IMG_8820


よあけの焚き火のサウンドトラックは、
先行してサブスクリプションで聞いてもらえる形をとりましたが、
やはり作品として形にしたいという思いも強く、
時代に逆行しているかもしれないけど、CDを作りました。

ここ数ヶ月、忙しいというのもありますが、
SNS、インターネットと一定の距離を置いて、
自分が本当に大切だと思う事に時間とエネルギーを費やしたいと試みています。

それに伴い、iphone、WIFIをオフにして過ごす時間も増やしているのですが、
その時にレコードプレイヤーのない自分の部屋でCDを聞いたり、
車でCDをかけるのも良い時間だと感じている。

正直に申しますと、
レコードの音の方が好きだけど、
CDの運命が危うくなっている今、
CDを弁護したい気持ちが高ぶってきた。

CDは、なくなると言われているけど、
もしも、CDが欲しい、モノとして持っておきたいという人が少しでもいるのなら、
その方々のためにも作りたいと思う。

音を出す、曲を作る、録音するという音楽を作品として作る工程の先に、
アートワークを考え、パッケージとして形にするということは、
表現の中に含まれているような気がする。

人のためというよりも、
自分のためなのかもしれない。

画家が毎日の日課として絵を描くようなことなのかもしれない。

それを売るというのは、また別問題なのだ。
売らずに作品を所有する画家もいる。

自分も、同じパッケージが並んでいるCDたちを見ているのも悪くないです。


今回も、カレラの庄子さんが、
手作りの要素を入れた、
手触りがよく、飾りたくなるようなデザインに仕上げてくださいました。

CDが売れなくなる時代を逆手にとって、
大量生産ではできない手作業を混ぜてみた。

工場の作業と手作業を混ぜたハイブリット。

手作業をすると愛着もわいてくる。

この作品を、やはり聞いてもらいたい、
手にとってもらいたいと思う。

社会では、それを販売するというのだが、
気持ちとしては、物々交換のようなことができれば良いのにな、
とに思う。

リンゴを作っている人なら、
リンゴと、
漁師さんなら、
魚と、
文房具屋さんなら、
ノートとペンと
でもライブ会場で、そんな事をしたら、
荷物が大変な事になってしまう。

だから、税込2000円という形をとっています。

それが、どこで売っているかというと、
今の所、どこにも売っていません。

ひとまず、ライブ会場、もしも映画関係のイベントなどがあれば、
そのような場所にお持ちしようかなと思っています。


地元にしか出回らないお酒や、
地元でしか食べられない野菜のように、
届けていけたらなと思っています。

初回限定盤の特殊パーケージは、
200枚作ってみました。

通販も便利だけど、
先日、車体に何も書いてない軽トラックが、
ものすごいスピードで商店街を走り抜け、
配達のために開けられた荷台には、
南米の大河の名前がアルファベットで書かれた段ボールが、
山積みになっていた。

そんなに急がなくてもいいんじゃない?
と最近思うので、
その手のネット販売も今の所やめておきます。

音だけなら、サブスクでいつでも聞こうと思えば聞けるから。
それが、一番早い。

それでも、やはりCDで聞く嬉しさはあります。

サブスクは革命だと思うし、
自分もSpotifyの有料会員になって、
音楽人生が変わった。

でも、自分は、Spotifyだけあれば良いとは思えないので、
レコードもCDも買うし、
レコードやCDを作ることも続けていきたいと思います。

どこかで、見かけたら手にとってみて下さい。


2019年12月10日 坂田学