広報プラスαのガイドブログ「経済記者 シニアの眼」

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不祥事・トピックスデータ

企業はいま、戦争や感染症、地球環境問題、ビジネスと人権など、さまざまな課題に直面しています。経済記者シニアの会は、ベテラン・OBの経済記者が毎週月曜日付のブログを発信するとともに、不祥事対応や記者会見など、広報・企業活動をお手伝いすることを目指しています。

2026年5月 シニア記者が注目した不祥事・トピックス(2026年4月中旬~2026年5月中旬)

日付 ニュースの概要 不祥事用eye 」は注目すべき・見逃せない案件
喝!」はけしからん・憤りを覚える案件
」はリンク先にコメント(1000字~)記載
4/10~ 春グマが市街地にも…
全国各地で被害相次ぐ
不祥事用eye(佃・山下)
4/14~ 経産大臣が目詰まり論
ナフサの供給難広まる
不祥事用eye※佃
喝!(江口)
4/15~ 「多数派の専制」警告
ローマ教皇が危機感
不祥事用eye(江口)
4/17~ ソニー・ホンダが休眠
EV開発中止で先行き?
不祥事用eye不祥事用eye不祥事用eye(和泉田・岩辺・齋藤)
4/17~ 中国・群核科技が上場
AI ロボの空間把握向上
不祥事用eye※千葉
4/17~ 航空機燃料あと6週間
IEAが欧州の欠航懸念
喝!(高橋)
4/17~ 軽油カルテル8社関与
元売り価格基準に調整
喝!(江口)
4/20~ 後発地震注意情報発令
三陸沖震源の震度5強
不祥事用eye(高橋)
4/21~ 点検中の作業員事故死
東京ドームシティ施設
喝!(齋藤)
4/21~ 要対策の下水道748km
腐食破損、383自治体
不祥事用eye(和泉田)
4/21~ 殺傷兵器の輸出を解禁
高市政権に反発相次ぐ
喝!喝!喝!(大澤・千葉・山下)
4/22~ 山林火災が東北で続く
大槌町、喜多方市…
不祥事用eye(江口)
4/23~ 牧野フライスTOB中止
安保上の懸念で国介入
不祥事用eye不祥事用eye不祥事用eye(和泉田・岩辺・齋藤)
4/23~ ソニー生命も金銭詐取か
過度な成果主義を放置
喝!(和泉田)
4/23~ 自転車・青切符で詐欺
警官装い反則金を要求
喝!(江口)
4/24~ MS 、メタ8000人削減
米ビッグテックAI優先
不祥事用eye(高橋)
4/24~ 25年度インフレ2.7%
食品高で4年間2%超
不祥事用eye(大澤)
4/28~ 日銀、利上げを見送り
中東情勢で3会合連続
不祥事用eye(千葉)
4/29~ 旅券にトランプ氏肖像
米が建国250周年記念
喝!(高橋)
5/6~ バス事故で高校生死亡
磐越道で部活遠征中に
喝!喝!(和泉田・岩辺)
5/7~ 新庁舎汚職で市議逮捕
熊本・八代市役所建設
喝!(齋藤)
5/8~ ホンダ初の営業赤字に
EV不振で4000億円
不祥事用eye不祥事用eye(高橋・千葉)
5/9~ 所得8兆円が海外流出
原油高騰の持続を試算
喝!(佃)
5/10~ 米CNN、独立性揺らぐ
親トランプ企業が買収
不祥事用eye(岩辺)
5/12~ ニデックで不正1000件
永守氏の圧力、現場も
喝!喝!喝!喝!(岩辺・大澤・千葉・山下)
5/13~ 前3月期、好決算相次ぐ
AI、半導体関連が牽引
不祥事用eye不祥事用eye(大澤・※山下
5/13~ 高市首相、科研費倍増へ
「新技術立国」目指す
不祥事用eye※齋藤
5/18~ 国がミュトス対策を策定
官民各方面で大わらわ
不祥事用eye不祥事用eye不祥事用eye(大澤・佃・山下)
5/19~ 日韓が協力関係を深化
中東情勢受け首脳会談
不祥事用eye(佃)



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原油価格高継続なら所得8兆円流出の予測、ガソリン補助金いつまで それはそれとして、もっと省エネじゃないかな

