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会見感想文-ここが良かった、課題はそこ

企業はいま、戦争や感染症、地球環境問題、ビジネスと人権など、さまざまな課題に直面しています。経済記者シニアの会は、ベテラン・OBの経済記者が毎週月曜日付のブログを発信するとともに、不祥事対応や記者会見など、広報・企業活動をお手伝いすることを目指しています。

会見感想文(2026年7月)日本総研が「新しい認知症観」をたたき台に、認知症の今を説明


質問に答える山川阪大准教授(右から2人目)と日本総研の研究員"

山下 郁雄 【アウトライン】
●認知症患者の社会参加を、どう進める
 日本総合研究所は7月9日、東京・丸の内の同社社会価値共創スタジオで「認知症患者の社会参加」をテーマとする記者発表会を開いた。同社研究員と老年看護学を研究・実践する大阪大学准教授が講師を務め、国が打ち出した「新しい認知症観」をたたき台に、現状を分析し、在るべき姿を描いた。

 「新しい認知症観」とは、国が2024年に策定した認知症施策推進基本計画に盛り込んだコンセプト。認知症の人を「支えられる存在」ではなく「役割や希望をもって暮らす存在」と捉え直し、その上で ① 理解促進 ② 生活のバリアフリー化 ③ 社会参加の機会確保-に取り組むというのが同基本計画となる。

 ただ、「新しい認知症観」は、「知る人ぞ知る」で、社会にまだそれほど浸透していない。紀伊信之高齢社会イノベーショングループ部長は「講演会や啓発イベントなど、これまでの施策で知る機会は増えたが、重要なのは、日常生活の中で認知症の人と自然に接し、共に時間を過ごすこと。残念ながら、まだまた“共に過ごす機会”が少なく、認知症の人と一般社会の空間が分かれている」と、理念と実態の乖離を説いた。

 同社では乖離を埋める取り組みとして、阪大や岡山市と共に「通所介護施設における社会参加活動」をテーマとする共同研究を実施した。同研究に参画した山川みやえ阪大大学院老年看護学研究室准教授は「これまでは認知症当事者の楽しみや余暇の充実に主眼が置かれていたが、これからは、誰かの役に立つ、必要とされるといった社会的役割に重きを置くべき。介護施設は『ケアを受ける場所』から『社会とつながる場所』へと変わっていってほしい」と共同研究の成果を踏まえ、在るべき方向性を語った。



【グッド・ポイント】
●時宜にかなった問題提起
  • 高齢化が進み、必然的に増加する認知症罹患者にどう対応すべきかー。この今日的課題に対する一つの解として「社会参加」を取り上げ、問題提起したのは時宜にかなっている。

  • 94歳の、もと保健師の女性が、幼児の面倒を見ることによって、低下した認知機能・身体機能が、要介護4から要介護1のレベルにまで回復した話が印象深い。


【要チェック箇所】
●欲しかった、認知症を巡る最新データ
  • 大前提として、認知症罹患者の数はどのくらいで、これから先、どういうカーブで増えていくかについて、全く触れなかったのが残念。65歳以上で5人に1人が認知症になると言われて久しいが、最新のデータから何が読み取れるのか、若年性認知症の動向はどうなのか-など、多くの人の身近な問題「認知症」の昨日・今日・明日を概説して欲しかった。


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会見感想文(2026年7月)JISAが「AIと業界の人材問題」でオンラインセミナー開催


セミナーで紹介した「情報サービス産業白書2026」

山下 郁雄 【アウトライン】
●業界の抜本改革が待ったなしに
 情報サービス産業協会(JISA)は7月9日、JISA会員企業と報道関係者を対象とするオンラインセミナー「AI時代における情報サービス産業の人材問題を考える」を開催した。同テーマに沿ったアンケートをJISA会員企業、ユーザー企業およびIT技術者の3者に実施した、みずほ総合研究所の相原慎哉ソーシャルイノベーションコンサルティング部ディレクターらが調査結果を概説した。そのうえで、相原ディテクターは「AIによって、情報サービス業界の変革がいよいよ待ったなしになった」と、AI革命のインパクトの大きさを力説した。

 アンケートで明らかになったのは ① JISA会員企業では、ビジネスモデル抜本変革の必要性をトップ層ほど強く認識している ② ユーザー企業の一定数が、5年以内に開発工程の大部分をAIが代替すると見ている ③ IT技術者(個人)では「今後、自分の仕事が変化することが楽しみである」との回答が53.1%と過半を占め、「不安である」(42.5%)を10%ほど上回っている-など。

