2008年03月14日

2008年03月14日

子供の頃遊んだあの「あぶり出し」の原理を知っていますか?

20080314紙にみかんの搾り汁で絵や文字を書き、乾かすとその書いた文字は消えてしまいますが、火であぶると、再びその絵や文字が浮き出してくる。子供の頃の不思議なあの遊び「あぶり出し」。さて、その原理は?

みかんなどの果実の搾り汁にはビタミンC(アスコルビン酸)、クエン酸、酢酸(酢)など様々な酸が含まれています。この酸が紙の構成成分であるセルロースと反応すると、水分を保持しにくい物質に変換されます。セルロースは、グルコース(ブドウ糖)がたくさん結合した高分子ですので、本来水分を蓄えやすいので、紙には多量の水分が含まれています。そこで、酸で書かれた紙の部分は、書かれていない部分より水分の保持能力が低く、火が近づくと、水分が少ないため、速く温度が上がり焦げていきます。その結果、再び書いた文字や絵が浮き出てくるように見えるわけです。

ほかにもあぶり出しによって色が変わるものもありますが、これは、天然の果汁によるものではなく加熱によって変色する塩化コバルト(青色に変化)などの物質が使用されています。

「あぶり出し」の原理のように、紙や綿繊維の主成分であるセルロースは酸やアルカリによって物性変化しやすい物質ですので、その性質を利用した様々な用途が知られています。たとえば、セルロースに硫酸を反応させると、滑らかで半透明な水にとけにくい硫酸紙(パーチメントペーパー)ができます。セルロースをアルカリにつけて二硫化炭素の蒸気に通すと、溶液に膜と繊維ができます。レーヨンとセロハンはそのような溶液から再生されたセルロースです。セルロースエーテルは、紙のにじみ止め、粘着剤、石鹸、合成樹脂などに使われています。また、セルロースを硝酸と硫酸との混合液にひたすとニトロ化されて硝酸繊維素またはニトロセルロースといわれる可燃性爆発物ができます。ピロキシリン、またはコロジオン綿とよばれるニトロセルロースは、さまざまな塗料、プラスチック、医薬、写真、人造皮革とラッカーの製造に使われています。尚、硝化度が高くなると爆発しやすくなります。

コラム
紙や綿繊維のセルロース水酸基に化学結合できるシクロデキストリン誘導体があります。このシクロデキストリン誘導体(CAVASOL W7MCT)は、モノクロロトリアジノ基という反応基を持っていて、酸やアルカリで簡単にシクロデキストリンと綿繊維を固着できます。この方法でシクロデキストリンを繊維に固着すると、洗濯を何度行ってもシクロデキストリンは繊維から離れません。このシクロデキストリン誘導体を利用して、メントールを固着し、汗をかくときに清涼感のある下着、月見草オイルを固着したアトピー治癒効果のある肌着、抗酸化作用のあるビタミンEを固着した衣類などが開発されています。




※次回3/28(金)は「果物が腐る原因」のお話です。


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cosana04 at 12:20|PermalinkComments(1)TrackBack(0)この記事をクリップ!