広報強化のガイドブログ「経済記者OBの目」

——あなたの会社の危機管理は大丈夫?
——正しいメディア対応についてアドバイスします。

 企業のグローバル経営が進む中で、企業広報の重要性は一段と高まっています。マスメディア向け情報伝達手段はインターネット社会の進展とともに大きな変化を見せています。雇用のトラブル、食品メーカーの異物混入、データの偽装等々、企業をめぐる不祥事も後を絶ちません。とりわけ、個人情報の流出、不正アクセスなど、ネット社会に根ざした事件が目立ちます。
このブログは、広報ソリューション懇話会を運営する経済記者OBが交替で毎週月曜日に発信しているもので、企業の広報担当者に役立つマスメディア対策について、最近の報道内容や過去の経験などを取り上げながら、分かりやすくアドバイスしています。
 当懇話会では、企業の不祥事や緊急事態の発生を想定した「模擬記者会見」の実施や、広報業務に関する悩み・困りごとを解決するための「広報よろず相談室」を設けています。
【協賛】
株式会社ファンケル戸田建設株式会社株式会社ニシウオマーケティングセコム株式会社
株式会社ぐるなびANAYKK AP株式会社
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・テーマ=「社会部記者から見た企業広報の在り方」
・講師=東京新聞社会部記者 望月衣塑子氏
・日時=10月18日(木曜日)午後2時から同4時まで

詳しくは広報ソリューション懇話会HPを。電話でのお問い合わせは(TEL03-6260-9855)へ

スポーツ界の不祥事から学ぶ

江口務 大相撲の貴乃花親方が突然引退を表明、あっという間に注目の相撲部屋が消滅してしまったことにファンは大きなショックを受けている。騒動の発端となった暴行問題では被害者の貴ノ岩が日馬富士を相手取って損害賠償を求める民事訴訟を新たに起こすなど、いまだ事態収拾の道は見えてこない。それどころか元親方の今後の動き次第ではもう一波乱も二波乱もありそうだ。

 不祥事が相次ぐスポーツ界にあって一服の清涼剤になったのは、全米オープンテニスでの大坂なおみ選手の活躍だろう。決勝戦で強豪のセリーナ・ウィリアムズ選手を圧倒的な強さで下し、一躍世界の注目を浴びた。試合はセリーナ選手と審判との間で暴言、罰則の応酬が繰り返され、セリーナ選手びいきで埋まった観客席からは激しいブーイングが起きるという異常な雰囲気の中で進められたが、大坂選手は終始「我慢」に徹し、栄冠を手にした。観客からのブーイングは大坂選手の優勝インタビューの最中まで続いたが、ここでも彼女は冷静だった。記者から優勝の感想を聞かれると、いきなり「こんな終わり方になってごめんなさい。皆がセリーヌに勝ってほしかったのは分かっていた」と答えた。普通ならガッツポーズで自分の勝利をアピールしたいところだが、そうはしなかった。その場の雰囲気や状況を即座に判断し、控えめな態度に徹したのだ。

 もしこの時、彼女が「私は強いから勝った」「セリーナは思ったほどではなかった」などと発言していたら、状況は大きく変わっていただろう。ブーイングの矛先は大坂選手に向けられ、勝者にもかかわらず悪役にされていたところだ。これぞまさに<神対応>だったと言えよう。

 不祥事が止まない日本のアマチュアスポーツ界でも迅速・適切な対応で炎上を免れた事例があった。日体大陸上部のパワハラ問題である。駅伝チームの渡辺正昭監督が部員に激しい暴力を加えていたという元部員による告白記事が写真週刊誌に掲載されると、翌日にはもう監督の解任を発表した。普通なら「調査には時間が必要」「第三者委員会の究明を待ってから」などと、のらりくらり時間を稼ごうとするが、同大の判断は素早かった。事件はテレビのワイドショーなどの格好の題材になったはずだが、その後は報道されることはほとんどなかった。

 また、ジャカルタのアジア大会で期間中にバスケットボールの日本選手が現地で女性を買春したとされる問題でも対応が素早かった。協会は発覚するや否やすぐに選手を帰国させ、謝罪会見を開いた。このため、不祥事の影響がいつまでも尾を引くようなことはなかった。日大のアメフト部やボクシング連盟の不祥事対応とは対照的だったといえよう。

 企業でも同じように不祥事が続いている。最近のスポーツ界での出来事には広報担当者も学ぶべき点が多くあるのではないだろうか。


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「プーチン提案」は北方4島返還交渉に応じないことの意思表示

山田 功  ロシアに占領された北方4島返還交渉の先行きに暗雲が漂い始めた。9月中旬、極東ウラジオストックで開かれた東方経済フォーラムに出席した安倍晋三首相にプーチン大統領は「領土問題など一切の前提条件なしに平和条約を結ぼう」と呼びかけた。これは「平和条約締結は北方4島の帰属問題の解決が前提」という日本側の立場に反するもの。領土交渉の棚上げとも取れる「プーチン提案」に即答を避けたが、例え応じても一挙に4島返還が実現する見込みはない。プーチン大統領は4年前にウクライナのクリミア半島を併合したばかり。「領土は拡大するもの」というロシアの歴代指導者の考えを踏襲するプーチン大統領も北方4島を返還する意思のないことを安倍首相に示唆したものと思える。

 日本は旧ソ連と1956年にモスクワで日ソ共同宣言を締結した。平和条約を結ぶまでに至らなかったが、この宣言の中で平和条約の締結後に歯舞(はぼまい)群島、色丹(しこたん)島2島については日本側に引き渡すことを約束している。しかし2島に国後(くなしり)、択捉(えとろふ)島を加えた4島返還を固持する日本側との領土交渉は平行線をたどったまま現在に至る。この状態を打開すべく安倍首相は2年前のロシア・ソチ会談でプーチン大統領にロシア国内での都市開発、エネルギー開発など8項目の経済協力プランと北方領土での海産物養殖、観光開発など5項目を共同経済活動として推進していく「開発計画案」を提案、合意した。

 日本側は協力プラン、共同経済活動による成果を積み上げて、領土交渉を前進させるのが狙い。ロシアは国内産業振興に弾みをつける一方、北方領土では共同経済活動を通じて地元の経済活性化に役立てたい考え。開発計画案の事業化可能性調査が本格化し交流、信頼関係が深まると、両国間で領土問題を話し合う機会も増えてくることは明らか。そこでプーチン大統領は9月のフォーラムで「開発計画案には賛成するが領土交渉は後回し」という意思を示したと思われる。3選を果たした安倍首相は記者会見で、任期中(2021年9月末)に北方領土問題を解決し平和条約を締結したいと語ったが、プーチン大統領との4島返還交渉は一筋縄ではいかない。

 戦後73年経った北方領土を日本に取り戻したいという安倍首相に望みたい。戦前1万7000人の日本人が漁業や林業中心に北方4島で生計を立てていた。その北方4島がどこにあるか分からない国民が増えている。ロシアに占領されていることさえ知らない世代が増えていることは悲しい。もっと広報・宣伝活動に力を入れて欲しい。インターネット、TVなどを駆使して日本の北方4島が占領された歴史を海外にも発信して国際世論を味方につけてもらいたい。経済協力中心の「安倍外交術」では北方4島をロシアは簡単に返さないだろう。



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