 これらの調査結果を踏まえて相原ディレクターは「AIがもたらす変化に、期待感・楽しみ感を持つ若手エンジニアに、どう応えるかが情報サービス企業の課題」「人間とAIが適切に役割分担する『Human in the Loop』を前提とし、学ぶための環境を保障する育成スキームの再構築が必要」と指摘。併せて、従来からの「開発の請負≒人月単価モデル」から「業務変革パートナー」へのビジネスモデルの転換が目指すべき方向性だと強調した。

 一連のアンケートは「AI時代における情報サービス産業の人材問題を考える」をテーマとする「情報サービス産業白書2026年版」(6月発刊)の作成を目的に、JISAの委託を受けた、みずほ総合研究所が実施した。調査時期は昨年12月から今年1月まで。



【グッド・ポイント】
●3者のアンケート比較がおもしろい
  • 情報サービス産業、ユーザー企業、個人(技術者)の3者を調査対象とし、3者を比較したのが面白い。

  • 情報サービス業界にとって、積年の課題である脱・人月単価モデルの端緒を示したのは意義深い。

  • アンケートの説明は、相原ディレクターを含めた3人のみずほ総研スタッフが行い、それぞれのパートを分かリ易く解説した。


【要チェック箇所】
●時間配分が残念
  • 合計1時間半のうち、質疑応答の時間が僅かしか取れなかったのが残念。JISA会員のほか記者も参加したオンライン説明会なので、質問がかなりの数、寄せられることは想定できたはず。

  • 撮影、録画、録音は一切禁止として説明会を行ったのはうまくない。記者の参加=関連記事の執筆・掲載であるにもかかわらず、記事執筆に有用な撮影、録画、録音をなぜ禁止したのか。納得できる禁止理由が思い浮かばない。


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会見感想文(2026年7月) データエンジニアリング協会がAI時代に対応する「データ価値のエビデンス」を提言~トラストデータのための指針を発表


「データ価値のエビデンス」について説明する河野会長(中央)


高橋 成知【アウトライン】
●デジタル・経済社会に向けた「データ価値」の重要性訴える
 JDEA(日本データエンジニアリング協会、河野純会長)は、6月24日、4回目となる、データ主導(データセントリック)社会実現に向けた提言「デジタル社会・経済に向けたTrusuted Detaのための指針(ver4.0)」をとりまとめ、発表した。

 これは2018年6月、政府の閣議決定(世界最先端のデジタル国家創造宣言)以来、同団体が一貫して提言を続けている。共通して訴えているのはデータの安全性と価値評価、データ利活用のプロセスを担う人材の重要性だ。  提言の副題は「AI時代のデータハンドリング」。JDEAの今年度の活動テーマも「データ価値のエビデンス」とした。

 今回は、ビジネス現場の利用者が安心して利活用できる「Trusted Data」の実現を目指すべき、と提言している。データは「21世紀の経済資源」として位置づけられ、株式公開IT企業が提供しているデータ主導型サービス市場規模はすでに約5兆円を超えている。

 同協会では、AI時代であっても、データを作り出す主体は基本的に「人」であることから今回の「指針4.0」の中で、4つの重点を提唱している。

 ① データ品質階層の認識と信頼性の担保 ② 現場型データマネジメントの定義 ③ 自動化と手動入力の最適化 ④ わが国特有のデータ環境への対応

 特にデータ品質には3つのレイヤーがあることの認識の共有。レイヤー1「検証可能」(Verifiable)、公共の利益に資するレイヤー2「高品位」(Clean)、第3者機関が裏付けするレイヤー3「高信頼」(Trust)。

 また、わが国特有のデータ環境、和暦(元号)や漢字のヨミ、MJ+(行政事務標準文字)に代表される複雑な漢字文化、英数と記号のみの欧米と違う「データの揺らぎ」、それに最近はキーボードに依存しないタッチパネルや脱キーボードデータへの対応があげられている。 80年代の初期までは、データの生成から廃棄までのライフサイクル「CRUD」は、限られた専門家による集中・一元管理、いわゆる「カセドラル」で行われてきていたため、管理がし易かった。しかし、最近はデータの作成者が現場のビジネスパーソンが担い、「バザール」な状態となってきており、管理しづらい環境に変わってきている。