【シニア記者が注目した不祥事・トピックス 4/14~ 経産大臣が目詰まり論/ナフサの供給難広まる】



東日本大震災の直後、駅の照明は半分になりエスカレーターは停止した



佃 均 過日、私的な所用で自宅〜新潟間を自家用車で往復しました。出発前に満タンにしたときはℓ166円、現地での補給時は167円と177円でした。新車で購入して12年目、ロートル車とはいえ走りは快調です。ただし来年は自動車税/自動車重量税が高くなります。

 部品交換が増え、メンテナンス費用が嵩む、中古車としての価値が下がるから買い替えろというのですが、新車か税金かとなると、我が家の家計では税金一択です。小まめに手入れをして使い続ける「MOTTAINAI」(もったいない)が、資源の有効利用につながると考えているからです。

■本当に「目詰まり」だけなのか?
 米以波戦争の余波で原油の輸入量が激減、石油由来のナフサ不足の影響が建設業にも及んでいることを、当サイト4月27日付コラムで千葉利宏氏(日本不動産ジャーナリスト会議代表幹事)がレポートしています。ポテトチップスやケチャップの包装をモノクロに変えたメーカーに対して、売名行為だの反日だの攻撃的な指摘があると聞いています。

 印刷用インクや溶剤ばかりでなく、医療用手袋、スーパーのレジ袋、ロールのポリ袋、食品トレー、ペットボトルなど、ナフサ不足の影響は意外に深刻です。政府のナフサ「目詰まり」論は行政の無謬原則そのもの、ひいては旧帝国陸軍の兵站軽視と通底しているという指摘もあり、コトと次第によっては政権運営にかかわるかもしれません。

 ナフサは石油を精製して生産されますが、調達先は国産が4割弱、中東が4割強、その他が2割弱となっています。政府は「必要な量は確保できている」と強調していますが、これまでと同じ価格で入手できるかどうか分かりせん。白米の価格高騰・品不足と同じように、素人目では「目詰まり」だけなのか疑ってしまいます。

 国産ナフサの生産量が減った要因の1つとして挙げられているのが、3月19日から始まったガソリン補助金(中東情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置)です。石油精製メーカーはナフサ生産を抑制し、輸入原油をガソリン補助金対象品目に振り向けているというのです。ナフサ不足は「目詰まり」だけが要因ではないという指摘が説得力を持ってきます。

■基金の残高は秋の彼岸まで持つかどうか
 そのガソリン補助金も安泰ではないようです。

 対象はガソリン、軽油、灯油、重油および航空機燃料の5品目で、資源エネルギー庁によると「燃料油補助金の基金残高を活用し、ガソリンについては全国平均価格が170円程度を超える見込みとなった場合。170円を超える部分について10/10の補助を行う」となっています。

 5月21日現在の1ℓ当たり支給単価はガソリン、軽油、灯油、重油が41.8円、航空機燃料は16.7円です。資源エネルギー庁の調査によると、5月18日時点のレギュラーガソリンの全国平均価格は1ℓ169.2円でした(図)。今年4月末時点で燃料油補助金基金の残高は9,800億円だったので、この状態が続くと6月下旬に底をつきますし、2026年度予算の予備費1兆円を注入しても秋の彼岸まで持つかどうかと言われています。

 つまりガソリン補助金は「緊急的激変緩和措置」という名の通り、所詮は痛み止めや止血の応急手当てであって、根本治療ではありません。ホルムズ海峡危機が解消するまで、あるいは米・イスラエルが仕掛けたイランへの攻撃が止むまで、この状態を続けることができないのは明らかです。



図 レギュラーガソリン価格の推移(資源エネルギー庁)


 政府が表立って節電、節約を要請するまでもなく、庶民はすでに節約モードに突入しているし、安いモノ志向はますます強まっていると見た方がいいようです。給料が上がったのは大企業の正規雇用者、中小企業や非正規雇用者の隅々にまで昇給の波は及んでいません。

 筆者はひそかに、ゴールデンウィークが過ぎたら企業や国民に節電や節約を訴え始めるのではないか、と考えていました。しかし現時点でその予想は外れています。節電、節約などを要請すれば景気が後退するという懸念が強いのでしょう。ですが「だからこそ」というのが本稿の骨子です。

