2014年12月
2014年12月24日
こだわり
箪笥をお預かりする時から ご主人の口から出るのは 奥様のこと。
『妻はできるだけ この雰囲気のまま使いたいと言っていますので・・』
『妻はできるだけ この雰囲気のまま使いたいと言っていますので・・』
奥様のご実家からのもののようでしたが
新築のお宅に置かれていた箪笥はぶつかり傷が
何箇所か有り 一番下の抽斗は おじいさまが
削ったという。
見たところ 電動鉋でチカラ任せにやってしまったなぁ〜というかんじ。
無理に削ったので板の強度が保てず 引き手金具の
力の掛かるところで割れてしまっていた。
奥様はお留守で直接お話ができなかったので 見積りと一緒に再生の提案書をメール
させてもらい 年内になんとか仕上げますとお約束して(なんせ お預かりしたのは夏・・)
取り掛かる時に確認の電話を入れようと思っていたら 9月・・お天気の日曜日、ご家族で
工房に来てくださった。 うちの箪笥を見ていただいて 直接お話できたのは大きかった。
奥様はただ古いままでと言っているわけではなく 別のもののようになってしまうのが嫌なのだ
ということが良く判り、私自身も仕事が進め易くなった。
修理が終わり削り上がった箪笥には 自然な渋の他に 板を干した時の干しムラが黒く出てしまっていた。
BODYに関しては塗装しても良いと了承されていましたが、抽斗表面のムラは気になるのか?
いつもなら私の判断で決めてしまうところだが、今回は
BODYだけ塗装した状態で一度画像を見ていただくことにした。
金具も塗装しないことになっていたのだが、全体的に
キレイになっていくと錆も気になってくる。
お客様の回答は全塗装、金具も錆を落として塗装する
ことになった。
結局、最初の話とは違ってしまったけど、お客様のリビングにはこれが一番合うものになった。
お客様に自分で決めてもらって こうなったことが とても良かったと思う。