4、5月はほぼゼロ状態で、1~5月までの累計では前年同期比71・3%減の394万4400人である。

 この状況が続けば、今年は2011年(東日本大震災があった年)の622万人を大きく下回ることは確実。政府関係者は「EUやベトナムなどで渡航緩和の動きがあるが、年内にどれほど回復するか、まったく見通しが立たない」と肩を落とす。

 コロナショックは、ここ数年続いた訪日外国人旅行者の「観光バブル」を崩壊させた。訪日旅行者数は2013年1036万人→16年2404万人→18年3119万人、そして昨年は3188万人と、6年間で3倍以上になった。今年は東京オリンピック・パラリンピック開催(1年延期)で、4000万人を掲げるなど、官民挙げて過熱ぎみだった。

 浅草や京都などの有名地は外国人であふれ、住民が街中で買い物に困るような過密状態が起こり、静かさが大切な寺社・公園などでも環境が乱される事態がしばしば起きた。

 観光バブルの崩壊で、中小企業を含む多数の関連企業が窮地に陥っている。失業者も急増中だ。政府は「GO TOキャンペーン」を含む事業規模200兆円超の経済対策を決めたが、観光産業にはさらにきめ細かい支援が欠かせない。

 そしてこの危機を踏まえ、政府は「観光立国」政策を見直す必要がある。何よりも訪日客の「量」拡大路線はやめるべきだ。有名地への一極集中の防止と地方への分散、全国津々浦々で使える交通・通信環境の整備、そして短期間でも日本文化への理解促進―という方向に転換してほしい。


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進む企業変革 DXの課題

廣瀬鉄之介 新型コロナウイルスの流行にいぜん収束の兆しが見えません。コロナ禍の克服というより、最近では、「with コロナ」の言葉にみられる、「コロナと共に暮らす社会、経済」の姿を模索する動きが強まっています。「友人や同僚との飲み会はオンラインで」「スーパーへの買い物は一人で、空いている時間帯に」「田舎への帰省はビデオ通話で」等々、新たな日常が生まれつつあります。

 企業経営には、DX(デジタルトランスフォーメーション)の大きな波が押し寄せています。デジタル経営による新たな変革です。テレワークや在宅勤務、オンライン営業、オンライン採用、VR研修などは、従来からいくつかの企業でも導入されていましたが、コロナ禍が、ここにきて一気にそれらを加速する様相を見せています。

 DXの先進国、米国では、DXが企業の技術革新をもたらし、社会経済のイノベーションの原動力になったといわれます。世界的なIT企業であるGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)はそのけん引車としての役割を担いました。しかしそのGAFAにも、“泣き所”があることは、あまり知られていません。人材の流出です。

 内閣府が今年3月、「イノベーション人材の流動化に係る要因調査」という興味深いレポートをまとめました。その趣旨は、成長を支えるイノベーションの推進に際し、主要国に比べ劣っているといわれる日本の人材の流動性・多様性をいかに確保するかという点から、海外事例を調査したというわけです。

 レポートの中で目を引いたのは、GAFA従業員の在職年数の短さです。具体的には、Apple、Amazonがなんと1.8年、Google、Facebookがそれぞれ1.9年、2.0年です。IT業界の技術進歩のスピードの速さといえばそれまでですが、その背景には、IT業界における深刻な人材不足、テクノロジー企業間の熾烈な競合、転職に伴う昇給アップの度合い等が指摘されています。

 具体的な離職理由を見ると、離職者の45%が「昇進の機会に関する懸念」、次いで「経営陣に対する不満」(41%)、「職場環境や企業文化への不満」(36%)、「給与など待遇への不満」(34%)などとなっています。

 これらの理由を見ると、GAFAの従業員も日本の企業と同様、企業内コミュニケーションやモチベーション低下などのストレスに陥っている傾向が読み取れます。 コロナ禍で急進展しているテレワークや在宅勤務などの日本の事例を見ると、将来、GAFAと同じようなストレス、離職者の増加が心配されます。DXはイノベーションの推進力になるとはいえ、それを担う従業員、人材のモチベーション、コミュニケーションが弱まれば、元も子もありません。

 GAFAで今、喫緊の課題になっているのが、リテンション(人材の定着)です。DX下におけるリテンションのあり方を心にとめておく必要がありそうです。


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