■「MOTTAINAI」で生活の耐久力を高める
 株価高騰の裏で、ジワリと景気後退が始まっているようにも思えます。原油、ナフサだけでなく、日々の食糧も労働力もITインフラも海外に依存している実情を直視しなければなりません。庶民の生活を強靭化することが肝要です。

 深夜でも真昼のように明るい都市は希望に満ちたイメージですが、早々の猛暑記録からすると、今夏のエアコンはフル稼働が予想されます。生成AIの利用拡大を背景に建設が相次ぐデータセンターの電力需要もあるでしょう。だからといって「トイレのないマンション」(原発)で凌ぐのは感心しません。

 東日本大震災直後の節電、新型コロナ禍のテレワークを思い出すときです。いま必要な施策は目先のガソリン補助金や「目詰まり」論より、中長期の円安抑制(ないし円高誘導)と物価対策のはず。「令和の倹約令」をめぐる賛否・甲乙二分の激論が必要ではないか、ということにして、生成AI「クロード・ミュトス」(Claude Mythos)は様子見、台湾への武器輸出を日本が代行するんじゃないかの妄想はパスとしました。


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氾濫するAI関連ニュースをどう読み解くか――AIの空間把握に注目

【シニア記者が注目した不祥事・トピックス 4/17~中国・群核科技が上場/AIロボの空間把握向上】



東大・越塚研とソフトバンクなどで4月15日に設立したxIPFコンソーシアム

千葉 利宏 4月中旬からGWを跨いだ5月中旬の1か月で注目したニュースは、日経新聞が4月18日付けで掲載した「AIロボ『空間把握』鍛える 中国・群核科技が上場」である。2022年11月に米オープンAI社の「ChatGTP3.5」が公開されてからLLM(大規模言語モデル)の生成AIブームが始まったが、「言語AI」と並んで注目されるのが「ロボットAI」。そのカギを握るのが「空間把握」の能力だ。

 自動運転モビリティやAIロボットが、都市空間や建物などの室内空間を自由に活動できるようにするためには、生成AIに「空間」を学習させる必要がある。言語AIであれば、言語で記述された大量のデータを学習させることで人間に代わって様々な業務や仕事を行えるようになってきたが、「空間」を学習させることは簡単ではないらしい。

 東京大学の生産技術研究所では、2021年10月に実空間と仮想空間をスムーズに連携して機能するための学術理論を研究する新組織「インタースペース研究センター」を設立した。同センターを立ち上げた建築専攻の野城智也教授(現在は東京都市大学学長)に2年ほど前に会った時、次のようなことを言っていた。「人間は生まれた時から誰から教えてもらうわけではなく、自然と空間を認知・把握する能力を身に付けていくが、それをAIにゼロから学習させるのは難しい」―。

 同センターでは建築家の豊田啓介特任教授を中心に、実空間と仮想空間をリアルタイムでつなぐ技術「コモングラウンド」の開発を進めている。中国に対抗して日本がロボットAI分野で勝ち残るためにも積極的な技術開発投資が必要だ。

■xIPFコンソーシアムにNEXCO東日本、東急不動産も参画
 この1か月間にもAI関連の様々なニュースが報じられた。日経新聞などに掲載された主な記事は下記の通りだ。

 ①4月16日 東大・越塚研とソフトバンクなどで一般社団法人「xIPF(クロスアイピーエフ)コンソーシアム」設立 
 ②4月17日 日本経済研究センター 中期経済予測 AI投資増強が成長の鍵
 ③4月18日 AIスマホ独占販売 ソフトバンク国内で
 ④4月18日 AIロボ「空間把握」鍛える 中国・群核科技が上場
 ⑤4月21日 AI大臣、政治を決める「人間性失う」危機感強く
 ⑤4月24日 マイクロソフト8000人削減、メタも8000人、AI投資で経費削減
 ⑥4月25日 金融庁 新型AIミュトスのリスク検証 日銀、3メガバンクと部会
 ⑦4月27日 文系人材80万人 AI時代に「余剰」
 ⑧4月27日 AI、東大理3「首席合格」オープンAIとグーグル
 ⑨5月12日 ソフトバンク 30年度に純利益7000億円 AIや法人シフト 新中期計画
 ⑩5月15日(朝日) 朝日新聞の「AI全振り」記者の自立性・批判的思考が不可欠


