2014年11月

2014年11月25日

地味な満足

IMG_1036お客様は直すつもりのなかった この時代箪笥。
「ネズミにかじられて穴が開いてしまっていたので 
こんなのは見せられない」 と思っていたそうです。

よくあることですが、箪笥を引き取りに行って 
家の奥の納戸まで入れてもらう。  
古モノ好きの私がアレやコレやと興味を示すもので 
お客様も 「じゃあ、こんなのも直るかしら?」 と 壊れたまま・・ でも捨てられないモノをいろいろ見せてくださる。

中には私の分野とは違うけど〜 ってモノもあるけれど 
判る範囲でお答えしたり、知り合いの業者を紹介したり・・

私が女だということで 「ちょっと散らかってるんだけど」と 寝室まで入れてもらうこともある。
私もだんだん親戚の家にでも行っているかのような気持ちで いろんな相談にのる。

  .。゚+.(・∀・)゚+.゚  愉しい!!


私のやりたかった仕事は こんなことだった・・と 最近つくづく思う。
変わったカタチの箪笥を作ることや それを集めて見てもらうことではなくて、こんなコトだった。
とても地味〜な満足感がある作業場。  喜んでもらえる納品。
その繰り返しで なんとか生活が成り立つ幸せ・・   若い頃には想像もできなかったこと。


私自身が好きなタイプの箪笥だったので 「これこそ直して使った方がいいです!」 と
勧めたこともあって 色の合う古材を選んで選んで・・ 
板の割れ も ネズミの穴 も あまり目立たないように直すことができました。
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2014年11月09日

モノを見る・・ということ

陶芸に興味を持った20年前には 全く興味がなかった織部。
古いモノを見たり 作家さんそれぞれの試行錯誤を知ると 
本当に自由で面白いと思うようになった。

おサルの香合・・  なんとも可愛らしい。

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この燭台(ショクダイ)  足元の抽斗に引かれてしまう(笑)

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まだまだ若かった頃、私はモノに対する好き嫌いをハッキリ言う方だった。
ある陶芸家に 『嫌い!』 ではなく 『わからない』 というのが正しいのでは? と言われたことがあって 体育会育ちの私は 「はい」と返事はしたものの 心の中では 「嫌いなものは嫌い」 なのだと反発していた。

でも今はその人の言ったその意味が良くわかるようになった。
わかるようになってヨカッタ・・(笑)

2014年11月07日

再生アレコレ

気が付けば11月・・ (((( ;゚д゚)))
頑張って、頑張って、年内納品の仕事の目処がようやく立ったかんじの今日この頃(笑)

10月はいろんな仕事をしました。
初めてやってみることも多くて 楽しかったし勉強にもなりました。

● ボロボロだった この杉の小抽斗・・  
  この時代のベッタリ付く着色料は好きでないのでオイルの塗装にしました。 
  杉の正目が使ってある引き出し表面にはオイルが染み込み難いので真っ黒にはなりませんが
  鉄金具の存在が引き立つような気がします。
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● 欅のちゃぶ台(足がたためるんですよ) 
  塗り直しの仕事だったのですが、完成後の写真撮り忘れました。
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● 桐の人形ケース 
  虫食いでフカフカだったので 古材で復元しました。
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● 回転イスの座面張替え
  完全に分解してしまって 背もたれ、足部分もニスを落としてオイルの塗装に。    
  手触りが優しくなりました。
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● 総桐の二つ重ね 今回も塗装をしない再生です。

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かなりの虫食い・・  大変でした。
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完 成 〜〜!!  ホントに大変でした・・

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シルバーだった引き手金具は
黒に再塗装。

鍵穴の金具は いくつか無くなっていたので 私のコレクション(古物)の中から選んで使いました。
なんか可愛い・・ 気に入ってます。

細々とした直しが多かったので作業場も とっ散らかってしまって 完成の写真も撮り忘れが多くて反省です。