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タケノコ1梅雨の明ける頃までがタケノコのシーズンだ。この辺りでタケノコと言えばネマガリタケのタケノコである。シーズンになると一度は食べたくなる。志賀高原に棲んでいるサルやクマもこの時期にはタケノコを食べる。先輩職員から聞かされていた、サルたちは実に上手にタケノコを食べるのだと。どう上手に食べるかと文章で説明するのは難しいので省略するが、ネマガリタケのタケノコを剥いた事のある人ならなるほどと思うはずである。
そこで、山で採ってきたタケノコを与えてみた。するとどうだろう、サルたちは興味を示さない、欲しがらないのだ。地獄谷に棲むサルたちも昔はこの時期になるとタケノコのある山奥まで行っていたのだが、長い年月を経て行動範囲も少しずつ変わり、近年はタケノコのある辺りには行かなくなっている。サルたちも世代交代を繰り返し、今いるサルたちはタケノコを知らないのだ。
タケノコ2子ザルたちは何か珍しいものがあるとすぐに寄って来るが大人のサルたちは見向きもしない。目の前に差し出しても変なものを突きつけられたと逃げてゆく。それでも一旦手に取るとそこは本能で分かるのか、普段食べているものに近いことが分かるのか、確かめるように臭いを嗅いでからかじる。かじれば食べられると分かり食べ続ける。しかし、その食べ方は先輩職員に聞いていた実に上手な食べ方とは全く違う。ただがむしゃらにかじり付き皮を引き剥がしているだけだ。世代交代を経て上手に食べる方法も失っているのだ。サルたちの生活でも遺伝の他に親や仲間から子孫に伝わる習慣や知識、文化と言って良いかも知れない行動は年月を経ると共に変化してゆくのだ、人間の文化がそうであるように。