 経済記者として関心があるのは、AIが企業経営やビジネスにどのようなイノベーションを起こすのか、である。

 ①は、企業や団体が持つAI基盤やLLMと相互利用が可能なデータスペースを連携して物流、モビリティ、エネルギー、スマートシティなど様々な社会課題の解決に取り組む団体が立ち上がったというニュース。正会員企業にはソフトバンク、NTTデータグループ、日本電気、富士通などの情報通信企業に加えて、様々な交通データを保有する東日本高速道路(NEXCO東日本)が参画。準会員には、筆者の専門領域である住宅・不動産分野から東急不動産、長谷工総合研究所が加わっている。今後はさらに会員企業を増やして、AIとデータを活用した新しいビジネスの創造をめざす。

■AIエージェントの普及で広告型ビジネスモデルは変わるか?
 ③は、AI機能を搭載したスマートフォン「Natural AI Phone」が登場したというニュースだ。筆者も記者会見に出席したが、AIスマホに加えて、通常のスマホで利用できるアプリサービス「だれでもAI」も同時に発表した。対象となるAIサービスには、同時通訳、AI相談、AIデザインツール、音楽作曲ツールなどがあるが、筆者が注目したのは「AIスタイリスト」が「持っている服」からコーディネートを提案してくれるファッションアプリ「XZ(クローゼット)」だ。

 XZの利用者は、自分の顔を写真に撮り、好みのファッションスタイルを選択すると、顔写真と合成してコーディネートした服をスマホ画面に表示してくれる。気に入った服が見つかり、購入ボタンを押すとECサイトに繋がって商品を購入できる仕組みだ。AIスタイリストが「持っている服」とは、様々なファッションサイトから情報を集めてきた最新トレンドの服で、購入する場合には利用者をECサイトではなく、直接、販売店に繋ぐこともできる。

 筆者は、ChatGTPが登場する10か月ほど前に、「AI不動産」が物件選びをする未来を予想した記事を東洋経済オンラインで書いた。 ●部屋探しで「オトリ物件」が排除される驚きの未来―「不動産ID」が導入された不動産業の将来を予想(2022/01/20)

 この記事では、いずれAIエージェントがインターネット上から売り出し中の物件情報を集めて、利用者が求める条件に最も合致した物件を提案するようになると予想した。それによってリクルートのSUUMOなど広告料を取って物件情報を掲載する不動産検索サイトが役割を終える可能性を指摘した。

 米国では、すでに小売業のウォルマートがAIエージェント「Sparky」による買物代行機能を提供して注文件数が急速に拡大して業績を伸ばしているようだ。「AIスタイリスト」のようなサービスも、アマゾンや楽天などECサイトのビジネスモデルに影響を及ぼすことになると予想される。

■AIとデータを連携して日本の勝ち筋を見出す
 先に紹介した「xIPFコンソーシアム」は5月21日、東京・本郷の東京大学内で設立記念式典「AIスペース時代の幕開け― 超分散コンピューティング環境が拓くAI・データ連携の新たな未来 ―」を開催した。代表理事に就任した東大大学院情報学環の越塚登教授が基調講演を行い、多くの企業にコンソーシアムの参加を呼び掛けた。

 「巨大LLMは確かに賢いが、学習した世界しか知らない。最新情報は知らないし、現場も知らない」と、越塚教授は米国や中国が先行する巨大LLMプラットフォームでは届かない世界があることを指摘。小さいLLMでも、企業が保有するデータを繋いで効率良く思考ループを回すことで、独自のAI商品・サービスを開発することで、日本の勝ち筋が見えてくるというわけだ。

 記者やライターなどの仕事もいずれAIに取って代わられると言われているが、巨大LLMにない強みは現場取材で得た最新の情報だろう。

 ⑩の記事は、日経新聞の4月8日付けに掲載された朝日新聞の角田克社長のインタビュー記事「『AI全振り』質・量に磨き―スーパー記者中核担う」を受けて慶應義塾大学の山腰修三教授が朝日新聞に書いたコラムだ。角田社長がAIの積極活用方針を打ち出したことに対して、記者の自律性・批判的思考を損なわない使い方が重要であると指摘した。

