僕たちふたりは今までと違う歩き方を始めました。

要らないものはどんどん棄てて、より身軽になれるように努力しました。

すると、今までとは違う新しい世界が目の前に広がりとても軽くなる生き方を手に入れました。

生活はとてもシンプルです。生き方がシンプルになると周り にいる人も笑顔の人が多くなりました。

自分たちの弱くてダメなところも、強くていいところも同じように受け入れて良識と良心に従って生き

る。そんな当たり前の事がようやく、今になってできるようになりました。

今、私達夫婦はコーヒーの豆を売って生活しています。

この仕事に就けた事と、慎ましく生活ができる事に感謝致します。

こんな田舎までわざわざコーヒーを買いに来ていただいて感謝致します。

全ての皆様に感謝する気持ちで一杯です。

今年も今日で終わりです。また、来年も皆様、よろしくお願い致します。

僕たちふたりはいつも笑顔で、皆様をお持ちしております。


一杯のコーヒーはお客様の幸せの対価です。

なんて素敵な言葉でしょうか。

美味しいコーヒーのある生活には笑顔の連鎖が生まれます。

コーヒーには不思議な力があると思いませんか?

1人で飲むコーヒー。2人で飲むコーヒー。家族で飲むコーヒー。大勢で飲むコーヒー。

楽しいときに飲むコーヒー。辛いときに飲むコーヒー。哀しいときに飲むコーヒー。

コーヒーはいつも僕の近くにありました。

苦い涙が一粒落ちたコーヒーの味は忘れても、

今日1日の出来事を、子供のように話す彼女と飲んだコーヒーの味は忘れられません。

挽きたてのコーヒーの匂いは、あのときの情景を昨日のように思い出します。

そこには笑顔がありました。

「うまく淹れられたかしら」と笑う彼女の笑顔。

穏やかな時間。

明日もあさっても穏やかな時間は続きます。

美味いコーヒーがある限り。




僕は今とても幸せです。

毎日の奇跡を感じます。

サムエルウルマンの詩に「青春とは年齢を言うのではない。心の様相を言うのだ」

というのがあります。僕はこの詩に24歳の時に出逢いました。

この詩が僕の力になりました。僕の心の支えになり、僕を見守ってくれていたように思います。

54歳。まだまだ青春です。

出逢いと別れの奇跡に感謝し、自然の恵みと驚きに感激し、

人の温もりに感謝する事ができます。

全てが九頭竜川のように流れているのだな。と思います。

その流れの先は日本海に辿り着きそして昇華されるのでしょうね。

今日の九頭竜川は緩やかです。

僕は毎日、九頭竜川と浄法寺山の間に挟まれた小さな店でコーヒーを売っています。

コージーコーヒーという店です。

永平寺の人々や大自然は僕達夫婦を心穏やかに迎え入れてくれました。

88歳になるおじいちゃんが朝と昼、1日2回来てくれます。

はじめて店に来てくれた日は、畑仕事の後でした。「コーヒー」と注文して少しお喋りして

自転車に乗って帰って行きました。次の日は、パリッとした白いシャツとダークなパンツで

現れ「コスタリカ」を注文してくれました。店に合わせてくれたのでしょうね。

おじいちゃんの話しはオトギ話を聞いているようで

とても面白く、時間を忘れてしまいます。店が混みだすと、明日の分もと言ってお金を置いて

自転車に乗って帰って行きます。粋ですね。

明日はエルサルバドルを飲んでもらおうかな。

多分、気に入ってくれると思います。







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