 そのため、今回の指針では「現場指向のデータマネジメント」、事業部門におけるデータ管理体制の強化、部門横断的なデータマネジメント活動の重要性を提唱している。

 具体的には最高データ責任者(CDO)、データスチュワード、データガバナンス委員会を生かしつつ、現場発のデータマネジメントを推進していくことを目指す。

JDEAはAI時代の縁の下の力持ちとして重要な役割を担っている。そのことを広く知ってもらうことが大切だと強く感じた。



【グッド・ポイント】
●現場志向型のデータマネジメントの必要性を強調
  • AI時代に合わせた「データ」の重要性を訴える内容

  • 一口に言って、データに関しては、一人一人の持つデータのイメージがバラバラな中で、データを扱う専門団体として、適切な提言を行った。

  • 1回目の記者会見が台風の影響で、不完全燃焼であったための2度目の会見であったが、新鮮さを失わず開催された。


【要チェック箇所】
●やや専門家向けの会見内容をいかに経営者・一般に広げていくか
  • データの説明時に、数々の専門用語が飛び交った。データの重要性を伝える会見には専門記者が多く、工業新聞系の記者を呼び込み、経営者・一般向けにデータの重要生をより広く伝える工夫が必要だ。

  • 現場のデータ責任者が重要という解説あったが、具体的な育成案はなく、抽象論に終始。これから対策をしていく段階という印象を与えた。

  • 専門的な用語が多いので、JDEA作成のデータ用語集を紹介する手もあった。

【図表の解説】
データの3つの領域の外には、ゴミや破片、ガラクタ、偽造、害虫、野良といった怪しげで信用できないデータが充満している。統計・分析に利用するには“百害あって一利なし”。今後は特に生成AI(AIslop、汚泥)が出すゴミはもっともらしくとても厄介。注意が必要だ。

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会見感想文(2026年7月)日本総研が水力発電など「山の国資源」の有用性を説く


「山の資源」を語る瀧口シニアスペシャリスト

山下 郁雄 【アウトライン】
●ハイブリッドダムに可能性あり!
 日本総合研究所は6月16日、東京・丸の内の同社・社会価値共創スタジオで、水力発電をはじめとする「山の国資源」の活用をテーマとする記者発表会を開いた。瀧口信一郎創発戦略センター・シニアスペシャリストが講師を務め、水力発電の“決め手”として、治水用のダムに発電機能を付加・増強するハイブリッドダムの有用性を説いた。

 水力発電の2024年度の発電電力量は735kWhで発電量比率は7.4%。瀧口氏は「ハイブリッドダム化などによって、現状の2倍かそれ以上になるポテンシャルがある」と水力発電の底力を強調した。現在は発電とは無縁の治水ダムを発電にも活用すれば倍増するというわけ。ハイブリッド化の成果を高めるための必要条件として①高精度の気象予測(ダムの流入予測とダム水位予測)②複数ダムの連携(流域全体の水系管理)③堤防のかさ上げ(ダムのキャパシティ増加)ーなどを挙げた。

 治水ダムは全国に800近くあり、うち200余りのダムには発電機が設置されている。残りの発電とは無縁の治水ダムに発電機等を設置すれば、比較的容易に水力発電量を拡大できるようになる。湯西川ダム(栃木県)、尾原ダム(島根県)、野村ダム(愛媛県)などでは発電設備の新増設が進んでいる(国交省「水力発電の増強事例集2025」参照)。

 溝口氏は、水力のほかバイオマス、地熱といった山の森林や河川に眠る資源を「山の国資源」と称して、眠っている資源を開拓し有効活用を図ることが重要だと指摘。併せて、地域活性化と成長産業の組成につながる「山の国経済圏」構想を披露した



【グッド・ポイント】
●山の国資源>海の国資源-が面白い
  • 水力、バイオマス、地熱を「山の国資源」、洋上風力、潮力・波力などを「海の国資源」とくくり、山の国資源の活用がより優先されるべきだ、との独自の見解が興味深く、面白かった。

  • 治水ダムのハイブリッド化がそれほど進んでいない理由として、治水と発電では監督官庁が異なることなどから、現場・担当者レベルでのインセンティブが乏しい、との話が印象に残った。


【要チェック箇所】
●日本列島・最適化の“鳥の目”が…
  • 山の国資源を活用し、地域再興に直結する山の国経済圏を形成しようとの構想自体は意義深い。しかし、人口減少・高齢化・過疎化の“先頭ランナー”である山の国を語るには、日本列島全体の最適化をどう図るかといった“鳥の目”が欠かせない。その辺りにひと言、二言でも言及してほしかった。