 情報サービス産業協会(JISA)が、5月19日に開催した記者懇談会の席で「AI共生宣言」を披露した。プログラムエンジニアもAIによって仕事がなくなると言われており、⑤の記事のように米国ではマイクロソフトやメタが人員削減を始めている。しかし、JISAではAI共生宣言で人間の意志と倫理観をよりどころにして「社会のデジタルアーキテクト」としての存在意義を高めていくことを強調した。記者にしても、エンジニアにしても、AIをどう使うかが重要ということだ。

■AI活用とAI依存の境界線
 JISAの記者懇談会で筆者が人材育成へのAI活用について質問すると、福永哲弥JISA会長は、個人的な意見としながら、次のような見方を披露した。

 「AIの活用を進めていくと、AIを使って自らの能力を高められる人間と、AIに依存して能力を高めれられない人間に大きく分かれるのではないか。極端なAI依存の人間を大量に生む可能性もあり、AI共生宣言で示した人間の尊厳が重要ということに繋がってくる」

 教育現場でのAI活用では、福永さんが聞いたエピソードに大変に驚いたという。

 「ある小学校で4、5年生にAIを積極的に使わせてみたところ、AIは当たり前のことしか答えないので面白くないと言って、40人のうち32人がAIを使わなくなってしまった。ただ残りの数人はAI無しには学習できなくなってしまったようだ」

 記者が会見で質問する場合、質問の仕方は記者によって異なるので、それによって回答者の答え方も違ってくる。いかに面白い発言を引き出せるかが記者の腕の見せどころだ。AIに質問する場合も、質問の仕方で面白い回答を引き出せるかどうかも違ってくるだろう。質問のネタ探しで、記者は最新情報を求めて現場取材に精を出しているわけだ。

 xIPFコンソーシアムの設立記念式典に取材に行くと、会場で駒場にある東大インタースペース研究センターの豊田特任教授とバッタリ会った。

 「どうして本郷に来たの?」と聞くと、「近々、連携して研究開発を進めることになった」とか。こうした情報は現場に行かなければ得られない。今後の展開が楽しみだ。


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どう出る「AIオールイン」

【シニア記者が注目した不祥事・トピックス 5/13~ 前3月期、好決算相次ぐ/AI、半導体関連が牽引】


チャットGPTが描いた「AIオールイン」のイメージ


山下 郁雄  3月期決算がほぼ出揃った。ホルムズ海峡封鎖の影響が徐々に出てきてはいるものの、好決算銘柄が少なくない。今期予想も強気に見る企業が目に付く。好決算&強気予想の最大の理由は、世界中で巻き起こっている莫大なAI投資。とくに、データセンター新設に関わる半導体や光通信の、尋常ならざる需要の伸びが、企業業績をダイレクトに押し上げている。そこで、AIをキーワードに、今春決算のトピックを拾い上げてみた。

■史上最高益に過去最高益
 日本企業として史上最高益となる純益5兆円を達成ーソフトバンクグループの連結決算を、新聞、テレビをはじめとする各メディアは大々的に報じた。5兆円を稼ぎ出した唯一無二の要因は、出資先である米オープンAIの企業価値向上に伴う投資利益。その額は6兆円を超える。「AIにオールイン(すべてを賭ける)」と広言し、とりわけ米オープンAIに集中投資してきた孫正義会長兼社長の判断が、今決算では吉と出た格好だ。

 東芝の連結決算は、純利益が過去最高の1兆9673億円。これまでの最高額1兆円強(2019年3月期)の2倍近くに達する歴史的水準を記録した。半導体子会社、キオクシアHDが旺盛なAI需要を背景に好業績を達成し株価が暴騰したことに伴い、その売却益と再評価益として2兆2770億円を計上したのが、歴史的利益水準に直結する。原発事業の失敗から長年、苦境にあった東芝が、孝行息子・NAND型フラッシュメモリーのおかげで大躍進を成し遂げた。

