衆議院選挙がおこなわれているので、せっかくですから、新シリーズに行く前に主要国周遊記シリーズのプンタ・アレーナス編を再掲しておきます。

ええ、いわゆる手抜きです。(キリッ

いやあ、再掲はラクでいいですねー・・・、おや、誰か来たようだ。





















南米は、いま一つあか抜けない、非先進国が大半を占めています。

理由はいろいろあるでしょう。

そして今回は、そのうちの一つをご紹介します。

それは――議会の選挙制度です。




「議会の選挙制度?」
「選挙制度って何があったっけ」
「小選挙区制、中選挙区制、比例代表制とか?」
「民主主義だったらなんでもいいんじゃないのかよ」



いえいえ、そんなことはありません。

選挙制度いかんでは、民主主義は容易に衆愚政治ポピュリズムデマゴーグに陥ります。

比例代表制で選挙をした場合、たとえば渋谷区と中野区を一つの比例区(※)にして渋谷区民と中野区民にそれぞれ一人一票ずつ与えて単純合算したら、不適切な選挙結果になることは見え見えです。

なぜなら広尾や松濤、表参道居住者のような高級住宅街セレブを多数擁する平均所得770万円の渋谷区民と、埼玉JK監禁犯を擁する平均所得400万円の中野区民とでは、判断力のレベルが極端に異なるからです。

そのため、どうでもいいDQN候補に中野区民票が集積して議会に送り込まれる可能性が出てくるのです。

こうして民主主義は、衆愚政治に陥りうるのです。

したがって、選挙制度に工夫をして、一人一票でありながら衆愚政治に陥らないようにすることが必要なのです。

その工夫とは――1選挙区につき、1候補者のみを選定することです。

たとえば小選挙区制だったり、大選挙区制でも勝者総取り方式を採用したりすることです(このような制度を「多数代表制」と言います)。

こうすることで、どうでもいいDQN候補にDQN票が集積することを防ぎ議会に送り込まれないように促す効果が表れるのです。

別の言い方をするならば、直接民主制の要素を極力排除できるようになるのです。



(※) 別に「渋谷区と中野区」という組合せでなくても、たとえば「中央区と江東区」とか「世田谷区と川崎市」とか「東京都と埼玉県」とか「関東地方と東北地方」とかでも意味は同じなのですが、実際に一つの選挙区になっている事例としてこの組合せで例示しました。












それでは実際に、世界の主要国(GDP上位15ヶ国)の下院の選挙制度を見てみましょう。


単位:100万ドル(2017年)
GDP小選挙区制比例代表制その他
アメリカ19,417,14419,417,144
中国11,795,29711,795,297
日本4,841,2213,006,6531,834,568
ドイツ3,423,2873,423,287
イギリス2,496,7572,496,757
インド2,454,4582,454,458
フランス2,420,4402,420,440
ブラジル2,140,9402,140,940
イタリア1,807,4251,807,425
カナダ1,600,2651,600,265
ロシア1,560,706780,353780,353
韓国1,498,0741,263,376234,698
オーストラリア1,359,7231,359,723
スペイン1,232,4401,232,440
インドネシア1,020,5151,020,515
小計59,068,69234,799,16912,474,22611,795,297
その他18,919,334
合計77,988,026

https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_countries_by_GDP_(nominal)
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_electoral_systems_by_country



いかがでしょうか?

小選挙区制のGDPが34兆ドルと、他の制度を圧倒しています。






まさに「圧倒的じゃないか、我が選挙制度は」状態。笑







直接民主制の性格が濃い「比例代表制」なぞは12兆ドルしかなく、「ショボい国家専用」の制度です。

かつて日本が使っていた中選挙区制に至ってはマイナーすぎて、世界の主要国はどこも採用していません。

多様な民意の反映が云々とか死に票が云々とか発言する方がいらっしゃいますが、比例代表制や中選挙区制のもとでDQNな当選者に議会の議席を配分することはむしろ合理的な国家運営にとって弊害になり、衆愚政治へとつながりかねません。

20170701-1



そんな方々は、この100年間どんなときも圧倒的な超大国であり続けたアメリカがその100年間上院も下院も(地方選さえも)小選挙区制を使い続けていたという事実に、目を向けるべきなのです。



そして南米諸国はおしなべて、議会選挙に比例代表制を使っているのです。

小選挙区制でもなければ、勝者総取り方式の大選挙区制でもなく、第2次世界大戦の敗戦国(日独伊)が好んで使い続ける比例代表制を使っているのです。






20171009-2

こんなのが比例代表制の採用国。笑
元ネタがわからなかった方、すみません・・・






国家運営で重要な要素は三権分立や大統領の交代制であり、議会の選挙制度だけが重要なわけではありません。

が、それでも、もし南米諸国がアメリカのように上院も下院も小選挙区制を徹底していれば、多少はマシな国家、多少はマシな大陸になっていたことでしょう。

そしてそれができず、衆愚政治に陥ってしまうのが、南米の南米たるゆえんなのです。







――かつて、アルゼンチンは南米で唯一の先進国でしたが、議会選に比例代表制を採用したり大統領選に事実上の直接選挙を採用したりと直接民主制丸出しの選挙制度を使い続けて、途上国へと転落していきました

次に転落する先進国は、どの比例代表制採用国でしょうか――。