今回、同人誌の文庫カバーへの箔押し加工をお手伝いさせて頂いたのでご紹介します。

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全面箔押しカバー - 01


デザインは 集( @rbandcosb ) さん。

コスモテックではここ数年、同人誌の表紙やカバーなどにも箔押しのご依頼を頂くことが非常に多いのですが、その中でも特に印象に残った作品の一つとして、 集( @rbandcosb ) さんにブログへの掲載のお願いをしました。 快く快諾して頂き、ありがとうございました。


コスモテックに箔押しのご依頼を下さる同人誌関連の皆さんは、同人誌を得意とする印刷所と箔押し屋であるコスモテックの間に入って、普通に考えれば手間のかかる作業を巧くこなしていらっしゃいます。

会社と会社の間に入って細かいやり取りを展開して下さる方が多く、コスモテックとしても非常に刺激を頂きつつ、勉強させて頂いています。一括で同人誌に強い印刷所にお願いしてしまった方が楽なのに、そこをあえてコスモテックに箔押しをご依頼くださる意味を考えると、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。


集( @rbandcosb ) さんとのメールのやり取りをさかのぼってみると 2016年10月末頃になります。 長期に渡り、箔押しについてのやりとりをしていく中で、ぼんやりと今作の目指すべき方向性も垣間見ることが出来ました。


■ 『 佇まいが非常に美しいです 』

同人誌なのだけど、同人誌ではないような、そんな洗練された佇まい・空気感がそこにはあります。 カバーの設計は コート135kg に フルカラーオフセット、表面マットPP加工。 実は特殊紙というわけではないのです。

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全面箔押しカバー - 02


控えめな金色の光沢感を放つ部分は全てコスモテックで箔押し加工した部分になります。


■ 『 箔押しで覆い尽くす 』

箔押しした部分はなんとカバー全面。 カバーのフルカラーを生かす部分、箔押しで隠ぺいする部分の、バランス感が絶妙で、まるで本が箔押しの鎧を着ているような錯覚も起こります。

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全面箔押しカバー - 03

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表から背にかけてはベタ白抜きの箔押しを駆使してデザインされており、白抜き部分から見えるフルカラー印刷部がクールなインパクトを与えてくれます。特に表面の一番右側に走るライン状に印刷部分を残した余白部分が表紙の印象をグッと引き締めています。

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裏は、表と背とは打って変わり、文字表現による箔押し。凸文字構成で組まれており、今度はフルカラー印刷部をより生かす、箔による隠ぺい性をより鮮烈に感じさせるものとなっております。


■ 『 ベタ白抜き箔・凸文字箔、混合デザイン 』

箔押し加工は一撃なのですが、今回のようにベタ白抜き部・凸文字部が混合しているデザインの場合、特に箔押しの圧調整が難しくなります。

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● ベタを潰そうとすると圧を強くする
⇒ すると凸文字部分が箔で埋まり易くなる…

● 凸文字部分を活かすため、圧を弱くする
⇒ ベタ部分が擦れてくる…


圧の強弱の加減をバランスよく設定し、一度の加工で美しく仕上げるのは非常に難しい作業となります。 紙や印刷・加工における設計は一見シンプルに感じられますが、箔押しの難易度は実は職人泣かせなほど高いのです。


■ 『 校正出しをすることでクリアに 』

仕上がりイメージ・箔押しのアプローチをお互いの間でよりクリアにするため、校正の時間を設けて、予めテストしました。 その際、箔色も4種類くらいを一挙にテスト。特に今回は箔の面積が大きく真っ先に目に飛び込んでくるのが箔の色なので、色によって印象やイメージが異なることを確認します。

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今回は最終的に 『 金消しNo.108 』 で箔押ししておりますが、それ以外の 金消し箔3種類ほども校正時にはテストしました。

校正をする際にはご依頼の箔色の他に何色かイメージの違う箔を押してみることもあるのですが、それが元で最終的な箔色がご依頼時と変わることも多々あります。

そうやって、製作者と加工所が方向性を共有したり、その作品・製品の解を探ったりする作業が実は一番楽しく、作品の印象を決定する上でとても重要なポイントにもなるのです。

また、使わなかった箔色で出した校正( ボツ案 )も実は宝物です。 それはデザインされた方の今後の作品づくりの参考にもなるし、そこで経験値を積んだ方は次のご依頼では 「 あっ! 」 っと驚くようなデザインをされることがよくあり、実はそれが僕の密かな楽しみでもあります。

最近多くなってきたのが、紙・印刷、箔色の組み合わせを打ち合わせする際に「 アオキさんに任せます 」 というもの。これには、真剣に頭を悩ませます……。

僕なりに理解したその方の趣味・嗜好、世界観や作品のコンセプトなどから最適なご提案をしているつもりですが、美容室での 「 お任せで 」 と同じで仕上がってみたら 「 思ってたのと違う・・・がっかり 」 となる場合も無いとは言えません。そのためにも校正で実際に押してみるという作業が非常に重要なものとなるのです。

■ 『 細かなところに光る技 』

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文字組み ( 使用フォント マティスEB ) や 素材 ( 紙 ) と箔押しの組み合わせや表現方法について、集( @rbandcosb ) さんのデザインが光ります。

すごいちょっとしたさり気無いこだわりや工夫が心地よい違和感を生み出し、同人誌からちょっとはみ出した、アートブックのようなセンスの良さが感じられます。

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全面箔押しカバー - 09


特殊紙 × 特殊箔や難しい加工・高額な加工にしなくても、コート紙に箔押し一撃のようなシンプルな加工でも、ちょっとしたデザインデータの作り方、表現方法を考えてみる試行錯誤と小さなこだわりが作品に奥行きを持たせてくれるのです。


書棚でキラリと光る、オブジェのような佇まいの同人文庫本の完成です。カバー全面に箔押ししつつも、何故か 「 派手で豪華 」 とか 「 煌びやか 」 という言葉より 「 しっくり馴染む 」 という言葉がぴったり!そんな不思議な一冊であり、そんな箔押し表現が出来ました。



ブログ担当:青木

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