 決算発表に併せて行ったトップ人事の発表で注目を集めたのがディー・エヌ・エーだ。創業者で、長年、会長職にあり、経団連副会長も務めた南場智子氏が15年振りに社長に復帰した。南場社長は、孫ソフトバンク社長と同様に「AIオールイン」を1年余り前、宣言し、企業変革の方向性を明示した。その変革のスピードが物足りず、株価は15年前の最高値を下回ったままーなどから、自ら陣頭指揮に立ち、ディー・エヌ・エーの“第2創業”を目指す。

■AIとの関わりは三者三様
 以上、ソフトバンク、東芝、ディー・エヌ・エーの3社を今春決算の注目企業としてピックアップした。AIとの関わりでは、①ソフトバンク=自ら未来を先取りしようとしている②東芝=“過去に蒔いた種”によって最高益を得た③ディー・エヌ・エー=本業の延長ではなく、会社の重心をAIサイドへ移そうとしているーと三者三様。そのうち、②の「過去に蒔いた種」型の東芝と並ぶ代表的企業として、データセンター内の光通信需要がはね上がった、フジクラをはじめとする電線各社を挙げられよう。

 さて、ソフトバンクやディー・エヌ・エーの「AIオールイン」宣言をどう捉えたらいいのだろうか。AIオールインとは「AIが儲かる」という予想ではない。「未来は、いまの延長戦には来ない」と経営者自身が認める行為。経営そのものを再設計する宣言なのだ。もちろん、AIオールイン企業のすべてが勝つわけではない。バブルも失敗も大量に生まれるだろう。しかし、歴史を振り返れば、巨大な技術転換期に最も危険なのは「間違って賭けること」ではなく「最後まで賭けないこと」だった…。(この最後の段落は「どんなオチが考えられますか」とチャットGPTに尋ね、返ってきた三つの案を組み合わせました)
 

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経団連の「科学技術立国戦略」に高市首相が連携強調

【シニア記者が注目した不祥事・トピックス 5/13~ 高市首相、科研費倍増へ/「新技術立国」目指す】

総理官邸で経団連の筒井義信会長から提言を受け取った高市総理
(首相官邸ホームページより)
齋藤 光二  
 日本経済団体連合会(経団連)が政府に提言した「科学技術立国戦略」を踏まえ、高市首相は「研究開発投資をGDP比5%という世界のトップ水準に引き上げる」と述べるとともに、「2040年には官民での研究開発投資額50兆円を目指すことに大変心強いと感じている」と呼応した。

 さらに、「(重点分野の)基礎研究は国力に直結する」としたうえで、「政府としても大胆な予算措置を真剣に考えている」と強調するとともに、「高市内閣として、研究開発税制への戦略分野枠加算と前例のない控除率を実現する」と続けた。

 官民連携によるこの国家戦略に大いに期待したいところだが、「科学技術立国戦略」というタイトルを目にして、「〽昔の名前で出ています…」という昭和の名曲が浮かんできた。1995年、科学技術基本法(後の科学技術・イノベーション基本法)が制定され「科学技術創造立国」の実現に向けて官民が動き出したことを記憶されている方も少なくないだろう。

■世界のフロントランナーとして挑戦
 当時はバブル経済が崩壊した直後。資源が乏しく国土の狭い日本を再興させるためには、科学技術の振興とモノづくりに精通した人づくりに注力しなければいけないという危機意識が強かったように思う。

 その先頭にいたのが、自民党科学技術部会の尾身幸次部会長(元通産官僚)や有馬朗人氏(東京大学元総長、元文部大臣、元科技庁長官)らで、「科学技術立国こそが日本の生きる道」と異口同音に強調していたものだ。

 「先進国追従型の科学技術から脱却し、世界のフロントランナーの一員として自ら未開の分野に挑戦し未来を開拓していくことが必要である」(政府見解の一部)とみて、情報通信やライフサイエンスなどの重点分野に注力していった。

 当時勤めていた新聞社では、「科学技術創造立国」の実現に向けた産業界の動向を長期連載。私もその取材班の一員として、欧米列強との大競争の渦中にあった化学・医薬品業界各社の取材のため、欧州や東南アジアにまで足を運んだことが思い出される。日本企業は、研究開発面も含めモノづくりに懸命に取り組んでいたとの印象が強く残っている。

