September 13, 2005
社員のモチベーションをいかに上げるか
「一人ひとりの本気がこの世界を熱くする。組織と個人のモチベーションエンジニアリング」
これは小笹芳央(おざさよしひさ)社長率いるリンクアンドモチベーションのテレビCMに使われたセリフです。
バブル経済崩壊後、多くの企業はリストラは進め、経営の効率化を図り固定費削減には成功したかもしれませんが、果たして社員の志気は高いレベルで維持できているかというと非常に疑わしいものがあります。
そこに目をつけてビジネスを作り上げたのが、小笹芳央氏です。
彼は「従業員が仕事や会社に何を求めているかを問う発想で『従業員のモチベーションのマーケティング』を提案した」というわけです。
つまり、カンタンに言い換えれば、企業が事業を成功に導くために行う商品開発やセグメント分析などのマーケティング活動を、社内の個々の社員に適用するという考え方です。
(前に何度か紹介したアイデアの定義の1つ「既存の要素の新しい組み合わせ」がそっくりそのままこの場合もあてはまりますよね。)
さて、私は以前から中小企業の社長さんと交流する機会が多いのですが、そのときいつも気になることがありました。
それは、30人くらいまでの中小企業の場合、社長の言動一つでカンタンに従業員のモチベーションは上がったり下がったりするということ。
つまり、
「社長(上司)がきちんと自分の仕事を評価してくれているか」
「現場で試行錯誤して考えた提案を社長が聞く耳を持って受け入れてくれるか」
「発生している問題の最中、猫の手も借りたいほど、もう誰でも良いから生産ラインに入って手伝って欲しいような状況なのに、しかも社内の全員を集めても30人しかいないのに、自分は関係ないと言わんばかりの涼しい顔して社長が遊んで(ゴルフなどして)いないか」
など、様々な要因があります。
中でも3つ目に挙げたものは最悪の例ですね。
実際にその状況をこの目で私は見ました。
その会社の社員の目に精気は感じられず、当然の結果として倒産しました。
倒産したときのその社長の挨拶が印象的です。
なんと、「従業員が頑張り切れなかったから倒産した。」と言っていたのです。
この社長は親から会社をもらって、ただ遊んでいるだけのボンクラだったのです。
従業員も優秀な人は殆んどは先代の社長に惚れ込んで働いていました。
私はこの典型的にダメな例を見て、社長の最も重要な仕事の一つは、他でもない「社員のモチベーションを高いレベルで維持すること」であると確信しました。
逆にそれが出来ている所は若い人も集まってくるし当然業績もアップしていくわけです。
少々話がはずれましたが、アウトソーシングとして強力なモチベーションアップを図るコンサルティング会社に依頼するというのは、私の見たような中小企業ではなく、もっと大きな組織の話だと思いますが、「モチベーション」が業績をアップさせる要因の一つとして、ビジネスの一分野を成すことに変わりは無いようです。
参照:日経ビジネス2005.9.5(p112-114)
この記事へのトラックバックURL
私も社長の仕事で一番大切なことの一つは社員を信頼しモチベーションを高めることだと思います。
またよく出来ていて参考になるホームページですね。
またお邪魔させてもらいます。
ホームページのことも褒めて頂き、嬉しい限りです。
今後とも宜しくお願い致します。