何十年も前のこと。「大きいことはいいことだ~」というCMのフレーズがテレビから盛んに流れていた。チョコレートの宣伝だったと記憶しているが、高度経済成長期だったこの頃、「大きいこと」は豊かさの象徴であり、成功の証でもあった。しかし、最近では「大きいこと」が必ずしもいいことではなくなったようだ。
巨大IT企業のグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンなど、いわゆる「GAFA」は急速に肥大化したがゆえに、世界中から風当たりが強まっている。ライバル企業を次々に買収して圧倒的なシェアを得たり、優位的な地位を利用して強引な取引を迫ったりするなど、公正な競争をゆがめているのではないかとの批判が各地で沸き起こっている。例えば米国議会は7月末、4社のトップを公聴会に呼んで経営実態を厳しく糾問するなど、従来とは打って変わり大手ハイテク企業との対決姿勢を強めている。また、グーグルとフェイスブックについては、報道機関が制作するニュースコンテンツをタダで利用しているとして、新聞社などが対価の支払いを求める動きが世界各国で表面化している。さらに、日本でも独禁法違反(優越的地位の乱用)の疑いで公正取引委員会がアマゾンの日本法人を立ち入り検査し、最終的に同社に納入業者への資金返還を促す「改善策」を出させるということも起きている。
GAFAの肥大化を象徴するものの1つに株式時価総額がある。アップルの2兆ドル(約210兆円)を筆頭に、4社合計の時価総額は今や5兆ドル(約520兆円)近くに達している。この額は日本の国内総生産(GDP)にほぼ匹敵するというから驚きだ。コロナ禍で多くの企業が苦しむ中、GAFA は人々のネット利用の拡大を背景に収益を順調に伸ばしている。グーグルは世界のネット検索でシェア90%、アマゾンは米ネット通販で40%以上のシェアを握っている。肥大化することで公正な競争が妨げられているとすればこの先、規制の強化もやむを得ないだろう。
最近、経営者の間で「SDGs」「ESG」という言葉が盛んに飛び交っている。企業の持続的な成長は拡大志向によってのみ得られるのではなく、環境や格差、安全、健康など解決すべき社会的課題に主体的に取り組んでこそ実現できるとの考え方が急速に広がりつつある。GAFAはこうしたビジネス界の潮流をどう見ているのだろうか。GAFAはこのまま拡大路線を突っ走るのか、それとも規制強化によって事業分割に追い込まれるのか、あるいは社会との調和を重視した経営へと舵を切るのか。巨大ハイテク企業の今後に目が離せない。

経済記者OBの目を配信する
「広報ソリューション懇話会」
ホームページはこちらから≫
新政権誕生で北方4島の返還交渉は進展するかー。「北方領土問題は私の手で解決する」と明言した安倍前首相はプーチン大統領と通算27回にわたる会談を行ったものの、成果をあげることなく任期を1年残して辞任した。後を受け継いだ菅新政権に領土問題解決が委ねられた。多くのメディアは「交渉進展は期待できない」という。ロシアは7月に「領土の割譲を禁止する」条項を盛り込んだ改正憲法を成立させた。領土交渉は難航し、日露首脳会談も減少すると見ている。北方4島返還は期待とは逆に後退しそうだ。
このところのいろいろな動きに不満がたまっているマスコミOBは多いのではないか?経済も政治に大きく左右される。それだけに政治の動きには目を離せない。私が現役の時代に担当していた財界は政治に対して物を申していた。当時は今と違って政治に対して金を直接出していた。「金庫番」といわれた経団連の花村仁八郎・事務総長が自民党の幹事長のところに札束を持ってゆくこともあった。それだけに政治に対していろいろな注文を出してきた。こうした関係も今やなくなり政治資金は税金で賄われるようになって、経済界の声も政界に届かなくなった。
日米のリーダーを決める自民党総裁選、大統領選が共に佳境に入り、各メディアには関連情報があふれている。同様に、連日のように動静が伝えられ、あれこれ取り沙汰される政治&企業ネタに「TikTok(ティックトック)米国事業の行方」がある。TikTok=ティーンエージャーらの他愛のない動画が大半を占める中国発ショート動画アプリが、なぜ、かくも大騒ぎされているのか…。