■「国家百年の計」なき科学技術政策
 しかし、その後の日本の産業政策はどうなったのか。有馬氏の論によれば、「2005年を節目に凋落し始めた」という。小泉内閣のときである。科学技術立国政策を掲げてはいたものの、規制緩和や構造改革、競争原理や効率的運営などが喧伝され、関連予算は相対的に低下を余儀なくされ、科学技術を推進する官民の連携も希薄になっていたのは事実であろう。

 以来、20年余。科学技術・イノベーション計画(現在は第7期)に基づき科学技術立国政策が推進されてはいるものの、「未来の技術に投資しようという経営者のフットワークは重くマインドも弱い」(元経産官僚)というのが実情だろう。

 その背景には、科学技術立国政策を「国家百年の計」としてとらえることなく、時の政権の思惑や政治的判断によって猫目のように変えてきたツケがあるのではないだろうか。観光立国やアニメ・マンガ・ゲームを生かした文化芸術立国もいいが、国家の屋台骨となるのは科学技術立国であると思っている。

 今回、経団連が示した「科学技術立国戦略」のタイトルを見て、当初は「今さら…」と思ったが、真の科学技術創造立国として再び日本が輝くことを願ってやまない。今度こそ本腰を入れて取り組まないと、国力衰退の道から抜け出せなくなってしまうという気がしてならない。


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2026年4月 シニア記者が注目した不祥事・トピックス(2026年3月中旬~2026年4月中旬)

日付 ニュースの概要 不祥事用eye 」は注目すべき・見逃せない案件
喝!」はけしからん・憤りを覚える案件
」はリンク先に
 コメント(1000字~)記載
」はリンク先に
  ショートコメント(数百字)記載
3/16~ ウオルツ、6年で日本撤退
フィンランド・料理宅配
不祥事用eye(江口
3/16~ 辺野古沖で小型船が転覆
女子高生と船長が死亡
不祥事用eye(岩辺)
喝!(和泉田)
3/18~ 個人金融資産が過去最高
株高で5.3%増、2351兆円
不祥事用eye(高橋)
3/20~ 幸福度、55位から61位に
26年版世界幸福度報告書
喝!(岩辺)
3/22~ SBGが米で80兆円投資
孫氏がAIにオールイン
不祥事用eye不祥事用eye(和泉田・江口)
3/24~ 法務省、売春防止法見直し
「買う側」に罰則の意見も
不祥事用eye(高橋)
3/25~ ソニー・ホンダ、EV中止
ホンダ最大赤字6900億円
不祥事用eye不祥事用eye不祥事用eye(江口・大澤・山下)
喝!(岩辺)
3/25~ 西武渋谷店が9月末閉店
渋谷から百貨店なくなる
不祥事用eye(和泉田)
3/26~ 静岡工区、県着工容認へ
リニア新幹線、半歩前進
不祥事用eye(岩辺)
3/30~ 国立博物館に収入目標
文化庁設定、美術館も
喝!(千葉)
3/30~ 全米で反トランプデモ
王は不要と800万人強
喝!(高橋)
3/31~ 29年の供用開始延期へ
用地問題で成田新滑走路
不祥事用eye(齋藤)
3/31~ KDDI、1500億円下振れ
子会社の不正、影響甚大
喝!喝!喝!喝!喝!喝!(和泉田・岩辺・江口・大澤・佃・山下)
4/1~ 自転車にも交通反則切符
事故防止へルール厳格化
不祥事用eye不祥事用eye(齋藤・佃)
喝!※高橋
4/2~ 政府、シェルター6万カ所
弾道ミサイルに備える?
喝!喝!(千葉・山下)
4/6~ 冤罪事件で裁判官を提訴
保釈請求却下の是非争う
不祥事用eye※山下
4/7~ 初工法、クレーンから転落
川崎JFEスチールで大事故
喝!(齋藤)
4/8~ 25年度倒産件数は1万超
物価高&人手不足が響く
不祥事用eye(大澤)
4/8~ 停戦後もホルムズ海峡封鎖
米イラン双方が応酬し混乱
不祥事用eye(佃)
喝!喝!(江口・※大澤
4/10~ 世界興行収入が1179億円
映画「鬼滅の刃」が歴代最高
不祥事用eye※高橋
4/12~ 自衛隊員の国歌斉唱が物議
制服着て自民党大会で歌う
喝!(齋藤)
4/12~ ナフサ高騰、住宅に波及
TOTOはバスの受注停止
不祥事用eye※千葉
4/13~ JAXA、H3失敗原因を説明
土台部分が接着不良で破壊
不祥事用eye(和泉田)
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裁判官を問う、異例の裁判を起こす