  • 「分かりにくいと評判」と自虐コメントを述べた上で紹介した「既存治水ダムの発電量増加シミュレーション」のグラフが確かに分かりづらい。まさに、要チェック箇所。


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会見感想文(2026年6月) JSTが「研究セキュリティ」の現状を解説


会見する橋本JST理事長

山下 郁雄 【アウトライン】
●国際連携と技術流出防止を両立
 日本科学技術振興機構(JST)の橋本和仁理事長が6月2日、都内のJST東京本部で記者会見を開き、「動き出した研究セキュリティの確保の取り組み」のタイトルで「JSTーTRUST」の近況などを説明した。橋本理事長は「ここ数年で、急激に世界各国で広まっている」と研究セキュリティへの関心の高まりを紹介し、併せて、日本での研究セキュリティを巡る取り組みの必要性を強調した。

 研究セキュリティとは、研究の国際化・オープン化に伴う技術流出や外国からの不当な干渉などのリスクから、大学や研究機関のデータ・研究者を守るための対策の総称。一方、「JSTーTRUST」は、JSTが競争的資金の採択プロセスにおいて、経済安全保障や技術流出防止のために採り入れたリスク評価プロセスで、2025年度(昨年度)から試行導入している。日本における研究セキュリティの先駆けで、土台ともなるものだ。

 会見では、「JSTーTRUST」について①25年度に量子・半導体分野の4プログラムでパイロットケースを開始した②パイロットケースを通して、研究セキュリティ上の課題は多種多様で明確な基準を策定するのは難しいことが分かった③得られた知見を反映して今年度は先進材料、AI、光といった分野でプログラムを進めていくーと進捗状況などを明らかにした。

 橋本理事長は「科学力が国力の源泉となっており、その強化には国際共同研究をはじめとする各国間の連携・協力が極めて重要。一方で、重要技術の流出防止が国益保護に必須」と現状認識を語り、研究セキュリティが「オープンな国際連携」と「技術流出の防止」を両立させると説いた。



【グッド・ポイント】
●背景、いきさつを分りやすく説明
  • 研究セキュリティに関わる背景やいきさつの説明が分りやすかった。

  • 「政府や政治家とアカデミア(研究者)はガチンコでぶつかる」「私の感覚では、政府が強い英仏に対し、敗戦国のせいなのかどうなのか、ドイツや日本は研究者が強い」「デュアルユース(軍民両用)については、基礎研究の段階では、何がデュアルユースなのか、誰も分からない」などの興味深い話を聞けた。


【要チェック箇所】
●「研究セキュリティ」定義が?
  • そもそも「研究セキュリティ」とは何なのかが、今ひとつ分かりづらい。チャットGPTに尋ねると「研究活用や研究成果を、不正な取得・利用・流出・妨害から守りながら、健全な国際共同研究や学術交流を維持するための取り組み」と返ってきた。納得できる答えだが、これで100点満点なのか…。JSTで定義付けをする必要があるのでは。筆者はいろいろ検索したが、明確な定義は発見できなかった。


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会見感想文(2026年4月)ビズリーチが転職者などの定着・活躍支援の新メニューを提供


酒井哲也ビズリーチ社長(右)と小出毅ビズリーチ執行役員HRMOS事業部長(4月9日、東京・渋谷の記者発表会)

山下 郁雄 【アウトライン】
●入社者の早期退社を減らし即戦力化を図る!
 ビズリーチは4月9、15の両日、東京・渋谷の渋谷クロスタワーで、入社者の定着・活躍支援に役立つ新サービス/システムの提供を開始したと発表した。9日は企業等の採用活動と労務関連業務を結びつける「HRMOS(ハーモス)労務」を、15日には生成AIをベースとする「Onboard(オンボード)AI」をそれぞれ発表。どちらも、転職者などが入社後、職場環境や社風になじめず早期退社するようなケースを最少化し、即戦力として能力をフルに発揮できるようにするもの。

「HRMOS労務」は、大多数の企業において、転職者などの採用選考時の情報が、入社後はほとんど生かさせていない実情を踏まえて、「採用」と「労務」の一気通貫による人材活性化を後押しする。既存の同社製・採用管理システム「HRMOS採用」と結合し、採用選考時の面接評価、保有スキル、志望動機など各種情報を入社後のさまざまな局面で容易に有効活用できるようにする。人事部門と受け入れ部門との間で往々にして起こる「データの断絶」をなくし、入社者の定着・活躍を支援する。

