2008年07月04日

地球を救うセルラーゼ酵素とは

20080704この地球上には再生利用が可能で重要な有機化合物のひとつにセルロースがあります。木や雑草、様々な植物にセルロースは含まれていて、人は紙やパルプなどにして使用しています。セルロースはグルコース(ブドウ糖)同士が結合して連なったものです。ご存じのように、澱粉も同様にグルコースが結合して出来ています。人間は、澱粉を食べると、消化管内にあるアミラーゼ酵素によって澱粉をグルコースに分解し、栄養源としています。しかし、紙(セルロース)を栄養源にすることは出来ません。その理由は、人間はセルロースをグルコースに分解する酵素を持っていないからです。このセルロースをオリゴ糖に分解する酵素をセルラーゼといいます。今、このセルラーゼが注目されているのです。

セルロースは毎年大量に植物の光合成によって作られています。太陽光がある限り再生可能です。また、化石燃料の枯渇やCO2濃度上昇による温暖化の問題もありません。植物は空気中のCO2を取り込んでセルロースを作っているのです。やがてセルロースはCO2に変わり、そして再び植物になるので環境へのCO2負荷もありません。現在、温暖化防止のためとバイオエタノールがトウモロコシなどの澱粉から作られています。しかし、澱粉は食料や飼料としても重要なので、セルロースのエタノール変換技術が求められているのです。

この地球上には、たくさんの植物が生育しています。森では毎年秋には落ち葉が地面を埋めています。でも、落ち葉で森が埋まってしまうことはありません。その理由は、これらの落ち葉を食べる昆虫や分解する微生物がいるからです。これらの昆虫の消化管の中や土の中にはセルロース分解微生物が数多くいて落ち葉を分解してくれているのです。このセルロース分解微生物が生産しているのがセルロース分解酵素のセルラーゼです。黒ヤギがお手紙を食べてしまえるのも、白アリが木造建築の家を餌にできるのも、実はこのセルラーゼのおかげだったということが分かってきたのです。

セルラーゼ酵素をうまく利用できれば、化石燃料の石油や石炭を使う必要もなくなり、地球温暖化も解消されるはずです。ただ、現在のセルラーゼによるセルロースの糖化技術はいまだ研究段階で不明なことも多く、工業化にはもう少し時間がかかりそうです。しかし、この技術は地球温暖化対策にとても重要な技術であり、古紙や枯れ葉をバイオマス資源として活用できる日は必ず来ると信じています。

コラム
現在、セルラーゼ酵素の単離は可能となっています。しかし、セルラーゼ酵素を利用する際には、この酵素の保存安定性が一つの問題です。そこで、セルラーゼ酵素に対してγシクロデキストリンを用いて包接し、安定化できることが明らかになりました。工業化技術確立はまだまだ遠い道のりですが、一歩ずつ近づいています。

※次回7/18(金)は『植物の不思議な力「フィトンチッド」とは』のお話です。


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cosana04 at 14:05│Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!

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