留学して得るもの、失うもの
今回の一時帰国は本当にバタバタで、でも、ものすごく収穫の多い帰国だった。学会ではとても沢山の先生方や古い友達・同僚に会えたし、何より、以前からお会いしたかったI先生と、K先生といろいろ話す機会があったのが本当に嬉しかった。それに、修士時代の指導教官が様々な機会に身に余るぐらい引き立てて下さって、有難かった。私は先生との関係でとても苦労している分(実は、前のアドバイザーが最初ではない…とほほ)、良い先生にもとても恵まれているなぁ、と改めて思う。人生ってこうやってバランスが取れているんだろう。ともあれ、私が日本に学んだことを持ち帰るのを待っていてくれる人がいるんだ、と実感できたのは本当に大きかった。それまでは、もうみんな私のこと忘れちゃったかな…と思ったりしていたんだけど、有難いことにそうではないみたいだった。
さて、今回の帰国では、夏におじさんを亡くしたばかりのおばさんに会った。その時間だけはどうしても確保したくて、予め時間を空けていたのだ。久々に有楽町で待ち合わせて、「容疑者Xの献身」を見たんだけど、これがすごく良かった!!!
「容疑者Xの献身」公式サイト(音楽が鳴るのでご注意を…)
容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7)
もともと原作者の東野圭吾の本は好きで、映画にもなったみたいだけど「手紙」や「秘密」はとても良かったし、この本は買ったもののまだ読む時間がなかった。だから、ちょうど一時帰国の時に公開されると知って、ぜひ見てみたかったのだ。詳しく書くとネタばれになっちゃうから書かないけれど、容疑者Xである、堤真一の演技がすごい。どうして福山雅治と柴崎コウがポスターでメインになってるのか分からないぐらいだ(まあ、これは「ガリレオ」シリーズがドラマにもなったからなんだろうけど。この本はこのシリーズの初長編)。とにかく、映画の始まりからものすごく引き込まれてしまった。アリバイのトリックも見事だし(後で、「ああ、そう言えばあの時…」と気付かされる、憎い仕掛け)、登場人物の駆け引きも面白いんだけど、見た後に、何かを考えさせられる、心に残る映画だ。東野圭吾の作品は、往々にしてそういう重みがあって、私はそこが好きだ。あとは、時間を見つけて原作を読みたいなぁ…。
映画が終わった後は、おばさんを家に招待して、母親と3人で夕御飯を食べた。生憎、父親は仕事の関係でいなかったんだけど、おばさんは、食卓でみんなでご飯を食べるのが本当に嬉しかったみたいで、ずっと涙ぐんでいた。きっと、お友達と外食をすることはあっても、家で誰かとご飯を食べたことは、おじさんが亡くなってからなかったんだと思う。そんなおばさんを見て、もし日本にいたら、いくら忙しいと言っても、もっと頻繁に会うことが出来たのに…と、とても悲しかった。母親がたまに一緒に映画に行ったり、ご飯を届けたりしてくれているけど、私自身は何も出来ない。たまに葉書を書いたり、電話をするぐらいだ。今まで、留学して失ったものを意識することはほとんどなかったんだけど、今回、その1つが分かった気がする。その人が自分を必要としているとき、傍にいられないこと。これまでに、それを思い知らされなかっただけ幸せなのかもしれないけれど、これは、私が例え日本に帰ったとしても、ずっと起こることなのだ。何故なら、私には、大切な人たちが2つの国にいるからだ。日本に戻ったとしても、私の大切な友達に何かあったとき、傍にいられないことは本当に辛いだろう。ああ、留学するってこういうことなんだな…と、改めて思う。
今回、日本でいろいろな人に会って、私の心の中では帰国の準備が始まっているように思う。今も本当に忙しいけれど、最初の頃の無我夢中な時期とは違って、この留学で得たものは何か、この留学は自分にとって何だったのか、と最近考えることが多い。そして、留学で失ったものにも気付かされた。アメリカを去るのは悲しい。もちろん、日本に帰るのは楽しみだけど、不安も沢山ある。だから、最近は少しセンチメンタルになっているのかもしれない。きっと、帰国前にみんなが通る道なんだろうけど。
まあ、私の帰国は早くても来年の晩秋か冬。あと1年はあるんだけど、私は心の準備に時間がかかるから、きっとしばらくはこんなことを考えるんだろうなと思う。
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僕は2ヶ月前になってもまだ心の準備ができません...
ミネソタを去るのもつらかったけど、またあのつらい思いをしなければならないと思うと気が滅入ります。
Tさん、
もしかしてもう今は日本でしょうか?でも、また戻ってくる目途が立って良かったですね。オレンジカウンティに比べると日本は寒いと思いますが、体調を崩さないでくださいね。