一方「Onboard AI」は、生成AIが組織固有の暗黙のルールを含めた知識の伝達や反復練習などを手がけることで、入社者が即戦力として自律的に成長するのを促す。併せて、マネージャ-や管理者の育成業務の負担を軽減し、入社者とマネージャー・管理者の双方にメリットをもたらす。田中聡立教大学准教授が監修し、組織社会化理論(新規メンバーが組織に適応する過程を深掘りした理論)を反映させた。

ビズリーチはテレビCMでおなじみの転職サイト「ビズリーチ」のほか、労務管理など「人」に関するサーボスやシステムを幅広く提供している。二つの新メニューで、事業をさらに深化させていく。同社は東証グロース上場のビジョナル100%子会社。



【グッド・ポイント】
●登壇者の巧みな話術に感心
  • 酒井哲也ビズリーチ社長をはじめとする登壇者の説明がどれも分かりやすくて説得力に富んでいた。とくに15日の「Onboard AI」のユーザーとして登壇した竹田正信マネーフォワード取締役執行役員COOの巧みな話術に感心させられた。

  • 二つの発表会のどちらも説明→質疑応答→写真撮影→囲み取材の時間割を事前に示し、スケジュール通り1時間でこなしたのはグッジョブ。


【要チェック箇所】
●「Onboard」とは?
  • 二つの発表会のどちらでも「Onboard」がキーワードとして使われた。ところが、Onboardとは、の説明がなく戸惑った。「組織への定着・活躍を支援するプロセス全般」といった意味合いのようだが、広く伝える観点から、コンパクトな用語解説が必要なのでは。

  • 1週間足らずの間隔で、類似サービス/システムの発表を2回に分けて行ったのを、どう評価したらいいのか…。ライター目線からすると「一度でまとめてやってくれ」となるのだが、広報戦略としては、どちらがベターなのか、難しいところだ。


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会見感想文(2026年4月)メタルワンとベトナム系ソフト会社が共同で海外サービスを事業化


発表会に臨んだメタルワンとFPTソフトウェアジャパンの面々

山下 郁雄 【アウトライン】
●鉄鋼流通の情報基盤サービスをASEANで展開
 鉄鋼商社メタルワンとベトナム系ソフト開発のFPTソフトウェアジャパンは3月24日、東京・丸の内のメタルワン本社で、両社共同で鉄鋼業界向け情報基盤サービスを海外で開始したと発表した。これまで、国内展開していた同サービスを主にASEAN各国の鉄鋼関連事業者に提供する。手始めとしてタイ、ベトナムの製造業者に納めた。

デジタル・プラットフォーム「Metal X UP」と名付けた同サービスは、鉄鋼流通における「サプライチェーン上のアナログ情報のデジタル化」と「業務・コミュニケーションの効率化/高度化」の二つを実現する。メタルワンが2年あまり前から国内で提供を始め、これまでに1200社を超えるユーザーを獲得している。

今回、ASEAN地域の日系企業をメーンターゲットに、同サービスの海外展開に乗り出した。FPTソフトウェアジャパンが、同サービスに関わる各種システムを現地の商慣行などを踏まえてカスタマイズした。当初は、ミルシート(検査証明書)のデジタル化により、従来の紙ベースの際の非効率で煩雑な作業をスムーズに進める「ミルシート管理機能」を提供。今後、新機能を順次、追加し、ASEANはもちろん、その他地域での普及にも力を入れる。

メタルワンは三菱商事と双日が出資した鉄鋼商社で、国内外に100以上の拠点・事業会社を持ち、グローバルに事業を展開している。FPTソフトウェアジャパンは、ベトナムのICTリーディング企業、FPTコーポレーションの中核会社であるFPTソフトウェアの日本法人。AI活用によるオフショア開発などを手がけている。



【グッド・ポイント】
●コンパクトで分かりやすい説明
  • 海外展開に関する説明がコンパクトで分かりやすかった。

  • FPTソフトウェアジャパンが、ベトナムと日本の架け橋となって幅広い分野で活躍していることを知り、勉強になった。登壇したベトナム人の達者な日本語に感心した。


【要チェック箇所】
●情報基盤の海外展開は何をもたらす?
  • 情報基盤(デジタル・プラットフォーム)を海外展開することが、どれほど意義深いのか、鉄鋼商社の事業拡張にどの程度寄与するのか、何をもたらすのか、といった辺りの見方、展望を示して欲しかった。

  • 会見のなかで「今でもFAXを使っているのは、日本だけ」との説明があった。図らずも、この会見の出席申し込みはFAXベース、紙ベースで手続きする方式だった。FAXが身近にない記者も少なくないご時世。脱FAXを進めていただきたい。


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