広報強化のガイドブログ「経済記者OBの目」

——あなたの会社の危機管理は大丈夫?
——正しいメディア対応についてアドバイスします。

 企業のグローバル経営が進む中で、企業広報の重要性は一段と高まっています。マスメディア向け情報伝達手段はインターネット社会の進展とともに大きな変化を見せています。雇用のトラブル、食品メーカーの異物混入、データの偽装等々、企業をめぐる不祥事も後を絶ちません。とりわけ、個人情報の流出、不正アクセスなど、ネット社会に根ざした事件が目立ちます。
このブログは、広報ソリューション懇話会を運営する経済記者OBが交替で毎週月曜日に発信しているもので、企業の広報担当者に役立つマスメディア対策について、最近の報道内容や過去の経験などを取り上げながら、分かりやすくアドバイスしています。
 当懇話会では、企業の不祥事や緊急事態の発生を想定した「模擬記者会見」の実施や、広報業務に関する悩み・困りごとを解決するための「広報よろず相談室」を設けています。
【協賛】
株式会社ファンケル戸田建設株式会社株式会社ニシウオマーケティングセコム株式会社
株式会社ぐるなびANAYKK AP株式会社

新潮45はなぜ休刊に追い込まれたのか

阿部 和義 出版業界の最大手の新潮社の35年間続いてきた看板月刊誌の「新潮45」が10月号を最後に休刊に追い込まれた。この雑誌はノンフィクッションを中心に高齢者などに読まれていた。一時は02年1月号の5万8千部まで部数を伸ばしていた。その後は若者の雑誌離れもあって部数が減り続いてきた。出版社は若者の活字離れもあって本が売れないために何とか読んでもらおうと苦心をしてきた。

 ネットなどで人気のある杉田水脈(みお)衆院議員に執筆を頼んだ。水田議員は「維新の会」で当選した後自民党に鞍替えした。この杉田氏は8月号で「子供などを生まない生産性のないLGBTを法律や行政で優遇するのか」というネットなどで書いていることを書いた。新潮社の狙いどうりにこの号が反響を呼んだ。しかし、LGBTの支持者からは「どうして新潮社たるものがこんな論調で書くのか」という抗議が殺到した。

 こうした反響を期待していたこともあって次の号で「どうして杉田議員の書いたことが批判されるのか?」ということを書いた。

 新潮社に書いていた作家などが「新潮社たるものがこんなレベルの低い議員が書いているようでは、私は御社には書きたくない」と抗議する事態になった。

 新潮社の前にデモが来るなど反響の大きさにびっくりした。この事態を納めるために新潮社は「無理な編集をして人権などに触れる文言もあった。LGBTに対して不注意だった」として取締役会で全員一致で廃刊を決定した。

 伊藤幸人・取締役は「部数が下がると編集部は焦りが生じる。何とか売れる雑誌ということで無理を重ねて、結果としてチェック機能が甘くなる。その結果が今度の廃刊につながった」と述べている。

売れなくなると人も金も減らされ、現在は6人ですべてをしている。

 政経倶楽部という勉強会がある。私は講師として参加して以来、できるだけ参加ししてきたので10月4日に参加した。ところが杉田氏は「歴史線・最前線―日本の真実を発信!」というテーマで慰安婦問題などを国連で発言したことなどを述べた。LGBTについては発言しなかった。そこで私は「杉田さんが書いたことで新潮45が廃刊になったことについてどう感じているか?」と質問したが「その問題は新潮社の問題であり私には関係ありません」というだけで終わった。


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40年間も財政健全化が進まない理由

大澤 賢  年末近くになると予算取材を思い出す。政権・与党の政策を数字に打ち出す大蔵官僚と、予算の無駄遣いなどを追求する各メディアの精鋭記者との交流は、その後の記者人生に大いに役立った。

 最初に出会った蔵相が大平正芳氏だった。のちに首相に就任(在位1978年12月~80年7月)し、21世紀を見据えた国造り「田園都市国家構想」を掲げた骨太の政治家だった。会見場では細い目で記者団を見つめ、嫌な質問にも「あ~」とか「う~ん」と間を取りながら的確に答えていた。80年6月、衆参同日選挙のさなかに急死したのは残念だった(享年70歳)。

 大平首相は、国家財政の健全化=財政再建に並々ならぬ決意を持っていた。当時も今も予算は建設国債のほか、財政法の特例として発行する特例(赤字)国債に依存しており、79年度は国債依存度が39・6%に達した。そこで大平氏は79年1月、首相就任後初の記者会見で「一般消費税」導入の検討を表明した。

 一般消費税はモノとサービス取引に課税するもので、現在の「消費税」とほぼ同じ。すでに欧州では同様の付加価値税が13~21%(現在は19~25%)で実施されており、日本でも大型間接税の導入は不可欠と考える識者・官僚は多かった。

 だが、大平首相の増税方針は「断念」に追い込まれた。総選挙を前に党内は増税反対論で沸き返った。かねてから「国民が好まないことでもやらねばならないときがある。それが政治というものだ」と主張していた大平氏だが、その信念は貫けなかった。

 その後「売上税」の失敗など紆余曲折を経て、現在の消費税が実現したのは1989(平成元)年4月。竹下登首相の下、税率3%で実施され97年4月に5%、2014年4月から8%に引き上げられた。安倍首相は来年10月から10%にすると閣議決定した。

 経済同友会はこのほど「財政破綻が国民生活に与える影響とそれらを回避するための方策」というフォーラムを開いた。国債を含む政府債務残高の対国内総生産(GDP)比は2018年度末で222%に達し、主要国で最悪の水準になっていること、放置すれば金利急上昇による国債価格の暴落やインフレの発生のほか、想定外の事態(危機)が起こりかねないことが識者から指摘された。

 将来世代のために何をすべきか―。この問いに現代の政治家は多くを語らず、課題を先送りするばかり。5年余り続いた小泉政権は一度も消費税を上げず、7年目に入った安倍政権も2度引き上げを延ばした。「国民に信を問う」と勇ましい演説をする首相は多いが、財政再建に命がけで取り組むリーダーはまだ見ない。


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