~遺伝子組み換え企業の脅威(モンサント・ファイル)/『エコロジスト誌』編集部/緑風出版より抜粋

ラウンドアップ:世界で最も売れている除草剤/ジョセフ・メンデルソン/高橋厚子訳

~前略~
ラウンドアップは人やペットや野生動物に安全で、環境にもやさしいという宣伝を繰り広げているが、実際は深刻な健康障害しばしば引き起こすことが知られている。
米国の農薬代替物北西部連合(NCAP)の科学調査でこの除草剤に関するさまざまな健康・環境被害があることが判明した。
特に、グリホサートは経口・皮膚テスト等で、毒物分類Ⅲ(警告)に分類され、他のテストでグリホサートが哺乳類に有毒反応(けいれんや呼吸停止を含む)を引き起こすことが示唆された。

しかし、ラウンドアップに関係のある深刻な毒性問題は主に活性成分・グリホサートによって引き起こされるとは考えられていない。
むしろ、ラウンドアップをより容易に、より効率よく作用させるために添加された、未表示の「不活性」成分が原因だと思われている。

ラウンドアップの大部分は「不活性」物質からできており、そのうちの多くは明らかになっていて、ポリエトキシレート、タロウアミン界面活性剤(POEA)とグリホサートの関連有機酸、イソプロピルアミンや水である。POEAの急性死毒性はグリホサートより三倍以上強いことが、調査によって明らかになった。

中毒患者に関する日本の研究は、この「不活性」成分が患者に急性中毒を引き起こしたとされている。
急性POEA中毒の症状には、胃腸の痛み、嘔吐、肺炎、赤血球の破壊、意識がもうろうとするなどか含まれる。

もう一つの「不活性」成分である、イソプロルアミンは粘膜組織と上部呼吸器官にとってきわめて有害である。
結局、日本の研究者等は200ミリリットル以上のラウンドアップの摂取が致命的になる、と計算した。

その後の実験研究によると、グリホサートを含む製品は広範囲にわたる組織で遺伝子損傷や生殖への影響を引き起こすことがわかっている。

NCAPの解析によるとラウンドアップは環境に深刻な悪影響を引き起こすことが明らかになっている。
例えば、ラウンドアップは土壌ですぐに不活性化すると言われているが、実際は、土壌成分に吸収されていく、という表現のほうがより正確だ。
このように、グリホサートは土壌で活性を持ったまま残り、グリホサートを使い一年経って植えたレタスやニンジンや大麦に残留することがわかっている。
この薬剤は環境に影響を及ぼす。


グリホサートを含む製品はクサカゲロウやテントウムシのような益虫を殺してしまうことがわかってきた。
ラウンドアップはまた、ミミズや有益な真菌類に影響を与えたり、窒素固定を抑制したり、作物が病気にかかる率を高くしたりする。

ラウンドアップの数えきれないほどのリスクにもかかわらず、モンサントはこの除草剤を環境にやさしいとか、また有益であるとさえ、広告で主張し続けている。
一部の政府役人等は、この甚だしい誤りを指摘するようになった。

例えば、1991年、ニューヨーク州司法長官はラウンドアップの宣伝文句に使われている、「生分解性」と「環境にやさしい」という言葉に異議を唱えた。
州は最近モンサントに、この言葉の使用をやめさせ、訴訟費用の五万ドルを支払うことに同意させた。

◇◇◇コラムより◇◇◇

ラウンドアップの摂取後に起きる人の急性中毒症状には、胃腸痛、嘔吐、肺の膨張、肺炎、意識混濁、赤血球の破壊が含まれる。
グリホサートを混ぜたり、積み入れたり、使用したりする労働者たちからは、眼と皮膚の炎症が報告された。
1966年から1980年10月までの間にグリホサートに曝露したことが原因だと思われる健康被害109件がEPA農薬事故モニタリング・システムに報告された。
これは、ラウンドアップが広く使用されるかなり前のことだ。
この健康被害には、眼や皮膚の炎症、吐き気、めまい、頭痛、下痢、眼のかすみ、発熱、虚弱などが含まれた。

1980年代に日本ではラウンドアップ除草剤を使った一連の自殺や自殺未遂があった。
これをもとに、科学者たちは致死量が6オンス(170グラム)だと算出した。
この除草剤は、人間(への毒性)と比べ、魚に対しては、毒性が100倍で、またミミズ、土壌細菌、有益真菌類に対しても毒性が強い。
そして、科学者等は魚や他の野生生物へのラウンドアップのたくさんの直接的・生理学的影響、加えて森林が枯れたために起きた二次的影響も測定した。
グリホサートがN・ニトロソグリホサートと他の関連物質とに分解することで、ラウンドアップ商品が引き起こす発ガンの可能性についての懸念が高まった。
米カリフォルニア大学バークレー校・公衆衛生学部の研究(1993年)で、グリホサートはカリフォルニアの庭師が患っている農薬関連の病気の最も共通した原因だったことが明らかになった。

ちなみに、農業従事者の場合は、農薬関連病の原因の3番目がグリホサートだった。
バーモント市民フォレスト・ラウンドテーブルのメンバーが1996年に書いた科学文献では(ちなみに、このグループは森林での除草剤使用禁止を求めたバーモント州議会へのロビー活動に成功した)、肺疾患、心悸亢進、吐き気、生殖器疾患、染色体異常やその他たくさんの健康被害が、ラウンドアップ除草剤への曝露が原因で引き起こされることが明らかにされた。
◇◇◇コラム終了◇◇◇

~抜粋終り~