【シニア記者が注目した不祥事・トピックス 4/6~冤罪事件で裁判官を提訴/保釈請求却下の是非争う】


YouTube KYODO NEWSより


山下 郁雄  「大川原冤罪 裁判官を問う」ー東京新聞4月7日付け記事の見出しである。記事では、大川原化工機冤罪事件で、胃がんが判明したにもかかわらず、7回の保釈請求が却下され続け、被告のまま亡くなった相嶋静夫・元同社顧問の遺族が、4月6日、保釈請求却下は違法だったと、国を相手に東京地裁に提訴した、と伝えている。極めて異例の「裁判官の判断の是非を争う」この訴訟は、裁判史に刻まれるエポックメイクな事案かもしれない。

■裁判官は何も考えていなかった
 噴霧乾燥機不正輸出の嫌疑から、逮捕勾留された相嶋氏が、十分な治療を施されることなく死亡したのは、広く報道された周知の出来事。冤罪が確定した後、警視庁と検察庁は、遺族に謝罪した。しかし、保釈を却下し続けた裁判所からの謝罪はない。一連の裁判には合計37人の裁判官が関わっている。今回の提訴では、37人の裁判官の責任を問うている。故人の長男は、記者会見で「裁判官は何も考えていなかった」と憤りを語り、新しく担当した各裁判官が「逃亡の恐れあり」「証拠隠滅の恐れあり」と、保釈却下の理由を繰り返した点を糾弾した。

 ところで、裁判官の判断の是非を問う裁判が、なぜ国が相手の国家賠償請求訴訟(今回は1億6800万円の賠償を求めた)になるのか。そのわけは「裁判所の単独体の判断は皆日本国の意思表示になる。裁判所に入って裁判官として単独体を構成(裁判官5年の経験が必要)すれば自ら日本国の意思表示を出せる」(井上薫『裁判官の正体 最高裁の圧力、人事、報酬、言えない本音』より)から。つまり、裁判官≒日本国となるのだ。

 元判事の井上さんは同著の中で①裁判官は概ね優等生タイプが多く、事なかれ主義に極めて親近感がある②大体の判断は先例通りになってしまう。新しいことをあまりやらないということになると、他に選択肢があまりない③自分が正義だと考えたことを周囲の反対を押し切っても貫徹するという生き方は大変しがたい、そういう人生観になるだろうーと記述している。7回の保釈却下の事実や背景を知ると、井上さんの記述を否定するのは難しいように思えてくる。

■昭和57年最高裁判決が「基準を作った最重要判例」
 先例通りが基調となると、本訴訟の結末はどうなるのか。報道やチャットGPTによると、昭和57年(1982年3月12日)の最高裁判決が「基準を作った最重要判例」となる。その判例では「裁判に誤りがあっても、それだけでは違法にならない」「国家賠償が認められるのは、裁判官が権限の趣旨に明らかに反して行使した場合などに限る」「単なる判断ミスでは絶対に認められず、逸脱レベルの異常性が必要と、非常に高いハードルを設定した」(いずれもチャットGPTの見解)。非常に高いハードル設定の理由を、チャットGPTは①裁判官の独立(憲法76条)を守る必要がある②判断に萎縮効果が出るの防ぐためーと説明する。

 どうやら原告が勝訴に至るには、針の穴を通すような困難さがあるようだ。半面、チャットGPTは「今回は健康悪化、死亡結果、捜査自体の問題が重なっているため“争点として強い”のは確か。明らかに合理性を欠く違法な判断か?ーここを突破できるかがすべて」と指摘する。AIが裁判に深く関わる(中国やエストニアは準判断主体、一部判断主体としてAIを活用)など、時代が激変しているなかでの本裁判では、先例踏襲から離れ、昭和の最重要判例を凌駕し、世論が納得する新基準を打ち立てて欲しい。
 

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